2020年10月1日から、いよいよGo Toトラベルキャンペーンの対象に東京が加わります。これまで東京に遊びに来たくても躊躇していた方々にとっても、うれしいニュース。この秋の行楽シーズンに東京観光を検討し始めた方もいるかもしれません。そこで、渋谷や浅草などの主要な観光エリアの混雑状況や、各地のウイルス感染対策について、Harumari TOKYO(https://harumari.tokyo/)の協力のもと、レポートをお届けします。

賑わいを取り戻したお台場の様子

画像: パレットタウン

パレットタウン

東京屈指の観光地といえば、お台場。さまざまな商業施設やレジャースポットが立ち並び、ショッピングやグルメ、エンターテインメントを楽しんだり、公園やビーチを散歩したり、レインボーブリッジの絶景を眺めたりと、一日中過ごすことができます。

東京がGo Toキャンペーンの対象となることが発表されて以降、休祝日を中心に東京近県のおでかけ需要も高まり、お台場を訪れる人もかなり増えてきました。ここでは、9月の4連休の様子をご紹介しましょう。

訪れたのはパレットタウン。世界最大級の高さ115mを誇る「パレットタウン大観覧車」は、お台場のシンボル的存在です。テーマパーク型ショッピングモール「ヴィーナスフォート」や日本最大級のライブホール「ZeppTokyo」、モビリティの体験型テーマパーク「MEGA WEB」、境界のない1つの世界の中で、さまよい、探索し、発見する「MORI Building DIGITAL ART MUSEUM: EPSON teamLab Borderless」など、多彩な商業施設が集まっています。さらに、中央に位置する広大な円形広場「パレットプラザ」ではイベントが開催されることも多く、“パレット”の名のとおりカラフルで楽しさにあふれた街として多くの人で賑わうエリアです。

4月中の緊急事態宣言下では、平日はもちろん休日も閑散とした状況でしたが、9月の4連休になるとパレットタウンはどの施設も盛況となりました。観覧車は30分待ち。家族連れを中心に行列ができていました。もちろん行列はしっかり間隔を開けるようスタッフからの声がけがされており、手指消毒や検温器などのオペレーションもしっかり取られています。

画像: パレットタウン大観覧車

パレットタウン大観覧車

画像: パレットプラザ

パレットプラザ

屋内施設であるMEGA WEBも活気がありました。インフォメーションセンターでは、ビニールカーテンによる飛沫防止対策がされていて、施設内の各所に消毒液も設置、新しい生活様式の中でのおでかけを楽しむスタイルが定着しつつあることを感じます。

画像1: MEGA WEB

MEGA WEB 

画像2: MEGA WEB

MEGA WEB

この日は快晴。広場やパレットタウン前の「ARTBAY CAFE」でイベントがあり、各エリアに人が集まっていました。人の数が多いとはいえ、お台場は広大な芝生や道幅の広い歩道で構成されているため、キッチンカーでテイクアウトしたランチやスイーツを青空の下で楽しむなど、3密を避けたスペースを確保することは容易です。

画像: 賑わいを取り戻したお台場の様子

パレットタウン

渋谷の新しいランドマーク「SHIBUYA SKY(渋谷スカイ)」は今がおすすめ

画像1: 渋谷の新しいランドマーク「SHIBUYA SKY(渋谷スカイ)」は今がおすすめ

2019年11月に開業した渋谷駅直結・直上の大規模複合施設、渋谷スクランブルスクエア。その最上階にある展望施設「SHIBUYA SKY(渋谷スカイ)は、東京オリンピックが予定されていた2020年の今年、国内外から注目を集める東京観光の目玉スポットでした。

しかしコロナの影響で4月から5月までは営業を停止。現在は来場者数を絞って営業中です。取材した日は11時頃でしたが、並んでいる人はかなり少ない様子。スタッフによると、通常の半分くらいの入り状況だそうです。屋上まで行くエレベーターに入る人数も、一回で4〜5人程度に制限されており、その他の動線も密を避けるような工夫がなされています。

人数制限がある分、屋上の展望空間ではかなりゆとりのある状態で景色を堪能できます。屋内のお土産店やフォトスポットも人混みを気にせずゆっくり楽しめる様子でした。

画像2: 渋谷の新しいランドマーク「SHIBUYA SKY(渋谷スカイ)」は今がおすすめ
画像3: 渋谷の新しいランドマーク「SHIBUYA SKY(渋谷スカイ)」は今がおすすめ

「SHIBUYA SKY(渋谷スカイ)」の魅力はなんと言っても夜景。今回は日中に取材しましたが、夜になると日中よりも多くの人が訪れるとのこと。期間限定のルーフトップバー「THE ROOF SHIBUYA SKY(ザ・ルーフ 渋谷スカイ)」など、ゆっくり夜景を楽しむ催しも行われています。

今後、来場者数は徐々に増えていくと思われますが、それでも、感染防止対策の一環で人数を絞っている状況。事前に予約をすれば、かなりゆとりを持った渋谷観光を楽しむことができます。

SHIBUYA SKY(渋谷スカイ)

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世界に誇る観光地・浅草の現在

画像1: 世界に誇る観光地・浅草の現在

日本を代表する観光地である浅草。世界中の観光地と同じように、浅草もこの新型コロナウイルスにより大きな影響を受けました。

画像2: 世界に誇る観光地・浅草の現在

緊急事態宣言下から現在までの復調傾向について、浅草の象徴「浅草寺・雷門」の真向かいに位置する「浅草文化観光センター」でお話を伺いました。

対応してくださったのは、浅草観光文化センターの増田圭佑さん。

画像3: 世界に誇る観光地・浅草の現在

この施設はビジターセンターやインフォメーションセンターといったところ。観光スポット・おすすめのグルメ情報などを求めて、観光客が観光の合間に足を運ぶ場所です。また、ボランティアによるガイドツアーに申し込むこともできます。

8階の展望フロアは仲見世通りを見渡せる絶好のビューポイント。取材した日はあいにくの天気でしたが、普段はスカイツリーも眺められるうえに無料とあって、トリップアドバイザーでも上位に入る人気のスポットです。

画像: 展望フロアより

展望フロアより

過去最大の盛り上がりの中でのコロナショック

「この施設は、新国立競技場と同じ隈研吾先生の設計で2012年にリニューアルしました。まさにここ数年は、浅草は観光地としてものすごく盛り上がっていて、2020年は東京オリンピックもあるので、まさに盛り上がりの真っ只中というタイミングでしたね」

街全体も盛り上がってきた中で、まさにこんなことになるとは誰も想像していなかったと言います。

「1月末くらいから徐々に観光客の数が目に見える形で減り始めました。それから2月、3月と訪日外国人も日本人観光客もどんどん減っていきました」

画像1: 過去最大の盛り上がりの中でのコロナショック

そして、日本全国に出された緊急事態宣言。

「4月8日から6月1日までは感染拡大防止のため休館しました。もちろん観光客はいないですし、観光業に従事するスタッフも街から消えました。仲見世でもほとんどのお店が閉めていましたし、人力車も休業。やっとの思いで再開しました。本当に徐々に、6月、7月、8月と人が増えてきたという感じです」

画像2: 過去最大の盛り上がりの中でのコロナショック

浅草に戻ってきてくれた人たちが、少しでも安心安全に過ごせるよう、感染症対策はしっかり行われています。ソーシャルディスタンスが取れるよう、館内は一方通行になるよう動線が引かれており、入り口では検温と手指の消毒が求められます。

今できるのは、“浅草に行きたい”という気運を高める魅力発信

浅草文化観光センターを管轄する台東区の観光課では、緊急事態宣言下よりさまざまな取り組みが実施されています。現在行なっているのは「#たいとう愛」というSNSの投稿キャンペーンです。浅草を含め、上野や谷根千といった台東区全般の街の情報をInstagramやTwitterで発信しており、#たいとう愛というInstagramのまとめアカウントでは、区内のお店や施設のアカウントを集約しています。

画像1: 今できるのは、“浅草に行きたい”という気運を高める魅力発信

「それぞれのお店やスポットが行なっている具体的な感染症対策も併せて公開することで、安心安全をPRしています。地元の魅力を発信していくことで、落ち着いたら行こうかなという気運を高めていくことが今は大事だと考えています。Go Toキャンペーンも始まりますし、できることを最大限やった上で観光客が戻るのを待つといった感じです」

画像2: 今できるのは、“浅草に行きたい”という気運を高める魅力発信

館内の壁スペースには、来館者より口コミ情報が寄せられています。ひとつひとつどれも“浅草愛”を感じることができます。

10月からは、東京もGo Toキャンペーンの対象となります。

「どこの観光地もそうだと思いますが、この(9月の)4連休はコロナ後では一番よかったです。やっと賑わった浅草の姿が見られましたが、それでも前年同日比でいうと来館者数は5割くらいという感じでした。今後は密を防ぎながら、少しずつお客さまに来ていただきたいですね」

タクシー運転手が語るコロナ禍中の東京観光

画像: タクシー運転手が語るコロナ禍中の東京観光

“桜にN”でおなじみの都内最大のタクシー会社「日本交通」。そこで11年間、ドライバーを務めている須賀さんは、資格や試験を突破し「日本交通」の中から選抜された観光タクシーのエキスパートドライバーでもあります。新型コロナウイルスが猛威を振るい始めた3月頃は、例年ならお花見ツアーで観光タクシーが大盛況となる時期とのこと。しかし、今年はその予約の9割がすべてキャンセルとなってしまいました。

画像: ドライバーの手洗い、うがい、検温といった基本的な感染防止対策はもちろん、車両の消毒をこまめに行なっています

ドライバーの手洗い、うがい、検温といった基本的な感染防止対策はもちろん、車両の消毒をこまめに行なっています

「ちょうどその頃は業界全体の売上が半分以下になった時期で、最もひどい時は7割減くらいにまで落ちました。通常のタクシー業務においても、1日に平均して25~30回ほどお客さまが乗車していたのですが、それが14回以下と半分に減り、営業になりませんでした」

そんな状況のなか緊急事態宣言が発出され、都内はより人がいない状態に。「日本交通」の中でも、子どもの送り迎えなどのキッズタクシーや介護のためのサポートタクシーなどの分野では、密を避けられるため売上は変動しなかったとのこと。一方で、須賀さんが所属する観光タクシーは需要がゼロになり、須賀さんは2カ月間休業することになったといいます。

「緊急事態宣言が解除された6月以降も、観光タクシーはもちろん、通常の営業も飲食店の営業時間が22時までだったこともあり、夜の街には人の姿がほぼありませんでした。ただ、その頃から会社へ出勤する人も増えてきたため、タクシー出勤のニーズが増え、昼間は普通に稼げるようになってきました。なので私たちの中には、勤務時間を昼間中心に変えた人もいました」

画像: 観光タクシーにはパノラマルーフから、外の景色が眺められるようになっている車両がある。

観光タクシーにはパノラマルーフから、外の景色が眺められるようになっている車両がある。

それから数カ月たち、都内の飲食店の時短営業の解除や、「Go To キャンペーン」に東京発着が加わるなど、徐々に日常を取り戻しつつある東京の街。秋の気配もチラつくようになり、例年なら紅葉やイルミネーションなどフェスティブシーズンならではの観光タクシーの需要が増える時期です。

「観光タクシーに関しては春と状況は変わらず、なかなかお申し込みがなくて残念です。一方で、飲食店の営業は通常通りに戻りましたし、普段の営業に関しては以前と同じぐらいに落ち着きつつあります。タクシーの車内は、エアコン稼働下でも約1分で空気が入れ替わり、電車などの他の交通機関と比べて換気能力が高いのが特徴です。かつ、ドア・ツー・ドアで移動できるので、むしろこういう時期だからこそ皆さんにもっとタクシーの使い方を知ってもらえるといいなと思っています」

須賀さんがいうように、3密を避け、かつ自分の好きなようにアレンジできる観光タクシーは、ある意味ニューノーマルな時代の移動手段に適しているといえます。さらに観光においても、タクシーならではの細やかな移動やアレンジが利くため、家族や友人など最小単位で利用するにはもってこいの乗り物。これまでとは違った方法で街巡りすることで、東京の街の見方が変わるかもしれません。

徐々に来場者が増えつつある東京の観光スポット。もともと人混みの多い街であるが故に、3密を避ける工夫や感染予防対策など、安心して滞在できる取り組みが各所で徹底されている印象を受けました。事前予約制の場所も増えているため、営業時間や入場方法などをホームページなどで確認し旅行を計画をすると、スムーズかつゆとりを持った東京観光が楽しめそうです。

いよいよGo Toトラベルキャンペーンの対象になる東京ですが、まだまだ旅行者の少ない状況が続いています。観光地としての東京の応援もかねて、この秋の行楽シーズンに東京観光を選択肢の一つに入れてみてはいかがでしょうか。

※2020年10月2日に一部内容を更新いたしました

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