世界遺産にも登録されている「グランドキャニオン」を筆頭に、むき出しの赤い岩山が立ち並ぶ「セドナ」やアーチ状の不思議な岩が点在する「アーチーズ国立公園」など。大自然が作りだした美しい絶景は、感動すること間違いなし。
そんなグランドサークルにある絶景スポット10ヵ所を、レンタカーで巡るドライブコースを紹介します。
INDEX
- 【セドナ】“ボルテックス”で有名な、全米屈指のパワースポット
- 【グランドキャニオン国立公園】悠久の時が刻まれた世界最大級の峡谷
- 【モニュメントバレー】映画のロケ地としても有名な絶景スポット
- 【メサヴェルデ国立公園】先住民が暮らした断崖絶壁の集落
- 【キャニオンランズ国立公園】日の出に合わせて訪れたい、渓谷に広がる神秘の絶景
- 【アーチーズ国立公園】2000個もの“ナチュラルアーチ”が並ぶ不思議な光景
- 【レイクパウエル】水上スキーなどのアクティビティも楽しめる巨大な湖
- 【ホースシューベンド】馬の蹄鉄のような不思議な形の渓谷
- 【アンテロープキャニオン】差し込む光が幻想的な「ザ・ビーム」は必見
- 【ザイオン国立公園】天高くそびえる巨岩と、豊かな緑が広がる楽園
イラスト:すずの木
【グランドサークルとは】アメリカ西部にある、自然の絶景の宝庫
アメリカ西部に位置するグランドサークルは、レイクパウエルを中心に半径230kmの円を描いたとき、その中に含まれるエリア。ユタ州、アリゾナ州、コロラド州、ニューメキシコ州の4つの州にまたがっています。
人の手が入っていない壮大な自然が特徴で、国立公園や州立公園などが多数含まれており、数々の絶景ポイントがある人気観光スポットとして知られています。
【気候とベストシーズン】1年を通して昼夜の気温差に注意
グランドサークル一帯は砂漠気候のため、雨の心配はあまり必要ありません。湿度が低くカラッとした気候ではありますが、暑い時期(7月、8月)のラスベガスでは日中に40度を超えることも。一方でグランドキャニオンやザイオン国立公園での最高気温は30度程度と、場所によっても標高によっても気温は大きく変わります。
1日の中で最高気温と最低気温が15度ほど違うことがあり、昼夜の気温差が激しいのも特徴。夏でも、夕方から夜にかけては冷えてくるので上着を1枚持っていくと安心です。
観光客に人気の季節は6月~11月。混雑を避けたいなら、観光シーズンも落ち着き、標高の高い場所では黄色く色づいた紅葉も見られる11月がおすすめです。
現地を訪れる際は、3月の第2日曜日午前2時から11月の第1日曜日午前2時まで、夏時間を採用している州もあるので、訪れる時期によって時間が違うということを注意しておきましょう。
【レンタカーで巡るモデルコース】ラスベガス発、5泊6日の旅
グランドサークルを回るには、ラスベガス、ソルトレイク・シティ、フェニックスのいずれかの都市を起点にすると良いでしょう。
各スポットはそれぞれ街から離れていて、交通機関もほとんどないため、レンタカーを借りて車で移動するのが一般的です。空港で乗り捨てできるレンタカーも多いので、帰りには寄り道して道中のモーテルに宿泊してみるなど、アメリカ文化を体感するプランもおすすめです。
ここでは、ラスベガスを起点に6日間をかけて10ヵ所のおすすめスポットを回るルートをご紹介しましょう。スポット名をクリックすると、スポットの詳細情報に遷移します。
1日目
ラスベガス→セドナ→グランドキャニオン国立公園
※公園内もしくはツサヤンに宿泊
初日はセドナへ向かい、グランドキャニオン国立公園に移動して夕日を鑑賞。公園内のホテルか公園からほど近いツサヤンで宿泊します。
2日目
グランドキャニオン国立公園→モニュメントバレー
2日日は、グランドキャニオン国立公園で朝日を見てからモニュメントバレーへ。ゆっくりと観光し、そのままモニュメントバレーで宿を探します。
3日目
モニュメントバレー→メサヴェルデ国立公園→モアブ
朝のモニュメントバレーを堪能したら、3日目は東へ。メサヴェルデ国立公園で遺跡を見たあと、モアブに移動して宿泊します。
4日目
キャニオンランズ国立公園→アーチーズ国立公園→ペイジ
※時間次第ではペイジへの移動は翌朝に
4日目はちょっと早起きして、キャニオンランズ国立公園でメサアーチからの日の出を眺めます。その後、近くのアーチーズ国立公園へ。時間に余裕があればその日のうちにレイクパウエルまで移動して宿泊。難しければモアブに戻りもう一泊するのもいいでしょう。
5日目
ペイジ→レイクパウエル→ホースシューベンド→アンテロープキャニオン→ペイジ
朝からレイクパウエルでアクティビティを楽しんだら、ホースシューベンドとアンテロープキャニオンを観光。そしてペイジに戻りもう一泊します。
6日目
ペイジ→ザイオン国立公園→ラスベガス
最終日は、自然豊かなザイオン国立公園をゆっくり回って、ラスベガスへと戻りましょう。
ここからは、各スポットの見どころについて詳しく解説します。
1.【セドナ】“ボルテックス”で有名な、全米屈指のパワースポット
セドナは、「レッドロック」と呼ばれる赤い岩々が立ち並ぶエリア。その景色の楽しみ方は、トレッキングやジープで駆け巡るツアー、気球に乗って空から見渡すツアーなど、さまざまです。
大地のエネルギーが渦巻いているとされる「ボルテックス」と呼ばれる場所でもあり、近年はパワースポットとしても注目されています。中でも、「カセドラルロック」「ベルロック」「エアポートメサ」「ボイントンキャニオン」は特にエネルギーの強い“4大ボルテックス”と呼ばれる人気のスポットです。
2.【グランドキャニオン国立公園】悠久の時が刻まれた世界最大級の峡谷
グランドキャニオン国立公園は、大地の隆起やコロラド川の浸食作用によって生まれた世界最大級の峡谷。1979年に世界遺産に登録されました。その起源はおよそ7000万年前といわれ、浸食によっていまでもその姿は変わり続けています。
広さは、なんと東京都の2倍にもなる4927平方km。渓谷の深さは平均1200mと言われており、谷の北側はノースリム、南側はサウスリムと呼ばれています。
見どころが多いのはサウスリム。峡谷を広く見渡せるマーザーポイントやヤバパイポイントは中心地であるビレッジからアクセスもよく、日の出や夕日のビュースポットとして知られています。巨大な岩々に日が差し込む様子や、夕焼けに染まっていく様子はまさに荘厳のひと言につきます。
グランドキャニオンには多くの動植物も生息しています。トレッキングの最中に探してみるのも楽しいでしょう。
3.【モニュメントバレー】映画のロケ地としても有名な絶景スポット
赤い大地に数々の岩山(ビュート)や台地(メサ)がそびえ立つモニュメントバレーは、西部劇の世界を彷彿とさせる光景です。
ここには、日の出の時間に合わせて訪れるのがおすすめ。岩山の背後から朝日が昇り、徐々に大地が明るくなる様子は、地球の目覚めを感じさせる絶景と言われています。
見どころとしては、岩山が3人の修道女のように見える「ジョン・フォード・ポイント」のほか、100m以上の細長い岩々が林立する「トーテムポール」などが有名。それぞれ、数々の映画のロケ地となった場所です。
また、モニュメントバレーを代表する3つの巨大な岩山「ウエストミトン・ビュート」「イーストミトン・ビュート」「メリックビュート」へ向かって真っすぐに延びる国道は、映画『フォレスト・ガンプ 一期一会』の名シーンで登場することから「フォレスト・ガンプ・ポイント」と呼ばれる穴場スポットです。
4.【メサヴェルデ国立公園】先住民が暮らした断崖絶壁の集落
メサヴェルデ国立公園は、かつて古代先住民が暮らした集落の遺跡が残る国立公園で、1978年に世界文化遺産に登録されています。
断崖絶壁のくぼみを利用して建てられた先住民の住居「断崖住居」が見どころ。園内最大の「クリフパレス」や150もの部屋が残る「ロングハウス」などは、内部に入ることができるツアーがあります。
住居以外にも、円柱状の集会所「キヴァ」や「スクエア・タワー・ハウス」の高さ8mのタワーなどが残っており、先住民の文化や石材加工技術を感じることができるでしょう。
5.【キャニオンランズ国立公園】日の出に合わせて訪れたい、渓谷に広がる神秘の絶景
キャニオンランズ国立公園は、ユタ州最大の国立公園。公園全体が、コロラド川とグリーン川によって浸食された峡谷になっています。
最大の見どころはグランド・ビュー・ポイントと呼ばれる展望台から北側の大地を見下ろす「アイランド・イン・ザ・スカイ」。地平線まで大自然が広がる壮大な風景は、息をのむ美しさです。
また、アイランド・イン・ザ・スカイの中央付近にある「メサアーチ」は、早朝に訪れたい穴場スポット。日の出の光によってオレンジ色に染まるアーチと穴の向こう側に広がる渓谷は、この世のものとは思えない神秘の絶景です。
6.【アーチーズ国立公園】2000個もの“ナチュラルアーチ”が並ぶ不思議な光景
アーチーズ国立公園は、風化によって自然と穴が開いた岩“ナチュラルアーチ”が約2000個もある、グランドキャニオンと並ぶ人気のスポットです。
幅88.4mもの巨大な「ランドスケープアーチ」や、世界一美しいナチュラルアーチとも言われる「デリケートアーチ」、約17mの大きな岩が乗ったように見える全高39mの「バランスロック」など、自然の不思議さや美しさを目の当たりにできる景勝がたくさんあります。
7.【レイクパウエル】水上スキーなどのアクティビティも楽しめる巨大な湖
グランドサークルのほぼ中央に広がる大きな湖のレイクパウエルは、1966年に完成したグレンキャニオン・ダムによって生まれたアメリカで2番目に大きな人造湖です。
青い湖面に淡いピンクの岩山が浮かぶ幻想的な景観が特徴。リゾート地としても知られ、水上スキーやキャンプなどのアクティビティを楽しむこともできます。
8.【ホースシューベンド】馬の蹄鉄のような不思議な形の渓谷
ホースシューベンドは、アンテロープキャニオンのほど近くにある渓谷です。大きな岩をぐるっと囲むようにコロラド川が流れていて、岩と川が織り成す形が馬の蹄鉄に見えることから、「馬の靴=ホースシュー」と呼ばれています。
この地を訪れるなら正午前後の時間帯がおすすめ。エリア全体が日光に照らされるので、その不思議な形を影もなく見渡せます。
9.【アンテロープキャニオン】差し込む光が幻想的な「ザ・ビーム」は必見
グランドサークルの中でも屈指の人気スポット、アンテロープキャニオン。長い年月をかけて鉄砲水と風によって砂岩が深く削りだされ、滑らかな曲線の壁のようになった渓谷です。観光ポイントは「アッパーキャニオン」と「ローワーキャニオン」の2ヵ所です。
アッパーキャニオンは、真上から日の光が差し込み「ザ・ビーム」と呼ばれる幻想的な光景を作りだします。「アンテロープキャニオン」と聞いて、この「ザ・ビーム」を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。
ザ・ビームは夏場の11時から13時ごろというわずかな時間でしか見られないので、「絶対に見たい!」という方はしっかりと下調べしておきましょう。入場するためには、ツアーに参加する必要があります。
ローワーキャニオンは、岩壁に囲まれている洞窟のような場所。狭い岩盤の隙間を移動しながら景色を楽しむので、探検家になったような気分が味わえます。足場が悪いので、歩きやすい靴で行くといいでしょう。こちらはツアーに参加しなくても、個人で入場することができます。
10.【ザイオン国立公園】天高くそびえる巨岩と、豊かな緑が広がる楽園
ザイオン国立公園は、アメリカにある国立公園の中でも、年間入場者数が5本の指に入るほどの人気スポットです。最大の特徴は、巨大な岩山の間に緑があふれていて、野生の動物たちが数多く生息していること。
高さ732mある一枚岩「白い王座」や、絶壁の尾根を登ることができる「エンジェルス・ランディング」など、多様な自然の美しさを体感できるのも魅力です。
ラスベガスから比較的近く、行きやすいことも人気の理由の1つで、ラスベガスでは日帰りバスツアーなどもあります。豊富なトレイルコースがあり、自分のレベルに合わせて楽しめるので、大自然の中を自分の足で歩いてみてはいかがでしょうか。
広大な地域に広がるグランドサークルは、自然が作りだした数々の造形美と奇跡の絶景が凝縮された場所。その旅はきっと毎日が衝撃の連続で、一生心に残る体験となることでしょう。
初回投稿日:2018年6月7日
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