東京から飛行機で約1時間半、食料自給率約1,100%を誇る日本有数の食の宝庫、北海道・十勝。その中心に位置する帯広市をフィールドに、『フードバレーとかちマラソン』が毎年開催されています。今回は、同大会の魅力とともに、豚丼やチーズを使ったスイーツなど、十勝ならではのグルメをご紹介。十勝の大地を走ったあとは、名物でお腹を満たして旅を楽しみましょう!
文:渡邊 孝明

「フードバレーとかちマラソン」は参加特典もグルメおし!

北海道帯広市で2018年10月28日に開催される『2018フードバレーとかちマラソン』。今年で7回目を迎える同大会は、県外からも毎年多数の参加者が訪れ、合計で約5,000人のランナーが参加します。

画像: 『とかちフードバレーマラソン』の様子

『とかちフードバレーマラソン』の様子

『とかちフードバレーマラソン』で楽しめるコースは3つ。21.0975km(ハーフ)を制限時間145分のあいだに走る「とかち帯広の森コース」は、帯広市街にある「藤丸百貨店」からスタートし、白樺通りと呼ばれるメインストリートを抜け、郊外にある複合運動施設「帯広の森」で折り返してゴールを目指します。「帯広の森」には針葉樹やシラカバが植樹され、森林浴をしながらレースを楽しめます。日本陸上競技連盟公認コースということもあり、例年最も参加者が多いコースです。

「ばんえい十勝コース」は、帯広競馬場の脇を抜け、途中で折り返してゴールを目指すコースです。周りに高い建物がないので、見晴らしも上々。ジョギング気分で参加できます。「ファンランコース」は、市街を出たらすぐ折り返すコース。小学生も参加可能なので、親子でランが楽しめます。協力してゴールを目指す経験は、きっと家族の素敵な思い出になるでしょう。

また、本大会では仮装をして参加することも可能。ハロウィンの時期ということもあり、仮装ランナーも多数参加して大会を盛り上げます。一風変わった格好で走れば、大会の楽しみも2倍になるかもしれません。

画像: 仮装ランナーの様子

仮装ランナーの様子

街ぐるみで大会を盛り上げようとしている地元の方たちの姿勢も、この大会の大きな魅力。ボランティアスタッフの丁寧なサポートや、地元の方々からのあたたかい声援を受ければ、きっとやる気がみなぎってくるはずです。

さらに、嬉しい特典もいっぱい。参加者には、記念タオルや十勝産のとれたて野菜が贈呈されるほか、大会後は十勝産の食材をたっぷり使った豚汁が振る舞われます。また、ゴール会場に設置された十勝のご当地名物を堪能できる「十勝産食材の飲食ブース」や物販ブースで使える500円券ももらえます。

『2018フードバレーとかちマラソン』のエントリーは振込用紙による申し込みやウェブサイトからの申し込みが可能。締め切りは9月18日(火)となっているので、応募はお早めに!

『フードバレーとかちマラソン』
webhttp://www.foodvalley-marathon.com/

十勝で行くべきお店はここ!地元の素材を使ったグルメを紹介

帯広発祥のソウルフード。地元民にも愛される豚丼の名店「ぶた丼 とん田」

帯広の街を走り終えたら、十勝グルメを楽しむショートトリップへ出かけましょう。ぜひ味わっておきたいのが豚丼。お店ごとに特徴のあるタレで焼き上げた豚肉を、ご飯の上にのせた帯広発祥のソウルフードです。豚肉は、十勝開拓の父とも呼ばれる依田勉三(よだべんぞう)が詠った「開墾のはじめは豚と一つ鍋」という句にあるように、開拓の歴史のなかで庶民にとって馴染み深い食材だったようです。

今回ご紹介するお店は、JR帯広駅から車で約15分の場所にある「とん田」。こちらで味わえる豚丼はロース、バラ、ヒレの3種類の豚肉からメニューを選ぶことができます。おすすめは「バラぶた丼」。まるでバラの花のような鮮やかな盛りつけが美しい丼です。十勝産の豚肉を使用し、すべて手切りをして特に美味しい部分だけを提供しています。

画像: 「バラぶた丼」並盛り

「バラぶた丼」並盛り

「輸入や冷凍のものと違い、新鮮なお肉を一番美味しいタイミングで提供できるので、お肉の本来の味や脂身の甘さを楽しむことができます」。そう話すのは、店長の小野寺さん。帯広市内でも、お肉を手切りしている豚丼のお店は珍しく、細部までこだわって調理をしています。

先代から40年以上続いているという秘伝のタレは、子どもから大人まで世代を問わず食べやすい甘めの味つけ。小野寺さんは「味については好みがあります。もし当店の味が合わなくても、市内を探せばきっとお気に入りの豚丼が見つかりますよ」と、十勝の豚丼をリスペクトしながらも、とん田ならではの自慢の味を守り続けています。

ぶた丼 とん田
営業時間11:00~18:00(材料がなくなり次第終了)
定休日日曜
住所北海道帯広市東10条南17-2

世界が注目する贅沢ピッツア。極上チーズがたっぷりの逸品をリーズナブルに楽しむピッツェリア「Tuka」

続いては、極上チーズを贅沢に使ったピッツァのお店です。帯広駅から車で約45分、とかち帯広空港からは車で15分ほど。帯広市南部に隣接する人口3,000人ほどの更別村にある、さらべつチーズ工房。その敷地内にログハウス風の「ピッツェリア Tuka」があります。提供するピッツァには、さらべつチーズ工房の職人の野矢敏章さんと譲司さん親子が手づくりしている極上チーズを使用し、店主の塚本洋平さんが店内にある本格的な石窯で一枚いちまい丁寧に焼き上げています。

画像: ピッツァ「さらべつチーズ」

ピッツァ「さらべつチーズ」

おすすめのピッツァは「さらべつチーズ」。JAL 国際線のファースト・エグゼクティブクラスで提供されたり、2008 年に開催された『北海道洞爺湖サミット』で各国首脳に振る舞われたりと、世界最高クラスのチーズとして認められているゴーダチーズ「酪佳(らくか)」をはじめ、モッツァレラチーズ、ブルーチーズ「きまぐれブルー」、 ウォッシュチーズ「さらベつウォッシュ」をふんだんに使用しています。チーズの原料は更別村の良質な牛乳、塩、乳酸菌だけ。自家培養の乳酸菌で発酵し、熟成させています。1 枚 1,300 円というリーズナブルな価格で味わえるのも嬉しいポイント。もう一つ、トマトソース、モッツァレラ、バジルを使ったナポリピッツァ「マルゲリータ」もぜひ味わっておきたいメニューです。

画像: 木の温もりが感じられる店内

木の温もりが感じられる店内

小麦や野菜などの食材は、すべて北海道産のものにこだわった贅沢なピッツァ。週末ともなれば、お客さんですぐにお店が満席になってしまうことも。材料がなくなり次第その日の営業を終了するため、遠方からお出かけの場合は事前にお店へ確認することをおすすめします。

画像: ピッツェリアTukaでは「酪佳(らくか)」をはじめ、さらべつチーズ工房のチーズも販売

ピッツェリアTukaでは「酪佳(らくか)」をはじめ、さらべつチーズ工房のチーズも販売

画像: ピッツェリアTuka

ピッツェリアTuka

ピッツェリアTuka
営業時間12:00~20:00 / 水曜は12:00~16:00(材料がなくなり次第終了)
定休日木曜日
住所北海道更別村更別北1線95-20
電話0155-52-5575

あの六花亭本店で味わうサクサクスイーツ「六花亭 帯広本店」

六花亭 帯広本店

北海道のおみやげの定番「マルセイバターサンド」などの銘菓で、全国に多くのファンがいる六花亭。北海道内の一部の店舗でしか取り扱っていない限定のスイーツがあることをご存知でしょうか?

その一つが「サクサクパイ」。その名の通りサクサクのコルネ状のパイのなかには、しぼりたてのカスタードクリームがたっぷり。ベストな状態で美味しく味わってもらうため、食べ頃のタイムリミットは製造から3 時間以内。帯広市内の一部の直営店と、札幌本店だけでしか味わえないレアスイーツです。

画像: サクサクパイ

サクサクパイ

もう一つは「雪こんチーズ」。ココアビスケットと甘酸っぱくて濃厚なベイクトドチーズが絶妙の組み合わせです。時間が経つとサクッとしたビスケットの食感をそこなってしまうため、注文を受けてからつくっているそう。食べ頃は製造から 2 時間ほどなので、イートインがおすすめです。こちらは道内全地区の一部を除く直営店で販売しています。

画像: 雪こんチーズ

雪こんチーズ

画像: 六花亭帯広本店 2階喫茶室

六花亭帯広本店 2階喫茶室

六花亭 帯広本店
営業時間9:00~19:00、2階喫茶室10:30~18:30(L.O.18:00)※いずれも季節によって変動あり
定休日無休(年末年始を除く)
住所北海道帯広市西2条南9-6
webhttp://www.rokkatei.co.jp/

十勝の全てを味わえる、帯広の一大スポット「とかちむら」

「マラソン大会に参加するためだけに来たから、あまり観光する時間がない……」という方におすすめのスポットが、帯広駅から車で7分の「とかちむら」。世界で唯一の「ばんえい競馬」が開催される帯広競馬場内にあり、十勝のグルメをはじめ産地直送の野菜や加工品が一堂に会した帯広の一大スポットです。

画像: とかちむら

とかちむら

「とかちむら」は、食の宝庫・十勝の魅力を発信する観光交流拠点の複合施設として、新鮮な野菜や加工品が並ぶ「産直市場」、スイーツの魅力を発信する「スイーツ&セレクト」、カジュアルフレンチ、豚丼、ジンギスカンなどの料理が楽しめる「キッチン」の3つのゾーンで構成されています。

また、十勝で活躍するクリエイターによるオリジナル雑貨やアクセサリーを販売するセレクト雑貨店「Localista(ローカリスタ)」を併設。敷地内には、「ばん馬」の歴史が学べる資料館もあります。観光する時間が少なくても、ここに来れば効率良く十勝の魅力を体験することができます。

画像: ジンギスカンなどご当地グルメが楽しめる

ジンギスカンなどご当地グルメが楽しめる

ちなみに、ばんえい競馬とは、北海道開拓の時代に農耕馬として活躍した「ばん馬」がそりをひきながら力や速さなどを争う帯広市主催の国営競技。年中無休で夜のレースも開催しているので、大会に出場してからレースを観戦することも可能です。どの馬が一番速く走れるかを予想しながら、十勝の名物を楽しんでみてはいかがでしょうか。

画像: 「産直市場」に並ぶ十勝産の新鮮野菜

「産直市場」に並ぶ十勝産の新鮮野菜

とかちむら
営業時間店舗により異なる
定休日無休(店舗により異なる)
住所北海道帯広市西13条南8-1
webhttp://tokachimura.jp/

今回ご紹介した十勝のおすすめグルメスポットはほんの一部。たとえば、豚丼が味わえるお店は、十勝だけでも80店近くあり、お店によって使っている豚肉やタレ、そして焼き方のこだわりもさまざま。十勝に何度も訪れて、自分だけのお気に入りを探すのも楽しみの一つです。食の魅力にあふれた十勝では、旬の食材など、季節ごとにも違った楽しみがあります。『2018フードバレーとかちマラソン』をきっかけに、十勝の食の豊かさを体感してみてはいかがでしょうか?

渡邊孝明(わたなべ たかあき)

北海道生まれ、在住。エディター&ライター。都内の編集プロダクション、出版社で雑誌編集者などを経て、ウェブデザイン会社でプランナー兼ライターを担当。現在、観光関連施設の職員として店舗運営や商品開発を担当する傍ら、北海道を拠点に各地を取材し、新聞・雑誌・ウェブなど多分野で活動を展開している。北海道新聞・夕刊で毎週旅のコラムを連載中。『北海道JR駅舎図鑑463』(成山堂書店)出版。

※2019年8月15日に一部内容を更新しました。

掲載の内容は記事公開時点のもので、変更される場合があります。

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