スマートフォンが四六時中、手放せなくなっている現代社会。時々、デジタル機器を使いこなしているのか、依存しているのか分からなくなることがありませんか。東京の中心地にある日本旅館「星のや東京」では、あえて丸1日デジタル機器から距離を置いて静寂の中に身を置いてみる特別な体験プランがあります。五感が研ぎ澄まされ、自分を見つめ直すことができる貴重な2日間をレポートします。
画像1: 「星のや東京」の「脱デジタル滞在」でデジタルデトックス。都心で自分を見つめ直す特別な体験を

1.デジタルデトックスとは?

デジタルデトックスとは、一定期間スマートフォンやパソコンなどのデジタル機器との距離を置くこと。

デジタル依存気味の生活をあえて遮断することによって、ストレスや不安の軽減を目指したり、オンライン以外でのコミュニケーションや行動にフォーカスできたりと、精神的にも身体的にもポジティブな効果が期待されている取り組みです。就寝前後の簡単なデジタルデトックスであれば日々の生活に手軽に取り入れられるため、実践している人も増えてきています。

さらに、より高い効果を得るために注目されているのが、「1泊2日以上のデジタルデトックス期間を取ること」。東京・大手町の「星のや東京」では話題のデジタルデトックスを「脱デジタル滞在~武士の鍛錬~」というプランとして提供しているのです。実際、どんな体験なのか編集部で取材をしてきました。

今回、体験するのは女優として活躍する中田絢千さん。普段は、もちろんスマートフォンが手放せない毎日を過ごしていると言います。

画像: 1.デジタルデトックスとは?

「やっぱりスマートフォンは生活の一部として、なかなか手放せないものになっています。滞在後に何が起こるか、自分がどうなっているのか…不安と楽しみが半々くらいです…!」(中田さん。以下同じ)

2.いざ、体験しに「星のや東京」へ

画像1: 2.いざ、体験しに「星のや東京」へ

大手町のオフィスの中心でひときわ存在感を放つ、「星のや東京」。地上17階という縦長の都市ビルながら、日本旅館の要素を組み込んだ宿泊施設です。庭と平屋木造から構成されるいわゆる“伝統的な仕様”ではない、現代の進化した旅館として国内外からのゲストに根強い支持を得ています。

内装の美しさからスタッフの所作まで、日本文化そのものを満喫できるくつろぎの空間での「脱デジタル滞在」。期待も膨らみます。

大手町の高層ビルが立ち並ぶ街並みから一歩ビル内に入ると、そこは異世界に入り込んだかのような佇まい。竹と栗の木でできた棚壁が象徴的な玄関です。こちらで靴を脱ぎ、館内では常に靴を脱いだ状態で過ごします。

画像2: 2.いざ、体験しに「星のや東京」へ

「なんだかすごくいい香りがします…!」と中田さん。

スタッフさん曰く、お客さまが玄関から五感で癒しを体感できるように“匂い香”をおいているのだとか。

先ほどの日常世界から一転、和の香りと畳を踏みしめる感覚を楽しみながら奥へ進みます。スタッフさんに誘導されてそのまま宿泊フロアへ。いわゆる「チェックインカウンター」がないのが、ここがホテルではなく旅館であることを意識させます。

「確かに言われてみれば、ホテルと旅館はそこが違いますね。そのまま部屋まで直行する方がおもてなしを丁寧に受けている感じがします」

画像3: 2.いざ、体験しに「星のや東京」へ
画像4: 2.いざ、体験しに「星のや東京」へ

チェックインなどの手続きを済ませたらすぐに「脱デジタル滞在」のスタートです。まずは大切な儀式。デジタル機器を預けます。

画像5: 2.いざ、体験しに「星のや東京」へ

「お持ちのデジタル機器をこちらの桐の木箱にお納めください」とスタッフさん。PCやタブレットをお持ちの方は一緒にこの木箱に納めて、チェックアウト時まで“デジタル機器断ち”をするのです。

画像6: 2.いざ、体験しに「星のや東京」へ

「24時間当たり前にいつも側にあるからなんだか不安です…!」と中田さん。しかしこれはとても重要な儀式ですので、緊張しながらも覚悟を決めて電源をOFFに。スマートフォンを預けます。

預けた桐の木箱は、星のや東京でチェックアウトまで大切に保管していただけるそうです。いよいよ、「脱デジタル滞在」のスタートを実感します。

3.“自分の感覚を感じる”体験でさらに集中力を高める

「脱デジタル滞在」では、五感を研ぎ澄ませて自分と向き合うことができるよう、さまざまなアクティビティなどが用意されています。

最大の目玉は「剣術稽古」。
江戸時代から続く剣術の稽古に没頭し、武士の心構えや鍛錬を取り入れることで現代社会のストレスを忘れ去ることを目的に開発されたプログラムです。
かつて江戸・神田に道場を構えた剣術流派「北辰一刀流」撃剣会の師範に剣術を学びます。

「剣道はやったことがあるのですが、剣術は初めて。大丈夫でしょうか?」

少し不安そうな中田さんでしたが、師範は参加者のレベルに合わせて稽古を組んでくれるのでひと安心。剣道をやったことのある中田さんには、剣道・剣舞・剣術の違いなどをわかりやすく教えてくれました。

まずは挨拶など、基本的な所作から。

己の使う道場を綺麗にする心構えと、ウォーミングアップを兼ねた「雑巾がけ」。
「雑巾がけをやるのは小学生以来かも!」と言いながらも、きちんとまっすぐ雑巾がけができている中田さん。

師範からも「なかなか筋がいいですよ!」とお褒めの言葉が飛びます。

画像1: 3.“自分の感覚を感じる”体験でさらに集中力を高める

模擬刀を使った素振りの基礎稽古へ。正しい型を習得するのに時間がかかりますが、師範や助手の方の丁寧な指導で少しずつ、サマになってきました。

師範のお手本を目で見て、言われたことを頭で考えて、さらに実際に自分でやるのはものすごく集中力が必要。序盤は笑顔が見られた中田さんですが、徐々に集中した表情に変わっていき、稽古も白熱。

素振りを繰り返すうちにコツを掴んできましたが、足さばきも含めるとかなりの全身運動。日頃、スマートフォンやPCを多く使用することでついつい肩回りは凝り固まりがちです。

しっかりとした重さもある模擬刀の素振りは、肩回りを動かし、また身体を安定させるために体幹をかなり意識せざるを得ません。知らず知らずの間に、かなり身体も精神力も使っているようです。

集中して取り組んでいると、1時間半ほどの剣術稽古はあっという間。
最後には「試斬麩(しざんふ)」と呼ばれる麩を使った試し斬りを行いますが、本番は実は翌朝。夕方の稽古ではその練習までを行います。

画像2: 3.“自分の感覚を感じる”体験でさらに集中力を高める
画像3: 3.“自分の感覚を感じる”体験でさらに集中力を高める

「この稽古でかなり集中力と精神力が培われた気がします。汗もかなりかいているけれど、心地いいくらいの全身の疲労感がありますね。でも空振りしてしまったり、思い通りに斬れなかったりしたので悔しいです! 明日の本番はうまくいくといいなぁ」

4.汗をかいた後は、深いリラックスで自分をいたわってあげる

剣術稽古のプログラムの後は、贅沢な“癒し”がふんだんに用意されています。
まずは最上階に用意されている温泉へ。大手町の地下約1500メートルから湧き出る天然の大手町温泉が楽しめます。

画像1: 4.汗をかいた後は、深いリラックスで自分をいたわってあげる
画像2: 4.汗をかいた後は、深いリラックスで自分をいたわってあげる

落ち着いた雰囲気の内湯も素敵ですが、モダンなデザインの露天風呂は見逃せません。吹き抜けに見える空は、大手町の中心。湯船の音だけが聞こえる静寂の空間で心身ともに癒されましょう。なお、2日目の朝稽古の後はこの温泉を貸切にできます。フローティングポールに身を預け、湯船に浮かぶのがおすすめ。じっくり心身の疲れと向き合い、日頃のストレスを解放することで、わずかな音や風に敏感に気づくようになっていることでしょう。

画像3: 4.汗をかいた後は、深いリラックスで自分をいたわってあげる
画像4: 4.汗をかいた後は、深いリラックスで自分をいたわってあげる

お湯から上がったら夕食の時間です。地下のダイニングへ向かいます。エレベーターを降りると、すぐにダイニングのエントランスが広がります。石を活かし、地層を表現したという壁が独特の雰囲気を醸し出しています。

画像5: 4.汗をかいた後は、深いリラックスで自分をいたわってあげる
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個室は、迷路のようにあえて入り口が見えないように配置されています。他のお客さまの存在を意識することなく、リラックスして滞在できるのは嬉しい限りです。

ダイニングで提供される夕食は、旬の魚と野菜が中心。調味料に至るまで日本の素材にこだわっていますが、料理手法はフレンチです。独創的な料理の数々に舌鼓を打ちます。飲み物はペアリングがおすすめとあって、料理に合ったワインや日本酒などを用意してもらうのが良さそうです。

画像7: 4.汗をかいた後は、深いリラックスで自分をいたわってあげる
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アクティビティや温泉でリフレッシュされた身体に染み渡る、しみじみと美味しい料理。

実は、星のや東京の館内には「時計」がありません。何にも縛られることなく、ただただ目の前の美しい料理に集中しましょう。
「チェックインしてスマートフォンを預けてから、いったい今が何時なのかわからないのですが、なんだか時の流れが止まったような不思議な感覚ですね」

美味しい料理を心ゆくまで楽しんだ後は、スパトリートメントが用意されています。趣のある個室で、好みのアロマオイルの香りを選びます。90分間たっぷりと、日々の疲れを癒すことができます。

全身運動をたっぷりしたこの日。筋肉の疲労を癒しつつ、日頃の凝り固まった身体も和らげられます。暗くなった個室でトリートメントを受けているうちに、眠ってしまう方がほとんどだとか。

「運動した後だからか、やっぱりすごく気持ちいいですね。温泉や食事で癒されたとはいえ、オイルの香りも気持ちよくて、絶対私も眠ってしまうだろうな…」

画像9: 4.汗をかいた後は、深いリラックスで自分をいたわってあげる
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5.静寂の中で、自分自身を見つめる夜

スパの施術が終わったら、部屋に戻って就寝までゆっくりくつろぎましょう。「現代を休む日」をコンセプトとする星のやにはテレビがありません。東京の中心地とはいえ、大手町はオフィス街なので夜はとても静か。星のや東京内の静寂が心地よく感じます。
「剣術の稽古を経て、なんだか五感が敏感になっている気がします」

静寂の中で感じるのは、畳・い草の芳しい香り。身体を思い切り癒した後は、癒しの香りに包まれながら眠ることができます。時計のない空間ですが、眠くなったら横になるもよし、静寂の中で読書に耽るもよし。忙しない日々の中では決して味わうことのできない、贅沢な夜を過ごしましょう。

6.ゴールが見える朝。日常へ“軽くなって”帰る自分に

朝は早く6時半からプログラムが始まります。静けさに包まれた部屋で黙想をし、呼吸・姿勢・そして心をととのえます。室内はほのかにお香が焚かれています。芳しい香りで心を落ち着け、本番稽古に向けての集中力を高めていきます。
「黙想にもやり方やコツがあるんですね、知らなかった…!」

画像1: 6.ゴールが見える朝。日常へ“軽くなって”帰る自分に

軽食のおむすびを食べたら、いざ本番の「試斬麩」。中田さんは師範に昨日の稽古を確認。素振りをして精神を集中させます。
「昨日の稽古や失敗を活かして成功しますように」

画像2: 6.ゴールが見える朝。日常へ“軽くなって”帰る自分に
画像3: 6.ゴールが見える朝。日常へ“軽くなって”帰る自分に

師範や助手の先生が見守る中、切れ味鋭く斬ることに成功しました!
少しだけ上部が欠けてしまったのですが、短時間で鋭利な斬り口に斬れるのはなかなか素晴らしいことだそうです。
「あー、でも、もっと完璧に斬りたかったなぁ~」と中田さんは残念そう。

画像4: 6.ゴールが見える朝。日常へ“軽くなって”帰る自分に
画像5: 6.ゴールが見える朝。日常へ“軽くなって”帰る自分に

「今回は少しだけでしたけど、剣術、興味出てきちゃいました。かなり奥が深そう。時代劇のお仕事が来た時のためにもっと練習したいなぁ」と中田さん。師範は時代劇の指導などもされていると聞き、「だから教え方が上手だったんですね! すごくわかりやすく教えていただけました」と納得。最後に稽古の総括をして終了です。

その後、朝食や貸切温泉を楽しんでいるとあっという間にチェックアウトの時間。

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日本らしい赤が印象的なカウンターで、チェックアウトです。「脱デジタル滞在」ではチェックアウト時に、預けたデジタル機器が返却されます。

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「こちらをお返しします。どうぞご確認ください」とスタッフさん。

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「なんだか不思議な感じですね。それまではずっと肌身離さず持っていたのに、昨日は丸一日触らなかったなんて、信じられません」
スタッフさん曰く、やはり皆さま最初はドキドキしながら電源を入れて、滞在中のメールチェックなどを行うそうです。

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「なんだか一気に現実に戻される気分ですね…!」
24時間近い「脱デジタル滞在」はこれにて終了。玄関で久しぶりに靴を履きます。

「星のや東京さんの滞在自体もすごくリフレッシュできましたし、『脱デジタル滞在』のアクティビティも盛りだくさんだったので、あっという間でした。なんだか心身ともに軽くなったように感じます」

画像10: 6.ゴールが見える朝。日常へ“軽くなって”帰る自分に
画像11: 6.ゴールが見える朝。日常へ“軽くなって”帰る自分に

忙しなく生き、雑音や喧騒に覆われた現代の私たちの生活。膨大な情報が飛び交うデジタル社会の東京において、“自分と向き合い、豊かな感性を取り戻す”ことはとても大切ではないでしょうか。

あえてデジタル機器を手放し、静寂の中で集中力・精神力を鍛える。五感を研ぎ澄ますことで感性を取り戻す。星のや東京で体験できる「脱デジタル滞在~武士の鍛錬~」は、デジタルデトックスの高い効果を得られる斬新な滞在プランでした。滞在地での観光も旅の醍醐味ですが、たまにはこういった目的の旅も自分自身を高めてくれるに違いありません。

星のや東京
住所東京都千代田区大手町1-9-1
電話0570-073-066(星のや総合予約)
webhttps://hoshinoya.com/

撮影:玉井俊行
撮影協力:星のや東京

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