北海道の空の玄関口である千歳市は、千歳川や支笏湖など手つかずの自然が残る魅力あふれる町。支笏湖洞爺湖国立公園は、全国で6番目にゼロカーボンシティパークとして環境省に登録され、2050年までに温室効果ガスの排出量の実質ゼロを目指し、脱炭素化に向けた取り組みを行っています。この記事では、自然豊かな支笏湖で学び、楽しめる、ゼロカーボンをテーマとした旅を提案します。
画像: 北海道・千歳市の支笏湖へ。ゼロカーボンシティならではのアクティビティに挑戦

JALふるさと応援隊の渡辺さん(写真左)、藤原さん(写真右)がナビゲーター。訪れた日は天気に恵まれた絶好のアクティビティ日和。「皆さんにご紹介すると同時に、私たち自身が支笏湖の魅力を体感できるのが楽しみです!」と、意気込みを語ってくれました。

※撮影時のみマスクを外しています

環境に配慮した造りの「支笏湖ビジターセンター」で支笏湖の歴史を学ぶ

画像1: 環境に配慮した造りの「支笏湖ビジターセンター」で支笏湖の歴史を学ぶ

支笏湖ビジターセンターは、支笏湖周辺の自然素材を使用したり、太陽光発電やヒートチューブという地熱利用をしたりと、自然エネルギーを活用した環境配慮型の施設。

千歳観光連盟・佐々木智秀さんに、支笏湖の成り立ちや歴史を詳しく教わりました。

画像2: 環境に配慮した造りの「支笏湖ビジターセンター」で支笏湖の歴史を学ぶ

支笏湖は約4万年前、支笏火山の噴火により火山体が陥没してできたカルデラ湖といわれています(諸説あり)。岸から10mほど離れると急に深くなり、一番深い湖底は水深363m。日本で2番目に深い、日本最北の不凍湖です。支笏湖ブルーと呼ばれるほど透き通っている水は、環境省の水質調査で何度も日本一に認定されるほど、透明度の高い清澄な水です。

画像3: 環境に配慮した造りの「支笏湖ビジターセンター」で支笏湖の歴史を学ぶ

ビジターセンター内には「苔の洞門(こけのどうもん)」のVR体験ができるコーナーがあります。「苔の洞門」は、2014年に「日本の貴重なコケの森」(日本蘚苔類学会)に選定されるなど、学術的にも貴重なスポット。高さ10mの峡谷には、80種類以上のコケが密生しており、その光景は幻想的で美しく、神秘的です。現在は落石や崩落の危険があり、立ち入り禁止になっているので、貴重な体験。

「わ~! 本当にその場にいるみたいです」と、思わず二人そろって歓声があがります。360°どの方向を向いても映像が楽しめるので、隅々まで見てまわりたくなります。ほかにも、支笏湖を水中から眺めたり、登山やカヌー体験ができたりと、さまざまなシチュエーションのVR体験が用意されていました。

支笏湖ビジターセンター

住所北海道千歳市支笏湖温泉番外地
電話0123-25-2404
営業時間9:00~17:30(4月~11月)、9:30~16:30(12月~3月)
定休⽇12月~3月は火曜日(祝日の場合は翌日)、年末年始
webhttp://shikotsukovc.sakura.ne.jp/

心地よい風を浴びながら電動自転車でサイクリング

支笏湖ビジターセンターからは、レンタサイクルで移動します。この日は千歳観光連盟が市街地で提供するレンタサイクル「そらチャリ」(2,000円・税込/日)を活用しましたが、支笏湖ビジターセンターでも電動マウンテンバイクがレンタルできます。

次の目的地である「苔の回廊(こけのかいろう)」を目指して出発。少し勾配のある道でも、漕ぐ力をアシストしてくれるので快適です。

画像: 心地よい風を浴びながら電動自転車でサイクリング

途中で見えるのは、ありのままの自然が残る美しい支笏湖と恵庭岳(えにわだけ)。心地よい風を浴び、景色を楽しめるのはサイクリングだからこそ。ちなみに、ハンドル部分搭載のモニターで、バッテリー残量が確認できますが、なかなかメーターが減らないことに驚きました。これは、消費電力が少ない最新式の電動自転車だからこそ。長距離サイクリングでも安心です。

ちとせレンタサイクル「そらチャリ」

住所北海道千歳市幸町3丁目14-1
電話0123-29-6107
営業時間9:00~17:00(11月6日まで)
レンタル料金電動自転車 2,000円・税込/日(レンタサイクル利用時の保証金:1,000円 自転車返却時に返金)

支笏湖ビジターセンター・レンタサイクル

住所北海道千歳市支笏湖温泉番外地
電話0123-25-2404
営業時間9:00~17:00(11月3日まで)
レンタル料金電動自転車 2,000円・税込/日(レンタサイクル利用時の保証金:3,000円 自転車返却時に返金)

自然が作り出した神秘的な「苔の回廊」

画像1: 自然が作り出した神秘的な「苔の回廊」

支笏湖ビジターセンターから自転車で約30分、「苔の回廊」の入り口に到着しました。自然ガイド・泉田健一さんにコケの魅力を教えてもらいます。

「樽前山の噴火活動によって生じた溶結凝灰岩が、土石流などによって侵食されて回廊状の形状になり、そこにコケが自生しました。それが、今から行く苔の回廊です。ここから苔の回廊までは、20分くらい歩きますのでさっそく行きましょう!」と、元気よく出発です。

画像2: 自然が作り出した神秘的な「苔の回廊」
画像3: 自然が作り出した神秘的な「苔の回廊」

歩き始めるとクジャクが羽を広げたような形をした「クジャクゴケ」を発見。北海道には1,000種類くらいのコケがあるといわれており、コケの回廊に自生するコケは約100種類なのだそう。ただ、コケの研究が進んでいなく正確な数ははっきりしていない、そこが魅力と泉田さんは言います。

画像4: 自然が作り出した神秘的な「苔の回廊」

続いて見つけたのは「エビゴケ」です。「ふわふわとした感触のコケに初めて触りました。とても気持ちが良いです」と、実際に触ってコケの感触を確かめる藤原さんと渡辺さん。

画像5: 自然が作り出した神秘的な「苔の回廊」

エビゴケは垂直な面に群生することが多く、芝生のようにふんわりしているのが特徴なのだそう。

画像6: 自然が作り出した神秘的な「苔の回廊」

歩き進めると目的地である苔の回廊に到着しました。道の両側には4mほどある大迫力の“コケの壁”が。この壁は低いところで2m、高いところになると6~7mにもなるそう。太陽の光とコケの緑がとても神秘的。力強さと美しさが感じられるスポットです。

「ここは平均湿度が75%もあるから、暑い真夏の季節でも冷蔵庫を開けたときのような、ひんやりとした風が感じられ、涼むのにピッタリというお客さんもいますよ」という泉田さんの言葉通り、苔の回廊を歩き進めていると、時折涼しい風が吹きます。風で運ばれてくる新鮮な空気を、胸いっぱいに吸い込むと爽快な気分に。

画像7: 自然が作り出した神秘的な「苔の回廊」

泉田さんは、コケは種類ごとに自生する場所が変わると言います。「針葉樹の林床を好むコケや落ち葉がある場所は苦手なコケ、倒木を好むコケなどさまざま。コケも裸眼で見るのとルーペを使って見るのとでは雰囲気がガラッと変わりますよ」と、コケにもいろいろな性格や表情があることを教えてくれました。

散策を終え、「展示物を見て回るのではなく、実際に自分の足で歩きながらコケを見るのは初めてだったので、とても新鮮で楽しかったです」と渡辺さん。

藤原さんは「コケの種類がどのくらいがあるのか考えたこともなかったですが、いろんな種類のコケに出合えたことにびっくり。触ってみたら思っていたよりも柔らかかったのも印象的でした」と話してくれました。

※涸れ沢や岩場を歩くので、動きやすい服装・履物で訪れることをおすすめします

苔の回廊

住所千歳市モラップ
電話0123-25-2404(支笏湖ビジターセンター)

透明度の高い支笏湖をクリアカヤックで満喫、ダイナミックな噴煙も

画像1: 透明度の高い支笏湖をクリアカヤックで満喫、ダイナミックな噴煙も

続いては支笏湖にある「Ocean Days(オーシャンデイズ)」へやってきました。こちらは、ゴミ拾いダイビングを行うなど、環境配慮型アクティビティを推進しているお店。

底が透明になっているクリアカヤックに乗って、透明度の高い美しい支笏湖と絶景を望みます。

画像2: 透明度の高い支笏湖をクリアカヤックで満喫、ダイナミックな噴煙も
画像3: 透明度の高い支笏湖をクリアカヤックで満喫、ダイナミックな噴煙も

出発前にしっかりとライフジャケットを調整、パドルのレクチャーを受けたら、いよいよ出発です。

画像4: 透明度の高い支笏湖をクリアカヤックで満喫、ダイナミックな噴煙も

初めてのカヤックにわくわくドキドキな二人。先ほど受けたレクチャーを思い出しながら、二人で息を合わせパドルで漕ぐこと約10分。

画像5: 透明度の高い支笏湖をクリアカヤックで満喫、ダイナミックな噴煙も

見えてきたのが、支笏湖形成のきっかけでもある樽前山です。日本二百名山に認定されている、珍しい三重式活火山。今でも噴気活動が盛んな樽前山は、火口からもくもくと噴煙を上げており、その姿は迫力満点。樽前山の隣にある風不死岳や恵庭岳も同時に眺められるので、しばし山々の絶景を堪能します。

画像6: 透明度の高い支笏湖をクリアカヤックで満喫、ダイナミックな噴煙も

「ちょうどこの下が支笏湖の見どころスポットだよ」とオーナーの板谷貴文さん。

画像7: 透明度の高い支笏湖をクリアカヤックで満喫、ダイナミックな噴煙も

覗いてみると……湖底と水中にある絶壁がはっきりと見えます。水深10mでも鮮明に見えるのが魅力で、見逃し厳禁スポットなのだとか。

カヤックの底を覗いていると、透き通って見えていた湖底がいきなり真っ暗に……。「透明度の高さはもちろん、支笏湖の地形が急に深くなるということを、目で見て体感できました」と藤原さんが語ってくれました。

Ocean Days(オーシャンデイズ)

住所北海道千歳市支笏湖温泉番外地
電話080-9325-6507(電話予約は受け付けていません)
予約フォームhttps://ocean-days.com/activity/kayak/
営業時間夏季(4月〜9月)8:30〜17:30、冬季(10月〜3月)9:00〜16:30
定休⽇不定休
画像8: 透明度の高い支笏湖をクリアカヤックで満喫、ダイナミックな噴煙も

「サイクリングにコケの散策、クリアカヤックと、充実した1日だったね!」「とても楽しかったから、帰るのが少し寂しいかも。また絶対に遊びに来よう!」と話す二人。支笏湖を眺めつつ、1日を振り返っていました。

新千歳空港から車で30分という近さに位置する支笏湖。この付近は北海道らしい自然豊かなエリアで、トレッキングやパドルスポーツなどのアクティビティが盛んなのはもちろん、環境保全への意識が地域にしっかりと根付いているのが特徴です。

日常から離れた旅の機会こそ、大切にすべき自然環境と向き合う時間に。体験を通して学びを深める、そんな旅はいかがでしょうか。

千歳市では、新千歳空港発着の航空便を利⽤して、千歳市内・支笏湖の対象宿泊施設にお泊りいただくと最⼤ 5,000円の割引と3,000円の商品券がもらえる「ようこそ・ちとせ割」を実施中です。詳細は以下よりご確認ください。

画像: welcome-chitosewari.jp
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