紀伊半島の南西部に位置する和歌山県。海、山、川と、雄大な自然に囲まれたこのエリアは自転車旅にうってつけです。そこで、サイクリングを通して和歌山を満喫できる3つのモデルコースを、JALふるさとアンバサダーの日髙さんがレポートします。さあ、ワクワクする景色が待ち構える自転車旅に出かけましょう。
画像1: サイクリストに人気の和歌山県へ。JAL客室乗務員が3つのモデルコースを体験

※価格は税込み表記です。
※熊野古道は“歩きの道”です。自転車での進入はお避けください。
※神社・寺院の境内は自転車進入禁止エリアです。定められた場所に駐輪してください。

INDEX

2つのサービスで充実したサイクル旅を実現!

JAL MaaSで自転車の予約もラクラク。さらにマイルもたまる!

フライトを含む乗換案内の検索や、地上交通のチケット手配ができる「JAL MaaS」から耳寄り情報です。この度、和歌山県でのレンタサイクルの予約ができるようになりました!

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予約方法はカンタン。JAL MaaSを開いて和歌山県内エリアでの経路検索をすると、予約ボタンが表示されます。

日程を選択して、決済を済ませれば完了です。利用当日は、貸出場所で予約画面をスタッフに見せるだけなので、受付もスムーズ。JMB会員番号でログインをして予約すれば、自動でマイルがたまっておトクです!

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JAL MaaSはこちら
https://www.jal.co.jp/jp/ja/relations/jalmaas/

荷物当日宅配サービスを使って、空港からすぐ観光へ!

空港に到着したらすぐに自転車に乗りたいのに、荷物があって難しい――そんなサイクリストの“あるある”問題も、心配無用です。南紀白浜空港では、白浜町内のホテルや旅館までの「手荷物配送サービス」を実施。バス乗り場近くの「チケット販売所」で預け先のホテルと名前を伝えたら、身軽な状態でサイクリングに出かけましょう。

荷物当日宅配サービス(南紀白浜空港)

受付時間8:30~13:30
料金手荷物一つあたり1,000円
web南紀白浜空港 手荷物配送サービス(pdf)

※JR白浜駅から荷物を送りたい場合は、こちらをご覧ください

空港でEバイクレンタルを展開する「KMICH(クミッチ)」は、上富田(かみとんだ)町のJR朝来駅近くにあるサイクルステーション。Eバイクの貸出や返却はここでも可能です。

画像2: サイクリストに人気の和歌山県へ。JAL客室乗務員が3つのモデルコースを体験

KMICH

  • 住所:和歌山県西牟婁郡上富田町朝来2537-57(上富田町産業振興・文化交流館内)
  • 電話:070-5540-4116
  • 貸出時間:9:00~15:00
  • 定休日:火曜(臨時休業の場合あり)
  • web:KMICH 公式サイト

和歌山を全身で感じる3つのモデルコース

用意したのは、スタイルが異なる3つのオリジナルコース。「絶景を楽しみたい」「歴史に触れたい」など、そのときの気分に合わせて和歌山サイクルを楽しんでください。南紀白浜空港では、スポーツバイクに電動アシスト機能が備わった「Eバイク」のレンタルサービス(要事前予約)があるため、どのコースも空港からスタートできます。

1:歴史・絶景コース

「熊野詣」で知られる熊野。その入り口であり「口熊野(くちくまの)」とも呼ばれる上富田町と白浜町を経由する約40kmのコースです。世界遺産に認定された「稲葉根王子跡」に訪れた後は、現代式の「水垢離(みずごり)」を体験。さらに、「熊野三所神社」を訪れて旅の安全を祈願します。「三段壁」や「千畳敷」などの絶景を楽しむのもお忘れなく。

2:アクティブコース

上富田(かみとんだ)町からすさみ町まで、約52kmを南下。空港を出発し、ダムのない「富田川」を上り、司馬遼太郎の著作『街道をゆく』でも紹介された上富田町・生馬(いくま)地区を通過した後は、日置(ひき)川に沿って海岸まで走り抜けます。山、川、海岸と、短い距離の中で次々と景色が変わるアドベンチャー感の溢れるサイクリングコースです。

3:アカデミックコース

自転車を解体せずそのまま持ち込んで乗車できる、JR「きのくに線サイクルトレイン」を利用して最南端の串本町まで移動。「南紀熊野ジオパークセンター」で、アップダウンが激しい和歌山の地形の謎を学びます。宿泊場所はサイクリストフレンドリーな宿「ぼたん荘」で決まり。もちろん、帰りもサイクルトレインで手軽に空港に戻れます。

1:2つの神社と絶景ポイントを巡る「歴史・絶景コース」

ミシュランガイド掲載! 進化系和歌山ラーメン「麺家口熊野食堂」

南紀白浜空港を出発して東へと自転車を走らせ、富田川に沿うように進むこと約30分。まずは「麺家口熊野食堂」で腹ごしらえです。

画像1: ミシュランガイド掲載! 進化系和歌山ラーメン「麺家口熊野食堂」

和歌山ラーメンといえば醤油と豚骨を合わせたスープが最大の特徴ですが、口熊野食堂のラーメンはさらに鶏ガラを加えているのがポイントです。豚骨特有の匂いを抑え、バランスの取れた旨みを引き出した進化系の一杯は、「ミシュランガイド京都・大阪+和歌山2022」にも掲載されました。

画像2: ミシュランガイド掲載! 進化系和歌山ラーメン「麺家口熊野食堂」

シンプルな味を楽しみたいと日髙さんが選んだのは、看板メニューの「口熊野らーめん」(800円)。特注の玉子麺は弾力があり、濃厚なスープによく絡みます。4時間煮込んだ自家製チャーシューも食べごたえ満点! このほか、魚介ベースの「口熊野魚◯(うおまる)らーめん」(960円)や5種の醤油をブレンドした「口熊野ブラック」(960円)も人気です。

麺家口熊野食堂

住所和歌山県西牟婁郡上富田町生馬748-2
電話0739-47-6595
営業時間10:30~14:00、17:30〜20:30(夜営業は金・土・日のみ) ※スープがなくなり次第終了
定休日水曜
Instagram@kuchikumano_syokudou

世界遺産に登録された「稲葉根王子跡」で現代版の水垢離体験

平安時代、熊野古道を歩いて熊野三社を参拝する「熊野詣」が、上皇や貴族たちの間で盛んでした。当時の熊野詣は、往復するのに1カ月もかかるほど命がけ。そこで、案内人を務めていた修験者たちは、地元の住民が神を祀っていた社を「王子」として認定し、道中の守護を祈ったといわれています。

画像1: 世界遺産に登録された「稲葉根王子跡」で現代版の水垢離体験

それらは熊野古道沿いに100カ所以上あり、いつしか「数多」を意味する九十九を冠した「九十九王子(くじゅうくおうじ)」と呼ばれるようになりました。「稲葉根王子」は、その九十九王子の中でも重要な王子とされる「五体王子」の一つで、2016年に世界遺産に登録されています。

画像2: 世界遺産に登録された「稲葉根王子跡」で現代版の水垢離体験
画像3: 世界遺産に登録された「稲葉根王子跡」で現代版の水垢離体験

また、稲葉根王子前の岩田川(富田川)付近は「一ノ瀬」と呼ばれ、当時の人々は熊野に入るためにこの川を繰り返し渡ることで身を清めていたそう。この行為を「水垢離」といい、近くの体験場では、ベンチに座って足をつけることで現代版の水垢離の雰囲気を味わえます。当時の人々に想いを馳せながら、古道の面影を感じました。

画像: 「サイクリングで疲れた足のほてりが抑えられました!」と日髙さん

「サイクリングで疲れた足のほてりが抑えられました!」と日髙さん

画像4: 世界遺産に登録された「稲葉根王子跡」で現代版の水垢離体験

稲葉根王子跡 水垢離体験場

住所和歌山県西牟婁郡上富田町岩田
電話0739-34-2370(上富田町役場振興課)
営業時間9:00~16:00

潮騒に耳を澄ませ、自然の神秘に浸る「三段壁」

稲葉根王子跡から一気に西へ向かい、海岸に出ました。

画像1: 写真提供:(公社)和歌山県観光連盟

写真提供:(公社)和歌山県観光連盟

長さ2km、高さ50mにも及ぶ断崖絶壁の「三段壁」がそそり立っています。展望台からは雄大な南紀の海を一望でき、さらに地下36mには洞窟も存在。断崖上から地中をエレベーターで降りることで、洞窟内部にも入れます。

画像2: 写真提供:(公社)和歌山県観光連盟

写真提供:(公社)和歌山県観光連盟

また、三段壁は「恋人の聖地」にも認定。展望台近辺にはハートのモニュメントやピンクの郵便ポストがあるので、大切な人と訪れるのもおすすめです。

三段壁

住所和歌山県西牟婁郡白浜町2927-52
電話0739-43-6588(白浜町観光課)

自然が生み出した巨大なアート「千畳敷」に降り立つ

三段壁のすぐ北側にも絶景スポットがあります。

画像3: 写真提供:(公社)和歌山県観光連盟

写真提供:(公社)和歌山県観光連盟

畳が千枚敷けるほどの広い岩盤であることから命名された「千畳敷」。約1800万年前から1500万年前に積み重なった砂岩が、打ち寄せる荒波によって長い年月をかけて侵食され、現在のようなダイナミックな地形になったといわれています。

画像4: 写真提供:(公社)和歌山県観光連盟

写真提供:(公社)和歌山県観光連盟

白い岩盤と青い海とのコントラストは壮観で、圧倒的な大自然を前に思わず息をのんでしまうほど。水平線に沈む夕日も絶景で、多くの観光客が訪れる名勝地です。

千畳敷

住所和歌山県西牟婁郡白浜町2927-72
電話0739-43-6588(白浜町観光課)

白浜のシンボル的存在「円月島」。丸い穴から何が見える?

続いて向かったのは、千畳敷のさらに北側の臨海浦と呼ばれるエリア。南海上に浮かぶ南北130m、東西35m、高さ25mほどの無人の小島「円月島」を眺めにきました。

画像5: 写真提供:(公社)和歌山県観光連盟

写真提供:(公社)和歌山県観光連盟

正式名称は「高嶋」ですが、島の中央にぽっかりと円形の穴が開いていることからこの名で親しまれています。日中の太陽が降り注ぐ様子も素敵ですが、イチオシは陽が沈む時間帯。春と秋には、穴に夕日がおさまる瞬間にお目にかかれることもあるそうです。

画像6: 写真提供:(公社)和歌山県観光連盟

写真提供:(公社)和歌山県観光連盟

円月島

住所和歌山県西牟婁郡白浜町
電話0739-43-6588(白浜町観光課)

白砂が敷き詰められた「熊野三所神社」に参拝

画像1: 白砂が敷き詰められた「熊野三所神社」に参拝

県道・白浜温泉線を走り海岸サイクリングを楽しむこと10分ほど。和歌山の代表的な絶景スポットを巡った後は、白良浜に隣接する「熊野三所神社」へ。

画像2: 白砂が敷き詰められた「熊野三所神社」に参拝

周囲を覆うように鬱蒼と茂る社叢や、約1400年前の姿が現存している「火雨塚古墳」は県指定の文化財としても知られています。

画像3: 白砂が敷き詰められた「熊野三所神社」に参拝

境内を進み本殿のある広場へ足を踏み入れると、ふんわりとした踏み心地に驚きます。その正体は白砂。そう、白良浜と同じ砂浜が一面に広がっているのです。イザナミノミコト、ハヤタマオノミコト、コトサカオノミコトが祀られている本殿は、良縁や健康長寿にご利益があるといわれています。

画像4: 白砂が敷き詰められた「熊野三所神社」に参拝
画像5: 白砂が敷き詰められた「熊野三所神社」に参拝

参拝の次に向かったのは「御座船(ござぶね)奉安庫」。1929年、昭和天皇が南紀を訪れた際に乗船した御座船が格納されています。白い船体に輝く菊の御紋は神々しく、見ているだけでパワーをもらえそうです。

画像6: 白砂が敷き詰められた「熊野三所神社」に参拝
画像7: 白砂が敷き詰められた「熊野三所神社」に参拝

そして、日髙さんが注目したのは、熊野三所神社名物「パンダ御守」(1,000円)。パンダの親子が刺繍されたキュートな御守は、お土産にもぴったりです。

画像8: 白砂が敷き詰められた「熊野三所神社」に参拝

熊野三所神社

住所和歌山県西牟婁郡白浜町744
電話0739-43-0558

コーヒーと和歌山産フルーツでほっとひと息「九十九別邸 豆の湯」

小腹が空いたところで、カフェ「九十九別邸 豆の湯」に到着しました。神社からは5分とかからない場所です。

画像1: コーヒーと和歌山産フルーツでほっとひと息「九十九別邸 豆の湯」
画像2: コーヒーと和歌山産フルーツでほっとひと息「九十九別邸 豆の湯」

「豆の湯」とは約150年前のコーヒーの別称で、その名の通り、オリジナルブレンドの焙煎コーヒーが味わえます。長屋をリノベーションした店内はオーナーが買い集めたアンティーク品などが並び、レトロな雰囲気。

日髙さんは、コーヒーメニューのなかから「MAME-BUKA」(650円)をチョイス。コクと苦みがしっかりしていながらもまろやかな甘みを感じる一杯が、旅の疲れを癒やしてくれます。おともには「季節の生フルーツサンド」(1,100円)を。和歌山県内で採れた旬のフルーツをふんだんに使った一品は、つい眺めてしまうほどの美しさ。

画像3: コーヒーと和歌山産フルーツでほっとひと息「九十九別邸 豆の湯」
画像4: コーヒーと和歌山産フルーツでほっとひと息「九十九別邸 豆の湯」

秋に提供しているのは、みなべ町で収穫された2種のイチジクで作るオープンサンド。自家製のパンにたっぷりのったフルーツと生クリームの組み合わせがたまりません。ほんの少しあしらわれた塩が甘みを引き立たせていて、コーヒーとの相性も抜群です。

画像: 同じイチジクであっても、形も味も異なります

同じイチジクであっても、形も味も異なります

画像5: コーヒーと和歌山産フルーツでほっとひと息「九十九別邸 豆の湯」

ジャズミュージックが流れる空間は居心地がよく、本が充実している2階の席はついつい長居してしまいそうです。

画像6: コーヒーと和歌山産フルーツでほっとひと息「九十九別邸 豆の湯」

リラックスした気分でゴールした、サイクルコースでした。

九十九別邸 豆の湯

住所和歌山県西牟婁郡白浜町1384-15 新地長屋 5号
電話0739-33-7070
営業時間9:00~17:00
定休日火、水曜
Instagram@ 99___mamenoyu

どこまでも続く海岸線の美しさに魅了!「アクティブコース」

創業90年の「えびね温泉」で、良質な湯に癒やされる

南紀白浜空港から出発したら、上富田町を経由して内陸側をぐるりと回って白浜町へと抜けます。1時間強、林の中のサイクリングを楽しみ、日置川沿いに山間を進むと「えびね温泉」の看板が見えてきました。

画像1: 創業90年の「えびね温泉」で、良質な湯に癒やされる

こちらは、食堂を併設した日帰り温泉施設です。かつて日置川のほとりには温泉があり、当時の人々はここで入浴や飲泉をすることで、医療が未発達ながらも健康を維持してきた言い伝えがあるそう。その温泉を再び生かそうと昭和9年(1934年)に生まれたのが「えびね温泉」です。

画像2: 創業90年の「えびね温泉」で、良質な湯に癒やされる

日帰り温泉は全面ガラス張りで、眼の前には雄大な山々と日置川の眺めが広がっています。湯は「美肌の湯」で知られるアルカリ性単純硫黄泉で、源泉100%かけ流し。トロリとした湯は柔らかな肌触りで、入浴後にはすべすべが実感できます。シャワーからも同じ温泉水が出るため「髪の毛がツヤツヤになった」と喜ぶ利用客も多いとか。

画像: 写真提供:南紀白浜観光協会

写真提供:南紀白浜観光協会

ここを訪れたからには、ぜひ食堂にも足を運んでください。提供されているメニューはすべて温泉水で調理されていて、「きつねうどん」(650円)はまろやかな口当たり。日髙さんも「思わず出汁まで飲み干してしまうほどの、優しい一杯です」と、体の芯から温まった様子です。

画像3: 創業90年の「えびね温泉」で、良質な湯に癒やされる
画像4: 創業90年の「えびね温泉」で、良質な湯に癒やされる

食後の「コーヒー」(350円)も、もちろん温泉水で淹れたもの。体の中に良質な成分が行き渡るようで、パワーがみなぎります。

画像5: 創業90年の「えびね温泉」で、良質な湯に癒やされる

えびね温泉

住所和歌山県西牟婁郡白浜町向平504
電話0739-53-0366
営業時間10:30~18:00 ※温泉水の販売は8:00~
定休日年末年始

ゆるやかな蛇行を繰り返す清流「日置川」

せっかく山間に来たなら、日置川の景色をもっとしっかり目に焼き付けておきたいところ。熊野の山岳地帯に水源を持ち「紀伊半島最後の清流」と称えられる日置川は、アユやアマゴなどの渓流魚が豊富で、多くの釣り人も訪れる景勝地です。

画像: ゆるやかな蛇行を繰り返す清流「日置川」

注目したいのは、その形状。ゆるやかな蛇行を繰り返す独特な水の流れは、なかなかお目にかかれません。車の邪魔にならないように自転車を停めて、迫力満点の眺めを楽しみましょう。

令和に蘇った「安居の渡し場」。日置川を舟で横断

そんな日置川を川舟で渡れるのが「安居(あご)の渡し場」。熊野古道・大辺路の富田坂と仏坂の間にあり、大辺路の中で唯一、川舟で渡れる場所です。

画像: 令和に蘇った「安居の渡し場」。日置川を舟で横断

安居の渡し場の歴史は、さかのぼること江戸時代。かつては旅人だけではなく住民も生活の中で利用していたとされ、まさになくてはならない大切な存在でした。ところが、時代の流れとともに利用者が減少し、やむなく休止に。その後は紆余曲折ありながらも、復活を求める多くの声に応え、令和6年から正式に運航が再開しています。

画像: 体験すると、地元のヒノキで作った乗船手形がもらえます

体験すると、地元のヒノキで作った乗船手形がもらえます

昔ながらの川舟に乗って、日置川が織りなす自然の美しさを堪能。しばし散策の時を過ごし、また日置川に沿って海岸まで走ります。

安居の渡し場

電話080-2500-3233(安居の渡し保存会専用携帯番号)
※住所、氏名、連絡先、運航希望日、時間、人数を記入の上、ショートメールで送信してください
運航時間9:00~10:30、13:30~14:30 ※予約制
運航日土日祝のみ
利用料500円
web南紀白浜観光協会(安居の渡し)

元◯◯!? の「FRONT110」に自転車を返却

紀伊半島西岸のほぼ南端に位置するすさみ町。雄大な太平洋に面しているため、海岸沿いを走りながらどこまでも続く水平線を眺めることができます。どこもかしこも撮影スポットになりそうです。

画像1: 元◯◯!? の「FRONT110」に自転車を返却

爽快なルートを抜けると、すさみ海水浴場前にある観光案内所「FRONT110」に到着。空港でレンタルした自転車は、ここで返却することができます。

画像2: 元◯◯!? の「FRONT110」に自転車を返却
画像3: 元◯◯!? の「FRONT110」に自転車を返却

せっかくなので、案内所の中も見学させてもらいました。なんと、1階の奥には牢屋が!

画像4: 元◯◯!? の「FRONT110」に自転車を返却

そう、ここは串本署すさみ幹部交番があった場所で、施設名の「110」もそこから名付けられています。牢屋は留置所として実際に使われていたというから驚きです。旅の思い出に、おもしろ写真をパシャリ。

画像5: 元◯◯!? の「FRONT110」に自転車を返却

2階はコワーキングスペースとして開放中。窓から見えるのは、海に浮かぶ天然記念物・稲積島です。

画像6: 元◯◯!? の「FRONT110」に自転車を返却

なんだか、まだまだすさみエリアには魅力的な場所が点在していそう――。そう思ったら、カウンターで観光スポットを教えてもらうこともできます。次のサイクリングルートを相談してもいいかも?

画像7: 元◯◯!? の「FRONT110」に自転車を返却

たくさん自転車を漕いで疲れたはずなのに、高揚感に包まれたような表情の日髙さん。この日はぐっすり眠れたそうです。

FRONT110

住所和歌山県西牟婁郡すさみ町周参見4581-14
電話0739-34-3200
営業時間9:00~18:00 ※10月~3月は9:00~17:15
定休日火曜 ※GWおよび7、8月は除く
webFRONT110 公式サイト

和歌山ならではの特殊地形を満喫できる「アカデミックコース」

JR「きのくに線サイクルトレイン」で自転車ごと「JR紀伊有田駅」へ

南紀白浜空港から自転車を15分ほど走らせJR紀伊富田駅に到着、「きのくに線サイクルトレイン」に乗車します。和歌山~新宮駅間で運行している普通列車で、自転車を解体せずにそのまま乗車できるのが、ちょっと特別な体験。

御坊~新宮駅間は予約不要(※1)で、自転車持ち込みの追加料金もないので、遠方まで気軽にサイクリング旅が楽しめます。(※2)

目的地は、カラフルなアートが印象的な「JR紀伊有田駅」。

画像1: JR「きのくに線サイクルトレイン」で自転車ごと「JR紀伊有田駅」へ

無人の駅舎に降り立つと、壁や床一面に広大な海や自然豊かな山をイメージしたアートがちりばめられています。手掛けたのは和歌山出身の画家 まつおさんで、完成までに6年かかったそう。この空間を体験するために、わざわざ下車してほしい駅です。

画像2: JR「きのくに線サイクルトレイン」で自転車ごと「JR紀伊有田駅」へ
画像3: JR「きのくに線サイクルトレイン」で自転車ごと「JR紀伊有田駅」へ
画像4: JR「きのくに線サイクルトレイン」で自転車ごと「JR紀伊有田駅」へ

サイクルトレインを利用する際は、車内で自転車が動かないよう、ゴムや紐で必ず固定する(※3)のをお忘れなく!

JR「きのくに線サイクルトレイン」

webJR おでかけネット(きのくに線 わかやま線サイクルトレイン 公式サイト)
※1 和歌山~御坊駅間は事前予約制、御坊~新宮駅間は予約不要です
※2 車内の混雑具合により、自転車が持ち込みできない場合があります
※3 ゴムや紐などの固定具を事前に準備の上、乗車しましょう。ない場合は、駅員や乗務員へ相談してください

南紀熊野の自然と文化に触れる「南紀熊野ジオパークセンター」

和歌山県の面積のほぼ8割は、「紀伊山地」と呼ばれる深い山々で占められています。雨量が多いため浸食が進み、険しい地形が発達したことにより、県内の道はアップダウンが激しいのが特徴。特に、県南部はプレートの沈み込みによって生み出された異なる3つの地質体から成る独特の地形で、サイクリストにとっては走りがいのある場所です。

画像1: 南紀熊野の自然と文化に触れる「南紀熊野ジオパークセンター」

「南紀熊野ジオパークセンター」では、そんな南紀熊野の大地の謎について知ることができます。

画像2: 南紀熊野の自然と文化に触れる「南紀熊野ジオパークセンター」

大型模型やプロジェクションマッピングで地形の成り立ちを学習した後は、南紀熊野の自然や歴史文化が展示されたゾーンへ。館内にはジオパークガイドの方が常駐しているので、どんな疑問にも答えてもらえるのがうれしいところ。

画像3: 南紀熊野の自然と文化に触れる「南紀熊野ジオパークセンター」

化石を発掘したり川のでき方を実験したりと体験型のコーナーも充実しているので、大人も子どもも夢中になって学べます。地形や地質の知識が身につくと、サイクリングもますます楽しめそうです。

南紀熊野ジオパークセンター

住所和歌山県東牟婁郡串本町潮岬2838-3
電話0735-67-7100
開館時間9:00~17:00
定休日年末年始
入館料無料
web南紀熊野ジオパーク(南紀熊野ジオパークセンターについて)

「紀州なぎさの駅 水門まつり」でブランドマグロに舌鼓

ジオパークセンターから自転車で20分ほど。ランチは、海鮮料理が充実する「紀州なぎさの駅 水門(みなと)まつり」へやってきました。

画像1: 「紀州なぎさの駅 水門まつり」でブランドマグロに舌鼓

数ある料理の中でも、おすすめは自社ブランドの「南紀串本よしだ本鮪」を使ったメニューです。社長の吉田俊久さんは本マグロ研究の第一人者。そんな吉田さんが、エサや温度管理などに徹底してこだわりぬいた養殖マグロが「南紀串本よしだ本鮪」なのです。

画像2: 「紀州なぎさの駅 水門まつり」でブランドマグロに舌鼓

脂身のバランスがほどよく、舌の上でじわりととろける甘みは他では体験できない味わい。イチオシは、よしだ本鮪のほか甘エビやしらすなどが鮮やかに彩る「本まぐろ海鮮丼定食」(2,200円)です。

画像3: 「紀州なぎさの駅 水門まつり」でブランドマグロに舌鼓
画像: Cap:「なめらかな舌触りにびっくり! 脂の甘みが感じられます」と、日髙さん

Cap:「なめらかな舌触りにびっくり! 脂の甘みが感じられます」と、日髙さん

サイクリングでお腹がすいて心待ちにしていたお昼ご飯は、いつもよりもっと美味しく感じられるもの。さらに、くしもと大橋や大島が一望できるオーシャンビューも、ごちそうの一つです。1階では海産物やお菓子など、串本の名産品も販売しています。

画像4: 「紀州なぎさの駅 水門まつり」でブランドマグロに舌鼓

紀州なぎさの駅 水門まつり

住所和歌山県西牟婁郡串本町串本1557-20
電話0735-62-7787
営業時間11:00~売り切れ次第終了 ※1階は9:00~16:00
定休日なし
web紀州なぎさの駅 水門まつり 公式サイト

マグマが生んだ「橋杭岩」でドラマチックな景色に出会う

青く澄んだ海岸沿いを15分ほど走ると、突如として現れるのが直線上に並んだ大小さまざまな奇岩。天邪鬼を相手に、大島まで橋を架ける競争をしていた弘法大師(空海)が、一夜にして作ったという伝説が残る「橋杭岩(はしぐいいわ)」です。

画像1: マグマが生んだ「橋杭岩」でドラマチックな景色に出会う

約1500万年前に、地層の割れ目に沿ってマグマが上昇し、冷えて固まった後に火成岩となり、その後に雨や波などによって周りの泥岩が削られ、残った火成岩が橋杭岩と呼ばれるようになりました。周りに散在する大小さまざまな岩は、巨大地震による津波によって運ばれたものだといわれています。

画像2: マグマが生んだ「橋杭岩」でドラマチックな景色に出会う

干潮時には岩のすぐ近くまで歩いて行けるのもポイント。根本をよく見ると、地層の割れ目にマグマが入り込んだ痕跡がわかるかも?

画像3: マグマが生んだ「橋杭岩」でドラマチックな景色に出会う
画像4: マグマが生んだ「橋杭岩」でドラマチックな景色に出会う

橋杭岩

住所和歌山県東牟婁郡串本町くじの川1549-8
電話0735-62-5755(道の駅 くしもと橋杭岩)

穴だらけの奇岩「高池の虫喰岩」でいにしえの風を感じる

串本町をあとにし、古座川町へ。向かったのは国指定の天然記念物「高池の虫喰岩(むしくいいわ)」です。

画像1: 穴だらけの奇岩「高池の虫喰岩」でいにしえの風を感じる

その名の通り、まるで虫が食い散らかしたかのような無数の穴が巨大な岩全体に刻まれています。直径約10cm、深さ4~5cmのものがほとんどですが、中には1m以上もの大きな穴も。

画像2: 穴だらけの奇岩「高池の虫喰岩」でいにしえの風を感じる
画像3: 穴だらけの奇岩「高池の虫喰岩」でいにしえの風を感じる

約1500万年前の大規模な火山活動によって作られた岩が、風化と侵食によってこのような姿になったそうです。穴の空いた小石に糸を通してお願いすると、耳の病気が治るなんて言い伝えもあるとか。

高池の虫喰岩

住所和歌山県東牟婁郡古座川町池野山705-1
電話0735-72-0015(道の駅 虫喰岩)

毎日でも行きたくなる。地元住民に愛される「カフェつくる」

虫喰岩から古座川へ自転車を走らせること約10分。ここで、ひと休みします。

画像1: 毎日でも行きたくなる。地元住民に愛される「カフェつくる」

和歌山を代表する清流の一つ「古座川」の近くにある、里山の古民家を改築した「カフェつくる」。地元や店の裏にある畑で採れた食材を使う料理が人気で、特に、体が喜ぶ優しい味わいの「ごはん定食」(1,300円)や「日替わり定食」(1,000円)は、毎日食べに来る常連客もいるとか。

画像2: 毎日でも行きたくなる。地元住民に愛される「カフェつくる」
画像3: 毎日でも行きたくなる。地元住民に愛される「カフェつくる」

カフェを一人で切り盛りする山本さんは、十数年前に横浜から古座川町に移住。特に縁があったわけではなく、直感で決めたのだと言います。「田舎暮らしに憧れがあったので、海も山も川もある和歌山は理想にぴったり。のどかで暮らしやすく、人が温かいのが魅力だと思います」と、山本さん。料理や野菜だけではなく、人の縁をつくっていきたいとの思いで命名した「つくる」には、その名の通り地元の人々が日々集まっています。

日髙さんが注文したのは「今日のおやつ」(300円)。この日は近所で採れたブルーベリーをふんだんに使ったチーズケーキです。ドリンクは自家製の梅シロップで作った「梅サワー」(400円)をチョイス。疲労回復に役立つといわれる梅の酸味が、体中に染み渡ります。グラスの底に沈んだ梅を崩しながら飲むと、よりいっそう爽快さが感じられるのでおすすめです。

画像4: 毎日でも行きたくなる。地元住民に愛される「カフェつくる」

毎週水、金曜は店内の一角に「天然酵母 パンつくる」がお目見え。カフェメニュー同様、優しい味わいのパンを狙って出かけるのも良さそうです。

カフェつくる

住所和歌山県東牟婁郡串本町古田275-1
電話0735-67-7240
営業時間11:00~16:00(ランチL.O.13:30)
定休日土、日、月曜
Instagram@cafe_tsukuru_

自転車好きは要チェック! 生まれ変わった「南紀月の瀬温泉ぼたん荘」

画像1: 自転車好きは要チェック! 生まれ変わった「南紀月の瀬温泉ぼたん荘」

カフェつくるから、川づたいに10分ほど。古座川のほとりに佇むのがこの日のお宿、「南紀月の瀬温泉ぼたん荘」です。2023年4月の営業休止から1年半後の2024年12月、装いを新たにリニューアルオープンする予定です。客室は17部屋で、以前より7部屋増えています。

画像2: 自転車好きは要チェック! 生まれ変わった「南紀月の瀬温泉ぼたん荘」

目玉は、何といっても「サイクリストフレンドリー」なサービス。古座川沿いはサイクリングルートとして人気が高く、国際ロードレースやサイクリングイベントを開催していることから、自転車でこの地を訪れる観光客も少なくありません。そこでこちらの宿では、自転車をそのまま部屋まで持ち込むことを可としたのです。

画像3: 自転車好きは要チェック! 生まれ変わった「南紀月の瀬温泉ぼたん荘」
画像4: 自転車好きは要チェック! 生まれ変わった「南紀月の瀬温泉ぼたん荘」

さらに、大きな窓から中庭を見渡せる温泉はまるで露天風呂感覚。pH値9.8のアルカリ性の泉質は美肌効果が高く、しっとりとした洗い上がりが期待できそうです。また、人気ベーカリーも登場するとのことで、こちらも楽しみです。

画像5: 自転車好きは要チェック! 生まれ変わった「南紀月の瀬温泉ぼたん荘」

温泉にゆっくりつかって、アカデミックコースも終了。疲れた体を癒したら、明日も張り切って観光できそうです。

南紀月の瀬温泉ぼたん荘

住所和歌山県東牟婁郡古座川町月野瀬881-1
電話0735-72-0376
営業時間※電話でお問い合わせください
定休日なし

サイクリングの旅を終えた日髙さん、体力に自信がなくてもEバイクがあれば楽しめると実感したようです。「自転車という、ほど良いスピードでさわやかな風を感じ、地元の方とも触れ合える楽しい旅でした。Eバイクも長距離も初めてでしたが、上り坂でも一切負荷を感じることなく景色を楽しみながらあっという間の3日間でした」と旅を振り返ります。

豊かな自然、荘厳な歴史や文化、温泉にグルメ……と、観光資源に溢れた和歌山県は、サイクリストの心をつかんで離しません。無限に広がる自転車旅の魅力を、ぜひ肌で感じてください。

【番外編】総距離約230kmの「クマイチ」にも挑戦!?

紹介した3つのモデルコースの中に、気に入ったコースはありましたか? この旅で自転車に興味を持ったら、ぜひ次は「クマイチ」にトライしてください。

クマイチは太平洋岸自転車道と和歌山県サイクリングロード「WAKAYAMA800」を活用し、県南部を反時計回りに一周するルートです。コースは大きく海岸線と内陸コースの2つに分かれていて、どちらも世界遺産や自然豊かな地を巡れます。なんとその総距離は約230km!

ルートを巡ってスタンプを押すなど、条件を満たすと認定証がもらえる「クマイチスタンプラリー」も開催中です。

画像: 【番外編】総距離約230kmの「クマイチ」にも挑戦!?

2023年8月に、クマイチサイクリングツアーに参加した日髙さん。「前半の3日間で130キロを走行して参りました。クマイチは国内屈指のリゾート地である南紀白浜の他にも、世界遺産の熊野古道に沿って走るクマイチで日本の魅力を存分に体験できます。ぜひ、古き良き日本に出会えるサイクリングをお楽しみください」と、クマイチの魅力を語ってくれました。
※「クマイチ」は、一般社団法人紀州くちくまの未来創造機構の登録商標です

【参考】自転車旅を楽しむための準備と知っておきたいルール

「KMICH」で貸し出しているEバイクをはじめ、電動アシスト付きの自転車は初心者にとって最高の相棒。でも、ルールを守らなければ重大な事故を引き起こしかねません。自転車旅を満喫するための準備やルールを熟読し、サイクリングに出かけましょう。

髪型

走行中はヘルメットを着用するため、ロングスタイルの方は下の位置で束ねるのがおすすめ。

アクセサリー

ピアスやネックレスなどは転倒した際に危険なので、走行中は外しましょう。

服装

ロング丈のコートやセーターは体の可動域を制限してしまうのでNG。重ね着しやすい薄手のウィンドブレーカーがあると便利です。ロングパンツの場合は、裾がチェーンに巻き込まれたり油で汚れたりしないよう、裾が絞れるタイプを選びましょう。また、グローブをはめていると転倒した際にも安心ですし、自転車のグリップが握りやすくなります。足元は動きやすいスニーカーで。

画像: 服装

サイクリング時に携帯しておきたいもの

走行中は何が起きるかわからないもの。ときには自動販売機やコンビニが周囲にない山奥に行くこともあります。そのため、水筒などの飲み物や軽食(手軽に食べられる栄養補助食品がベスト)は必ず常備しましょう。

サングラス、雨具、日焼け止め、タオル(お尻が痛くなった際にサドルに入れます)などもあると安心です。また、走行ルートや途中のスポットに何があるかを念入りに確認し、もしもの時に備えましょう。

保険加入で旅先でのケガも安心

旅行・レジャー保険に加入しておくと、万が一に備えて安心してサイクリングできます。1日500円から、コンビニでも手軽に加入できます。

気をつけるべき自転車ルール

自転車は、歩道と車道の区別がある道路では車道通行が原則。その際は道路の左端に寄って通行しなければなりません。万が一にも歩道を通行する場合は、すぐに停止できる速度を心がけましょう。また、信号や標識を必ず守り、夜間はライトを点灯するといったルールもお忘れなく。

2024年11月から、自転車運転中にスマートフォンなどを使用する「ながら運転」(「ながらスマホ」)の罰則が強化され、「自転車の酒気帯び運転」が新たに罰則の対象となりました。ルールを守り、快適な和歌山サイクリングを楽しみましょう。

(参考)自転車安全利用五則
https://www.gov-online.go.jp/bureau/traffic/bicycle/pdf/2nihonngo.pdf

(参考)2024年11月から「ながらスマホ」罰則強化、「酒気帯び運転」の罰則新設
https://www.gov-online.go.jp/article/202410/entry-6604.html

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