おいしいごはん屋さんやかわいいお店がひしめく街、韓国・ソウル。週末を使って訪れる旅行先としても人気です。朝から遊んで、次の日の夜には日本に戻るという短い時間だったとしても、その街で暮らしている人に街を案内してもらえたら、きっと充実した旅になるはず。今回は、韓国のカルチャーに魅せられ、現在ソウルに留学中のモデルの前田エマさんに、「友達を招いて、一緒にソウルを旅するなら?」をテーマに1泊2日の旅プランを考えてもらい、その魅力とともに綴っていただきました。新旧の韓国料理を楽しみ、雑貨やアートを巡るソウルの旅、ぜひお楽しみください。
画像: アートも食も楽しい!韓国・ソウル1泊2日旅を現地で暮らす前田エマがナビゲート

今回のナビゲーター:前田エマさん

1992年神奈川県生まれ。東京造形大学を卒業。オーストリア ウィーン芸術アカデミーの留学経験を持ち、在学中から、モデル、エッセイ、写真、ペインティング、ラジオパーソナリティなど幅広く活動。アート、映画、本にまつわるエッセイを雑誌やWEBで寄稿している。2022年、初の小説集『動物になる日』(ミシマ社)を上梓。現在、ソウルの語学堂に留学中。

Instagram:@emma_maeda

旅のテーマは「豊かな食文化を楽しみながら雑貨やアートを巡る旅」

韓国はとにかくごはんがおいしくて、楽しい!

ワイワイしながら食べられる焼肉や鍋料理はもちろん、韓国の伝統を感じる繊細で美しい食事もぜひ体験してほしいです。“辛い”だけじゃない、韓国の食文化に私は夢中です。

進化し続けているカフェや、デザートがおいしいお店に行くのも韓国旅行の醍醐味ですよね。内装も素敵で、心がときめきます。

そして、誰もが興奮せざるを得ない、活気ある市場も忘れてはいけません。ハルモニ(おばあちゃん)たちがパワフルに働く姿に、毎回感動と元気をもらいます。

ソウルにはこだわりが詰まった小さな雑貨店なども多く、友達を連れていきたいお店が日々増え続けていて、どれを紹介するか困ってしまいます(笑)。若い作家の手作りの作品を販売するお店を巡るのも楽しく、現代の作品を知ると自然な流れで、韓国の伝統工芸にも興味が湧きます。若い作家たちは海外で学び、韓国に戻ってきて、この国の良さを取り入れつつ、新しいものを提案している人が多いんです。

そして、アートスポットもぜひ巡ってほしい。ソウルはここ数年、世界中のギャラリーから注目を集める“アートが熱い街”なんです。韓国のアーティストを知るのも楽しいし、美術館やギャラリーにはソウルの若者もたくさん来ているので、その雰囲気を感じてみてほしいです。

9:00
“THE 韓国”な屋台飯が食べられる市場で朝ごはん

広蔵市場(クァンジャンシジャン)

ソウル市の中心部・鍾路にある「広蔵市場」は、100年以上続くソウルでいちばん大きな市場です。朝からやっているので、ここでまず朝ごはんを食べましょう。

ピンデトッ(緑豆のチヂミ)

ハルモニたちがテキパキと作ってくれるカリカリホクホクのピンデトッ(緑豆のチヂミ)や、食べ出したらキリがない麻薬キンパ(麻薬のように中毒性のある、屋台で売られている韓国風海苔巻き)、トッポッキなどの“THE 韓国”な屋台飯から、スイカジュース、くるみの形をしたカステラ、もちもちとした米粉の揚げドーナツであるクァベギなんかもおいしいです。

私が大好きな、新鮮なユッケとまだウニョウニョと動くテナガダコを混ぜて食べるユッケタンタンイもおすすめです。

12:00
美術館やギャラリー、飲食店や手工芸の店を巡り、お昼ごはんを

景福宮(キョンボックン)エリア

お次はタクシーかバスに乗って、観光名所でもある朝鮮王朝の王宮「景福宮」のほうへ。
景福宮のまわりは、若者に人気がある「AMOMENTO(アモーメント)」「SHOP AMOMENTO(ショップアモーメント)」「HALOMINIUM(ハロミニウム)」「hai(ハイ)」「TOUT Y EST(トゥティエ)」などのブランドショップやセレクトショップなどもあれば、「NONFICTION(ノンフィクション)」「TAMBURINS(タンバリンズ)」「GRANHAND(グランハンド)」などの香水店もあり、いつも賑わっています。

国際ギャラリー

「国立現代美術館」「国際ギャラリー」「アートソンジェセンター」「BOAN1942(ボアン旅館)」といった美術館やギャラリーもあり、よく足を運びます。今回の旅は時間が限られているので、事前に面白そうな展示をチェックして行ってください。それと韓国は美術館に限らず、月曜が定休日の店が多いので気をつけてくださいね。「0fr. Séoul(オーエフアールソウル)」「BOAN BOOKS(ボアンブックス)」「IRASUN(イラソン)」などアートブックを扱う店も楽しいです。

画像: BOAN BOOKS

BOAN BOOKS

そして景福宮のまわりは、昔ながらの韓国らしさを守る飲食店や手工芸の店なども共存しているエリア。「スジェビと麦飯(スジェビワポリパブ)」や「土俗村参鶏湯(トソッチョンサムゲタン)」などのお店もおいしいですが、私のおすすめは「アンドク」。お昼ごはんはここで食べましょう。人気なので電話できるなら予約してから行くか、早め、もしくは遅めの時間を狙ってもいいかもしれません。

画像: アンドクの水餃子(左)と蒸した牛肉がのった麺(右)

アンドクの水餃子(左)と蒸した牛肉がのった麺(右)

水餃子、蒸した牛肉、透き通ったスープ、獅子唐の肉詰め……どれも美しくて優しい味わいです。北朝鮮出身のおばあさんから教わった味を、若いシェフが受け継いでいます。清潔な店内もいい。

その近所にある「イルサンヨベク」は日常使いしやすい、韓国の白磁や茶器、お盆などが揃います。現代の作家の作品を扱う「阿園(アウォン)工房」は、お母さんが40年前に始めた店を、20代の兄妹が譲り受けて営むギャラリー兼カフェです。アクセサリーからオブジェまで、隅々まで楽しい空間です。韓国の伝統工芸を、現代らしくアレンジしたアイテムなどもありますよ。

16:00
紙物や編み物、手工芸にまつわる小さなお店たち。疲れたら、甘いものを

延禧洞(ヨニドン)・弘大(ホンデ)エリア

タクシーで、西のほうにある延禧洞・弘大エリアへ。移動はバスや電車を使ってもいいですが、時間を無駄にしたくない人にはタクシーがおすすめかもしれません。日本に比べて安いですし、カカオタクシーやUberなどのタクシーアプリも便利です。

POSET

韓国に来て驚いたことのひとつが“紙物”の店の充実度です。デジタル化が進んでいる社会なのに、若い人たちは手で書くことを大切にしているような気がします。ポストカードの専門店「POSET(ポセット)」、知らない誰かと文通ができるサービスも人気のレターショップ「geulwoll(クルウォル)」、アートブックや紙物グッズを扱う「YOUR-MIND(ユアマインド)」などは、訪れてほしい場所のひとつです。

Banul Story

編み物が好きな人には「Banul Story(バヌルストーリー)」がおすすめ。店内に置いてある見本の中から作りたいものをレジに持っていくと、毛糸の種類を教えてくれるだけでなく、編み図、そしてYouTube動画のURLまでついてくるんです。韓国語がわからない人も大丈夫かと思います。

LE SOLEIL

買い物の合間には、甘いものを食べ歩きするのもいいですね。「cold recipe(コールドレシピ)」のアイスクリームは、優しい味でお気に入り。季節によってフレイバーが変わります。マドレーヌの店「LE SOLEIL(ル ソレイユ)」は、種類が豊富で目移りしてしまうだけでなく、シソやジャガイモなどの変わり種も。

olemusのソフトクリーム

座ってスイーツを楽しみたい人にぜひ行ってほしいのは、アイスクリームや焼き菓子が有名なカフェ「olemus(オレムス)」です。ピスタチオ、ほうじ茶など季節によってフレイバーが変わるソフトクリームは、深い味わい。こだわり抜いたおいしいデザートは、宝石のように美しい。

sayujib

今をときめく手工芸のお店たちは、店内のインテリアを含め、本当に心が高鳴る場所。秘密の庭を抜けた先にある「t.t.a(ティーティーエー)」、その審美眼とセンスに脱帽しっぱなしの「sayujib(サユチブ)」には、現代の作家の作品から古道具まで揃います。「OJACRAFT(オジャクラフト)」はOJAさんが作る器や陶器を満喫できる店です。

19:00
夜は焼肉屋さんへ。その後は、ホテルのバーに行く?お部屋でマッコリを飲む?

弘大(ホンデ)エリア

プルトゥンヌンテジのセリのチヂミ

夜ごはんは、焼肉がいいかな。今大人気のお店「プルトゥンヌンテジ」は、セリを豪快に使った豚肉の焼肉店。セリのチヂミがとにかく美味なので、ぜひ食べてほしいです。そのすぐ近くにあるナッコプセの店「ピョンファヨンナム」も大好き。ホルモンやタコ、エビを鍋で煮た、釜山の郷土料理です。最後、残った汁で作るポックンパ(チャーハン)が本当に最高なんです。

弘大のバーで

弘大は、ホテルが立ち並ぶ繁華街なので、夜はホテルのバーで過ごしても楽しいし、遅くまでやっているカフェに行くのもいいです。コンビニで買えるマッコリも安くておいしいので、持ち帰ってホテルでワイワイしても楽しいかも。

8:00
ソウルを去る前に早起きして食べたい、干し鱈のスープ

市庁(シチョン)エリア

2日目の朝はソウル中心地にある市庁エリアへ。

ムギョドンプゴグッチッの干し鱈のスープ

早起きして食べてほしいのが、干し鱈のスープ。「ムギョドンプゴグッチッ」は1968年創業の店で、観光客だけでなく地元の方にも長い間愛される店です。

知れば知るほど魅せられていく、そんな場所

さて、今回はここまでです。空港に行くまでに時間があったら、他のエリアなどに足をのばしてみるのもいいかもしれません。もっとニッチな場所や、本当にしょっちゅう訪れている気楽な店など、紹介したいところは山のようにあるのですが、時間が足りませんね。

かわいくておいしい場所ばかりでなく、ソウルには、韓国の歴史を知ることができる素晴らしい博物館や、小さいけれど充実した美術館、偉大な作家の記念館なども数多くあって、知れば知るほど魅せられていく、そんな場所です。

いつか、そういう場所のことも、皆さんに伝えられたらいいなと思っています。そして何よりも、人が面白く、親切な街です。お節介だなあと思うくらい!(笑) 日々、ありがたい気持ちで過ごしています。皆さんもぜひ、遊びにいらしてくださいね。

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