雄大な自然と長い歴史が生み出した数々の絶景が点在する南アメリカ大陸。アンデスの山中に築かれた巨大な遺跡から、強い風が吹き抜ける最果ての荒野まで。心を揺さぶるような感動を与えてくれる、とびきりの絶景たちをご紹介します。

アンデスの山々に囲まれた空中遺跡「マチュ・ピチュ」。

画像: アンデスの山々に囲まれた空中遺跡「マチュ・ピチュ」。

数多くの世界遺産が点在する南米でも、ひときわ強い存在感を放つのが「マチュ・ピチュ」です。1983年に「マチュ・ピチュの歴史保護区」として世界複合遺産に登録されたこの遺跡は、15世紀にインカ帝国によって建造された空中都市。アンデスの山中に築かれた遺跡群は、その圧倒的なスケールと精緻な美しさで世界中の旅人を魅了し続けています。

「マチュ・ピチュ」の魅力といえば、やはりその類まれな環境といえるでしょう。遺跡が広がるのは、マチュ・ピチュ山とワイナ・ピチュ山をつなぐ標高約2,430mの稜線の上。山の麓からは仰ぎ見ることもできない遺跡は、「幻の天空都市」の名にふさわしい迫力に満ちています。広大な遺跡内には、石を削って作り出された日時計「インティワタナ」、やインカ帝国の太陽信仰を物語る「太陽の神殿」、山の斜面を切り拓いて造られた「アンデネス(段々畑)」など、およそ200もの遺跡が点在。アンデスの山々と石造りの遺跡が織りなす独特の風景は、思わずため息が出るほどの美しさです。

季節によって表情を変える絶景の宝庫、「ウユニ塩湖」。

画像: 季節によって表情を変える絶景の宝庫、「ウユニ塩湖」。

どこまでも続く純白の大地、青空を鏡のように映す水面、満天に輝く星々……。世界広しといえども、「ウユニ塩湖」ほど“絶景”の名にふさわしい場所はそう多くはないでしょう。ボリビア中西部に位置し、標高約3,700mの高地に広がる「ウユニ塩湖」は、南米を代表する絶景スポットです。

南北約100㎞、東西約250㎞にわたって塩の大地が続くこの場所の魅力は、季節ごとにさまざまな絶景を眺められること。例えば、12月〜3月頃の雨季には、大地に溜まった雨水が鏡のように空を映し出す独特の景観が出現。一方、6月〜10月頃の乾季には、圧倒的なスケールで広がる真っ白な平原を望むことができます。また、雨季と乾季の境目に訪れれば、これら両方の風景を眺めるも可能です。

さらに、太陽の動きによって刻一刻と変化する風景を楽しめることも、周囲に遮るものがない「ウユニ塩湖」ならでは。やわらかな光が塩の原野を照らす朝から、強烈な日差しが降り注ぐ日中、どこまでも影法師が伸びる夕暮れ、そして幾千もの星が煌く夜……。ドラマティックに移り変わる絶景を前に、心が揺さぶられるような感動を味わえるはず。

世界三大瀑布のひとつ「イグアスの滝」。

画像: 世界三大瀑布のひとつ「イグアスの滝」。

ブラジルとアルゼンチンにまたがる「イグアスの滝」は、北米の「ナイアガラの滝」、アフリカの「ヴィクトリアの滝」とともに“世界三大瀑布”のひとつにも数えられる場所。「イグアス国立公園」として世界自然遺産に登録されたこの場所も、南米を旅するならぜひ訪れておきたい絶景スポットです。

「イグアス」とは、先住民グアラニ族の言葉で「大いなる水」の意。その名のとおり、「イグアスの滝」の魅力は圧倒的な水量にあります。幅約4㎞にわたって大小200〜300もの滝が流れ落ちるその風景は、まさに圧巻。広大な園内には滝壺のすぐ近く到達するスリル満点のボートツアーや、落差80m以上を誇る巨大な滝「悪魔の喉笛」へと続く遊歩道などがあり、巨大な滝をさまざまな角度から楽しめます。かつて「イグアスの滝」を訪れたアメリカのルーズベルト大統領夫人が「おぉ、かわいそうな私のナイアガラ」と嘆いたという逸話も残る大瀑布の迫力を、ぜひその目で確かめてください。

砂丘と水が織りなす絶景の地、「レンソイス」

画像: 砂丘と水が織りなす絶景の地、「レンソイス」

ブラジル北東部に位置する「レンソイス・マラニャンセス国立公園(以下:レンソイス)」は、東京23区の2.5倍ともいわれる広大な砂丘が広がる場所。ポルトガル語で「シーツ」を意味する「レンソイス」の名のとおり、真っ白な砂の大地が延々と続く風景は、それだけでも見応え充分です。

けれど、真に「レンソイス」の絶景を楽しむなら、6月〜9月頃に訪れるのがおすすめ。この時期には、1月〜6月頃の雨季の影響で砂の窪地に雨水や地下水が溜まり、大小1000以上もの美しい“ラグーン”が出現。砂丘と水が織りなす、幻想的な風景を楽しむことができるのです。もちろん、絶景を眺めるだけでなく、美しい“ラグーン”で泳げることも「レンソイス」の大きな魅力。見渡す限りに広がる巨大な砂丘と神秘的な“ラグーン”が織りなす絶景を、全身で体感してください。

強風吹きつける果ての荒野、「パタゴニア」

画像: 強風吹きつける果ての荒野、「パタゴニア」

南米大陸の最南端、南緯約40度に位置するコロラド川以南に広がる「パタゴニア」。チリ・アルゼンチンの両国にまたがって広がる広大な大地は、気温の低さや強風などの過酷な自然環境で知られる場所。南米屈指の“辺境”ともいえるこの一帯には、“辺境”であるがゆえに残された荒野や美しい景観が待ち受けています。

そのひとつが1981年に世界自然遺産に登録された「ロス・グラシアレス国立公園」。南極とグリーンランドに次いで、世界で三番目に大きな氷原として知られる国立公園には、青い氷が神秘的な「ペリト・モレノ氷河」をはじめ、息を呑むような絶景が点在しています。また、「パタゴニア」では、旅の途中に出合う何気ない風景に注目するのもおすすめです。強風を受けて曲がりながらも逞しく生きる木々や、荒々しい原野に咲く可憐な花々……。そんな光景の一つ一つが、“果ての大地”ならではの旅情を感じさせてくれるはずです。

ひとことコメント

「マチュ・ピチュ」や「ウユニ塩湖」などは標高が高いので、高山病対策や防寒対策を忘れずに!また、「レンソイス」や「イグアスの滝」では、強烈な日差しを防ぐ工夫が必須です。南米大陸に点在する絶景は、それぞれ自然環境や見頃の時期などが異なるので、しっかりと計画を立てて訪れるのがおすすめです!

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