2020年4月、JALの制服が一新しました。客室乗務員からグランドスタッフ、整備士に至るまで、すべてを刷新。使いやすさ、印象、そしてお客さまからのご意見も踏まえ、持続可能な社会を見据えた新制服が生まれました。新型コロナウイルス禍のなか、皆さまにご覧いただく機会は減ってしまいましたが、まずはこの記事で、新しい制服選定の舞台裏をお届けします。

JALは現在、2020年とその先に向けて努力する人を応援するため、「Fly for it! 一緒なら、もっと飛べる。」というコミュニケーションスローガンを掲げています。そこに込めた思いを体現したプロジェクトの第1弾として、2018年8月、JALの新制服開発プロジェクトがスタートしました。2013年から着用する制服からは実に7年ぶり、初代から数えて11代目となる新制服の開発は、製造を開始する2019年3月までの約8カ月という短い期間で、企画から試作、実用化に至るまでの選定作業を終えなければいけない、大きな挑戦となりました。

デザイン、機能に、さまざまな角度からアプローチしました

おかげさまで先代の制服は、各方面から高い評価をいただいてきました。これを踏まえ、新制服は高い品質と機能を兼ね備えたものにする必要がありました。

画像1: デザイン、機能に、さまざまな角度からアプローチしました

お客さまがもっとも目にする客室乗務員とグランドスタッフの制服デザインは、クリエイティブディレクター・江角泰俊氏の手によるものです。「Hybrid Modern Beauty」をテーマに掲げ、「洗練されたハイブリッドビューティ」「ハイブリッドが生み出す、現代的な美しさ」を表現するためのデザインワークがスタートしました。

デザイン画を起こすところから始まり、そこからサンプルを製作します。そのサンプルをもって作業性や耐久性、快適性などの検証を重ねて理想の制服を目指す、地道な作業です。その一環として、江角氏には、機内など実際の業務を見学いただき、現場の声を広く集める取り組みも行いました。

それに加えて、今回はJAL初の取り組みとして、お客さまからWebサイト上で制服デザインについてのコメントを募集しました。延べ5万件以上の回答をいただき、それらの声も新制服のデザインに反映されています。

画像2: デザイン、機能に、さまざまな角度からアプローチしました

珍しいデザインも、使い勝手を損なうことなく工夫しています

こうして、スタイリッシュさとエレガントさを兼ね備え、かつ機能性に富んだデザインの制服が誕生しました。見た目の美しさはもちろん、着る人の心地よさを最大限に追求したこだわりの制服です。

画像1: パンツスタイルも初採用。すべてが新しくなったJAL新制服の全貌を公開
画像2: パンツスタイルも初採用。すべてが新しくなったJAL新制服の全貌を公開

ジャケットやワンピースは、ボディ部分の織り物とウエスト部分のリブ(編み物)という異なる素材を組み合わせた最新の手法を用いて、美しさと着心地のよさを兼ね備えた革新的なデザインを採用しました。

画像: 珍しいデザインも、使い勝手を損なうことなく工夫しています

またワンピースとトップスの袖は、航空会社の制服としては極めて珍しいバルーンスリーブを採用し、これまでにないエレガントな印象を求めました。シフォン素材のバルーンスリーブは、乗務員からの声も踏まえて、業務に支障のないボリュームに設計しています。

皆さまにデザインいただいたスカーフを着用します

また、JALの客室乗務員の制服としては初となるパンツを導入したことも大きな特徴です。多様性に配慮したラインアップにより、スタッフに生き生きと活躍してほしいと考えたのです。スタイリッシュで動きやすいパンツスタイルは、実際に着用した乗務員からも大変好評です。それに加えて、今回の制服では大判のスカーフを採用したことで、着こなしに個性が出せるようになりました。

画像3: パンツスタイルも初採用。すべてが新しくなったJAL新制服の全貌を公開
画像4: パンツスタイルも初採用。すべてが新しくなったJAL新制服の全貌を公開

スカーフについては、世界中から多くのお客さまをお迎えする夏の期間限定で、一般公募したデザインのものを着用する予定です。「日本の魅力を発信するスカーフ」というテーマでたくさんの方にご応募いただきましたが、どれも素敵なデザインで、また応募してくださった皆さまそれぞれの熱い想いに触れ、選定するのは大変難しいものでした。

ご応募いただいたデザインから最終候補の5案を選定し、そのうえで、JALグループ全社員の投票で最終選考を行いました。決定したデザインは後日発表いたしますので、ご期待ください。

新制服では製造プロセスも、未来に向けて“デザイン”しました

客室乗務員やグランドスタッフ以外も、整備士やグランドハンドリングスタッフの装いも新たなものとなりました。デサントジャパン社によるデザインで、カバーオールに加えて、多様な働き方に対応できるセパレートタイプの作業衣を新たに設定しました。雨衣や防寒衣といったアウターは、厳しい気候条件でもストレスが軽減できるモンベル社のものを採用しています。

画像5: パンツスタイルも初採用。すべてが新しくなったJAL新制服の全貌を公開
画像6: パンツスタイルも初採用。すべてが新しくなったJAL新制服の全貌を公開

さて、今回のプロジェクトは「いい制服を作る」だけにとどまりません。制服を通じてSDGsへ貢献すべく、デザインや使い勝手以外にも工夫があります。再生ポリエステル使用や、先代制服から推進しているリユースの徹底などによる環境への取り組みも重視しました。

持続可能な社会の実現に貢献するため、東京2020大会において示された「持続可能性に配慮した調達コード」に基づき、SMETA監査(児童労働や無賃金労働の有無を調べる監査システム)を実施しました。そのうえで、人権や労働環境に配慮して生産委託先を選定しています。

画像: 新制服では製造プロセスも、未来に向けて“デザイン”しました

今回生産を委託する工場はいずれも日本企業で、SDGsの観点からもしっかりと管理されていることが確認できました。日本のものづくりの高い品質があってこそ、今回のJAL新制服プロジェクトが実現できたのです。

新しい制服で再び皆さまをお迎えできることを、心待ちにしています

画像1: 新しい制服で再び皆さまをお迎えできることを、心待ちにしています

こうして、対象人員約2万2,000名の新制服が完成しました。「制服変わったんだね。素敵だね」と機内でお客さまより声をかけていただくことも多く、JALのスタッフ一同、大変うれしく感じています。乗務員からは、スタイリッシュさやエレガントさに加えて、実際に袖を通すと着心地がよく、機内のさまざまな動きや仕事がしやすいという声が多く聞かれます。また、スカーフの巻き方については、それぞれに工夫をこらしている様子が見られます。

画像2: 新しい制服で再び皆さまをお迎えできることを、心待ちにしています

まだまだ外出自粛や渡航制限は続きますが、またJALの飛行機にご搭乗いただける際には、ぜひ新制服をご覧ください。地上の係員も客室乗務員も、窓の外で手を振る整備士も、新たな気持ちと装いで皆さまのご利用をお待ちしております。

JALの舞台裏

A350導入の裏話や機内食のメニュー開発など、JALの仕事の舞台裏を紹介します。

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