世界最高峰のマルチメディア・エンターテイメント・カンパニー「モーメント・ファクトリー」が手がける、体験型のナイトウォーク「KAMUY LUMINA(カムイルミナ)」。国立公園内では世界初開催となる阿寒湖を舞台に、北海道の先住民族アイヌの皆さんと共同制作された今作。夜の森を散策すると、音や光、映像などのデジタルアートで演出された幻想的な世界が広がり、アイヌの物語へと誘われます。地元が一体となって取り組む新たな試みで、参加者たちはどのように楽しみ、何を感じるのか。それらを体感しに、阿寒湖温泉へ向かいました。
取材・文:岩村良介(PILOT PUBLISHING) 写真:秋田英貴

「カムイルミナが照らし出す阿寒湖温泉の未来」の記事はこちら

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夜の森を歩く非日常体験が、感性を研ぎ澄ます

阿寒湖温泉でさまざまなアクティビティを提供する阿寒アドベンチャーツーリズムが主催し、今年7月から開催となった「カムイルミナ」は、阿寒摩周国立公園内の阿寒湖温泉にある「ボッケ遊歩道」約1.2km、約45分程度の道のりを歩く、参加体験型のナイトウォークです。デジタルアートで彩られた幻想的な夜の森を冒険し、自然やアイヌ文化にふれることができます。

まずはゲートでスタッフによる説明や注意事項を聞き、アイヌの杖をモチーフにした「リズムスティック」を受け取ります。これは光や音声を放ちながら旅のガイドをしてくれるほか、GPSが搭載されているので、いざという時には位置情報を把握できるそう。この杖を手に、いよいよ冒険へと出発します。

夜の森に入って散策路を歩き始めると、日常で真っ暗な自然の中を歩くことなど滅多にないことに気がつきました。暗闇の中で視界は見通しがきかず、緊張感と高揚感とが交じり合い、気持ちが高ぶります。と同時に、徐々に五感が研ぎ澄まされ、森林の息吹や湖からそよぐ風、ボッケ(泥火山)から漂う硫黄の匂いなどが、はっきりと感じ取ることができました。先を案内する光に導かれ、一歩ずつ足を踏みしめながらさらに進んでいきます。

画像: コース内はスタッフが巡回しているので安心。夜は肌寒いので、上着は忘れずに

コース内はスタッフが巡回しているので安心。夜は肌寒いので、上着は忘れずに

デジタルと自然とが作り出す不思議な世界

「カムイルミナ」の制作を手掛けるマルチメディア・エンターテインメント・カンパニー「モーメント・ファクトリー」は、「シルク・ドゥ・ソレイユ」などのプロジェクトにも携わった世界最高峰のデジタルアート集団です。

コースは大きく8つのゾーンからなり、デジタルアートやさまざまなイルミネーションが森の中に点在しています。プロジェクションマッピングやシノグラフィー(光や音の舞台装置)など最新のデジタル技術を駆使した演出は圧巻。闇夜に浮かび上がる幻想的な世界は、昼間の森とは違った雰囲気で、思わずはっと息を飲む美しさです。

また、もともとの地形や景観が見事に活かされて映像と融合されているのにも驚きます。あるゾーンではきらめく光が無数に降り注ぎ、星のように美しく瞬きます。またあるゾーンではレーザー光線がダイナミックに躍動し、自然の激しい怒りを表します。次のゾーンへと移動する間合いも、森の静寂が緊張感を保ち、独特な雰囲気を作り出しています。

画像: 圧巻のデジタルアート。地形や景観に合わせて、ゾーンごとに演出が異なります

圧巻のデジタルアート。地形や景観に合わせて、ゾーンごとに演出が異なります

地域の特色が活かされ、誰もがわかりやすく楽しめる

その土地の文化や景観に基づいて制作されているのも、「ルミナ・ナイトウォーク」シリーズの特徴です。「カムイルミナ」は、現地に暮らす北海道の先住民族アイヌの物語をもとに制作されています。物語はアイヌの伝説として語り継がれてきたユーカラ(叙事詩)「コンクワ」(フクロウの神が歌った謡)を題材に、アイヌ民族が大切にする「自然との共生」というテーマが込められています。

オリジナルのストーリーにはコミカルな演出があり、マリモやコロポックルなど地域にちなんだキャラクターたちも登場するので、子どもと一緒になって見て回ることができ、誰もがわかりやすく楽しめるエンターテインメントに仕上がっています。

画像: 瞬きをしたり、手を振ったりと、キャラクターたちの表情や仕草など細部にも注目

瞬きをしたり、手を振ったりと、キャラクターたちの表情や仕草など細部にも注目

自ら参加して体験できる冒険は、自由さが醍醐味

この冒険では自らが登場人物の一員となり、森の中を歩きながら物語を実体験できるのも魅力の一つです。さらに、インタラクティブ(双方向型)な仕掛けが盛り込まれており、例えばゾーン内にある演出と「リズムスティック」が連動。その場に居合わせた参加者たちと共に、合図に合わせて杖でリズムを刻むうち、いつしか一体感が生まれていきます。

各ゾーンの映像は2~3分おきごとに繰り返されるので、その場で立ち止まって何度も見ても大丈夫。立ち位置や角度によっても見え方が変わるので、自分のペースでじっくり鑑賞するのもおすすめです。また、「カムイルミナ」では写真や動画の撮影が可能で、SNSなどへのアップもできます。実際に居合わせた参加者たちはおもいおもいに、プロジェクションマッピングによる演出の動画を撮ったり、映し出されたキャラクターを写真に撮ったりしていました。こんな自由さも醍醐味です。

想像を超える壮大なスケールの物語や演出に魅了され、この先に何が待ち受けているのだろうという期待と興奮が途切れることなく、時間を忘れて楽しめました。また、夜の森で五感が刺激され、普段の日常では感じられない何かまで感じとれたような気がします。そんな余韻と充実感に浸りながら、会場を後にしました。

画像: 子供連れの家族、友達、カップルなど、それぞれに楽しんでいる姿が印象的でした

子供連れの家族、友達、カップルなど、それぞれに楽しんでいる姿が印象的でした

表情異なる遊歩道を散策し、自然との共生を考える

翌朝、少し早起きして「ボッケ遊歩道」を改めて散策してみてはいかがでしょうか。ここでは日中、はるか昔から変わらない森林やエゾリスなどの野生動物のほか、季節の草花も観察できます。昨夜の表情とは一変し、何ごともなかったかのように悠然と穏やかにたたずむ自然。澄んだ空気の中で深呼吸をして、森林が風にそよぐ音や湖のさざ波の音、鳥の鳴き声を聞きながら歩くのは気持ちよく、心が満たされていくようです。

今回、この地を訪れたことは、自分なりに自然との共生を考える良いきっかけとなりました。阿寒湖温泉を訪れた際には、ぜひあなたも「カムイルミナ」を体験してみてください。

画像: 火山と森と湖が一体となった自然が広がる遊歩道。湖畔からの爽やかな風が心地いい

火山と森と湖が一体となった自然が広がる遊歩道。湖畔からの爽やかな風が心地いい

KAMUY LUMINA(カムイルミナ)
住所北海道釧路市阿寒町阿寒湖温泉1丁目5-20(阿寒湖温泉ボッケ遊歩道)
電話0154-67-3200(阿寒アドベンチャーツーリズム)
開催日2019年7月5日~11月10日
webhttp://www.kamuylumina.jp/

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