俵山温泉。懐かしさに触れ、こころもからだも一休み

山口県長門市役所 企画総務部　露木

皆さまこんにちは！
山口県長門市役所 企画総務部に出向している露木です。

早速ですが皆さま、長門市はご存じでしょうか？
長門市は本州の最西北端、山口県の西北部にあり日本海の豊富な漁場であがる魚介は一年中さまざまな味を楽しむことが出来ます。
また蒲鉾や竹輪といった水産加工も盛んなまちでもあり、製造時に使いきれなかったアラなどを捨てることなく鶏の餌にしたことから養鶏が盛んになり、今では「やきとりのまち」とも言われております。

そんな海山の幸が味わえる道の駅センザキッチンはこちら。

センザキッチン

また今年8月には北海道から沖縄までのやきとり店や、地元グルメ店が集まる、ご当地やきとりの全国大会「やきとりJAPANフェスティバル2023in長門」の開催いたします！

やきとりJAPANフェスティバル2023in長門

さて、そんな美味しいものがたくさんの長門市ですが今回は長門市の中でもディープな温泉街、俵山にスポットを当てて皆さまにご紹介したいと思います。

俵山温泉の始まりは、地元伝承によると916年 平安時代中期。
俵山の猟師が白猿を矢で射て仕留めようとしたが、惜しくも逃してしまった。後日、矢傷を負ったその白猿に出くわしたところ、白猿はしきりに清水を傷口にかけており、再度白猿を捕まえようと近づいたが、白猿は光を放って薬師如来に変身し、紫色の雲に乗って去っていったとか…

猟師は白猿が手ですくっていた清水に触れてみると、水は暖かく湯気が出ており、付近にある能満寺に駆け込んで事情を伝えると、寺の住職は猟師に「そのあたたかいお湯は「温泉」と呼ばれるものです。薬師如来は、慈悲恩愛の道理を教えるために現れたのです。あなたは今日から山を開拓し、人々の病や苦しみを癒せば、これまでの行いが償われるでしょう」と言ったので、猟師は感嘆し村人と協力して草木を刈って泉源の岩石を開き、浴場を整備したといわれています。

このような言い伝えのある俵山温泉は、江戸時代には長州藩毛利家直営の湯治場として使われた歴史があり、その確かな泉質から、国民保養温泉地に指定されています。リウマチや神経痛に効能があるとされ、かつては湯治場として、全国各地から多くの方が長期滞在をして療養されていました。
完治し不要になった松葉づえが置かれている写真は湯治場として栄えていたことが良くわかります。

現在でも湯治を目的とした長期滞在される方や、癒しとノスタルジックな雰囲気と風情を求めて遠方からもさまざまな方にお越しいただいております。

俵山温泉の特徴は「外湯文化」。

古くから、湧出量が少なく良質な泉質や温度を守るため多くの旅館は内湯を持たず、お客さまはお宿からメインストリートを歩いて外湯に向かいます。
現在は、「白猿の湯」「町の湯」の2つの共同外湯温泉があり、かけ流しの新鮮なお湯を楽しめます。特に町の湯は、施設内に泉源があり、源泉かけ流しの新鮮なお湯を楽しめます。
「町の湯」の名前のとおり、その存在は地元の方々の日常に溶け込んでおり、早朝から多くの入湯客で賑わいます。
白猿の湯には、なんと愛犬も入れるペット湯があり、ペットも癒されることができます。（※要予約）

また「町の湯」の入り口には、飲泉所があり、温泉を飲むことができます。

温泉独特の硫黄の匂いがほのかに香り、身体に良さそうなお味。「飲む→入浴→飲む」の流れがおすすめ。便秘や胃の症状、肥満症に効果があります。飲み湯で、身体を内側からも整えてみませんか。

町の湯

白猿の湯

白猿が発見したといわれている温泉の由来にちなんで、「見ざる、言わざる、聞かざる」の三猿をかたどった、焼饅頭「三猿まんじゅう」が1951年の発売以来70年以上、土産菓子として名物となっています。
名物三猿まんじゅうのあま～い香りに誘われ、一口サイズのかわいいお饅頭は2個3個とついつい食べ過ぎてしまいます…。黒あんと白あんの2種類の味があり、どちらが当たるかは食べてからのお楽しみ。
ガラス越しに職人さんが三猿まんじゅうを焼く姿も見学できます。

福田泉月堂

そして入浴後にお勧めしたいのが、これまた昔ながらのレトロな雰囲気が残る「ヘアーサロン高林」での顔そりです。入浴後は肌も柔らかくなり、毛穴も開くので産毛を剃るには絶好のタイミング。
くすみも無くなりトーンや透明感Upするそうなので、わたくしも大事なプレゼン前には行こうかと思っております。

ヘアーサロン高林

顔や体の中も外もリフレッシュされたところで、少し俵山を回ってみましょう。
俵山温泉中心街から車で10分ほど、まずお立ち寄りいただきたいのは、ここ津田農園さん。

農学博士が作るブラックベリー、ブルーベリー、ブドウ、栗などの本来のおいしさにこだわった身体にやさしい果物が楽しめる農園です。
津田農園直売所で食べられる季節ごとの旬の果物で作るフルーツアイスは、果物そのものの本物の味がしっかり味わえ、客足が途絶えないほどの人気！
フルーツ狩り、果物の購入や、苗木の購入などもできます。ゆったりとした幸せな時間をお過ごしください。

津田農園

美味しいフルーツ・スイーツを頂いた後は俵山の夏を感じに河川プールへ行きましょう。
ここ七重川河川プールは七重川の景勝 七段の滝のすぐ近くに位置するプールです。
蛍飛び交う清流を汲み上げ、俵山地区特産の木炭でろ過した水はとても綺麗！
塩素の嫌なにおいがしないので苦手なお子さまにもゆっくり楽しんでいただけます。
最初は水の冷たさには最初ビックリしてしまうかも…。
小さいお子さま用プールもございますし、近くに流れる川にも下りられるので川遊びも出来ます。
しかも入場無料なのです！！
今年のオープン前には日本航空ラグビー部JAWINGSも清掃活動に加わる予定です。
皆さまにお楽しみいただけるよう万全の準備をいたしますので、ご来場をお待ちしております。

七重川河川プール

わたくし露木がstaff voiceをお届けいたしましたが、わたくしがお届けるのは今回で2回目でございます。
前回は、ラグビーのまち岩手県釜石市https://ontrip.jal.co.jp/jalstaffvoice/17315238をご紹介させていただきましたが、今回お届けしている長門市もラグビーのまちでございます。

俵山にあるヤマネスタジアムは、ラグビーワールドカップ2019や東京2020オリンピック出場チームの事前合宿地として利用されました。
また太陽生命ウィメンズセブンズシリーズ2023で総合優勝（完全優勝：24勝無敗）した
ながとブルーエンジェルスのホームグランドでもあり、県内外からたくさんのチームが試合や合宿にお越しいただいております。

また「アウトドアアクティビティを結び付けた新しいツーリズムの創生」の取り組みとして、グランド施設内でテントサウナを実施する“グランドサウナでととのう”の実証実験も始まりました。
サウナに入り、俵山名産のゆずきちドリンクを飲めばより深いととのいが待っているはず…。

長門市ではスポーツ合宿誘致事業補助金制度も実施してございますのでぜひご活用ください。
https://nanavi.jp/company/sports2/

ヤマネスタジアム俵山

他にも、手打ちそばや丁寧な下処理・加工をしたジビエ、手作りパンやスコーンにコーヒーなどご紹介したいことが尽きません！

そこで！たくさんの魅力を持つ俵山温泉をもっと皆さまにお届けしたく、短編映画製作プロジェクトが進行中です。
この映画は、一般社団法人長門青年会議所と地域が連携し、令和5年秋に完成する予定です。
動画投稿サイトでの配信を通じて、俵山の魅力を全世界に発信していけるよう、公益社団法人日本青年会議所とも連携してまいります。今から公開が楽しみです。
映画を観た人が、実際に体験できる体験ツアーや聖地巡礼ツアーなどの造成も検討しておりますので、ぜひ皆さまにも見て、俵山を知っていただきたいと思っています。

また長く愛される温泉街を目指し、街を1つの旅館と見立て、回遊しながら温泉、宿泊、飲食、体験を楽しんでいただく「まちごと旅館」構想に向けたチャレンジが始まりました。
これから数年をかけて、エリア全体でアップデートし、歩きたくなる街なみの整備や持続可能な温泉街の運営システムの構築に取り組む予定です。

古くは江戸時代のお殿様からも保養や療養を目的とした湯治場として親しまれた俵山温泉。
現在のどこか懐かしい雰囲気を活かしながら、新しく生まれ変わる俵山温泉にご期待ください。