美しき夜空を求めて　オーロラ舞う、アラスカへ

夜空に舞う光のカーテン　オーロラの不思議

真っ暗な夜空にゆらゆらと輝く幻想的なオーロラは、古くから人々を魅了してきた神秘の発光現象。オーロラ発生の詳細なメカニズムは未だ解明されていませんが、太陽から放出された太陽風が地球の磁気バリアに吹き付けることで強い電流が発生し、発光すると考えられています。

オーロラが発生するのは、北極と南極の周辺。なかでも特にオーロラが頻繁に発生する緯度60度～70度周辺はオーロラベルトと呼ばれています（南半球のオーロラベルトは南極大陸周辺に位置するため、オーロラ観測旅行を楽しめるのは、一般的に北緯60度～70度付近）。オーロラは季節や気温にかかわらず一年中宇宙で発生している自然現象ですが、高緯度地域の夏は白夜に近いため、観測することが困難です。そのため、夜が長くなる9月～3月頃が、オーロラ観測に適したシーズン。この時期のアラスカを旅すれば、地元の人々から「昨夜のノーザンライツ（北米でのオーロラの呼称）を観たか？」という言葉が聞こえてくることでしょう。

オーロラ観測の拠点　フェアバンクスの街へ

北米大陸の西北端に位置し、北緯約51度～71.5度にかけて広がるアラスカ州。なかでもアラスカで2番目に大きい都市であるフェアバンクスは、オーロラ観測の拠点として有名な場所。9月～3月のオーロラの時期になると、この街には世界中から多くの人が集まってきます。

では、なぜフェアバンクスがオーロラ観測に適しているでしょうか。その理由としてまず挙げられるのが、北緯約65度とオーロラベルトの真下に位置していることです。また、フェアバンクスは年間を通して晴天率が高い場所のため、高確率でオーロラを鑑賞できることも魅力です。さらに、アンカレッジに次ぐアラスカ第二の都市であるフェアバンクス郊外には、オーロラ観測の拠点として利用できるホテルやロッジが豊富に点在。市内からのオーロラ観測ツアーも多数催行されています。もちろんフェアバンクスには日中に楽しめるスポットやアクティビティもたくさんあるので、「昼間は観光を楽しんで、夜はオーロラ！」という旅のスタイルも可能です。

防寒具とカメラを準備！オーロラをより楽しむために

オーロラは、大自然が生み出す神秘の発光現象。その光がいつ夜空に現れ、いつ消えるのか、正確なことは誰にもわからないもの。ほとんどの場合、ロッジや小屋、車中などの暖かい場所でオーロラの出現を待つことはできますが、オーロラが輝いている間は外気にさらされることが避けられないものです。冬のフェアバンクスはマイナス30℃～40℃近くまで冷え込むこともある過酷な環境なので、夜空の下でオーロラを待つための防寒対策は必須。分厚いダウンジャケットやダウンパンツ、手袋、帽子、靴下、カイロなどを準備しておきましょう。防寒具は現地のお店で買うこともできますし、ツアーによっては防寒具を貸し出してくれる場合も。現地調達の可不可も含めて、出発前の入念なチェックを忘れないようにしてください。

オーロラ観測は一生モノの思い出になる貴重な体験。その感動を記録するためには、やっぱりオーロラ撮影が可能なカメラ機材を持参するのがおすすめです。持っていきたい機材としては、シャッタースピードや露出、感度などをマニュアルで設定できる一眼レフやミラーレスカメラ、長時間露光に耐えられるしっかりとした三脚、開放絞り値（F値）の明るい広角レンズなど。低温下ではバッテリーの消費が激しいため、予備のバッテリーやバッテリーを温めるためのカイロも用意しておきましょう。十分な準備でオーロラ撮影に望めば、帰国後に自慢したくなるような最高の一枚をモノにすることができるはずです！

オーロラ＋αで楽しみたい　冬のフェアバンクスの魅力

冬のフェアバンクスには、オーロラのほかにも体験しておきたいさまざまな魅力があります。たとえば、犬ぞり体験は冬のアラスカを代表する人気アクティビティのひとつ。白銀の大地をまっすぐに駆け抜ける犬ぞりならではの疾走感は、きっと鮮烈な旅の思い出になるはずです。また、北米最高峰・デナリ山（旧称マッキンリー山）や北極圏の大地を一望できる遊覧飛行も、アラスカの壮大な風景を楽しめるアクティビティ。さらに、ゴールドラッシュ時代に発見されたチェナ温泉まで足をのばして、温泉とオーロラ観賞を楽しんでみるのもおすすめです！