12月も半ばに差し掛かり、街はクリスマスムードに包まれています。2021年のクリスマスも素敵な想い出を残したいと計画中のみなさん、今年は“スイーツを通して海外に思いを馳せる”という過ごし方はいかがでしょう。

クリスマスには、この季節ならではのさまざまな国のスイーツがそろいます。お好みの一品に出合えるよう、4カ国にわたって紹介する旅へとご案内しましょう。ナビゲーターはスイーツで人を幸せにする芸人、スイーツなかのさんです。

画像1: スイーツで旅する世界。4つの国のクリスマススイーツ誕生ストーリー

スイーツなかの

東京生まれ。早稲田大学卒業後、芸人の道へ。子どもの頃から好きだったお菓子を独学で勉強し、パンケーキハットをトレードマークに唯一無二のスイーツ芸人として活動。和洋菓子を1万種類以上食べ歩き、その確かな知識で「林先生の初耳学」「メレンゲの気持ち」などの番組に出演。西武渋谷店の催事企画、行政と取り組んだ監修商品の発売など、幅広い分野で活躍中。

よろスィーツ!
スイーツ芸人のスイーツなかのです!

画像2: スイーツで旅する世界。4つの国のクリスマススイーツ誕生ストーリー

この季節は、世界のお菓子を目にする機会が増えるので、ケーキ屋さんやパン屋さんに行くとワクワクします。

クリスマスに食べるお菓子は起源の古いものが多く、知れば知るほど、現在までどのような道を歩んできたのだろうかと興味津々。

いろいろな種類があるので、名前は聞いたことがあるけど食べたことがない、どこの国のお菓子か知らずに食べている、という方もいらっしゃるでしょう。この機会にぜひ、お菓子を通して、少しでもその国に興味を持ってもらえたら嬉しいです。

今回は、4カ国のお菓子を選び、クリスマスとお菓子の結びつきや歴史を解説しましょう。実際に楽しむことができる日本のお店もご紹介しているので、ぜひこの機会に足を運んでみてください!

毎日少しずつ食べるのが習わし「シュトレン」

日本でもよく見かけるようになってきた、シュトレン。ドライフルーツやナッツ、マジパンなどを生地に練り込んで焼き上げた、ドイツの伝統菓子です。

本場ではクリスマスが近づくと、パン屋さんやお菓子屋さんだけでなく、家庭でも作られます。シュトレンは日持ちするため、クリスマス前のアドヴェント期間(待降節)に、毎日少しずつ切って食べるのが習わし。

画像: iStock/AnnaPustynnikova

iStock/AnnaPustynnikova

「あれ? 名前って“シュトーレン”じゃないの?」と思うかもしれませんが、ドイツ語の正しい発音ではシュトレン。もっと正確に言うと、「クリストシュトレン」と呼ばれています。クリストとついているのは、真っ白なシュトレンの形が、キリスト生誕時のおくるみ姿をモチーフにしているから。ただ、この呼び名になったのは16世紀以降で、シュトレンの起源となったものは、14世紀に食べられていたとされています。

画像: iStock/Nikada

iStock/Nikada

当時は、カトリックの教義により、断食期間はバターやミルクなどの乳製品は禁止されていて、味も大変質素なものだったそう。あまりにも味気ないため、ローマ教皇へ「バターを使わせてほしい!」という手紙が送られたというほど。その時は断られたものの、後にこの願いが通じ、油の代わりにバターの使用を許可するお達しがきたそうで、これが現在のシュトレンの原型になりました。

シュトレンのおすすめショップ:
GARDEN HOUSE CRAFTS

厳選した小麦と自家製酵母を使ったパンが人気の「GARDEN HOUSE CRAFTS」。ベーカリーシェフの鈴木嵩志さんは、有名パティスリーや一流ホテルで経験を積み、パンとお菓子どちらにも精通されています。

画像1: シュトレンのおすすめショップ: GARDEN HOUSE CRAFTS

鈴木シェフの新作のシュトレンは、なんと、桃スミレ味! ぼくも毎年いろんなシュトレンを食べますが、桃を使ったものは初めて。桃とスミレは、もともと鈴木シェフが好きな組み合わせで、素材の香りも近く、パティシエの経験上からも相性がいいと考えていたのだそう。

桃やアプリコットなどのドライフルーツは、ドライジンとスミレのリキュールで漬け込み、生地に練り込んでいます。食べた時にしっかりと桃を楽しめるように、具材のバランスに考慮しているのもこだわり。

画像2: シュトレンのおすすめショップ: GARDEN HOUSE CRAFTS

ピンク色の断面からも分かるように、フランボワーズ、ブルーベリー、スミレの合わさったピューレを使って、生地にもひと工夫。しっとりとした生地を一口食べると、甘く爽やかな香りにふわっと包まれ、桃のフルーティーな味わいと相性がとってもいい。甘すぎず、後味も軽く、もう一切れ食べたい! と思えるような食べやすさもナイスィーツ! 見て美しい、食べて美味しい、香って芳しい、唯一無二のシュトレンです。

GARDEN HOUSE CRAFTS

住所東京都渋谷区代官山町13-1 LOG ROAD DAIKANYAMA5号棟
webhttps://ghghgh.jp/pages/modern-christmas-2021
(オンライン販売)

▼その他販売店舗
Megan - bar&pâtisserie 東急フードショー店、GARDEN HOUSE CRAFTS代官山店、GARDEN HOUSE Storeシァル横浜店、GARDEN HOUSE鎌倉店、GARDEN HOUSE新宿店、GARDEN HOUSEみなとみらい店、GARDEN HOUSEそごう横浜店

手間暇かけてじっくり作られる「パネトーネ」

大きく膨らんだ、ドーム型のパネトーネ。ミラノ発祥といわれている伝統菓子で、起源は15世紀ごろ。「トーニが作ったパン」という意味の「パーネ・ディ・トーニ」が変化して、「パネトーネ」と呼ばれるようになったそうです。なんと、パン職人の名前だったのですね。

日本ではクリスマスのイメージが強いのですが、本場イタリアでは、一年中買えるほど一般的な食べもの。クリスマスが近づいてくると、より目にする機会も増え、親しい人にプレゼントする習慣もあるそうです。

画像: iStock/funebre

iStock/funebre

ただ、パネトーネは作ろうとすると、これがなかなか大変。パネトーネ種と呼ばれる天然酵母を使いますが、扱いも難しく、発酵させては生地を休ませる工程の繰り返しで、とにかく手間暇かかります。そのため、昔は家庭で焼かれることも多かったそうですが、現在はお店で購入する人がほとんど。

画像: iStock/Fabiomichelecapelli

iStock/Fabiomichelecapelli

現地では、味のバリエーションが豊富で、レーズンやオレンジピールなどのドライフルーツを練り込んだ伝統的なパネトーネをはじめ、ピスタチオクリームやマロングラッセを混ぜたフレーバーもあり、ラインナップの広さに驚きます。マスカルポーネのクリームやマルサラ酒(イタリア・シチリア島で作られる酒精強化ワイン)のクリームを添えるなど、イタリアならではの食べ方もありますので、いろいろ試してみてはいかがでしょう。

パネトーネのおすすめショップ:
パレスホテル東京

「パネトーネの本質を極めたい」。ベーカリーシェフの星敏幸さんの強い想いから、2021年にリニューアルした、パレスホテル東京のイル パネトーネ。今までも食感や香りを引き立たせることを意識したつくりでしたが、今年はスポンジのような口どけで、より香り高い仕上がりに。

画像1: パネトーネのおすすめショップ: パレスホテル東京

ドライフルーツは、本場のクラシックなパネトーネでよく使われる「サルタナレーズン」と「オレンジピール」を使用。これまで6種類使っていたところを2種類に絞ったことで、フルーティーな味わいが引き立った印象です。

生地は、1年間継ぎ続けてきた自家製のパネトーネ種を軸に、北海道産小麦・はるきらりをブレンド。ゆっくりと育てるイメージで作り上げ、今まで以上に時間をかけながら「熟成感」を際立たせたのだそう。カカオバターやバニラ、オレンジゼストなどを合わせた香りを生地に含ませることで、熟成感とは異なる風味もプラス。しっとりとした食感とともに、口の中にひろがる芳醇でふくよかな味わいは、こんなにも力強いのかと驚き、心地良い余韻もナイスィーツ!

画像2: パネトーネのおすすめショップ: パレスホテル東京

そのままでも美味しいのですが、カットしてからトーストして食べるのも最高なので、いろんな食べ方で楽しんでほしい! パネトーネが好きな人にこそ、絶対食べてほしいパネトーネです。

パレスホテル東京 ペストリーショップ「スイーツ&デリ」

住所東京都千代田区丸の内1-1-1 B1F
電話03-3211-5320(予約専用ダイヤル)
webhttps://www.palacehoteltokyo.com/newsroom/latest-news/restaurants-bars/christmas-cakes/

サンタさんの大好物とも言われる「ミンスパイ」

日本ではほとんど見かけることがないミンスパイですが、イギリスではクリスマスが近づくと、街中で見かける定番のお菓子です。サンタさんの大好物ともいわれているため、イブの夜にミンスパイを用意しておく家庭もあるのだとか。

ドライフルーツやナッツに、シナモンやナツメグなどのスパイスを合わせた甘い具材のことを、イギリスでは「ミンスミート」と呼び、これをパイ生地で包んだものがミンスパイ。

画像: iStock/SHansche

iStock/SHansche

表面には星や十字を模ったものが多く、クリスマスらしいデザインです。諸説ありますが、13世紀の中東で親しまれていたパイ料理を、ヨーロッパの十字軍が遠征から戻った際に持ち帰ったのが起源といわれています。この話からも分かるように、本来ミンスパイは食事系のパイ。「ミンス」には「挽き肉」の意味があり、初期の頃は羊肉を使ったマトンパイとも呼ばれていました。「ミンスミート」は甘いのにミートがついているのは、このような名残からなのですね。

画像: iStock/IR_Stone

iStock/IR_Stone

かつてはカタチも現在のような円形ではなく楕円形で、キリストの眠るゆりかごをイメージしていたという話も。時代とともに、味も見た目も変化していきましたが、今ではクリスマスに欠かせないお菓子になりました。いつか本場のミンスパイも食べてみたい!

ミンスパイのおすすめショップ:
スワン&ライオン

スワン&ライオンは、イギリスのミートパイ専門店。オーナーのイアンさんはイギリス出身で、仕事で日本を訪れた際に、日本の食文化の豊かさに魅了されたのだそう。そんな日本に、イギリスの本場のミートパイやチャツネなどの味を伝えようと、2015年にお店をオープン。季節商品も扱っていて、クリスマスが近づくと店頭に並ぶミンスパイは、創業当時からの人気商品です。

画像1: ミンスパイのおすすめショップ: スワン&ライオン

本場では少し重たく中身がぎっしりと詰まったような味ですが、スワン&ライオンのミンスパイは口どけの良い食感でとっても食べやすいつくり。レーズン、カレンツ、サルタナレーズン、クランベリー、クルミ、アーモンドなどのドライフルーツやナッツを使って、クローブとブランデーで香り付けをしています。

大きな特徴は、自家製のリンゴピューレとマーマレードを使って、爽やかな甘さも楽しめるところ。バターをたっぷりと使ったパイ生地は、サクサクっとクッキーのような食感。ごろごろ入った具材が合わさると食べ応え抜群で、生地の香ばしさとスパイスの効いた甘さの相性もナイスィーツ!

画像2: ミンスパイのおすすめショップ: スワン&ライオン

クリスマスのデザートは、ミンスパイのほかにもクリスマスプディングも欠かせないね、とイアンさん。スワン&ライオンで、イギリスのクリスマスの雰囲気を味わってみてくださいね。

スワン&ライオン

住所東京都千代田区九段南3-5-4
電話03-6884-3448
webhttps://www.swanandlion.com/

南半球生まれのクリスマススイーツ「パブロバ」

パブロバは、オーストラリアやニュージーランドで親しまれるメレンゲを使ったデザート。クリームやフルーツを合わせた華やかな見た目で、クリスマスはより人気が高まります。家庭でもつくりやすいように、スーパーでパブロバの土台だけを売っていたり、手づくり用のキットもあったりするほど。

画像: iStock/GMVozd

iStock/GMVozd

ただ、歴史をひもとくのが難しく、冒頭でオーストラリアやニュージーランドと言ったのは、現在でも両国の間でどちらがパブロバの発祥かと議論されているから。お菓子はこの手の話がつきもので、ぼくはいつも微笑ましく眺めています(笑)。

どちらの国で生まれたかは定かではないけれど、誕生のきっかけは、ロシアの伝説のバレリーナに由来しているといわれています。1920年代、彼女が自分のバレエ団でオーストラリアとニュージーランドをツアーしたことに、両国が敬意を表してケーキを作ったのだそう。これがパブロバの起源ともいわれ、名前の由来は、彼女の名前「アンナ・パブロワ」からきています。

画像: iStock/georgeclerk

iStock/georgeclerk

軽やかで繊細なつくり、純白で煌びやかなルックスのケーキは、まさにバレリーナのイメージにぴったり。ほかにも諸説あるのですが、ぼくはこの話が好きで、どちらの国でも長く愛されているお菓子になっていることにほっこりします。

パブロバのオススメレストラン:
bills(ビルズ)

パブロバが食べられるお店として、絶対に外せないのは、bills。オーストラリア・シドニー発のレストランで、人気のリコッタパンケーキを食べたことがある人も多いでしょう。どうしてもパンケーキのイメージが強いけど、パブロバも創業当時からある定番のデザートで、オーナーのビル・グレンジャーさんの思い入れが強いメニューなのです。バッキンガム宮殿でエリザベス女王の晩餐会に招待された時には、パブロバを振る舞って、後日、お礼の手紙が届くほど喜ばれたそう。

画像: バッキンガム宮殿のシェフにパブロバの作り方を教えるbillsのレストランター、ビル・グレンジャー

バッキンガム宮殿のシェフにパブロバの作り方を教えるbillsのレストランター、ビル・グレンジャー

要となるメレンゲの大きな特徴は、ブラウンシュガーを使っていること。ビルさんはこのほのかなカラメル風味が好きで、真っ白ではなく、ほんのりとやさしい色合いになります。泡立てたメレンゲにはピスタチオを入れて焼いているので、生地のサクッとした食感とナッツのカリッとした香ばしさが同時に味わえるのも嬉しいところ。

画像1: パブロバのオススメレストラン: bills(ビルズ)

クリームにはヨーグルトを混ぜて、酸味のある爽やかな味わいに。メレンゲにしっかりと甘みがある分、クリームがさっぱりとしているので食べやすく、全体のバランスがナイスィーツ! ローズウォーターを使った華やかな香りもあって、とってもエレガントな仕上がりです。高級感がありつつ、家庭的なほっとするような美味しさなので、初めてパブロバを食べる方にもおすすめです。

bills(ビルズ)

店舗東京・神奈川・大阪・福岡(詳細はwebをご覧ください)
webhttps://billsjapan.com/jp

世界のクリスマススイーツ、いかがでしたか?

この季節、お菓子屋さんは1年で一番忙しいといわれるほど。毎年クリスマスにはケーキを買うという人も多いでしょう。

このほかにも、世界には何百年も愛され続けているお菓子がたくさんあります。

古くから魔除けの意味があった「おはぎ」がお彼岸でお供えされるように、その国ならではの伝統菓子がどうして食べられるようになったのか、どうやって歩んできたのか、裏側のストーリーに触れるのもお菓子の醍醐味。

これをきっかけに、いつもと違うスイーツをクリスマスに食べてみてはいかがでしょう? そして、いつかその国に行って本場のスイーツを食べてみたいなぁと思ってもらえたら、うれスィーツです!

画像2: パブロバのオススメレストラン: bills(ビルズ)

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