今回は、絶対に損はしない、行ったら再訪したくなるハワイ・オアフ島のグルメ&スポットをご紹介。トータル100回以上ハワイへ旅をしているハワイマイスターが、リピート間違いなしのロコフードから、おすすめのパワースポットまで、余すところなくナビゲートします。
連載
ハワイ渡航歴100回以上のライターがすすめるコナ絶景スポット
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文・写真:今井栄一
絶対再訪したくなるオアフ島のスポット&グルメ
取材や撮影、そしてプライベートも合わせると100回以上ハワイへ旅をしてきました。カウアイ島、ハワイ島、マウイ島の3つの島に行った回数がいちばん多く、次にワイキキのあるオアフ島。モロカイ島、ラナイ島にも、何度か渡り、どの島もずいぶん長く滞在してきました。個人所有であることから一般人の立ち入りが難しいニイハウ島も2回上陸したことがあります。いまでは、友人・知人から現地ガイドを頼まれることもあります。
取材で行くと、地元の人は気づかないもの、あまり見ていない景色に気づくことがあります。そんなわけで、「ぼくなりに」という条件つきですが、絶対に損はしない、行ったら絶対再訪したくなるハワイ・オアフ島のスポットをご紹介したいと思います。
「苦しみのない」という名の幸福のビーチ
サンスーシ・ビーチ (Sans Souci Beach〈Kaimana Beach))
そのビーチは、ワイキキのはずれ、ダイヤモンドヘッド(休火山)のすぐ麓にあります。ニューオータニ・カイマナビーチ・ホテルの前の、こぢんまりとした浜辺です。「カイマナ・ビーチ」と呼ぶ人もいますが、ローカル(地元民)たちは昔もいまも愛情込めて、この小さな浜辺を「サンスーシ・ビーチ」と呼んでいます。
「Sans Souci(サンスーシ)」とはフランス語で、「苦しみのない」という意味。英語で書くと、「Without Pain」といったところでしょうか。ビーチの名前にしてはずいぶん文学的というか、哲学的です。
早朝、太陽が昇る直前の時間、サンスーシ・ビーチにはローカルの姿があります。仕事へと出かける前、このビーチからエントリーして遠泳をする人、カヤックやアウトリガーカヌーのトレーニングをする人、そしてサーファーたち……早朝のこの浜辺の雰囲気は最高です。
日中大勢いる観光客のひきは意外と早くて、16時をまわると、「もう充分かな」という表情で、ビーチマットやタオルを畳んで去っていきます。きっとホテルへ戻ってシャワーを浴び、着替えて、夕食に向かうのでしょう。
逆に、17時を過ぎる頃から集まり出すのがローカルたち。夕刻の遠泳に出るストイックなスイマー、今日の最後の波に乗ろうというサーファー、もちろん、砂浜やベンチに座ってのんびりするローカルも。とにかく夕暮れどきになると、観光客でにぎわっていたこの小さな浜辺の様相がガラッと変わり、「地元民の庭」になります。
そう、サンスーシは、ローカルのお庭のような浜辺なんです。地元の人たちが大切にしている、特別な場所。ワイキキのなかで、この浜辺だけふわりと浮遊しているような、独特な空気感があります。ちょっと鋭い人ならこの浜辺へ来るとそれを「感じる」はず。聖地カピオラニ公園とこの浜辺には、いつも心地よいそよ風が吹き抜けています。
ホノルルに到着するとぼくは、湯治場の温泉につかるように、まずサンスーシの海に入ります。ゆっくり足から入り、手のひらを水面に滑らせるようにしながら海に挨拶したら、静かに全身を水のなかに入れる。最初は冷たく感じる海の水も、頭まで入るとすぐに慣れます。そして、海面に仰向けに浮かぶ。まっすぐ空を見る。
しばらくそうしてぷかぷかと身体を波間に漂わしていると、いつしか全身が、心が、リセットされます。サンスーシは、旅人のマインドとボディーをリセットしてくれる場所です。
ビールとの相性抜群なハワイの郷土料理「ポケ」
タムラ(TAMURA’S FINE WINES & LIQUORS)
ハワイへ来たら、「ポケ」を食べましょう。ポケは、ハワイが生んだ郷土料理のひとつ。ポイ(タロイモのペースト)などのように大昔から受け継がれてきた「ポリネシア伝来の食べ物」とは違います。ポケは20世紀、近代のハワイに生まれたローカルフードの王様です。
ポケ(Poke、ポキと呼ぶ人も)はもともとはハワイ語で「細かく刻む、スライスする」という意味を持つ言葉。でも、現在ハワイでは「ポケ」といえば、ある特定の食べ物のことを指します。たとえば、「アヒ・ポケ(Ahi Poke)」なら「マグロ(Ahi)をサイコロ状にカットし醤油漬けにしたもの」、「タコ・ポケ(Tako Poke)」は「タコを細かく刻んで浅塩漬けにしたもの」という具合。つまり、小さくカットされたさまざまな食材が(多くは魚介類)、醤油や岩塩などでマリネされた食べ物の総称が「ポケ」。
基本はアヒ・ポケ(マグロの赤身の醤油漬け)。でも、ほかにもいろんなバリエーションがあります。たとえば「豆腐ポケ」とか「揚げナスのポケ」、「貝類のポケ」「大根ポケ」などなど。店ごとに個性はいろいろ、味つけもさまざま。
日本のいわゆる「漬け」とちょっと違うのは、「ごま油とゴマが効いている」ところ。日本の寿司屋でマグロの漬け丼を食べても、ごま油の風味はありません。ハワイのマグロの漬けにはごま油が効いていて、これが最高においしい!
香川人にとってのうどん、博多人にとってのラーメンと同じで、「俺はいつもここで食べる」「俺はここでしか買わない」というこだわりが、ポケ好きを自認するローカルにはあります。というわけで、ワイキキ滞在中なら、ここがオススメ、カイムキ地区にある、「Tamura’s(タムラ)」です。
もともとローカル御用達の安売り酒屋でしたが、店の奥にすばらしい「ポケ・コーナー」があります。アヒ・ポケとタコ・ポケは数種類もあり、ほかにも「青唐辛子入りアヒ・ポケ」や「塩漬けのアヒ・ポケ」など、いつもどれにしようか悩みます(それぞれ4分の1ポンド(約113g)から買える)。
ほかに「Lomi Salmon(ロミ・サーモン。サーモンのポケ。これもおいしい)、「Fried Tofu Poke(揚げ豆腐のポケ)」もオススメ。それから「Garlic Edamame」は絶対忘れずに。茹でた枝豆をガーリック醤油で漬けにしたポケの一種で、ビールがものすごく進みます。
ポケを買い込んで、宿のバルコニーでのんびりビールという夕暮れもいいものです。ぼくはいつもボストン・ラガー、「サミュエル・アダムス」でスタートします。
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