文:高野宣李
王道のヒーロードラマの世界へ。見て体験して楽しい、ダウンタウンのロケスポット
「ハリウッド・ノース」ことバンクーバー。ここで撮影された作品のなかで注目作といえば、アメリカのテレビドラマ『フラッシュ』(2014年~)。「地上最速の男」フラッシュを主人公にした、アメコミ原作のドラマです。ヒーローとして、一人の人間として成長していく主人公の姿は共感を呼び、息もつかせぬ展開、他のヒーロードラマとのクロスオーバーで広がる世界観の魅力で、瞬く間に人気シリーズとなりました。
『フラッシュ』は、バンクーバーの「ダウンタウン」と呼ばれる中心地で多くの撮影が行われています。今回は『フラッシュ』のロケポイントでもあり、また他にも多くの映画・ドラマ作品に登場する「常連」ともいえる2つのスポットをご紹介します。
ひとつ目は、バンクーバー中央図書館。ローマのコロッセオをモチーフにした外観は世界的に有名で、蔵書は130万冊を誇ります。1階のプロムナードにはカフェやギフトショップが並び、映画上映などのイベントも行われます。勉強の合間におしゃべりを楽しんだり、コーヒーを飲みながら読書に疲れた頭を休めたりと、それぞれが思い思いの過ごし方をする憩いの場になっています。
もうひとつのスポットは、オルフェウム劇場です。バンクーバー交響楽団の本拠地で、オーケストラの演奏はもちろん、他にもさまざまなコンサートが開催されています。クラシックな装飾、荘厳な天井画、豪華なシャンデリアなど、1927年にオープンした当時の内装がそのまま残されていて、まるでタイムスリップしたような気分に。タキシードやドレスでおしゃれして歩きたくなります。夏限定のバックステージツアーでは、普段は入れない劇場の裏側や天井裏を案内してくれるのでおすすめです。
バンクーバー中央図書館 | ||
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開館時間 | : | 10:00~21:00(月~木)、10:00〜18:00(金・土)、11:00~18:00(日) |
web | : | http://www.vpl.ca/location/central-library |
住所 | : | 350 West Georgia St. |
オルフェウム劇場 | ||
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web | : | https://vancouvercivictheatres.com/venues/orpheum/ |
住所 | : | 601 Smithe St. |
レトロな50's風ダイナーでひと休み。カリカリベーコンと濃厚な黄身の目玉焼きをトーストにオン
オルフェウム劇場の周辺スポットでおすすめしたいのが、徒歩5分の場所にある50’s風のダイナー「the Templeton(ザ・テンプルトン)」。一日中朝食メニューを提供する「All day Breakfast」のお店です。トーストに卵、ベーコンとポテト、そして無骨なマグカップに波々と注がれたコーヒーというダイナーの王道メニューの他、ボリュームたっぷりのサンドイッチやハンバーガーも。レトロな内装の店内は、ドラマの撮影にもしばしば使われています。
ダウンタウンエリアは、2018年6月公開の映画『デッドプール2』でもロケ地として使われています。掟破りの規格外ヒーロー・デッドプールが、毒舌と過激なアクションを武器に愉快爽快痛快に大暴れする本作。笑って泣いて、また笑って、翻弄されたあとにはなぜか感動が残る……今年イチ押しのヒーロー映画です。
主演兼製作、脚本を務めているライアン・レイノルズは、なんと出身もバンクーバー。日本人の女優・忽那汐里さんも参加し、特殊能力を持つ暗殺者の役を演じています。
the Templeton(ザ・テンプルトン) | ||
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営業時間 | : | 8:30~22:00(月~木・日)、8:30〜23:00(金・土) |
定休日 | : | なし |
web | : | http://thetempleton.ca |
住所 | : | 1087 Granville St. |
そこは魔法使いの大学院!? ブリティッシュコロンビア大学を学生気分で散歩
次にご紹介するのは、ダウンタウンからバスで20分ほどの場所にあるブリティッシュコロンビア大学(UBC)。キャンパス内では『マジシャンズ』(2015年~)というドラマが撮影されています。
全米ベストセラーに選ばれた小説が原作で、魔法使いを養成する大学院を舞台にしたダークファンタジー。「大人のハリーポッター」とも呼ばれ、謎が謎を呼ぶミステリアスな展開、緻密につくり上げられた世界観の魅力に、釘づけになること間違いなしの作品です。日本ではhuluの配信サービス他、DVDも発売中。
UBCは、カナダの誇る最高学府のひとつ。その敷地はなんとダウンタウンよりも広く、図書館や美術館、博物館のほか、飲食店やスーパー、さらには宿泊施設、病院、ゴルフ場、ホッケーリンクまで備え、さながらひとつの街のような様子が広がっています。
誰でも自由に入れるうえ、あまりにも広すぎて、誰が学生で、誰が職員で、誰がゲストなのかさっぱりわからないため、UBCの学生気分は案外たやすく味わうことができそう。さらにキャンパス内には誰でも宿泊できるホテルがあり、すべてのお部屋がキッチンつきなので、スーパーで地元の食材を買って料理をつくってみるのも気分が上がります。
バンクーバーでは、農家直売の新鮮な野菜や果物、ジャムや自家製パン、パイなどを売るファーマーズマーケットがあちこちで開催されていますが、なんと6月から10月までの毎週土曜日にはUBCの構内でも行われます。好きなものを買ってのんびりピクニックするのも良いですね。
UBC Reservations Office(宿泊のお問い合わせ) | ||
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web | : | https://suitesatubc.com/ |
『ミッション・インポッシブル』のシアトルは、じつはバンクーバー。気分爽快な水辺で乾杯
最後にご紹介したいのは、『ミッション・インポッシブル / ゴースト・プロトコル』(2011年)のラストシーンに登場する、グランビル・アイランド。すべてのミッションを完了した大団円、チームが一堂に介してビールを飲むシーンですが、映画のなかではシアトルという設定になっています。
グランビル・アイランドは、ローカルシーフードや地ビールのブリューワリー、パブリックマーケット、アーティストのギャラリーで有名な観光スポットです。
アイランドとはいいますが実際は地続きになっているので、ダウンタウンからはグランビル橋を渡るバスで行くことができます。ですが、気候の良い季節は断然フェリーがおすすめ。運が良ければ、船からアザラシやカワウソに出会えるかも?
また、グランビル・アイランドにはいろいろなお店が並んでいるので、お土産選びにもおすすめ。「Granville Island Soap Gallery(グランビル・アイランド・ソープ・ギャラリー)」では100%ハウスメイドの石鹸を扱っていて、どれもこれも欲しくなる可愛さです。
お店でいちばん人気という石鹸「Vancouver Rain」は、月下香、ジャスミンとヒヤシンスなどをブレンドした爽やかな香りで、雨上がりのバンクーバーの青空を思わせるブルーがとってもきれい!
そしてグランビル・アイランドに行ったらぜひ訪れてほしいのが、料理学校「Pacific Institute of Culinary Arts」の生徒たちによるレストラン「Bistro 101 Restaurant(ビストロ101レストラン)」。毎月第一金曜日のみ提供されるビュッフェはひと月前から予約が埋まってしまうこともある人気店です。併設のカフェ「Bakery 101 Café(ベーカリー101カフェ)」は、ベーカリーシェフの卵たちによるお店。リーズナブルなお値段で、プロ顔負けのケーキやサンドイッチが味わえます。
Granville Island Soap Gallery(グランビル・アイランド・ソープ・ギャラリー) | ||
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営業時間 | : | 10:00~17:00 |
定休日 | : | なし |
web | : | https://granvilleisland.com/directory/granville-island-soap-gallery |
住所 | : | #104-1535 Johnston St. |
Bistro 101 Restaurant(ビストロ101レストラン) | ||
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営業時間 | : | ランチ 11:30~13:15、ディナー 18:00~20:30 |
定休日 | : | 土・日 |
web | : | https://www.picachef.com/blue-hat-bistro |
住所 | : | 101-1505 West 2nd Ave. |
その他 | : | 毎月第一金曜日のビュッフェ「West Coast Buffet」は、ランチ 11:30 / 13:15、ディナー 18:00 / 20:00 |
Bakery 101 Café(ベーカリー101カフェ) | ||
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営業時間 | : | 8:00〜17:00 |
定休日 | : | 日・祝 |
web | : | https://www.picachef.com/blue-hat-bakery |
住所 | : | 101 - 1505 West Second Ave. |
夏のバンクーバーは、ほとんど毎日カラッと晴れた良い天気で、気温も30度以下の過ごしやすさ。日も長く、夜も21時過ぎまで明るいので、1日が2回楽しめるようでとってもお得な気分になります。映画やドラマの主人公になったつもりで、図書館でお気に入りの本を探すのも良し、ダイナーでブランチを楽しむのも良し、パブでビールを嗜むのも良し。時間はたっぷりあるので、気ままに、自由に、ゆったりと自分のペースで街歩きを楽しんでみませんか?
高野宣李(たかのせんり)
さすらいの旅がらすライター。ドラマ好きが高じて撮影地のバンクーバーに渡り、あげくに永住権を取得。好きなドラマは数知れず。面白ければ何でもござれの雑食系で、睡眠時間を削りつつ映画やドラマを追っかける日々。
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