日本航空〔徳島支店〕 星野
皆さま、こんにちは。日本航空 徳島支店の星野です。
唐突ですが、下の地図を見てください、何か気づきませんでしょうか?
地図は徳島県、西から東へと流れる川は徳島県の母なる川、吉野川になります。
そう、よく見ると吉野川がカックンと折れ曲がっているのがわかりますでしょうか。川がこんなに90度近くカックンと折れ曲がった場所、不思議だと思いませんか?川は右に左にと緩やかに蛇行しながら流れるイメージですが、ここまで曲がるのは何か不思議がそこにあるのでは。
ということで、今回はその現地、徳島県の西部にある、三好市と東みよし町をご紹介いたします。
徳島阿波おどり空港から車で約1時間20分。見てください!ここが地図でカックンと折れ曲がった場所になります。(写真は馬場展望台から。JR阿波池田駅から約12分)なぜこんなに川が折れ曲がったのでしょう?
聞くところによると、昔、昔、吉野川は南から北、地図では下から上、香川方面に流れていたそうですが、約300万年前頃からの中央構造線の活動により、北側が隆起し讃岐山脈ができて川の流れが遮られ、東側に向きを変えてしまったようです。
この川の流れで雨が少なく大きな河川がない香川県はうどん文化が、そして吉野川が運んだ肥沃な土壌により藍作が栄えたのが徳島県になるのだとか。う~ん吉野川は偉大、このカックンの折れ曲がりはすごいことなんだと思いました。池田の町を一望でき最高の景色です。
先ほどの話の中で中央構造線という言葉が出てきましたが、ん?なんだか聞き覚えのある言葉ですね。そう学校の地理、地学で教わった言葉、中央構造線が地表にでている場所があると聞き、今度はその場所へ。
これわかりますか?
写真の赤く囲った場所、ここがまさに中央構造線が露出しているところになります。
三野地区、道の駅三野の駐車場からスロープで降りた場所、橋のたもとで、なかなか目に留まりづらく、えっ!こんなところに!と驚きが隠し切れませんが、一見の価値ありです。
中央構造線が露出している場所はここの他にも、複数点在しており、地理や地学の好きな方にはたまならない地域です。
場所は変わって今度は井川・東みよし町地区。ここは美濃田の大橋という場所を境に上流と下流で景色が変わるのです。
これまたなぞなのですが、解説によるとこうです。
美濃田の大橋付近で川の流れが急に狭くなり、下流へ流れる量が限られることから、増水時には上流側が浸水してしまうそうです。吉野川の北岸と南岸で土地の使われ方が違うそうで、ここも興味深いエリアです。
次のなぞが、ここ、祖谷地区、落合集落です。
見てください、この傾斜地。なぜこのような傾斜地集落になったのか。
ここは昔、地すべりが何度も生じた場所だそうで、少し緩やかになった傾斜地集落がいくつも点在しています。
江戸の中期から明治期にかけて造られた民家や石垣は独特な工夫があり、歴史的価値が高く、国の重要伝統的建造物群に選定されています。
そして、ここにはもう一つのなぞが。落合集落は平家落人伝説が残っているところです。
この景色をみていると、人目を避けるにはピッタリの場所だったかもしれません。今度は歴史好きの方にはたまらない場所だと思います。
そして最後は大歩危・小歩危・祖谷渓地区のこの景観です。
わかりますか、渓谷がひらがなの「ひ」の字に見えますよね。その名も「ひの字渓谷」です。これまたなぞで、どうしてこのような渓谷になったか。
聞くところによるとこうです。
硬い岩石からできていて、過去の大地の変動で亀裂が入ります。そこに祖谷川の水が流れ込んで硬い岩石が削られ、特徴ある景観が誕生したそうです。
徳島県の観光地、大歩危・小歩危・祖谷のかずら橋は皆さま聞き覚えがあるかと思いますが、そこからさらに足を運んでいただくと、このような絶景が待っています。心も体もリフレッシュしてみてはいかがでしょうか。
心も体もリフレッシュした後はお腹がすきますよね。
最後は食。この祖谷地区は祖谷そばが郷土料理として有名です。
今回立ち寄ったのは大歩危・小歩危の入口にある、祖谷そばもみじ亭さん。築200年を超える平家集落の古民家を移築したもので、外観も店内もとても雰囲気の良いお店です。私がいただいたのはシンプルに祖谷そば。つなぎが少ないためか少しモソッとした感じで、麺はやや太め、そばの香りを楽しめました。そばに付く、岩豆腐、祖谷こんにゃくの煮つけは郷土の代表となる食材だそうで、こちらも美味しかったです。
〔お問い合わせ先〕祖谷そばもみじ亭
住所 | : | 徳島県三好市山城町西宇1468-1 |
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電話 | : | 0883-84-1117 |
営業時間 | : | 11:00~17:00 ※ラストオーダー16:30 |
定休日 | : | 不定休 |
いろいろと、三好市、東みよし町をめぐってきましたが、この地域・景観がなんと先月10月9日に日本ジオパークに認定されました。ジオパークとは「地球の過去を知り、未来を考えて活動する場所」とのこと。今回お世話になりました三好ジオパーク推進協議会事務局長の山口哲司様は、次のようにお話されていました。
「三好ジオパークエリアは、「傾斜地集落の景観」「峡谷の景観」「吉野川平野部の景観」など魅力的な景観を有しています。今回の日本ジオパーク認定は三好地域に育まれた大地の自然、歴史文化などの三好ジオパークの宝とともにさまざまな活動が評価されたと嬉しく思います。今後も地球活動遺産をはじめとした多様な地域資源を地域住民・民間団体・企業・研究者・行政などが協働して保全するとともに教育、ツーリズム、防災などに活かし、持続可能な社会実現を目指してしっかり活動を進めていきます。ぜひ、三好ジオパークにお越しください。」
〔お問い合わせ先〕三好ジオパーク推進協議会事務局(三好市産業観光部ジオパーク推進室内)
住所 | : | 徳島県三好市池田町マチ2145番地1 |
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電話 | : | 0883-72-7653 |
皆さま徳島に来た際は、三好ジオパークエリアにぜひ足を運んでいただき、すてきな景色を目に焼き付けてください。
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