北海道東部に位置する釧路は、食材の宝庫。海の幸もあれば山の幸もあり、さらには農産物も豊富と、グルメに事欠かないエリアです。近郊には地元の味を楽しめる飲食店が数多くありますが、中には知る人ぞ知る“穴場”のお店も少なくありません。釧路地方のローカルメディア『フィールドノート』の編集長であり、地元をよく知る清水たつやさんにお話を聞き、釧路観光の際にはぜひ訪れたい“いい店”を選りすぐってご紹介します。

「釧路で唯一の本格バーガー専門店は、ボリューム満点」

THE BURGER STAND eureka South Ave(ザ・バーガースタンド・エウレカサウスアベニュー)

2018年にオープンした、東部エリアの南大通にあるハンバーガー専門店「THE BURGER STAND eureka South Ave(ザ・バーガースタンド・エウレカサウスアベニュー)」。店主の川原宏太さんがDIYで手がけたという店内は、リラックスできる落ち着いた雰囲気で、ゆっくりとくつろげます。

画像1: THE BURGER STAND eureka South Ave(ザ・バーガースタンド・エウレカサウスアベニュー)

スパイスを効かせた牛肉100%の自家製パティは、噛むと肉らしいワイルドな食感で肉汁があふれ、特注のバンズとも相性抜群。ボリューム満点で食べ応えがあります。新鮮野菜を使った「ベーコンチーズバーガー」(1,020円・税込)は、口の中でひとつになる一体感が幸せな逸品。バーガーはトッピングの種類が多いほか、セットの内容はバーガーに加えてサラダもしくは皮付きポテトから選べるのは嬉しいポイントです。また、自家製クッキーなどスイーツやドリンクも充実しています。

画像2: THE BURGER STAND eureka South Ave(ザ・バーガースタンド・エウレカサウスアベニュー)

「イートインのほか、テイクアウトもできるので、神社や仏閣が並び歴史ある南大通りを散歩しながら楽しむのもいいですね」(清水たつやさん、以下同)

THE BURGER STAND eureka South Ave(ザ・バーガースタンド・エウレカサウスアベニュー)
住所釧路市南大通3丁目1-5
電話0154-45-1188
営業11:00~20:00(L.O. 19:30)、日曜11:00~18:00(L.O. 17:30)
定休日月曜、不定休
SNShttps://www.instagram.com/eureka_southave315/

「高台にある古民家を改装した小さなカレー屋で、こだわりのチキンカレーを」

イッケンヤカレーコミン

幣舞橋から徒歩15分の閑静な住宅街、海に臨む高台にあるカレー屋が「イッケンヤカレーコミン」です。釧路の地に惚れ込んだ店主の鎗田武志さんがご夫婦で移住し、営むお店です。築40年の一軒家をリノベーションしたという店内は、店主のセンスやユーモアが感じられる、ぬくもりのある空間です。

画像1: イッケンヤカレーコミン

食材は道東産や北海道産を主に使用。メニューは、無水の「ストリングカレー」1種類のみ。中札内産チキンを煮込んでバラバラにほぐし、そのチキンの線維が弦楽器の弦を彷彿とさせることから、「ストリングカレー」と呼んでいるそう。ルーでもスープでもないカレーは、独特の風味がクセになる味わいです。清水さんのオススメは、スパイス風味の玉子など人気のトッピングを盛り付けた要予約の「スペシャルワンプレート」(価格は時期・内容により変動)。

画像2: イッケンヤカレーコミン

「カレーも秀逸ですが、何でも気さくに話してくれる店主との交流も楽しんでみてください」

夜営業の「ヨルコミン」も不定日で営業しているので、旅の計画の際には事前にチェックしてください。

イッケンヤカレーコミン
住所釧路市富士見3丁目3-15
電話0154-64-1160
営業11:45~15:30(L.O. 15:00)、ヨルコミン19:00~21:30(L.O. 21:00、不定日営業)
定休日日曜・月曜・祝日
webhttp://comin.blog.jp/

「飲み屋街の端にある、新しくもどこか懐かしい喫茶店」

喫茶 ボロンジ

2017年、飲み屋街の末広町にある「いなり小路」にオープンした喫茶店「喫茶ボロンジ」。グリーンとイエローの配色が印象的な外観です。カウンター5席とテーブル席ひとつのみの店内は、目新しさと懐かさが同居するたたずまい。装飾を眺めているだけでも楽しく、店主のセンスの良さがさりげなく漂います。店主と会話したり、雑誌を読んだりと、おもいおもいにゆったりとした時間を満喫してください。

画像1: 喫茶 ボロンジ

オリジナルブレンドやフロートなどドリンクメニューが充実。デザートは定番のほか期間限定メニューもあり、ドリンクとのセットがお得です。「ナポリタン」(850円・税込)のみですが、軽食も楽しめます。

画像2: 喫茶 ボロンジ

「あたたかいガトーショコラの上に、冷たいアイスをのせたとろけるデザート『ホットガトーショコラ』(650円・税込)は、至福の口どけです」

喫茶 ボロンジ
住所釧路市末広町3丁目2-17
電話0154-45-1203
営業14:00~0:00
定休日木曜、日曜
SNShttps://twitter.com/bolounge

「おいしい食事と美しい春採湖の景色が楽しめる、隠れ家カフェ」

にっこりカフェ

築50年以上の古民家を改装した「にっこりカフェ」は、2017年にオープン。店へ入るとひと際目を引く、組木による大きな麻柄のドームが印象的です。非日常的な雰囲気ながら、手作りならではのあたたかみがあり、居心地の良い空間に仕立てられています。

画像1: にっこりカフェ

料理には動物性の食材を一切使っていないそう。無農薬の野菜を中心に使用した料理は、どれも安心して楽しめます。季節の野菜料理5~7品をメインにデザートが付いた「日替わりにっこりランチ」(1,200円・税込)が人気です。

画像2: にっこりカフェ

「手作りの塩麹や味噌などを使い、丁寧でやさしさの伝わる料理が味わえます。特にみそ汁は、身体に沁みわたるおいしさです」

高台にあるお店からは春採湖周辺の景色が眺められ、季節の変化も楽しめます。とりわけ夕日が沈んでいく光景は格別とのこと。お店で過ごす時間や景色が、忘れられない体験になりそうです。営業は不定期なので、あらかじめFacebookページで確認しておくのがオススメです。

にっこりカフェ
住所釧路市春採3丁目17-4
電話090-2054-3441
営業11:00~日没まで
定休日不定休
SNShttps://facebook.com/にっこりカフェ-1363829253654650

「おいしいコーヒーと手作り菓子でもてなす、人の営みが感じられる喫茶店」

住吉や富士見は近年、個人店が多く集まっているエリアです。「糸」は「食べることは生きること」をテーマに、未来につなげたい食を発信する喫茶店。もともと釧路出身だった坂見仁さん・梨舞さんのご夫婦が、帰郷してオープンしました。

画像1: 糸

「3人の男の子を育てながら、“地域で暮らす生活”を実現しているお二人。その姿を見ているうち、やさしい気持ちに包まれるお店です」

画像2: 糸

ご主人はネルドリップで丁寧に抽出するコーヒーを、奥さまは手作りによる料理と焼き菓子をそれぞれ担当。乳製品、動物性食品、卵、白い砂糖などを使わず、安全かつ安心できる食事と菓子を提供しています。ケーキやマフィン、スコーンなど毎日替わる焼き菓子は、コーヒーとの相性抜群です。

住所釧路市住吉1丁目9-12
電話090-7644-1609
営業10:30~17:00(L.O. 16:30)
定休日月曜、第2・第4日曜
SNShttps://facebook.com/itosince2014/

「伝統的なアイヌ料理がたっぷり味わえる郷土料理店」

民芸喫茶 ポロンノ

阿寒湖温泉内のアイヌコタンにある「民芸喫茶 ポロンノ」では、伝統的なアイヌ料理や創作料理が味わえます。汁物「オハゥ」(500円・税込)や塩辛「メフン」(300円・税込)といった本格的なアイヌ料理はどれもシンプルな味付けで、素材を活かした味わい深さが特徴。なかでもジャガイモを凍らせて自然発酵した名物「ポッチェイモ」(450円・税込)は、表面はかりっと中はもちもちで、素朴な味わいです。

画像1: 民芸喫茶 ポロンノ

「料理に使われる山菜やキノコは現地で採集されたもので、この地域の恵みをアイヌ料理に仕立てて提供してくれます」

画像2: 民芸喫茶 ポロンノ

アイヌ文様のランプシェードや装飾に囲まれた店内は、民族文化の雰囲気が漂います。郷右近富貴子さんはお店を家族で経営しながら、阿寒観光汽船「アイヌ文化ギャラリー船」で、アイヌ語り部としてムックリやトンコリなどの伝統楽器を演奏。また姉・床絵美さんとウポポを歌うユニットで音楽活動を行っています。

民芸喫茶 ポロンノ
住所釧路市阿寒町阿寒湖温泉4丁目7-8
電話0154-67-2159
営業12:00~15:00、18:30~21:30(冬季は要予約)
定休日不定休
webhttps://www.poronno.com/

「天然エゾ鹿を使ったジビエ料理が自慢の食事処。お宿もどうぞ」

温泉宿と食事処 両国総本店

阿寒湖そばにある、郷土料理が味わえる「温泉宿と食事処 両国総本店」。食事処の看板メニューである鹿肉料理は、丁寧に下処理された天然の2歳以下のエゾ鹿肉を使用しています。鹿特有のクセが少なく、肉質がやわらかいのが特徴です。

人気メニューは、焼いた鹿肉を自家製のタレに絡めてご飯にのせた「鹿丼」(1,620円・税込)ですが、清水さんのオススメは、「鹿肉鉄板焼き」(2,484円・税込)とのこと。両面をさっと炙るミディアムレアでいただくのがベストだとか。やわらかな食感で臭みがなく、赤身のおいしさを味わえます。

画像1: 温泉宿と食事処 両国総本店

「この店の鹿肉料理は、鹿肉の概念が一変するおいしさ。食事と一緒に、源泉もゆっくり楽しみたい宿です」

画像2: 温泉宿と食事処 両国総本店

食事がおいしい民宿としても評判のこちら。夕食では、鹿肉の鉄板焼きに加えてワカサギの天ぷらなど阿寒産食材の料理が味わえます。またお風呂は、源泉かけ流しの天然温泉。客室は落ち着きのある和室のほか、洋室もあります。

温泉宿と食事処 両国総本店
住所釧路市阿寒町阿寒湖温泉2丁目1-3
電話0154-67-2773
営業11:30~20:00(L.O. 19:30)
定休日不定休
webhttp://www.ryogoku-akanko.com/

地元で暮らす人々と触れ合うグルメも、旅の醍醐味

今回、清水さんが紹介してくれたのは、釧路という地域の良さを活かし、人の思いが息づく個性的なお店ばかり。地元の食材を使った料理や、独自の感性が光る空間はもちろんのこと、そこで働く人そのものも魅力です。スタッフとの会話を通じて、食事という体験がさらに深いものになり、地域のさまざまな情報を得ることもできます。おいしい食事を味わいながら、地元で暮らす人々とふれあうのも、旅の醍醐味に違いありません。

画像: 地元で愛される釧路グルメを楽しむ。絶対行くべき穴場のいい店2019年版

清水たつやさん

釧路地方のローカルメディア『フィールドノート』の編集長。釧路地方にしかないお店の紹介を中心に、このマチにしかないヒト・モノ・コト情報をウェブ、フリーペーパー、イベントを通じて発信しています。
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