JALふるさと応援隊〔長崎県〕 倉田・一ノ瀬
皆さまこんにちは!
日本航空客室乗務員 JALふるさと応援隊長崎県担当の倉田、一ノ瀬です。
2018年7月に長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産が世界文化遺産へ登録され、それに伴い2021年に長崎と天草地方の世界遺産巡礼の道が創設されました。
詳しくは下記のリンク先「おらしょーこころ旅」のサイトをご覧ください。
今回は「新天地への開拓移住の道」巡礼路4(平戸市津吉〜佐世保市黒島)の黒島島内をご紹介します。
ゴールは国指定重要文化財の「レンガ造りの黒島天主堂」です。
九十九島に浮かぶ祈りの島・黒島を歩きながら地域の歴史や文化に触れていきたいと思います。
佐世保市相浦港からフェリーで約50分、黒島港に到着すると観光の拠点となる黒島ウェルカムハウスが見えてきます。
このウェルカムハウスを起点として島内を散策しました。
島内を巡る前に、本日ガイドをしてくださる黒島観光協会理事長の山内さんにお話を伺いました。
佐世保九十九島の一つである黒島は、島全体が世界文化遺産です。
島にはバスや電車もないため島内の移動は、電動アシスト自転車や電動スクーター、グリーンスローモビリティをレンタルして島内観光を楽しむことができます。
電動スクーター
- レンタル料金:1時間700円 台数6台
レンタカー(グリーンスローモビリティ)
- レンタル料金:1時間2,500円 台数1台
- レンタル時間:11:30~13:30
※上記時間外では黒島港~黒島天主堂間の無料シャトルバスとして運用。
※無料シャトルは水曜日は運休。
レンタサイクル
- レンタル料金:1時間300円 台数:大人13台・子供3台
お問い合わせ・ご予約について
特定非営利活動法人 黒島観光協会
Tel | : | 0956-56-2311 |
---|---|---|
営業時間 | : | 9:00~17:00 |
抜けるような青空の下、風を感じながら走行するととても気持ち良さそうですが、今回は島内を徒歩で巡ります。
散策の前に腹ごしらえ!事前にお店に予約を入れておけばお弁当の注文も可能です。本日ご準備いただいたお弁当のお店は「海鮮味処さざんか」、新鮮なお刺身が盛り付けられた豪華弁当!
九州ならではの甘めの醤油でいただきます。
お昼ご飯の後は、島の伝統食「ふくれ饅頭作り」に挑戦しました。
ふわふわに発酵した小麦の生地で餡を包みます。
慣れた手つきで餡を包んでいく地元のおばあちゃんに習ってやってみますが、
生地が手に纏わり付いて成形するのも一苦労。
サツマサンキライの葉っぱに乗せて蒸し器で蒸すこと7分。
大きく膨らんだふくれ饅頭が出来上がりました。
甘さ控えめの餡とふかふかの生地が美味しくて、手のひらサイズの大きなお饅頭もペロリと食べてしまいました。
地元の方々との交流もアットホームな黒島ならではの旅の楽しみです。
これで出発前の腹ごしらえはバッチリ!
いよいよ巡礼の道スタートです。
歩行距離は約8km、観光協会の山内さんに案内していただきます。
1kmほど歩いた先に見えてきたのは「興禅寺」です。
興禅寺
1803年平戸津吉長泉寺の末寺として建てられた興禅寺。
海賊退治をした西家とその家臣の和泉家のお墓があります。
曹洞宗のお寺にはあまり見られないマリア像に見立てた観音菩薩(マリア観音)があったといわれており、潜伏キリシタンたちが聖母マリアに見立ててお祈りしたのではないかと伝えられています。
黒島で密かに信仰を守り抜いた潜伏キリシタンと、それを黙認し共存していった地元仏教徒たち、潜伏キリシタン関連遺産の文化的価値を垣間見ることができます。
興禅寺から1.5km歩いていきます。
とても眺めのいい景色!!
ここは「蕨展望所」です。
蕨展望所
左手に崎戸町、右手に上五島が一望できる見晴らしの良い展望所です。
この日は夕日が落ちる前の最高の眺めを拝むことができました。
散策中に見つけたオオイタビの果実。
クワ科イチジク属の植物です。
2つに割って潰すと中から甘い身が出てきます。一口いただいたらほんのり甘くさっぱりとした味わいで美味しかったです。
皆さんも見つけてみてくださいね。
展望所からさらに1.5km歩くと、「カトリック共同墓地」に到着しました。
カトリック共同墓地
1880年に初めて共同墓地が作られました。
黒島天主堂を設計したマルマン神父様が眠っています。
そばには幼くして命を落とした子どもたちのお墓もあり、神父様に見守られているようです。黒島のキリシタン史上、重要な人物と言える出口大吉のお墓もあります。
1864年、長崎に大浦天主堂が建てられた後、命懸けで長崎に渡り、黒島に600人にも及ぶ潜伏キリシタンがいることを告げた出口大吉。
その後、黒島の潜伏キリシタン達は続々とカトリックに復活することとなります。
高齢化が進み、お墓参りに来れない高齢者のために、年に2回信徒の方々が念入りにお墓の清掃や手入れをしてくださっているそうです。
当日訪問した際も墓地全体がきれいに整備されていました。
スタート地点から5.1km経過。
次に見えてきたのは「根谷(ねや)のサザンカ」です。
根谷のサザンカ
生活に必要な食用油を採取するため潜伏キリシタンによって植えられた推定樹齢350年と伝えられる巨木です。
佐世保市の天然記念物であり、黒島の人々の目を楽しませています。
さらにもう少し歩くと「根谷(ねや)のアコウ」がどんと佇んでいました。
根谷のアコウ
アコウはクワ科イチジク属の植物で、黒島でも海岸各所に自生していますが、
このアコウは樹齢120年にもおよび、目を見張る巨大さです。
枝や幹からたくさんの「木根」と呼ばれる根を伸ばしています。
黒島天主堂
いよいよ島のシンボル黒島天主堂に到着しました。
1998年に国の重要文化財に指定された天主堂はマルマン神父様によって設計され、約40万個のレンガで作られており重厚感があります。
日が差すと美しい光を放つステンドグラスは赤、青、緑、黄の4色でそれぞれ火、水、食物、大地を表し、人々が生きていく上で必要不可欠なものを表しています。マルマン神父様はいくつかの教会を建てましたが、黒島天主堂は現存している教会の一つで、私たちが訪れた日も定例ミサが行われ多くの島民が集う日でした。黒島を訪れる際には外せないスポットです。
約8キロの島巡りを終えて再びウェルカムハウスへ戻ってきました。
美しい夕暮れの空と、島に住み着いたネコ達が迎えてくれました。
泊処「古民家とーぼし」
日帰りでは名残惜しいのでお宿で一泊。
黒島には全4ヶ所のお宿がありますが今回私たちはとーぼしさんにお世話になりました。
古民家を改装した趣ある室内と五右衛門風呂が印象的で
ご主人と女将さんお手製のお食事は五臓六腑に染み渡りました。
宿泊は一日一組限定なのでご予約をする際はお早めに!
満天の星空を眺めながら黒島に一泊されてみてはいかがでしょうか?
黒島島内の宿泊施設
- 古民家とーぼし
- 山下旅館
- 喜久屋旅館
- 民宿つるさき
※詳細は黒島観光協会のHPにてご確認ください。
https://kuroshimakanko.com/index.php/category/about
掲載の内容は記事公開時点のもので、変更される場合があります。