日本各地には、ユニークな場所に作られた美術館がたくさんあります。その中でも展示作品を鑑賞するだけでなく、周囲の絶景も楽しめてしまう美術館を厳選しました。天空や秘境、瀬戸内海の絶景など、その場所も建築も、そしてアートも楽しめる、まさに旅をしたくなる美術館を紹介しましょう。

※各施設の最新情報は、オフィシャルサイトよりご確認ください。

画像: 天空から秘境まで。絶景とアートを楽しむ美術館めぐり

【大阪】「絹谷幸二 天空美術館」で、大阪の摩天楼を体験する

大阪駅・梅田駅から徒歩10分圏内に位置し、大阪のランドマークタワーのひとつとして知られている梅田スカイビル。地上173mという大阪の街を見渡せるロケーションを誇ります。

画像1: 【大阪】「絹谷幸二 天空美術館」で、大阪の摩天楼を体験する
画像2: 【大阪】「絹谷幸二 天空美術館」で、大阪の摩天楼を体験する

このビルの27階に位置しているのが、“人々に夢と希望を抱かせる”をテーマにかかげた、「絹谷幸二 天空美術館」です。

同館の特徴は、なによりも「体験型」であること。世界初の「絵の中に飛び込む3D映像体験」でアトラクションのように作品の世界に入り込んだり、「画家とつながるVR(仮想現実)体験」で絹谷幸二の美術館案内や東京のアトリエでの制作風景を見ることができたりと、ただ美術作品を眺める“だけ”ではない、最新の体験を楽しめます。

画像3: 【大阪】「絹谷幸二 天空美術館」で、大阪の摩天楼を体験する

そしてこちらで見られる絶景というのが、展示スペースのほぼ中央に位置する、天空ギャラリーから見える景色。

昼間は淀川に架かる橋を渡る車や列車、伊丹空港に降りる飛行機などを見ることができ、まるで梅田のジオラマを見ているかのような気分が楽しめます。

画像4: 【大阪】「絹谷幸二 天空美術館」で、大阪の摩天楼を体験する

夕方になると、夕日が沈む方向には六甲山や、遠く淡路島や明石海峡大橋まで望め、海側ビューを堪能。そして夜になると光り輝く大景観に包まれるという、昼夜で全く異なる表情の街並みを体験することができます。展示作品と同様、眼下に広がる圧倒的な迫力に、きっと驚くことでしょう。

画像5: 【大阪】「絹谷幸二 天空美術館」で、大阪の摩天楼を体験する

同館は入館当日なら再入場が可能なので、昼・夕方・夜と、さまざまな時間帯に訪ねてみてはいかがでしょうか。

絹谷幸二 天空美術館

住所大阪府大阪市北区大淀中1-1-30 梅田スカイビル タワーウエスト27階
電話06-6440-3760
開館時間10:00~18:00、金・土・祝前日 10:00~20:00(入館は閉館の30分前まで)
休館日火曜日(ただし火曜日が祝日の場合は開館し、翌平日が休館)、年末年始、展示替え期間
入館料(個人)一般 1,000円、大学・高校・中学生 600円、小学生以下 無料
webhttps://www.kinutani-tenku.jp/
写真提供絹谷幸二 天空美術館

【滋賀】「MIHO MUSEUM」で桃源郷に迷い込む

京都駅から15分ほど離れた石山駅より、バスで約50分。「MIHO MUSEUM」は、琵琶湖の南、自然豊かな湖南アルプスの山中に佇む神秘的な美術館です。

画像1: 【滋賀】「MIHO MUSEUM」で桃源郷に迷い込む

「美術を通して、世の中を美しく、平和に、楽しいものに」という想いのもと、日本美術をはじめ、エジプト・ローマ・南アジア・中国など、世界各国の古代美術のコレクションが展示されています。

画像2: 【滋賀】「MIHO MUSEUM」で桃源郷に迷い込む

パリ・ルーヴル美術館のガラスのピラミッドなどを手掛けたI.M.ペイによって設計された同館には、美術館棟へ向かうまでアプローチロードがあります。中国の古典である『桃花源記』に描かれた理想郷=桃源郷がモチーフになっているとのことですが、この途中にあるトンネルで、現実世界とは思えない風景に出会うことができます。

トンネルは普通のトンネルと違い、コンクリートではなく、銀色の板が内側に貼り付けられているのが特徴。そのため銀色の壁が、トンネルの先にある山の緑や桜の薄桃色を映し出し、写真のような幻想的な世界に包まれる空間が現れるのです。

画像3: 【滋賀】「MIHO MUSEUM」で桃源郷に迷い込む
画像4: 【滋賀】「MIHO MUSEUM」で桃源郷に迷い込む

トンネルに入ると、しんと静まりかえり、別の世界へトリップしたような感覚に。視覚と聴覚が支配され、「桃源郷に迷い込む」、まさにこんな表現がぴったりな絶景スポットです。

なお、今年度は3月から開館される予定とのこと。入館は事前予約制なので、足を運びたいと考えている方は、あらかじめオフィシャルサイトで確認・手続きをするようにしてくださいね。

MIHO MUSEUM(ミホ・ミュージアム)

住所滋賀県甲賀市信楽町田代桃谷300
電話0748-82-3411
開館時間10:00~16:00(最終入館15:00)
休館日春季・夏季・秋季の各開館期間中の月曜日(祝日の場合は各翌平日)、展示替え期間
入館料(個人)大人 1,300円、高校・大学生 1,000円、小学・中学生 無料
webhttp://www.miho.or.jp/
写真提供MIHO MUSEUM

【神奈川】「小田原文化財団 江之浦測候所」で小田原の自然と一体化する

小田原市・江之浦にある、「江之浦測候所」。「測候所」というと、一般的には地震・火山の観測など、その地域の気候を測定する場所を示します。しかし、ここは現代美術作家・杉本博司さんが構想10年、設計10年の歳⽉を経て2017年10⽉にオープンさせた美術館です。「天空・自然を観測し、自分を見つめ直す場所」として、「測候所」と名付けられました。

画像1: 【神奈川】「小田原文化財団 江之浦測候所」で小田原の自然と一体化する

長さ100メートルに及ぶギャラリー棟には、杉本博司さんの代表作「海景」を展示。また、野外の石舞台や光学硝子舞台では、さまざまな公演プログラムを開催しています。

画像2: 【神奈川】「小田原文化財団 江之浦測候所」で小田原の自然と一体化する

同館が絶景を楽しめる美術館といわれる理由は、小田原の自然に囲まれたロケーションとその造りにあります。各建物には、日本の伝統的な建築様式・工法が取り入れられ、美術館で過ごす間、まるで自然と一体化したかのような感覚になるのです。

画像: 冬至光遥拝隧道 ©小田原文化財団/Odawara Art Foundation

冬至光遥拝隧道 ©小田原文化財団/Odawara Art Foundation

館内にあるトンネル・冬至光遥拝隧道(とうじこうようはいずいどう)では、年に一度、冬至の朝に、水平線から昇る朝日が奥までまっすぐ差し込む瞬間を捉えることができます。その神秘的な光景は、美術館と自然が融合しているこの場所だからこそ実現するものです。

画像3: 【神奈川】「小田原文化財団 江之浦測候所」で小田原の自然と一体化する

また、相模湾を見渡せるギャラリー先端部、光学硝子舞台も絶景ポイントのひとつです。舞台は京都・清水寺の工法でも知られる、釘を使わない懸造りで構築。その上に光学ガラスが敷き詰められており、ガラスの舞台が水面に浮いているように見えるため、空と海がつながっているような錯覚を体験できるのです。

画像: 冬至光遥拝隧道と光学硝子舞台 ©小田原文化財団/Odawara Art Foundation

冬至光遥拝隧道と光学硝子舞台 ©小田原文化財団/Odawara Art Foundation

自分が自然の一部になるという、同館だから体感できる不思議な感覚を楽しんでみてください。

小田原文化財団 江之浦測候所

住所神奈川県小田原市江之浦362番地1
電話0465-42-9170(代表)
開館時間10:00~13:00(午前の部)、13:30~16:30(午後の部)
休館日火・水曜日、年末年始および臨時休館日
入館料(個人)3,300円(インターネットから事前購入)
webhttps://www.odawara-af.com/ja/enoura/
備考中学生未満は入館不可、事前予約必須

【広島】「海の見える杜美術館」で広大な瀬戸内海に囲まれる

最後に紹介するのは、広島駅から電車・車を利用して約40分、JRまたは広島電鉄の宮島口駅からタクシーで約10分。自然豊かな高台に建つ「海の見える杜美術館」です。

画像1: 【広島】「海の見える杜美術館」で広大な瀬戸内海に囲まれる

「美術品は私有するべきものではなく、公のものとすべきである」という理念のもと、1981年に開館したこの美術館には、日本画家・竹内栖鳳の作品を中心とした日本近代絵画、ヨーロッパの香水瓶、中国清朝の版画などのコレクションが取り揃えられています。

画像2: 【広島】「海の見える杜美術館」で広大な瀬戸内海に囲まれる

そんな「海の見える杜美術館」は、瀬戸内海を一望できる絶好のロケーションが大きな特徴。美術館の作品をひと通り見終わったら、館内にある「うみもりテラス」に立ち寄って、日本三景で知られる宮島をはじめとする、瀬戸内海の景色を楽しむことを忘れてはいけません。

画像3: 【広島】「海の見える杜美術館」で広大な瀬戸内海に囲まれる

店内席とテラス席がありますが、せっかくならテラスに出て、目の前に広がる瀬戸内海の景色と爽やかな空気を楽しんでください。大きく広がる瀬戸内海と連なる山々が望め、このエリアの自然を満喫するにはとっておきのスポットです。

作品を鑑賞した後に、ほっとひと息をつきながら目の前の景色を楽しむ。こんな優雅な時間を、広島旅に加えてみてはいかがでしょうか。

画像4: 【広島】「海の見える杜美術館」で広大な瀬戸内海に囲まれる

同館では、散策の路「杜の遊歩道」で散歩をするのもおすすめの過ごし方。小川のせせらぎ、水車のゆったりとした動きのほか、春には桜やツツジ、夏にはアジサイ、秋の紅葉に、冬の雪景色と、その時だけの表情があるので、美術館全体で瀬戸内海の四季を感じてみてください。

海の見える杜美術館

住所広島県廿日市市大野亀ヶ岡10701
電話0829-56-3221
開館時間10:00~17:00(入館は16:30まで)
休館日月曜日(ただし月曜日が祝日の場合は開館し、翌火曜日休館)、展示替え期間中、2月11日、5月7日、11月11日
入館料(個人)一般 1,000円、高校生・大学生 500円、中学生以下 無料
webhttp://www.umam.jp
写真提供海の見える杜美術館

美術や芸術はもちろん、絶景まで味わえるとあれば、より美術館を巡るのが楽しみになりますね。ぜひこの記事を参考に、次に足を運んでみたい美術館をチェックしてみてください。

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