2022年4月に5回目の開催が予定されている「瀬戸内国際芸術祭」。香川県と岡山県に跨がる瀬戸内海の島々を舞台に開催される現代アートの祭典です。その舞台のひとつとなる直島では、いつ訪れても島内に点在するアート巡りが楽しめます。せっかくならとことんアートに浸るべく、滞在そのものがアート体験になる直島の宿に宿泊してみてはいかがでしょうか。日中は島のアートを巡り、夜は宿のアートに包まれて眠りにつくという、直島ならではの特別な体験が待っています。

瀬戸内海に浮かぶ“現代アートの聖地”、直島

画像: 直島パヴィリオン 所有者:直島町 設計:藤本壮介建築設計事務所 写真/福田 ジン

直島パヴィリオン 所有者:直島町 設計:藤本壮介建築設計事務所 写真/福田 ジン

瀬戸内国際芸術祭の舞台となる島々の中でも、直島は国内外からアート好きが訪れる“現代アートの聖地”として知られる島。香川県に属していますが、香川・岡山両県からのアクセスが良く、観光を兼ねて気負わずに現代アートに触れることができる旅先です。

高松空港から直島までのアクセスは、バスで高松駅まで移動し、駅近くの高松港からフェリーで約30分。岡山空港からであれば、バスと電車を使って宇野港へ向かい、フェリーで約15~20分です。往路は高松空港を利用、直島で滞在して、復路は岡山空港から帰る(またはその逆)という旅程を立てることもでき、直島に滞在することによって、香川と岡山の両県を訪れる旅も楽しめます。

画像: 杉本博司"タイム・エクスポーズド" 写真:安斎重男

杉本博司"タイム・エクスポーズド" 写真:安斎重男

古くは製塩業や海運業で発展した直島。島の暮らしを肌で感じることのできる民宿での家庭的なおもてなしも捨てがたいのですが、近年、滞在そのものがアート体験になるような洗練された宿が複数誕生しています。この記事では、“現代アートの聖地”を象徴する宿から、アートも自然も楽しめる宿、2022年に開業を控えた注目の宿まで、滞在そのものが感性を刺激する3軒の宿をご紹介します。

“現代アートの聖地”の象徴。安藤忠雄氏設計の「ベネッセハウス」

画像: ベネッセハウス 写真:山本糾

ベネッセハウス 写真:山本糾

「ベネッセハウス ミュージアム」は、美術館とホテルが一体となった施設として1992年に開館。直島で宿泊といえば、まずこのベネッセハウスの名前が挙がるのではないでしょうか。ここでは共有スペースはもとより、客室や施設を取り巻く浜辺、林までもがアートの場。まさに「アートの中で眠りにつく」という特別体験ができるホテルです。

画像: 写真:鈴木研一

写真:鈴木研一

建物の大部分は、土地の傾斜を活かして地中に埋もれています。設計は、日本を代表する世界的建築家、安藤忠雄氏。島の景観を壊すことなく随所に設けられた大きな開口部や、各フロアを結ぶスロープからは、瀬戸内海の美しい景観を楽しむことができます。

ベネッセハウスには、4つの異なる宿泊施設があります。瀬戸内の自然と安藤建築を融合させたわずか6室の「オーバル」、美術館の中に設けられ作品に一番近い「ミュージアム」、2006年に新設された自然に包まれる「パーク」と「ビーチ」。設えはシンプルでも空間は個性的で、それぞれ異なる手法でアートに親しめる造りとなっています。

「部屋から屋外作品を楽しみたい」「作家の作品で彩られた部屋に泊まりたい」など、見たい景色やアート、滞在スタイルに応じて選べば、異なる魅力のアート体験ができるでしょう。

近くには、同じく安藤忠雄氏設計の「地中美術館」も。ベネッセハウス ミュージアムと同じように、景観への配慮から建物の大半が地下に埋没している設計です。

地中美術館では、デザインを極限まで切り詰めて設計した空間が特徴。クロード・モネの『睡蓮』や、ウォルター・デ・マリアのアート作品『タイム/タイムレス/ノー・タイム』が自然光のもとで鑑賞でき、普段から現代アートに親しんでいる人でも、いつもとは違った開放的な環境から新たな刺激を受けることでしょう。

ベネッセハウス

住所香川県香川郡直島町琴弾地
電話087-892-3223
webhttps://www.benesse-artsite.jp/ (ベネッセアートサイト直島)

まるで島のアートのひとつ。海辺にたたずむ「SANA MANE」

画像1: まるで島のアートのひとつ。海辺にたたずむ「SANA MANE」

ビーチに面した絶好のロケーションにある「SANA MANE(サナ マネ)」は、2019年にオープンしたグランピング型リゾート施設。複数の三角形の組み合わせで構成されるドーム型のテントは、遠くから見ると島のアートのひとつとも思える外観です。

画像2: まるで島のアートのひとつ。海辺にたたずむ「SANA MANE」

特に日が落ちる前の瞬間は、夕日と個性的な外観がマッチして幻想的な光景に。その芸術的な様子を少し離れた外から鑑賞するというのも一興です。

画像3: まるで島のアートのひとつ。海辺にたたずむ「SANA MANE」

SANA MANEにはフィンランド式テントサウナがあります。もちろん水風呂のかわりに目の前の瀬戸内海へダイブするのも、この地ならではの楽しみ方。日中は島のアートを巡り、夜は“現代アートの聖地”という特別な場所にあるグランピングのサウナで汗を流す。まさに身も心も“ととのう”体験が楽しめます。

近くには大竹伸朗氏が手がける実際に入浴できる美術施設、直島銭湯「I ラブ 湯」もありますので、フィンランド式のサウナと日本文化の銭湯の両方を楽しむという欲ばりな滞在も叶います。

画像4: まるで島のアートのひとつ。海辺にたたずむ「SANA MANE」

また、海に面しているので、瀬戸内の豊かな自然を感じることができるのもポイント。アートに触れる時間だけではなく、優しい波音や美しい星空、島々を渡る柔らかな潮風に癒される時間も満喫してください。

SANA MANE

住所香川県香川郡直島町横防2182
電話087-813-3177
webhttps://sanamane.jp/

2022年開業。館内に日本の現代アートがちりばめられた「旅館 ろ霞」

画像1: 2022年開業。館内に日本の現代アートがちりばめられた「旅館 ろ霞」

2022年4月開業予定の「旅館 ろ霞」。瀬戸内国際芸術祭開催期間中に先行予約ができるチケットも順調な売れ行きで、今、注目の宿です。

客室は、「デラックススイート」8室、「プレミアムスイート」2室、「ろ霞スイート」1室のわずか11室で、各部屋に露天風呂が完備。少人数のゲストしか宿泊できないため、プライベート性が高く、静かにアートを楽しむ時間が約束されます。

画像2: 2022年開業。館内に日本の現代アートがちりばめられた「旅館 ろ霞」

館内では日本の現代アーティストの作品を中心に集め、若手のフレッシュなアートを世界に発信。また、全客室とレストラン棟で、アーティスト描き下ろし作品が随時企画展として展示販売される予定とのこと。旅館 ろ霞でのアートに寄り添うディープな時間は、ギャラリーや美術館での作品鑑賞とは違った刺激を与えてくれるでしょう。

画像3: 2022年開業。館内に日本の現代アートがちりばめられた「旅館 ろ霞」

また、酸味、苦味、甘味、辛味、塩味が調和した五味一風の料理では瀬戸内海の新鮮な魚介が味わえ、料理に合わせて選ばれた器のセンスも楽しみのひとつです。

旅館 ろ霞は、直島の中心、本村まで徒歩2分という好立地。「ANDO MUSEUM」のほか、家プロジェクトの「南寺」、「はいしゃ」、「護王神社」など、複数の人気アートを効率よく満喫できます。日中は島のアートを巡り、夜は宿で静かにアートに浸るという、アート好きには夢のような滞在を楽しんでみてはいかがでしょうか。

旅館 ろ霞

住所香川県香川郡直島町本村1234
webhttps://pre.roka.voyage/

2022年に瀬戸内国際芸術祭の開催を迎える直島。過ごす時間そのものがアート体験になる直島に宿泊して、朝から晩までアートに浸る濃密な時間を過ごしてみてはいかがでしょうか。新しい宿泊施設も誕生していますので、以前訪れたことがある人も、新しい発見や新しい滞在スタイルが楽しめることでしょう。

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