
JALふるさと応援隊〔静岡県〕 田中
皆さま、こんにちは!JALふるさと応援隊〔静岡県出身〕客室乗務員の田中です。
静岡県のほぼ中央に位置し、かつて東海道の宿場町として栄えた藤枝市。
市内には岡部宿と藤枝宿のふたつの宿場が置かれ、多くの人や物の交流でにぎわいました。
今も東海道に関連した歴史文化遺産や風習などが残っていて、日本遺産にも認定されています。また、豊かな自然と温暖な気候に恵まれ、四季折々の花々や緑で彩られた美しいまちです。
今回は浪漫あふれる街道文化を感じられるスポットを中心にめぐりました。グルメもご紹介しますので、お楽しみに!
悠久の歴史を感じさせる「久遠の松」と、江戸時代好きなら見逃せないあの建物!
旅の初めに藤枝宿のほぼ真ん中に位置する大慶寺を訪れました。境内にひときわ大きくそびえる松は、樹齢770年といわれる久遠(くおん)の松。江戸時代には藤枝宿の目印として多くの旅人を導きました。悠然と佇むその姿に、長い間人々の営みを見守ってきた歴史の重みを感じます。

今年、ドラマなどで脚光を浴びている田沼意次にちなむ建物も見学できます。意次の失脚後、彼が城主だった相良城(牧之原市)は取り壊されてしまいますが、その御殿を天明8年、大慶寺の客殿に移築しました。主な柱や梁、小屋組は当時のまま。特に欄間の彫刻は見事で、見入ってしまいました。江戸時代や歴史好きの方にぜひ見ていただきたいです。

〔お問い合わせ先〕大慶寺 ※日本遺産構成文化財
住所 | : | 静岡県藤枝市藤枝4-2-7 |
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電話 | : | 054-641-1229 |
web | : | 日蓮宗円妙山大慶寺(公式サイト) |
花・水・鳥・笑顔がテーマの「蓮華寺池公園」で癒しのひとときを
次に訪れたのは藤枝市のシンボル的な存在の蓮華寺池公園。四季折々の花が池を囲んでいます。桜が見事に咲くと次は市の花「藤」の季節に。
4月中旬~下旬の見頃の時期には20種類250本以上の紫色や白色の花房が風に揺れ、園内は藤の爽やかな香りに包まれます。夏には池に浮かぶ蓮の花、秋冬にはイルミネーションなど、一年中楽しめます。季節ごとに訪れたいですね!

中央の蓮華寺池の周囲1.5Kmを散策してみてはいかがでしょうか。美しい花や木、小鳥のさえずりの中、リフレッシュしながらウォーキングができます。

園内には藤枝市郷土博物館・文学館があり、藤枝の歴史や藤枝ゆかりの文学者などを紹介しています。文学館の前には、軽便の名で親しまれた静岡鉄道駿遠線唯一の現存車両「B15」の姿が。
運転台は毎週日曜日と祝日に解放されていて、汽笛も鳴らせます。鉄道ファンの方はもちろん、お子さま連れにもおすすめです。

〔お問い合わせ先〕蓮華寺池公園/藤枝市郷土博物館・文学館
住所 | : | 静岡県藤枝市若王子474-1 |
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電話 | : | 054-643-3487(蓮華寺池公園) 054-645-1100(藤枝市郷土博物館・文学館) |
web | : | 蓮華寺池公園(公式サイト) 藤枝市郷土博物館・文学館(公式サイト) |
青いとんがり屋根が特徴の「とんがりぼう」でおむすびランチ

蓮華寺池公園内にある「とんがりぼう」の愛称で親しまれる青いとんがり屋根の建物は、明治34年にお茶の海外輸出を担う会社として創立された藤枝製茶貿易会社の建物の一部を再整備したもの。館内にはカフェや藤枝茶を中心としたお土産のショップなどがあります。

私はカフェでランチプレートをいただきました。注文の際、おむすびにのせる具材を約10種類以上の中から2種類選ぶことができ、今回は「藤枝茶」と「鯖(季節限定)」をチョイス。どちらもおむすびと海苔の香りが合わさって絶妙なコンビネーションでした。
地元の有機農家さんの旬野菜を使った小鉢やお味噌汁もおいしく、おなかいっぱいに。次回はどの具材にしようかな?
〔お問い合わせ先〕とんがりぼう(旧藤枝製茶貿易商館)
住所 | : | 静岡県藤枝市若王子701-1 |
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電話 | : | 080-3642-3955 |
web | : | とんがりぼう(一般社団法人SACLABOサイト内)(公式サイト) |
異世界への入り口!?ノスタルジックな雰囲気漂う「明治のトンネル」

おむすびで午後の散策へのエネルギーを補給したら、藤枝市と静岡市の市境に位置する宇津ノ谷峠へ。平安時代から和歌の題材として知られ、江戸時代には浮世絵や歌舞伎の舞台にもなった東海道の難所です。
明治9年、地元有志らの手によって宇津ノ谷峠に日本初の有料トンネルが作られました。このトンネルは明治29年に起きた火災により崩落してしまいましたが、明治37年にその一部を再利用する形で再建されました。明治時代の貴重な建造物で、国の登録有形文化財に登録されています。

ノスタルジックな雰囲気に誘われて、趣のあるレンガ造りのトンネル内部に入ってみました。オレンジ色に光るカンテラ、吹き抜けるひんやりした風…まるで異世界に迷い込んだよう。トンネルの先にはどんな風景が広がっているか、ぜひ訪れてみてください。
〔お問い合わせ先〕明治のトンネル(明治宇津ノ谷隧道)※日本遺産構成文化財
住所 | : | 静岡県藤枝市岡部町岡部 |
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web | : | 明治のトンネル(駿州の旅日本遺産推進協議会)(公式サイト) |
「岡部宿大旅籠柏屋」で江戸時代にタイムスリップ
岡部宿は東海道21番目の宿場町。岡部宿を代表する大規模な旅籠「柏屋」は、天保7年建築の建物が今も残っています。1階では、「東海道中膝栗毛」の登場人物、弥次さん喜多さんが女将のおもてなしを受ける様子が再現されています。等身大のちょっとリアルな人形の隣に座ると、登場人物の一人になった気分になりますよ。

柏屋は建物そのものが資料館となっています。みせの間、台所、1,2階の客室など、当時の旅の様子や人々の暮らしぶりがわかります。仏間では、旅籠の主人になって写真をパチリ。

お風呂の歴史体験棟では、五右衛門風呂を使った足湯体験ができます。これは、すのこを足で踏み込む体験をしながら、足の疲れを癒すもの。予約をしてぜひチャレンジしてください。

見学後、柏屋に併設するお休み処・物産館かしばやでひと休み。喫茶コーナーで甘酒などを楽しめるほか、地場産品や工芸品、昔懐かしい駄菓子などのお土産コーナーも。
物産館かしばやイチオシのお土産は「初亀大吟醸酒粕アーモンド」。地元の老舗酒蔵「初亀酒造」の大吟醸酒粕でアーモンドを包んだオリジナルの逸品です。

〔お問い合わせ先〕岡部宿大旅籠柏屋 ※日本遺産構成文化財
住所 | : | 静岡県藤枝市岡部町岡部817 |
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電話 | : | 054-667-0018(柏屋) 054-667-5211(物産館かしばや) |
web | : | 岡部宿大旅籠柏屋(藤枝市公式サイト内)(公式サイト) |
旅の締めくくりに「丸七製茶本店」の絶品抹茶スイーツをご賞味あれ

昔から香り高いお茶の名産地として知られてきた藤枝市。令和6年秋、東海道の松並木沿いに日本遺産や茶文化を発信する拠点「丸七製茶本店」がオープンしました。宿場町を連想させる外観の店舗では、緑茶や抹茶、玉露などの茶葉やボトリングティーなどのお買い物が楽しめます。

「ななや」ブランドの抹茶スイーツが有名な丸七製茶で、抹茶ジェラートを堪能しなければ藤枝の旅は終われません。店内のカフェで、私は世界で一番濃い抹茶No.7、ほうじ茶、プレーンのジェラート盛り合わせの「ななやの3種のジェラート 本葛アッフォガートNo.7」をいただきました。なめらかな口どけと奥深い濃厚なお味で、旅の締めくくりにぴったりの絶品スイーツ!おすすめです。
〔お問い合わせ先〕丸七製茶本店(旧東海道日本遺産・茶文化発信拠点)
住所 | : | 静岡県藤枝市上青島656 |
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電話 | : | 054-639-5557 |
web | : | 丸七製茶本店(ふじえだ東海道まちあるきサイト内)(公式サイト) |
藤枝市には他にも玉露や抹茶を味わえる「玉露の里」や、日の出前から働いた茶業の人たちが朝食としたことで生まれた食文化「朝ラー」など、見どころやグルメがまだまだあります。東京駅から東海道新幹線と東海道本線で約90分、街道文化のまち・藤枝におでかけください。
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