
西村 愛
2004年からスタートしたブログ「じぶん日記」管理者。47都道府県を踏破し、地域の文化や歴史が大好きなライター。
島根「地理・地名・地図」の謎 (実業之日本社)、わたしのまちが「日本一」事典 (PHP研究所)、ねこねこ日本史でわかる都道府県(実業之日本社)を執筆。 サントリーグルメガイド公式ブロガー、Retty公式トップユーザー、エキサイト公式プラチナブロガー。
亜熱帯植物の原生林に佇む元宮を目指して「青島神社」
空港から直行したのは、ドライブコースとしても有名な日南海岸沿いにぽっかりと浮かぶ「青島」。青島は周囲1.5キロの小さな島で、海幸・山幸の神話伝説の舞台であると言われる人気の観光スポットです。海岸からは橋でつながれ、気軽に島へわたることができます。干潮時に現れる鬼の洗濯板と呼ばれる波状岩、島の緑に映える赤い鳥居など、魅力あふれる景観が特徴です。
青島海岸のみやげ物屋が並ぶ通りや、青島ビューのテラス席があるカフェやイベントなどが行われる「青島ビーチパーク」などを横目で見ながら、島内「青島神社」へ。
青島神社には、日本神話に登場する彦火火出見尊(ひこほほでみのみこと)、豊玉姫命(とよたまひめのみこと)・塩筒大神(しおつちのおおかみ)を祀っています。彦火火出見尊(山幸)が建てた大宮がこの神社の創始であるとも言われていることから、青島は歴史が古く、昔から特別な場所であったと考えられています。
島全体がご神域でもある青島の中でも鬱蒼とした「祈りの古道」より先は、より特別感が増します。たくさんの絵馬をくぐり抜けると、目の前にはビロウヤシの密林。ここは古くからある原生林で、天然記念物に指定されています。奥には元宮、小さな陶器の瓦を投げて占いをする「天の平瓮投げ」や「産霊紙縒(むすびこより)」があります。境内にはほかにもおみくじや祈願所があるので、探しながらお参りするのも楽しいですよ!
ヤシの森に囲まれてお参りをするというふしぎな感覚を体験できる珍しいお宮で、縁結びや安産、航海安全、交通安全などのご神徳に預かり、自然を存分に感じられる独特の雰囲気も相まって、他ではできない体験も一緒に持って帰りたいですね。

南国の花たちに迎えられる「宮崎ブーゲンビリア空港」から旅がスタート。

宮崎市の王道観光スポット、青島へ。

島周辺は火山活動によって隆起し、その後波の浸食によって独特の景観を形作った「鬼の洗濯板」があります。

階段状になったふしぎな風景。干潮時は降りて上を歩くこともできます。

さっそく神社に参拝です。朱色の社殿が美しい「青島神社」。

日本神話の伝説「海幸・山幸」の舞台でもある神社です。

元宮へ向かう「祈りの古道」は絵馬のシャワー。

天然記念物のビロウ樹が折り重なるように大きな葉を垂らす森。

静寂に包まれる元宮。ひっそりと森の奥に南国樹に囲まれ、森厳な空気が流れています。

お願いをしながら小さな皿状の土器を投げ、岩の上に乗れば心願成就、割れたら開運厄除。「天の平瓮投げ」。

「産霊紙縒(むすびこより)」。カラフルなこよりピンクは縁結び、黄色は商売繁盛など祈願内容で選びます。

こよりは、縁起の良い「夫婦ビロウ」の願掛けスポットにお願いしながらくくりつけます。

緑の世界で深呼吸。お参りしながら森林浴も楽しめる元宮は、境内でも外せないスポットです。
青島神社
住所 | : | 宮崎県宮崎市青島2-13-1 |
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URL | : | https://aoshima-jinja.jp/ |
トロピカルな世界に浸れるフォトジェニックスポット「宮交ボタニックガーデン青島」
青島の入り口にある広い庭園は、1965年に「県立青島亜熱帯植物園」としてオープンし、開館50年に合わせて「宮交ボタニックガーデン青島」と愛称がつけられリニューアルされました。亜熱帯植物として良く知られているハイビスカスやブーゲンビリア他、大きなヤシの木や四季折々の花々が植えられ、南国風情がたっぷり感じられます。
華やかな色の植物たちは日頃目にしないものばかりで、それらを眺めたり、撮影したりしているとあっという間に時間が経ってしまいます。熱帯果樹温室では、マンゴーやパパイヤ、バナナの木などが植えられていてちょっとした観察会のよう。口にしたことはあってもどうやって実がついているのか知らないトロピカルフルーツが、ここでは一年を通じて20数種類も見ることができます。
また、広場には芝生もあって、子どもたちやペットを連れた家族連れなどの憩いの場ともなっています。
宮崎の自然や歴史を体感しながらのんびりとした時間を過ごすことができる青島。一帯が観光地として整備され、レンタサイクルの貸し出しなどもあります。南国フルーツのスイーツなどが食べられるカフェもあり、暑い夏の日には涼める場所として、また雨の日でも楽しめる観光地としてぜひ押さえておきたいスポットです。

青島海岸にある「宮交ボタニックガーデン青島」。

入口から南国の香り。密林へ分け入るようなワクワク感があります。

植物園内にある「熱帯果樹温室」ではトロピカルフルーツが栽培されています。

植物園となりのカフェ&レストランからは施設が一望できます。宮崎グルメ、おみやげの取り扱いがあります。

大温室は見応えたっぷり。マーライオンがお出迎え。

らせん状の通路を通って2階へ上がることもできます。

温室は雨の日でも問題ありません。見学、散策、小さいながらもクオリティが高いです。

亜熱帯植物の中では普段とは違った趣の写真を撮ることができます。季節によっては珍しい花が咲くことも。

ラテアートのような葉っぱ「カラテア マコヤナ」。

国内でも開花は珍しいという「ヨウラクボク」。鮮やかな赤い花が優美に垂れ下がります。
宮交ボタニックガーデン青島
住所 | : | 宮崎県宮崎市青島2-12-1 |
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電話 | : | 0985-65-1042 |
「ガーデン」 | : | 入館時間:8:30~17:00 休館日:年中無休 |
「大温室」 | : | 入館時間:9:00~17:00 休館日:火曜日(祝日の場合を除く) |
「熱帯果樹温室」 | : | 入館時間:9:00~17:00 休館日:水曜日(祝日の場合を除く) |
「パラボラチョカフェ」 | : | 営業時間:10:00~17:00 定休日:火曜日(フラワーショー期間を除く) |
URL | : | https://mppf.or.jp/aoshima/ |
ハンモックに揺られながら贅沢な時間を過ごせるカフェ「anandah(アーナンダ)」
青島でのランチは、「子供の国駅」から数分の場所にある「anandah(アーナンダ)」
ナチュラルな雰囲気を感じさせる店舗は、1階が白を基調とした陽射したっぷりのカフェ、2階は手作りハンモックのお店「青島ハンモック」となっています。テラス席にはハンモックが吊るされ、居心地の良い空間です。
カフェでは季節の野菜を使ったランチや、フルーツを使ったパフェなどが提供されています。
この日は人気のメニュー「ブッダボウル」を。
青島、綾町、清武町の無農薬野菜農家から仕入れた季節の野菜を使ったワンプレート。野菜の持つ自然の甘さや本来の美味しさを生かすため、やさしい味に仕上げてあります。野菜のおかずの内容は季節によって変わっていきます。
プレートにはごはんかピタパンが乗りますが、私のオススメはピタパン。いろいろなおかずをピタパンに詰め込んで食べると、それぞれの風味が不思議なくらいまとまって奥行きのある味わいになります。メインは人参のフライ、切り干し大根やレッドキャベツなど野菜が豊富で、珍しい無農薬大豆も使われていました。豆腐のソースやホーリーバジルを使ったジェノベーゼソースなど隅々まで手作りで、ヴィーガンにも対応しています。
anandah(アーナンダ)のカフェランチは青島の爽やかな空気の中、心とからだを満たす活力ごはん。ゆらゆら揺れて癒される、ハンモック席も気持ちがいいですよ。
青島からは電車と徒歩で10分強、車だと数分です。

白を基調としたナチュラルな内装が爽やか。

道を挟んで向かいには、自然と遊べる施設「こどもの国」。窓の外には緑、気持ちのいい風が吹き込みます。

テラス席にはハンモック。ゆらゆら揺られながらカフェタイムが楽しめます。

野菜もりもりのランチ「ブッダボウル」、リンゴ酢にカシスやローズヒップを加えた「ビネガーソーダ」。

色とりどり!ブッダボウルは人気メニュー。

20種類以上の野菜や穀物が上品な塩加減で調理されています。

おいしい野菜をぎゅっとピタパンに詰め込んで。元気な野菜の色がキレイ!

シャビーシックやグリーンが置かれたヘルシーな要素がミックスされた、おしゃれな雰囲気。

白いおおきな屋根が目印です。
anandah(アーナンダ)
住所 | : | 宮崎県宮崎市加江田7450-1 |
---|---|---|
電話 | : | 0985-66-1011 |
営業時間 | : | 11:00~17:00 |
定休日 | : | 水曜日 |
URL | : | https://www.instagram.com/anandah.inc/ (Instagram) |
日向「ステアーズ・オブ・ザ・シー」で、宮崎みやげをリサーチ
日向の海を眺められるロードサイドにある商業施設。
リゾート気分を味わえると人気のスポットでファッションや雑貨、グルメに加え、地元のおみやげや加工品なども揃います。「ステアーズ・オブ・ザ・シー」がある日向・金が浜はサーフスポットとしても人気のエリアで、おしゃれに敏感な人たちが集まる施設です。
トレーラーハウスやグランピング施設、海辺のファッショナブルな雰囲気を存分に味わえる店内は、どこをとってもフォトジェニック!ここで宮崎らしいおみやげを見つけました。
使われているのは日向特産の柑橘「へべす」。すった皮を練り込み風味を大切にした、さわやかで豊かな香りが特徴の和菓子です。
川南町のアリマン乳業の新鮮でおいしい牛乳を使ったヨーグルトドリンクは、ポップなデザインが可愛い一本。自社製のブルーベリーや日向夏を使った宮崎らしい商品です。
敷地内トレーラーハウス「PINKY CREAMERY」が手掛けたワッフルラスクは大人気商品。持ち帰りやすい商品でもあり、濃厚なキャラメルフレーバーやシュガーバターなど、食べ始めると手が止まらなくなってしまいます。
各店舗の料理は1、2階の椅子やソファの好きな席で楽しむことができます。
旅の癒しに甘いものをと、選んだのは「アッカピゥ キッチン&ベーカリー」のパフェ。さっぱりだけどコクのある「丸山牛乳」のソフトクリームは、なめらかな口当たりと口の中に広がる自然の甘さ。使われたビスコッティやスポンジもすべて手作り、季節のフルーツをたっぷり使ったクオリティ高いフルーツパフェです。
店内にはのんびりとランチやスイーツを楽しむグループ、リモートワークする人も。
年中無休で営業していて、ドライブ中の休憩や海を一望できるビュースポットとして幅広く使えるので、ぜひ旅の予定に入れておきたいですね。

サーフスポットとしても名高い日向・金ヶ浜のロードサイドにある「ステアーズ オブ ザ シー」。

あいにくの天気の中でも、サーファーたちは関係なし!

宮崎県内や地元のおみやげ、加工品が揃うフードラボ。

地元の日向夏を使ったクラフトビールはパッケージも定評あり。

バラ売りでも購入できてお手頃な、宮崎特産の柑橘「へべす」を練り込んだ羊羹。

新鮮な牛乳を使ったアリマン乳業の「ちっちゃな牛乳屋さんの(飲む)ヨーグルト」。

「PINKY CREAMERY(ピンキークリマリー)」のワッフルラスク。濃厚なフレーバーでサクサクおいしいです。

フォトジェニックな雰囲気のキッチン付きトレーラー「PINKY CREAMERY」も必見。

季節のフルーツや生クリーム、手作りのビスコッティやクッキーを使い、丸山牛乳のソフトクリームを乗せた「アッカピゥ」のフルーツを使ったパフェ。

ミルクの香りと味が濃く、あっという間に溶けていく…!くちどけ良いソフトクリームが最高です。

休憩するのも食事するのも、スペースの使い方はフリー。オシャレなソファ席や海が見える窓際席などを自由に利用できます。

ファッションアイテムやアクセサリー、雑貨などのお買い物もできます。
ステアーズ・オブ・ザ・シー
住所 | : | 宮崎県日向市平岩2217-3 |
---|---|---|
電話 | : | 0982-50-6789 |
営業時間 | : | 10:00~18:00 (年中無休) |
URL | : | https://stairs-miyazaki.com/ |
心とからだを落ち着かせる場所。自然と共に歩む「天空カフェ ジール」
「こんな場所に?」と思うような、丘を登った場所にあるカフェで静かなティータイム。
20年前からマクロビ料理をこの地で提供。手を入れ過ぎない広い庭と温室、高い天井を持つ吹き抜けのスペースを持つ「天空カフェ ジール」。
階段上の有料のロフトにはライブラリーがあり、革張りのソファやロッキングチェアでゆっくりと優雅な時間が過ごせます。他のどの席も開放的で席間隔も広く、子ども連れでも安心して遊ばせられるスペースもあります。店内にあるオーガニック食品や調味料も厳選されたものが多く、健康に敏感な人ならばあれこれと手に取りたくなるでしょう。
ここでオーダーしたのは、「キャロットケーキ」と「いちごミントシェイク」。エディブルフラワーや庭の花木を合わせたセッティングが可愛らしさと彩りを添えていました。
キャロットケーキはにんじんをたっぷり使い、スパイスと柑橘を効かせ食感はしっとり。いちごミントシェイクは昔からある定番メニューで、さわやかなハーブとフルーツの甘さが幸せを運びます。
実はジールは営業日が金曜~日曜と決して長くないのですが、平日はただ店を閉めているわけではなく、広いお庭の手入れや料理の仕込みを行っているとのこと。この手間ひまかけたひとつひとつが自然を大事にする気持ちを表し、味わいとなって私たちの心とからだに響き伝わってくるのだと思います。自然を愛し、その恵みをありのままに享受する気持ちを思い出させてくれるお店です。
甘さ控えめでやさしい味には、宮崎の素材が持つ力が詰まっています。しっかり食べ応えもあり、満足感を得られ、かつ元気をもらえます。普段、都会でストレスや仕事の疲れを感じている人こそ必要としている、そんな料理がここにありました。
普段とは違う世界で、自然から、また料理からたくさんのパワーをチャージできるというのも旅のだいご味。宮崎の持つポテンシャルにあふれたリラックス空間で、ととのう感覚をしっかりと感じられた時間でした。

緑と光のリフレクションが美しい、カフェ店内でくつろぎの時間を過ごします。

都会では考えられないような贅沢な空間「天空カフェ ジール」です。

大きな舞台もあり、時にはイベントも開催される温室。

広いお庭では、子どもを遊ばせるのもいいですね。季節の花が咲いていました。

2階のロフトはライブラリーになっています。

ライブラリーは有料で、静かに過ごしたい人に最適。

お庭を眺めながらのおやつタイム。

季節の花やエディブルフラワーが飾られ、華やかなひと皿。

スパイスの効いたキャロットケーキ。素材の味がしっかりしています。

ミントのフレーバーがフレッシュ感を与えるシェイク。

心のこもったマクロビオティックランチも人気です。
天空カフェ ジール
住所 | : | 宮崎県宮崎市加江田6411 |
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電話 | : | 0985-65-1508 |
営業時間 | : | 9:00~17:00 |
定休日 | : | 月~木 |
URL | : | https://tenku-zeal.life/ |
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