今回お話を聞いたJAL社員

木下聡美さん
客室乗務員として約20年フライトを経験。海外ドラマに憧れて高校生の時に冬休みを利用したショートホームステイプログラムに参加しオーストラリアへ行ったのが初めての海外体験で、今では年に5〜6回は旅に出かけるほどの旅好き。

荒川遼司郎さん
Web販売部企画グループ所属。入社前は旅行をするタイプではなかったが、同期との旅行を重ねるうちにすっかり旅の魅力にはまった。2026年3月からフィリピン・マニラへ駐在予定。

山本健太さん
エアモビリティ創造部所属。いわゆる「空飛ぶクルマ」による航空運送事業準備を担当。学生時代にバックパッカーに憧れ、大学を半年休学して世界一周の旅をした経験の持ち主。
心に残っている“自分を変えた”旅エピソード
3人にはそれぞれ、今も心に残っている特別な旅があります。時に人生の転機となり、時に価値観を大きく変えた——そんな旅のエピソードを聞かせてもらいました。
木下さん:旅好きの“本能”が目覚めた、幼き日の北海道旅行

木下さんが最も心に残っている旅は、小学校低学年の時に行った北海道旅行でした。福岡の実家から母親と妹、幼馴染の家族と一緒に、女性だけ6人で1週間ほど滞在したそうです。
「子どもながらに1週間、非現実の世界を味わったのが本当に楽しかった。札幌の大通公園で食べたトウモロコシや、十勝で食べた豚丼は今でも覚えています。7月だったのでラベンダーも綺麗でした」

当時の機内で記念撮影をした写真
この旅で初めて飛行機に乗った木下さん。実は就職活動でJALにエントリーシートを出す際に過去の旅を振り返っていて、当時の機内写真を見つけたのだとか。写真には、JALのロゴ入りの帽子を被った幼い木下さんの姿が。「今見ると運命的なものを感じますね」と当時を振り返ります。
特に印象的だったのは網走監獄。「当時は人形が怖くて早く帰りたかったのですが、大人になってから友達と再訪したらすごく楽しめました。見方が変わると味わい方も変わるんだなと。あの旅が、自分の旅好きの本能を目覚めさせたと思っています」
また、最近訪れたエジプトも木下さんにとって大きな学びの旅となりました。現地ガイドからイスラムの文化や一夫多妻制の仕組みについて話を聞き、「機内サービスでも宗教食など特別食の背景をより深く考えるようになりました」と、客室乗務員としての視点にも変化があったそうです。

木下さんの旅の思い出の品々
旅行ごとに、一冊のアルバムを作っている木下さん。こちらはモロッコ旅行に行った際の一冊
旅先では体験やものづくりをするのが好きだという木下さん。信楽を訪れた際に絵付けをした手作りのたぬきを見せてくれました。「旅行に行くと、二度と来ないかもしれないと思って体験をするんです。このたぬき、クオリティが何ともいえない下手さで癒されるんですよ(笑)」
荒川さん:ニュージーランドで出会った、もう一つの生き方
荒川さんの人生観を変えた旅は、入社前の2020年2月、大学の卒業旅行で訪れたニュージーランドでした。

きっかけは小学生時代の友人。1年のうち2ヶ月だけ日本を訪れる、ニュージーランドと日本にルーツを持つ男の子がいて、「うちの国に来てよ」と誘われていたのです。その約束を果たすべく、2週間の滞在を決めました。
現地では友人を含む5、6人の若者がルームシェアする「フラット」と呼ばれる一軒家に滞在。そこで目にしたのは、日本とはまったく異なるライフスタイルだったそう。

滞在していたフラット

フラットに集まった友人たち
「向こうの人たちは朝7時に仕事に出て、15時には帰ってくるんです。夕方からは音楽を流してダラダラ過ごす。大学でラグビー部の寮生活をしていた自分にとっては真逆の、緩い生活でした。こういう働き方もあるんだと衝撃を受けましたね。そしてもう一つ驚いたのが、現地の人たちのフレンドリーさです! フラット滞在中は、毎日住人である友人がその友人を呼び、さらにその友人がまた友人を呼び、と気づいたら20人弱が集まっていたこともあります(笑)。みんな友達の友達は友達、という感じでとても仲良くしてくれましたね」
前半は特に目的を決めずフラットでの滞在を楽しみ、後半は現地で知り合った友人と一緒に、車で5日間かけてキャンプの旅へ。道中は釣りをしたりして、食事も現地調達で楽しみました。その時に海辺で見た星空は、今でも忘れられない光景です。

星空を眺めた浜辺
「友人ととくに会話するでもなく、まっくらな浜辺に寝そべって、星を眺めました。プラネタリウム以上に非現実的で、自分の存在のちっぽけさを感じましたね。それと同時に、心に余裕が生まれたんです」

ケニアで乗った気球からの景色
直近では、2024年の年末年始にケニアへ。同期4人でサファリを体験し、非現実的な大自然に感動。「現地で、ポレポレ(ゆっくりゆっくり)という言葉を教わりました。渋滞していても運転手さんは『ポレポレね』と笑っていて。ゆっくりと生きる幸せを感じましたね」
山本さん:世界一周で知った、“知らない人とつながる”喜び

山本さんが語るのは、大学生の時に世界一周航空券を使い、半年かけて巡った旅。
タイから東南アジアを1ヶ月、インド、中東、エジプト、イスラエル、ヨーロッパ、ブラジルのリオのカーニバル、南米、メキシコ、アメリカ。まさに世界を股にかけた旅でした。

世界一周旅に持って行った地図帳。通った道とその日付を記録していました

当時のパスポートはビザや出入国スタンプがぎっしり
「エルサレムの旧市街は2000年前から変わらない街並みで、石造りのホテルに泊まったのがいい経験でした。でも一番大きかったのは、世界中の『日本人宿』で、世代も背景も違う人たちと知り合えたことです」

ブラジル・ボニート滞在中に通っていたバーでの一枚。この時に知り合った方とは今でも連絡をとる仲
トルコでは居心地が良すぎて1ヶ月「沈没(※)」。宿の仲間でカツオを捌いたり、メキシコではプロレスラーの留学生を応援しに行ったり。「知らないバックグラウンドの人と友達になれた経験は、人生を変えました」と山本さん。
当時はスマホはおろか、携帯電話すら持っていなかった時代。カセットウォークマンで音楽を聴き、情報はインターネットカフェや宿の「旅人ノート」の手書きメモが頼りでした。
「今はスマホがあって旅行しやすいですが、あの時の不便な旅が自分を強くしたと思います。若い方にぜひおすすめしたいですね」
最近は神津島など国内の島旅にもはまっているという山本さん。小学校のボーイスカウトで初めて訪れた神津島に、25年経って自分の子どもを連れて再訪。変わらない海と星空に、親子で感動したそうです。

神津島を訪れた時の写真
(※)沈没:バックパッカーの間で根付いている俗語。バックパッカーが旅先でその土地の居心地の良さから長期滞在してしまう様をあらわす。
JAL社員3名が語る、「旅が与えてくれるもの」

それぞれの旅エピソードを語り終えた3人。ここからは、お互いの話を聞いた感想や、「旅」に対する想いを語ってもらいました。
——それぞれの旅エピソードを聞いて、いかがでしたか?
荒川さん「木下さんが旅のアルバムを作っているというのは、すごいなと思いました!」

木下さん「ぜひやってみてください!手間はかかりますが、後で見返すことで『2回旅を楽しめる』んですよ。次はこういうところに行きたいなというヒントにもなりますし」
山本さん「僕は荒川さんの話を聞いて、ニュージーランドでの2週間がすごく羨ましかったですね。現地の人の暮らしに入り込むような旅って、なかなかできないじゃないですか」
荒川さん「そうなんですよ。フラットのみんなとは最終日に15人くらい集まって送別会をしてもらって。あのつながりは今でも大切にしています」
木下さん「素敵ですね!山本さんの世界一周の話も、知らない人とどんどんつながっていくのがすごいなと思いました」

山本さん「最初は僕も怖かったですよ。でも旅を続けているうちに、知らない人に話しかけることへの抵抗がなくなっていったんです。ドイツでブラジルのビザを取った時も、申請書がドイツ語とポルトガル語しかなくて困っていたら、たまたまいたドイツ人が英語に訳してくれて、ついでにベルリンの街を車で案内してくれたり」
木下さん「えー!そんなことあるんですね」
山本さん「あの旅でコミュニケーション力はかなり鍛えられたと思います。言葉が通じなくても、なんとかなるという自信がついたというか」
荒川さん「それは大きいですよね。若いうちにそういう経験ができたのは羨ましいです」
——皆さんにとって「旅」とはどんな存在ですか?

荒川さん「結果的に『自分を見つめ直す機会』になっていると感じます。強制的に違う価値観や文化に触れることで、自分の価値観をリセットしたり、チューニングしたりしてくれる存在ですね」
木下さん「私もそれに近いかもしれません。普段の仕事から離れて『自分を取り戻す時間』として、旅が一番のリラックスになっています。次の旅行も既に予約済みで、それを目指して仕事を頑張るのがモチベーションです!」
山本さん「僕は、知らない土地の飲み屋さんなんかで『知らない人とたまたま話をすること』が一番の醍醐味だと思ってます」
木下さん「旅先だと不思議とオープンになれますよね」
山本さん「そうなんですよ。違う土地に行くと心が解放されるのか、向こうから話しかけてくれる機会も多くて。そういう偶然の出会いが一番思い出に残るんですよね」
ーーJALで働く中で、旅に対する価値観は変わりましたか?

木下さん「入社前はそれほど頻繁に旅行していなかったんですけど、入社してから『言葉が通じなくても伝える気持ちがあれば大丈夫だ』とわかって、旅のハードルが下がりました。機内でいろいろな国の方と接することで、海外への抵抗がなくなったのも大きいですね」
荒川さん「僕も元々旅行するタイプじゃなかったんですけど、同期と行くうちにすっかりはまってしまって。入社してからは、周りに旅好きが多いので刺激を受けました」
木下さん「うちの会社、『どこか行きたい』と口に出すと、誰かしら詳しい人がいてルートとか教えてくれますよね」
山本さん「『教えたがり』が多いですよね(笑)。僕は今『空飛ぶクルマ』の仕事をしているので、不便な場所にこれがあれば便利になるんじゃないか、という視点で旅行することが増えました。例えば、大阪からだと遠い淡路島も、空飛ぶ車なら20〜30分で行けるようになるんです」
荒川さん「それはすごい!離島とかも行きやすくなりそうですね」
山本さん「まさに。淡路島や瀬戸内の島々みたいな離島をもっと繋げて、日本の島旅を身近にしていきたいんです。2027年後半の商用運行を目指して準備を進めているので、ぜひ期待していてください」
——読者の方におすすめしたい旅先や、旅についてのメッセージをお願いします。

山本さん「おすすめは、以前駐在していたサンディエゴですね。自然が豊かでクラフトビールがいっぱいあって、本当に居心地がいい街です。あと、若い方にはやっぱり世界一周航空券をおすすめしたいです。学生のうちに行くと、僕みたいにコミュニケーション力も鍛えられますし、人生の財産になりますよ」
荒川さん「僕のイチ押しはケニアです!衛生面も良好でしたし、大自然を一度見てきてほしい。そして、伝えたいのは『行こうと思った今が行き時』ということ。ライフイベントや体調で行けなくなることもあるので、タイパやコスパを考えすぎずに足を運んでほしいです」
木下さん「私はポルトガルがおすすめです。街並みが素敵で、人も親切で、食べ物も美味しい。それと、遠い場所は若いうちにぜひ行ってほしいですね。私は20代の頃に、モロッコで10時間のバス移動をしましたけど、今はもう出来ません(笑)」
山本さん「わかります(笑)。体力があるうちに」
木下さん「それと、旅に出ることで好きな食べ物とか、何か一つでも好きなものが見つかれば、それだけで楽しい気持ちになれると思うんです。近場でもいいので、ぜひどこかへ行ってみてください。あと、その土地を『応援したい』という気持ちで旅行に行くのも、自分なりの恩返しかなと思っています」
荒川さん「いいですね、応援旅行」
山本さん「旅の目的って、いろいろあっていいですよね」

旅は、新しい自分を発見するきっかけを与えてくれます。次の旅の計画を立てる時、ぜひ3人のエピソードを思い出してみてください。きっと、あなただけの「自分を変える旅」が待っているはずです。
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