北米大陸の西部、アメリカとカナダにまたがるロッキー山脈。長さ約4800kmにもわたるその山々は、北へ行くほど険しさを増し、そして美しくなるといわれており、北側であるカナダ国内の地域は「カナディアン・ロッキー」と呼ばれています。
画像: 写真提供:Finn Beales/カナダ観光局

写真提供:Finn Beales/カナダ観光局

カナディアン・ロッキーの壮大で美しい景色を堪能できるのが、4つの国立公園と3つの州立公園からなる「カナディアン・ロッキー山脈自然公園群」。険しい山々とその周辺に残る手付かずの大自然はユネスコの世界自然遺産にも登録されています。

魅力たっぷりのカナディアン・ロッキー山脈自然公園群の見どころを、公園ごとにエリア分けしてご紹介していきましょう。

画像: カナディアン・ロッキー山脈の地図つき観光ガイド 絶景&アクティビティ|OnTrip JAL

カナディアン・ロッキー山脈の地図つき観光ガイド 絶景&アクティビティ|OnTrip JAL

イラスト:すずの木

【カナディアン・ロッキー山脈自然公園群とは】美しい景色の宝庫

画像: 写真提供:Paddy Pallin/カナダ観光局

写真提供:Paddy Pallin/カナダ観光局

カナディアン・ロッキー山脈自然公園群を構成するのは、以下の7つの公園です。
・バンフ国立公園
・ジャスパー国立公園
・ヨーホー国立公園
・クートニィ国立公園
・ロブソン山州立公園
・アシニボイン山州立公園
・ハンバー州立公園

標高3000m級にもなる山々がいだく氷河や湖、滝、渓谷などの大自然が、1984年にユネスコの世界自然遺産に登録されています。
美しい景観を見て楽しむだけでなく、山では登山やハイキング、湖ではボート、さらには氷河を巡るツアーや、温泉なども楽しむことができる場所として、世界中から多くの観光客が訪れています。

【気候とベストシーズン】カナディアン・ロッキー山脈の観光シーズンは夏。冬はスキーが人気

画像: 写真提供:White Mountain Adventures/カナダ観光局

写真提供:White Mountain Adventures/カナダ観光局

カナディアン・ロッキーのおすすめ観光シーズンは、6月末から8月ごろまで。冬に凍った湖が溶けてから夏までの間が、雄大な自然の景色を存分に楽しめるタイミングです。

また、雪が降る10月中旬からの冬は、スキーシーズンとして賑わいます。11月には一面が雪に覆われる冬景色に変わり、夏とは違った自然の美しさを感じることができるのです。

画像: 写真提供:Canadian Tourism Commission/カナダ観光局

写真提供:Canadian Tourism Commission/カナダ観光局

山岳気候であるカナディアン・ロッキーは、1年を通して1日の気温の変化が大きいのが特徴です。

夏には30度を超える日もありますが、天候が悪ければ夏でも雪が降ることもあるので注意が必要。秋には紅葉を楽しむこともできますが、真冬並みに冷え込むこともあるので、防寒着は必須です。

標高が高いので日射病予防のために帽子などを用意しておくといいでしょう。

【アクセス方法】カナディアン・ロッキー山脈の観光の拠点はバンフとジャスパー

画像1: 写真提供:Banff Lake Louise Tourism/Paul Zizka/カナダ観光局

写真提供:Banff Lake Louise Tourism/Paul Zizka/カナダ観光局

カナディアン・ロッキー山脈自然公園群へは、鉄道もしくはレンタカーなどの車で訪れることになります。観光の拠点となるのは、国立公園のあるバンフとジャスパーの2つの町。まずはそこを目指すのが良いでしょう。

鉄道なら、バンクーバーからバンフもしくはジャスパーへ。
車なら、カルガリーからバンフへ、エドモントンからジャスパーへ向かうルートが一般的です。

カナディアン・ロッキー山脈自然公園群の見どころを巡るためには、バンフやジャスパーのホテルに宿泊しながら、ツアーバスやレンタカーを利用して周辺スポットへ足をのばすのがおすすめ。日本人でも安心して参加できる日本語ガイドのツアーもあります。

カナダでは貴重な自然を守るため、国立公園への入場料の支払いが義務づけられています。国立公園内では、ゴミ捨てや植物・石の採取などをはじめ、木々を傷つけてはならない、動物に餌をやらない、大型動物に近づいてはならないなどの禁止事項もあるので、滞在中は注意するようにしましょう。

ここからは、公園ごとにおすすめの絶景スポットをご紹介します。

【バンフ国立公園の見どころ】ターコイズブルーの湖と雄大な山々

画像: 写真提供:Max Muench/カナダ観光局

写真提供:Max Muench/カナダ観光局

バンフ国立公園は、1887年にカナダで最初に指定された国立公園。面積は6641km2で園内を通る道路の長さは1600kmを超えます。公園内には、ターコイズブルーのモレーン湖をはじめとした美しい湖や渓谷、ダイナミックな山々が広がります。

モレーン湖

画像1: 写真提供:Banff Lake Louise Tourism/Jake Dyson/カナダ観光局

写真提供:Banff Lake Louise Tourism/Jake Dyson/カナダ観光局

モレーン湖(地図番号:1)は、バンフから西に約60km先、車で1時間程度の距離にある小さな町レイク・ルイーズ近郊に広がる氷河湖。氷河によって削り取られた山の土砂が湖水と混ざることで、夏には鮮やかなターコイズブルーになる非常に美しい湖です。背後には10の頂を持つテンピークスの山がそびえ立ち、湖の周辺にはロックパイルトレイルという初心者向けの遊歩道もあるので、写真撮影スポットとして人気が高い場所でもあります。

画像: 写真提供:Travel Alberta/カナダ観光局

写真提供:Travel Alberta/カナダ観光局

また、モレーン湖のほかにも、同じようなターコイズブルーの湖水を持つペイトー湖(地図番号:2)やボウ湖(地図番号:3)などもバンフ国立公園の人気スポットです。季節や時間によって色が変化する神秘的な湖には、その美しい姿をひと目見ようと多くの観光客が訪れます。それぞれの湖でカヌーが楽しめるので、鮮やかな色の湖に浮かびながら、ゆっくりと景色を楽しむのもいいでしょう。

キャッスルマウンテン

画像2: 写真提供:Banff Lake Louise Tourism/Paul Zizka/カナダ観光局

写真提供:Banff Lake Louise Tourism/Paul Zizka/カナダ観光局

バンフからレイク・ルイーズ方面に約40km、車で30分程度のところにあるキャッスルマウンテン(地図番号:4)は、その名の通り西洋のお城に似た姿をした、標高2766mの雄大な岩山。

トランスカナダハイウェイのすぐ横にあるため、車の中からでもその姿を十分見ることができます。ハイウェイから見える表情は非常に険しいのですが、裏側からは登山も楽しめる山です。

【ジャスパー国立公園の見どころ】多くの野生動物が生息する未開の大自然

画像: 写真提供:Johannes Hohn/カナダ観光局

写真提供:Johannes Hohn/カナダ観光局

カナディアン・ロッキー山脈自然公園群の中では最大となる約1万1000km2の面積を誇るのがジャスパー国立公園です。南部にはコロンビア大氷原の壮大な氷河群、北部には未開のままの大自然が多く残っていて、多くの野生動物たちが生息しています。

画像: 写真提供:Jasper Motorcycle Tours/カナダ観光局

写真提供:Jasper Motorcycle Tours/カナダ観光局

アサバスカ氷河

画像1: 写真提供:Brewster Travel Canada/カナダ観光局

写真提供:Brewster Travel Canada/カナダ観光局

アサバスカ氷河(地図番号:5)は、コロンビア大氷原から流れ出す氷河の一つで、ジャスパー国立公園とバンフ国立公園の境付近にあり「コロンビア大氷原の足の指先」とも呼ばれる場所です。その長さは現在約6kmで、氷の厚さは厚いところでは約300mもあるとされています。
※近年は縮小傾向にあり、年間2~3mのペースで後退を続けている。

レイク・ルイーズとジャスパーをつなぐアイスフィールド・パークウェイのすぐそばにあるため訪れやすく、アクティビティも楽しめます。雪上車で氷河の上まで行き、氷河の上を歩くことができる「グレイシャー・アドベンチャー」や、サンワプタ渓谷の断崖から突き出したガラス床の展望台を歩く「グレイシャー・スカイウォーク」などが人気です。

画像2: 写真提供:Brewster Travel Canada/カナダ観光局

写真提供:Brewster Travel Canada/カナダ観光局

星空観賞

画像: 写真提供:Tourism Jasper/BrayR/カナダ観光局

写真提供:Tourism Jasper/BrayR/カナダ観光局

ジャスパー国立公園の魅力の一つが、幻想的な星空です。

カナダ天文学協会が認定する「ダーク・スカイ保護区」であるため夜間の町の照明を極力減らす取り組みなどが行われていて、真っ暗な夜空に満天の星を見ることができる星空観賞スポットとしても有名です。

秋から春にかけて(9月から5月中旬ごろ)の寒い時期には、運が良ければオーロラが見られることも。
毎年10月中旬には、その幻想的な星空を楽しむイベント「ジャスパー・ダークスカイ・フェスティバル」が開催されています。

【ヨーホー国立公園の見どころ】美しいエメラルド湖と豪快な水しぶきが舞うタカカウ滝

画像1: 写真提供:Destination BC/Ryan Creary/ブリティッシュ・コロンビア州観光局

写真提供:Destination BC/Ryan Creary/ブリティッシュ・コロンビア州観光局

先住民の言葉で「畏怖」を意味する「ヨーホー」がその名の由来であるヨーホー国立公園。

総面積1310km2
と国立公園の中ではもっとも小規模ながら、3000m級の高峰が28座もあり、険しい山々には観光地化されていない奥深い自然が残っています。

エメラルド湖

画像: 写真提供:Johan Lolos/カナダ観光局

写真提供:Johan Lolos/カナダ観光局

ヨーホー国立公園で一番人気の観光スポットが、エメラルドグリーンの湖面が広がるエメラルド湖(地図番号:6)。レイク・ルイーズからトランスカナダハイウェイを西に約30km進み、そこからさらに北へ約10km進んだところにあります。

近くにそびえるマイケル・ピークや周りの針葉樹林が湖面に映し出される美しい景色は必見。その絵画のような風景を楽しむことができる約5kmのトレイルはハイキングコースとしても人気です。

駐車場のすぐ近くのカヌー乗り場からカヌーに乗ることができるので、湖の上から周囲の大自然を眺めるのもおすすめです。

タカカウ滝

画像: 写真提供:slowhand/PIXTA(ピクスタ)

写真提供:slowhand/PIXTA(ピクスタ)

先住民の言葉で「すばらしい」を意味する「タカカウ」という名が付けられたタカカウ滝(地図番号:7)は、氷河から流れ出すヨーホー川の支流の途中にある絶景スポット。あのナイアガラよりも落差のある滝で、大量の水が落ちる様子と轟音は迫力満点です。

氷河や雪が溶けると水量が増加し、よりダイナミックさが増すため、観光のベストシーズンは夏。豪快な水しぶきを上げる滝つぼ付近では、その水しぶきによって虹が発生することも。近寄ると濡れてしまうので、濡れても良い服装で行くか、雨具の持参が必要です。

【クートニー国立公園の見どころ】川の流れがつくり出したマーブル渓谷の景観

画像2: 写真提供:Destination BC/Ryan Creary/ブリティッシュ・コロンビア州観光局

写真提供:Destination BC/Ryan Creary/ブリティッシュ・コロンビア州観光局

バンフ国立公園の南西側に広がるクートニー国立公園は、カナディアン・ロッキーを源とするクートニー川が流れる国立公園です。

その魅力はなんといっても、氷河から流れ出るターコイズブルーの川と、川の侵食によってつくり出された美しい景色。そして、絶景を眺めながら旅の疲れを癒すことができる温泉施設でしょう。

マーブル渓谷

画像: 写真提供:alexgrec/PIXTA(ピクスタ)

写真提供:alexgrec/PIXTA(ピクスタ)

切り立った岩壁の谷間を美しい色の激流が流れるマーブル渓谷(地図番号:8)。

氷河が岩盤を削り取ることで美しいターコイズブルーの色となっている川の水は、固形物を多く含んでいるために侵食力が強いのが特徴です。このマーブル渓谷も、水の力によって削り取られた渓谷。マーブル模様の地層が色鮮やかです。

渓谷に沿って歩くことができるトレイルもあり、下に流れる激流を眺めながらハイキングも楽しめます。

ラジウムホットスプリングス

画像: 写真提供:Parks Canada/Canadian Rockies Hot Springs/カナダ観光局

写真提供:Parks Canada/Canadian Rockies Hot Springs/カナダ観光局

クートニー国立公園の西の入り口「国立公園ゲート」のすぐそばにあるのが、カナダ最大の温泉施設、ラジウムホットスプリングス(地図番号:9)です。

その歴史は古く、1841年に発見されて以来多くの人に愛され続けています。源泉は微量のラドンを含んだ44度の温泉で、39度に保たれた温水プールのほかに、29度の冷水プールがあります。

水着やタオルの貸し出しもあるので、旅の疲れを癒やすのにおすすめの場所といえるでしょう。

3つの州立公園の見どころ

ロブソン山州立公園

画像: 写真提供:Destination BC/Brayden Hall/ブリティッシュ・コロンビア州観光局

写真提供:Destination BC/Brayden Hall/ブリティッシュ・コロンビア州観光局

公園名にもなっているロブソン山は、カナディアン・ロッキー最高峰の標高3954mを誇ります。そのロブソン山と周囲のエリアが、ロブソン山州立公園です。

雄大にそびえ立つロブソン山の北東側にはロブソン氷河があり、公園内には氷河が融解した水を源流とするロブソン川と、その支流であるフレーザー川が流れています。フレーザー川は8月の産卵期にサーモンの群れが見られるスポットとしても有名です。

アシニボイン山州立公園

画像: 写真提供:Destination BC/Kari Medig/ブリティッシュ・コロンビア州観光局

写真提供:Destination BC/Kari Medig/ブリティッシュ・コロンビア州観光局

先住民であるアシニボイン族のテントの形に似ていることからその名がついたアシニボイン山は、標高3618mの険しい岩山。アシニボイン山とその周辺に広がる豊かな自然が州立公園となっています。

その絶景を堪能するなら、アシニボイン山麓にあるアシニボインロッジを訪れましょう。歩いて山を登っていくか、ヘリコプターを使って登ります。

フォートレス湖

ジャスパー国立公園の南西側に広がるハンバー州立公園の一番の見どころは、美しい湖面が印象的なフォートレス湖です。

ここへ向かうための舗装された道はありません。ジャスパー国立公園内にあるサンワプタ滝にある駐車場から22kmの道のりを歩いていくか、冬場にはスキーで向かう方法しかないのです。

しかし、そのぶん観光客は少なく、美しい景色を独り占めできるというメリットも。苦労してでも向かう価値のある、穴場のスポットです。

カナディアン・ロッキーで楽しむアクティビティ

カナディアン・ロッキー山脈自然公園群の大自然をもっと満喫したいなら、さまざまなアクティビティに挑戦してみてはいかがでしょうか。

登山・トレッキング

画像2: 写真提供:Banff Lake Louise Tourism/Jake Dyson/カナダ観光局

写真提供:Banff Lake Louise Tourism/Jake Dyson/カナダ観光局

多くの山を有するカナディアン・ロッキーのアクティビティとしてもっともポピュラーなのが、登山やトレッキングです。おすすめはバンフ国立公園内のコースで、野生の花が咲く緩やかな山道を歩く初心者向けのトレッキングコースから、険しい岩山を登る上級者向けの登山コースまで、さまざまなコースを楽しめるのがポイント。

ただし、夏の間しか入れないコースなどもあるほか、グリズリーなどの野生動物に遭遇してしまうこともあるため、知識が無いまま挑戦するのはとても危険です。知識のある経験者と挑む、日本や現地で組まれているツアーなどを利用するなど、しっかりと下調べして自分に合ったレベルのコースを楽しむことが重要です。

サイクリング

画像3: 写真提供:Banff Lake Louise Tourism/Paul Zizka/カナダ観光局

写真提供:Banff Lake Louise Tourism/Paul Zizka/カナダ観光局

絶景スポットを巡るためにはレンタカーなどでの移動が必要となりますが、マウンテンバイクなどを使ってアクティビティを兼ねて楽しむのも一つの方法です。

バンフやジャスパーの町にはレンタサイクルがあり、いずれの公園も管理局がサイクリングマップを発行しているので、それを参考にするのが良いでしょう。

優雅に旅を楽しめる2つの鉄道

画像: 写真提供:Rocky Mountaineer/カナダ観光局

写真提供:Rocky Mountaineer/カナダ観光局

「ロッキーマウンテニア鉄道」と「VIA鉄道カナディアン号」の2つの鉄道は、カナディアン・ロッキーの絶景を眺めながら1泊2日や2泊3日という長い時間をかけて優雅に旅をする、1つのアクティビティともいえるでしょう。

ロッキーマウンテニア鉄道は夏季のみ運行する観光列車で、以下の3つのルートで運行しています。

・バンクーバーを出てカムループスのホテルで1泊し、ジャスパーへと向かうルート
・カムループスからレイク・ルイーズ、バンフへと向かうルート
・バンクーバーからウィスラーもしくはクイネルで一泊して、ジャスパーに向かうルート

いずれもインターネットで予約可能。列車のクラスや宿泊するホテルのタイプなども選べて、料金は一番安いプランで大人1人の片道がCA$1710です。

ロッキーマウンテニア鉄道

VIA鉄道カナディアン号は、カナダ西端の都市バンクーバーから、東端の都市トロントまで4466kmを走破する大陸横断鉄道です。端から端まで乗ると4泊5日にもおよぶ長旅になりますが、途中で乗降することも可能です。

バンクーバーからジャスパーまでの区間は、カナディアン・ロッキーの大自然を堪能できるということで大人気。運行しているのは雪が溶ける6月ごろから9月ごろまでで、こちらもインターネットで予約できます。車両の様子や座席のクラス、料金の目安、予約の仕方など、詳しい利用方法は、VIA鉄道の日本語公式サイトでも確認できます。

VIAカナダ横断鉄道 日本語公式サイト

大自然の雄大な景色をさまざまなアクティビティとともに楽しめるのが、カナディアン・ロッキーの魅力。絶景スポットの中に自らが入り込むような体験が、きっと待っています。

初回投稿日:2018年3月8日

掲載の内容は記事公開時点のもので、変更される場合があります。

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