2020年6月に奈良公園の一角に開業した「ふふ 奈良」は、世界的建築家・隈研吾氏が基本デザインに携わったスモールラグジュアリーリゾートです。建築から客室、食事まで、古都・奈良の伝統や文化といった魅力を凝縮したおもてなしは、ほかにはないステイ体験。そんな「ふふ 奈良」で過ごす時間を、本記事で擬似体験してみてください。

奈良公園の一角に溶け込むスモールラグジュアリーリゾート「ふふ 奈良」

画像1: 奈良公園の一角に溶け込むスモールラグジュアリーリゾート「ふふ 奈良」

奈良観光の中心、鹿が悠然と草を食む奈良公園の一角に佇む「ふふ 奈良」。熱海、河口湖、日光、京都、箱根(2022年1月26日開業予定)で展開する、「ふふシリーズ」のひとつです。「ふふ」ではそれぞれの土地が持つ自然や文化を生かした滞在を提供するのが特徴。その土地を深く知り、その場所ならではの時間を楽しむために各施設をめぐる人も多いのだとか。

「ふふ 奈良」は、約13,000平方メートルの敷地にわずか30室だけが設けられたスモールラグジュアリーリゾート。敷地外からは土壁とそこから覗く高い木々に遮られ、その全貌を目にすることはできません。

画像: 画像提供:ふふ 奈良

画像提供:ふふ 奈良

脇道に入った場所には広々とした石畳のアプローチが設けられ、その奥に控えめな色調の2階建ての建物が現れます。ここまで来て、ようやくここがホテルであることに気づく人も。

「ふふ 奈良」の建築基本デザインは、隈研吾氏によるもの。隈氏は、オリンピック・パラリンピック競技大会の会場として使用された国立競技場のデザインを手掛けた、日本を代表する建築家です。隈氏のデザインといえば、木材を多く使い、周りの環境や文化に溶け込むやわらかなデザインが特徴。国立競技場のデザインにあたっては、ここ奈良の地に現存する日本最古の五重塔で、飛鳥時代から今の姿を留めている法隆寺の五重塔から着想を得たという、隈氏と奈良のつながりが感じられるエピソードもあります。

画像2: 奈良公園の一角に溶け込むスモールラグジュアリーリゾート「ふふ 奈良」

「ふふ 奈良」の外観には、奈良に古来より伝わる伝統や文化、技術などが用いられ、それらが隈氏のデザインによって周囲の環境に溶け込むように見事な調和を見せています。

屋根は切妻(きりづま)・寄棟(よせむね)・入母屋(いりもや)などの複数の形式を組み合わせ、現代数寄屋を表現。壁には、板を1枚おきにズラして少し重ねて張る「大和張り」という方法が用いられています。

隈氏の作品といえば、ナチュラルな明るい木材が使われているイメージをお持ちの人も多いと思いますが、「ふふ 奈良」で使われているのは、この地に縁のある墨の色です。この色は、飛鳥時代から現代に伝わる「奈良墨」にちなんだもの。奈良は、今でも国産墨の9割以上を占める墨の産地なのです。この墨色と「大和張り」の生み出す陰影が、吉野杉の木目をさらに美しく引き立たせています。

緑に覆われた広大な奈良公園の一部として、昔からそこにあったかのような佇まいで私たちを迎えてくれます。

外観から続く隈研吾の世界観に誘われ、歴史と文化、伝統に満ちた空間へ

画像1: 外観から続く隈研吾の世界観に誘われ、歴史と文化、伝統に満ちた空間へ

エントランスには、ゲストを迎えるレセプションカウンターとして、この地にあったクスノキに新たな命が吹き込まれました。天井に目をやると、外観で見られた「大和張り」がここにも。奥には、正倉院でも使われている「校倉造(あぜくらづくり)」が柱や壁のデザインとして用いられているのも見られます。

画像2: 外観から続く隈研吾の世界観に誘われ、歴史と文化、伝統に満ちた空間へ

古都でもあり、シルクロードの終着地でもある奈良。日本古来の伝統、奈良の自然や受け継がれてきた技術だけではなく、正倉院の宝物にも見られるような東西の文化の交差が感じられるのも魅力と言えるでしょう。

画像3: 外観から続く隈研吾の世界観に誘われ、歴史と文化、伝統に満ちた空間へ

「ふふ 奈良」では、部屋でチェックインが行われます。その前に、まずはロビーで中庭を眺めながらウェルカムドリンクで一息つきましょう。ロビーはテーブルごとに奈良の蚊帳生地で仕切られています。蚊帳生地独特の透け感は圧迫感がなく、それでいてプライバシーにも配慮した空間づくりに一役買っているようです。

館内で使われている奈良らしい素材やインテリアに興味が湧いたら、近くの「ならまち」のショップやギャラリーへ足を運んでみるのもいいでしょう。思いがけない素敵なお土産に出会えるかもしれません。

このロビーのスペースは到着時だけではなく、滞在中は気が向いたらいつでも利用することができます。庭を眺めたり、雑誌を手に取ったりと、どうぞ思い思いの時間を。

存在感のある扉と古木が出迎える「BAR 蓮」

画像: 存在感のある扉と古木が出迎える「BAR 蓮」

ロビーの奥には、ほのかな灯りに照らされた空間があります。こちらは夜になるとオープンする「BAR 蓮」。ついつい目がいってしまうのは、存在感ある大きなムクノキの幹と、古民家から譲り受けた年代を感じさせる木の扉のせいかもしれません。

「BAR 蓮」にはカウンターと半個室があり、墨色と古木が持つ落ち着いた色調、照明が作る陰影が美しい、居心地のいい空間です。ウイスキーやワインのほか、奈良県御所市にある大和蒸溜所の「橘花ジン」という貴重なジンを使ったカクテルなども。夕食の前後に利用するのもいいでしょう。

それぞれに異なるデザインが楽しめる客室

画像1: それぞれに異なるデザインが楽しめる客室

5タイプ全30室はそれぞれ異なるデザインで作られています。写真はプレミアムコーナースイートの一例。リビングは、「座する」をテーマに掘り込み式になっていて、床には琉球畳が使われています。室内は、墨や古木の持つ歴史の風化を思わせるカラートーンで統一。浴衣と羽織も墨色と黒のツートンカラーで、洗練されたコーディネイトを楽しめます。

光と影が美しいライティングデザインも特徴的。「満月」「十三夜」「上弦の月」「三日月」と表現されるレベルで光量が調節でき、雅な遊び心を感じられるものになっています。

画像2: それぞれに異なるデザインが楽しめる客室

こちらはコンフォートスイートの一例。アンティーク調の椅子や、鈍い輝きを放つ真鍮の取っ手などが、シックな墨色のインテリアによく映えます。ベッドサイドの照明には、職人の手によって一本一本紡がれた「奈良晒」が使われていて、就寝前のひとときをやわらかい光で包んでくれます。

寺院や春日山からの風を感じる、開放的な露天風呂

画像1: 寺院や春日山からの風を感じる、開放的な露天風呂

「ふふ 奈良」の全ての部屋には、風や緑が感じられる露天風呂が備わっています。「旅の疲れを癒していただきたい」という想いから、県内の温泉から運び湯をし、部屋で天然温泉を楽しめるようにしたそうです。

また、薬発祥の地である奈良にちなんで、大和当帰葉やよもぎ、ヒノキ、柿葉など、10種類以上の和漢植物をブレンドして袋に詰めた「和漢の香りの湯」も用意されています。袋を一晩湯船に浸けておくと翌朝には香りが広がっていますので、夜はそのままの温泉を、朝は和漢の湯を楽しむというのもおすすめです。

画像2: 寺院や春日山からの風を感じる、開放的な露天風呂

露天風呂の向こう側には庭園が広がり、さらにその先には、奈良公園を代表するスポットのひとつでもある浮見堂のある鷺池(さぎいけ)が見えます。温泉あがりには、ソファーで公園の空気と竹林を通る風を感じながら、ゆったりと流れる時間を楽しんでください。

ミニバーにはドリンクも用意。プライスタグが付いていないドリンクはフリーという、わかりやすいシステムになっています。

アメニティでも奈良を感じさせる、香りの仕掛け

画像1: アメニティでも奈良を感じさせる、香りの仕掛け

もし何度も温泉を楽しむ場合は、タオルの交換も遠慮なくお願いしましょう。朝の身支度前など、スタッフと顔を合わせたくないときには、非対面式のユーティリティBOXを使うと便利です。

オーガニックのクレンジングや洗顔、ローションやミルクなども完備。意外とかさばる基礎化粧品を持って行かずに済むのも、嬉しいポイントです。

画像2: アメニティでも奈良を感じさせる、香りの仕掛け

「ふふシリーズ」では、施設ごとにその土地の特徴を表した香りのアメニティが用意されています。「ふふ 奈良」は墨の香り。旅の香りを持ち帰ることができる「余香(YOKOU)」と名付けられたバスアメニティや部屋で使われているアロマオイルなど、気になるものがあれば、スーベニールショップで買い求めて、旅の思い出として持ち帰るのもおすすめです。

画像3: アメニティでも奈良を感じさせる、香りの仕掛け

ショップにはほかにも、吉野杉で作られた御朱印帳や、地元で活躍する作家の工芸品、吉野の葛餅や鹿もなかなどのお土産も並びます。温泉で旅の疲れを取ったら、夕食に向かう前に立ち寄ってみるといいでしょう。

庭園の心地よい風を感じながら「滴翠」のディナーへ

画像1: 庭園の心地よい風を感じながら「滴翠」のディナーへ

夕食は、「瑜伽山園地(ゆうがやまえんち)」の竹林を通って「滴翠(てきすい)」へ。「瑜伽山園地」は明治から大正時代にかけて大阪財界で活躍した山口吉郎兵衛の別荘だった場所で、9時から22時までは一般公開もされている庭園です。

隈氏による奈良の歴史風土に根差した数々のしつらえと、この歴史ある庭園や中庭との融合こそが、「ふふ 奈良」が目指す「庭屋一如(ていおくいちにょ、庭と建物が調和して美しいさま)」の世界観を体現していると言えるのではないでしょうか。

「ふふ 奈良」を100%満喫するには、館内や部屋だけではなく、この庭園の景色も存分に楽しむことがポイントです。

画像2: 庭園の心地よい風を感じながら「滴翠」のディナーへ

「ふふ 奈良」のダイニングでもある「日本料理 滴翠(てきすい)」では、日本料理と鉄板焼きに奈良のテイストを掛け合わせた、新しいセンスの料理に出会えます。

画像3: 庭園の心地よい風を感じながら「滴翠」のディナーへ

座席の大半はプライバシーが保たれた個室仕様になっていて、どの座席も庭園を眺めながら、ほかのゲストを気にせずにゆったりと食事を楽しむことができます。

「鉄板焼き 久璃」で出会う新しい奈良の味

画像1: 「鉄板焼き 久璃」で出会う新しい奈良の味

「滴翠」内にある「鉄板焼き 久璃(くり)」では、素材に火が通る音や香ばしい香りを間近に感じながら、奈良の地と季節を味わう口福な時間が過ごせます。

それぞれの料理に合うワインや地酒も楽しみのひとつ。ノンアルコールのペアリングも用意されています。大和橘を漬け込んだスパークリングや、吉野産の「じゃばら」という柑橘を使ったスプリッツァー、大和和紅茶の美ワインなどが、お酒と同じように美しいグラスに注がれ、アルコールが苦手な人でもまるで一緒にお酒を味わっているかのような雰囲気を共有できます。

画像2: 「鉄板焼き 久璃」で出会う新しい奈良の味

毎月変わる献立は、厳選された旬の食材を使って創意工夫で奈良らしさを追求。奈良が薬発祥の地であることに注目し、和ハーブやスパイスによって日本料理を新しいセンスで仕上げています。繊細かつ新感覚な味わいを、驚きとともに楽しんでください。

画像3: 「鉄板焼き 久璃」で出会う新しい奈良の味

鉄板焼きの主役といえばお肉。「鉄板焼き 久璃」では、低温の鉄板の上でじっくりと焼き、肉本来の旨みを閉じ込め、驚くほど柔らかくジューシーに仕上げます。あまりの美味しさに、ついついシンプルに塩とわさびだけで食べたくなるのですが、スパイスやハーブを使ったオリジナルのソースもぜひ試してみてください。想像していた以上にお肉の味を引き立ててくれます。

コースでは、スイーツにまでほうじ茶や山椒を使うという徹底ぶり。旅先での豪華な食事は自分の体に対して多少の罪悪感が芽生えるものですが、ここでは最後までしっかり食べても、「これは和漢だから」「漢方で使われる植物が入っているから」と、罪悪感少なめで済むかもしれません。

隈研吾氏のデザインとともに、その土地を楽しむ滞在を

「ふふ 奈良」は、奈良公園の一角に建設されたスモールラグジュアリーリゾート。加えて隈氏が建築デザインを手掛けたホテルとして、多方面から注目を集めています。その中身は、古都の美しさと新しい提案が詰まったものでした。

わずか30室という静かな空間で、奈良の伝統と技術、シルクロードの終着地という歴史と文化の交差を感じる特別な滞在。やはりその魅力は、現地で体験してこそ。また安心して旅ができるようになった暁には、「ふふ 奈良」でとことん奈良に浸る旅はいかがでしょうか。

ふふ 奈良

住所奈良県奈良市高畑町1184-1
電話0570-0117-22(総合予約センター)
webhttps://www.fufunara.jp/

文・写真(温泉):東郷カオル
写真:鈴木誠一

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https://www.jal.co.jp/jp/ja/info/2020/other/200228/

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