ハワイの魅力をより深く知るなら、現地を知り尽くした達人の意見を参考にするのがやっぱり正解!今回は、マウイ島を拠点にライター・コーディネーター・フラダンサーとして活躍する神宮寺愛さんが、ローカルハワイアンスイーツの魅力をご紹介します!
画像: いろんなところからやってきた!ローカルハワイアンスイーツ!

神宮寺 愛さん

<プロフィール>
ライター・コーディネーター/出版社退社後に独立、2001年にマウイ島へ。マウイ郡を中心に、ネイバーアイランドの魅力を雑誌、書籍、ウェブなどで発信中。著書『心と体がピュアになるハワイアンな暮らし』等。ハワイ州観光局サイトにて連載コラム執筆中。

インスタ映えだけじゃない!多彩な食文化が息づくハワイの定番ローカルスイーツ

画像: インスタ映えだけじゃない!多彩な食文化が息づくハワイの定番ローカルスイーツ

「ハワイへ旅行に行くと、何だ少し日本みたい」と親近感がわいたり、「アロハ醤油?ハワイで醤油を作っているの?」と興味津々になる方も多いのではないでしょうか?19世紀の初め、まだハワイ州がハワイ王国だった時代に、国の経済発達のためにとられた政策のひとつに、サトウキビ産業がありました。 サトウキビ畑で働く人手はハワイ王国内では足りず、国境を超えて、日本、中国、ポルトガル、フィリピンなどから労働のためにハワイに渡った人々がいたのです。

畑で働くなか、同じ言葉を話さなくても、食文化の交流はできたことから、異文化が混ざり合った独特な食文化が現在も続いています。今回は、みなさんがハワイで気軽に楽しめる、地元で人気のスイーツをご紹介します!

お土産にぴったり、ポルトガルからやってきたローカルスイーツの代表格マラサダ

画像: お土産にぴったり、ポルトガルからやってきたローカルスイーツの代表格マラサダ

ヨーロッパの海洋国家であったポルトガルは、当時たくさんの国と交流し、食文化を残しています。日本のカステラがよい例ですね。ハワイではポルトガルのスイーツ「マラサダ」が広く愛されています。イースト菌で発酵させたパン生地を油で揚げて、砂糖をまぶすのが基本。ポルトガルの家庭料理で、見かけは揚げパンのようで、熱々をほおばると中はふんわり、外側は砂糖の甘みと油が微妙に混ざって、口のなかが幸せになるスイーツ。ローカルは揚げたてが買えるベーカリーに足を運び、コーヒーと一緒に朝食に、午後のおやつに、仕事帰りにお土産にと「箱買い」です。

まずはオアフ島の「レナーズ」、マウイ島の「ホームメイドベーカリー」、ハワイ島の「テックス」などと、各島代表マラサダをお試しあれ!シンプルなマラサダも大きさや食感にいろいろ差があり、さらにカスタードやココナッツやチョコなどのクリーム入りから、ハムやチーズなどのオカズ系入り、もしくは生地自体にグアバやタロイモなどの味が練り込まれているもの、クロワッサンとマラサダの中間を目指すクロサダなど、マラサダの魅力は尽きないのです。

行列必須。ロコに愛される日本ゆかりのスイーツ シェイブアイス&モチ&マンジュウ

画像: ウルラニ・シェイブアイス Photo by Fashonbly-Forward Foodie

ウルラニ・シェイブアイス
Photo by Fashonbly-Forward Foodie

夏の風物「かき氷」、常夏のハワイではかき氷は一年中です。日本の移民が伝えたかき氷は「シェイブアイス」と呼ばれ、ビーチやスポーツの後、学校や仕事帰りに足が向いてしまうローカルは多いはず。数あるシェイブアイス屋さんのなかでも、日系のオーナーが昔ながらのかき氷機を使って作ってくれる店が人気です。

日本のかき氷に比べてシロップの種類が多く、色鮮やかなのにも驚きですが、暑さしのぎには最高。オアフ島の「ワイオラ・シェイブアイス」、「マツモト・シェイブアイス」などの老舗から、サトウキビの甘さと果物100%の自家製シロップを作るマウイ島の「ウルラニ・シェイブアイス」まで、行列はいつもの光景。

画像: トゥ・シスターズ・ベイカリー モチ Photo by Fashonbly-Forward Foodie

トゥ・シスターズ・ベイカリー モチ
Photo by Fashonbly-Forward Foodie

日本の移民の持ち込んだ人気スイーツとしては、モチやマンジュウも欠かせません。ただ、モチといっても日本の餅とは違い、モチ粉を使って作ったスイーツなのと、カラフルな彩りや、餡子のほかにココナッツ餡やピーナツバターが中に入っているのがハワイ風。そしてマンジュウは焼かれているものが多いのが特徴です。
オアフ島の「ニッショウ堂」、マウイ島の「サム・サトウ・マンジュウ」、ハワイ島の「ツー・シスターズ・ベーカリー」などで、ローカルは普段のおやつに、冠婚葬祭の席や子どもの成長の祝にと、足を運びます。

ビビンカ、ハロハロ、スーマン、フィリピンからやってきたスイーツは多彩!

画像: フィリピン系スイーツ

フィリピン系スイーツ

ハワイで朝市や食べ物の屋台がでるようなイベントを覗くと必ずあるフィリピン・フード。ハワイには昔からホテルなどの観光業で働くフィリピンからの移民が多く住んでいたため、フィリピン系のお店も珍しくありません。特にスイーツは種類も豊富で、餅米、モチ粉、ココナッツミルクを使ったものが多いせいか、米好き、ココナッツ好きのローカルの幅広い世代に愛されています。

売り場を覗くと、バター味のモチをバナナの葉で包んで焼いたビビンカ、モチ粉とココナッツミルクであえたものを団子状にして揚げたカスカロン、餅米とココナッツミルクでバナナの葉に包んだ蒸したスーマン、モチ粉で作った蒸しパンなど、バナナ入りの揚げ春巻きなど、素朴な甘みのデザートがずらり。

画像: ハロハロ Photo by bingbing

ハロハロ Photo by bingbing

そして人気はハロハロ。かき氷に紫芋やココナッツのアイスクリーム、ナタデココ、ゼリー、豆類、トウモロコシ、ライチなどの果物などがトッピングされ、ミルクをかけてあるのですが、見た目はかなり派手!ハロハロは混ぜるという意味なので、混ぜて食べるのがオススメ。フィリピンに行かなくてもハワイでフィリピン気分が味わえてしまいそうです。

かかせない中国文化、西欧文化、なんでもハワイ風に!

画像: リヒムとリヒムイフルーツ Photo by Pomai

リヒムとリヒムイフルーツ 
Photo by Pomai

クリスマスから新年を祝う時期は、ハワイの移民文化を知るよい機会。クリスマスを盛大に祝ったかと思えば、大晦日は爆竹もなれば、除夜の鐘もなり、元旦はバーベキューとビールでパーティもし、お雑煮も食べ、そしてチャイニーズ・ニューイヤーと呼ばれる旧正月と各国のお祝いを全部祝っているような雰囲気です。チャイニーズ・ニューイヤーでは、人気のライオン・ダンス、欠かせないのはムーンケーキ、月餅です。オアフ島のチャイナタタウンの本格的な卵入りムーンケーキはもちろん、各島でもベーカリーでマンジュウががんばってムーンケーキになったものが売られます。

画像: カウアイ島ハムラズのリリコイシフォンパイ

カウアイ島ハムラズのリリコイシフォンパイ

季節菓子以外では、モチ粉で作った固めのゼリーのようなものライスケーキ、そして乾燥菓子が得意な中国文化の極み、ハワイで食べないローカルはいないと言い切れるリヒムイです。リヒムイは乾燥梅のお菓子、もちろんそのままも食べるのですが、リヒムイの粉をふりかけることの多さには驚きです。バイナップルやオレンジなどの果物を切ってリヒムイをまぶす、シェイブアイスや飲み物にふりかける、漬け物に入れて漬けるなどから、前出のマラサダにまぶすなど、リヒムイの登場頻度の高さは中国より多いかもしれません。

このように他国の文化を上手に取り入れているのがハワイのスイーツ、西欧スイーツのパイなども、バナナクリームパイ、ココナッツのプディングであるハウピアや紫芋のパイ、マンゴーやパッションフルーツなどのパイなどハワイ出身のパイなどがローカルから観光客にまで愛されているのです。

写真協力:Pomai & The Fashonably-Forward Foodie & BIngbing

ひとことコメント

さまざまな国からの食文化の影響を受けて進化するハワイアンスイーツの数々。もちろんスイーツだけでなく、食事メニューやフルーツなど、多彩な文化を感じさせるグルメはたくさんあります!食の背景にある各国文化に思いを馳せれば、ハワイアングルメがさらに面白くなるはず!

※2019年7月22日に一部内容を更新しました。

掲載の内容は記事公開時点のもので、変更される場合があります。

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