日本一広い面積を持つ県、岩手県。それゆえ、魅力が点在していてどのように観光したらいいかイメージがつかみづらいという方も多いかもしれません。そんなお悩みに応えるため、好みや興味関心に合わせて選びやすい「6つのテーマ」でめぐるモデルコースを用意しました。

この記事では、花巻を拠点に遠野、陸前高田、釜石といった岩手の南側を中心とした3コースを紹介します。北側の3コースを案内する「宮沢賢治、酒と食、工芸。3つのテーマでめぐる岩手の旅 ~北編~」と併せてご覧ください。
※新型コロナウイルスの感染状況などにより、各施設の営業日・営業時間は変動する可能性がございます

岩手の発酵文化とビールを満喫する旅

いま再び注目を集めている味噌や塩麹、甘酒をはじめとする発酵食品。土地の気候や風土と密接に関係しており、発酵食品を通じて地域の歴史や文化に触れることができます。

岩手県は、日本最大の杜氏集団といわれる「南部杜氏」の技に代表されるように、奥深い発酵の歴史がある地域です。県内各地にはさまざまな発酵文化が根付いています。

また、岩手県はビールの原材料・ホップの日本一の生産地でもあります。県内各所に10カ所以上のビール醸造所があり、その土地ならではの魅力的なビールを醸造しています。

花巻、遠野、陸前高田の3エリアを「発酵」を軸にめぐり、地域文化に触れる旅へと出発しましょう。

画像: 岩手の発酵文化とビールを満喫する旅

〈1日目〉

花巻の地元漬物屋が営む「おにぎりとお漬物の店 まめくら」

画像1: 花巻の地元漬物屋が営む「おにぎりとお漬物の店 まめくら」

花巻に到着したら、まずは地元の漬物屋が営む「おにぎりとお漬物の店 まめくら」へ。
駅からは少し離れているので、タクシーまたはレンタカーで向かいましょう。こちらでは、自家製味噌や地元の野菜をメインにしたランチを楽しむことができます。

おすすめは、おにぎりセット。おにぎり2つと、自家製味噌とベジブロス(野菜だし)を使用した具だくさんのお味噌汁、お漬物と季節のおかず二品のセットです。おにぎりの具は数種類から選ぶことができます。具材の味噌や梅干しも、もちろん自家製です。

画像2: 花巻の地元漬物屋が営む「おにぎりとお漬物の店 まめくら」

自家製味噌に使用している大豆は通称「におい豆」と呼ばれる花巻の在来種。夏、豆の花が咲く直前に、豆畑全体から茹でた枝豆のような良い香りがすることからこう呼ばれています。

料理はどれも優しい味付けで、素材の美味しさを感じることができます。

画像: 店内では自家製の漬物や味噌、花巻の野菜など食材の販売も行っていました

店内では自家製の漬物や味噌、花巻の野菜など食材の販売も行っていました

画像3: 花巻の地元漬物屋が営む「おにぎりとお漬物の店 まめくら」

健康的なランチで心も体も元気になったら、次のスポットに向かいます。

まめくら

住所岩手県花巻市成田17-119-7
電話0198-29-6232
営業時間9:30~16:00
定休⽇日・月曜
webhttps://mamekura.jp/

JR花巻駅の目の前にある醸造所・BREW BEAST「Lit work place」

画像1: JR花巻駅の目の前にある醸造所・BREW BEAST「Lit work place」

BREW BEASTは2019年に花巻に誕生したマイクロブルワリー。花巻駅前にある店舗「Lit work place(リット ワーク プレイス)」の1階はベーカリー&コーヒースタンドとビール醸造所、2階がタップルームになっています。

アメリカンクラフトビールをベースにしながら、地域のぶどうやほおずきなどを使用して醸造した限定ビールも。併設された醸造所で造られた新鮮なビールを味わえます。季節ごとにビールの種類も変わるので、訪れるたびに新たな銘柄との出合いを楽しめるはず。

タップルームでは地産地消のフードメニューも豊富です。温泉に向かうバスを待ちながら、ビールと地域食材を使用したフードで乾杯しましょう。

画像2: JR花巻駅の目の前にある醸造所・BREW BEAST「Lit work place」

Lit work place

住所岩手県花巻市大通り1-7-40
電話0198-41-3049
営業時間07:00~17:00 ※タップルームは17:00~23:00
定休⽇なし
webhttps://akr9857560112.owst.jp/

花巻温泉で宿泊

1泊目は「花巻温泉」で日頃の疲れを癒します。豊かな自然に囲まれた花巻温泉はホテル千秋閣、ホテル花巻、ホテル紅葉館の3館と、奥座敷の佳松園からなる温泉宿です。

敷地内にはバラ園があり、広さ5,000坪の園内を、約450種・6,000株を超えるバラが鮮やかに彩ります。3つのホテルは、「バラの小径」と呼ばれる連絡通路ですべての棟がつながっており、どのホテルに宿泊しても3館すべての温泉に入浴することができます。それぞれ趣の異なる温泉をめぐって楽しみましょう。

〈2日目〉

花巻で100年以上続く醸造蔵「佐々長醸造」

画像1: 花巻で100年以上続く醸造蔵「佐々長醸造」

遠野市に向かう途中の花巻市東和町にあるのが、明治39年創業の醸造蔵「佐々長醸造」です。敷地内にある醸造施設で醤油・味噌・つゆを製造しています。

画像2: 花巻で100年以上続く醸造蔵「佐々長醸造」
画像3: 花巻で100年以上続く醸造蔵「佐々長醸造」

事前予約をすれば、製品の製造現場や、巨大な木樽が並ぶ音楽発酵蔵などを見学できます。

歴史ある醸造施設には創業当時から使用している味噌樽も。地域や会社の歴史を織り交ぜながら、こだわりの味噌や醤油の発酵過程や設備について学ぶことができます。

また、佐々長醸造は東日本大震災当時、被災した陸前高田市の「ヤマニ醤油」を支援した経緯があります。現在でもヤマニ醤油は佐々長醸造に醤油の製造委託をしています。

売店では、佐々長醸造一押しのつゆや味噌、醤油に加え、ヤマニ醤油の品も購入することができます。

佐々長醸造

住所岩手県花巻市東和町土沢5区417
電話0198-42-2311
営業時間8:00~17:00
定休⽇土日・祝日
webhttps://www.sasachou.co.jp/

日本一のホップ栽培面積を誇る遠野へ

画像1: 日本一のホップ栽培面積を誇る遠野へ

佐々長醸造から東に向かって車を走らせること約40分、ホップの産地遠野市に向かいます。

ホップはアサ科のつる性多年草で、ビール特有の苦みと香りのもととなり、泡を安定化させたりビールの保存性を高めたりする働きがあります。

遠野市は、半世紀以上前からホップの栽培を続け、栽培面積日本一を誇ります。7~8月には5.5mの高さのホップのグリーンカーテンが見頃を迎えます。

画像2: 日本一のホップ栽培面積を誇る遠野へ

遠野市内には2カ所のビール醸造所があり、ホップ栽培とビールを中心として地域活性化を目指す「ビールの里プロジェクト」という取り組みを続けています。

ビールの聖地とも言える遠野で、まずはランチを。そして、ホップ畑をめぐり、ここでしか味わえないビール体験を楽しむツアーに参加しましょう。

昼食は遠野醸造TAPROOMで

画像1: 昼食は遠野醸造TAPROOMで

「遠野醸造」は2018年に移住者が立ち上げたマイクロブルワリーです。醸造所併設のレストラン「遠野醸造TAPROOM」で、地域の食材を使用したランチを楽しむことができます。この後参加するツアーは自転車に乗るので、お酒は飲まず、ノンアルコールの「遠野ホップサイダー」やホップシロップを使用したノンアルコールカクテル「ホップトニック」で乾杯しましょう。

画像2: 昼食は遠野醸造TAPROOMで

遠野醸造TAPROOM

住所岩手県遠野市中央通り10-15
電話0198-66-3990
営業時間月・水・木・金曜 17:00~22:00
土曜・祝 12:00~22:00
日曜 12:00~21:00
定休⽇火曜
webhttps://tonobrewing.com/taproom/

ビールの里・遠野でホップサイクリングに参加

画像1: ビールの里・遠野でホップサイクリングに参加

ランチの次は軽い腹ごなし。遠野のホップ畑と地域食材とビールを楽しむために、遠野旅の産地直売所(遠野山・里・暮らしネットワーク運営)が企画している「ホップサイクリング」に参加します(要事前予約)。

まずはツアーの出発地でもあり、本日宿泊する農家民泊「アグリツーリズモ大森家」に集合します。

画像2: ビールの里・遠野でホップサイクリングに参加

ツアーではマウンテンバイクに乗って遠野の美しい里山の中を走ります。季節によって移り変わる景色を楽しみましょう。

画像3: ビールの里・遠野でホップサイクリングに参加

マウンテンバイクでホップ畑に行くこともできます。

7~8月がホップ畑のグリーンカーテンの見頃ですが、春や秋もその時期ならではの農作業を見学可能です。ホップ畑では現役のホップ農家が普段入れない畑の中を案内し、ホップについて解説してくれます。

画像4: ビールの里・遠野でホップサイクリングに参加
画像5: ビールの里・遠野でホップサイクリングに参加

遠野旅の産地直売所(里山ホップサイクリング)

住所岩手県遠野市新穀町2-3
電話0198-66-3543
営業時間9:30~16:00
定休⽇火・水曜
webhttps://tono-yamasatonet.com/tabisite/
※ホップサイクリングは10日前までにご予約ください
※農家民泊と組み合わせたツアーも販売しています。詳細はお問い合わせください

夕方には宿に向かい、農家が育てた野菜を使った料理と遠野のビールのペアリングディナーをいただきます。

画像6: ビールの里・遠野でホップサイクリングに参加

この日は農家民泊「アグリツーリズモ大森家」に宿泊。引き続き美味しいビールと地域食材を楽しみながら、宿を営む地域住民と交流します。日頃体験することができない、遠野の里の農家暮らしを体験できました。

Agriturismo 大森家 (アグリツーリズモ オオモリケ)

住所岩手県遠野市土淵町土淵18-189-1
電話0198-62-0304
webhttps://www.agriturismo-bigwoods.com/

〈3日目〉

3日目は沿岸の陸前高田市に向かいます。

陸前高田は、2011年の東日本大震災で津波の被害が大きかった地域の一つです。「高田松原津波復興祈念公園」には、「東日本大震災津波伝承館」と「道の駅高田松原」があります。

高田松原津波復興祈念公園(東日本大震災津波伝承館・道の駅高田松原)

画像1: 高田松原津波復興祈念公園(東日本大震災津波伝承館・道の駅高田松原)

「東日本大震災津波伝承館」は、震災当時の沿岸部の様子や、津波の被害、そこから得られた命を守るための教訓を伝承し、自然災害に強い社会を実現するために建てられた施設です。震災当時から現在まで、岩手沿岸部がどのように復興を進めてきたかを知ることができます。

画像2: 高田松原津波復興祈念公園(東日本大震災津波伝承館・道の駅高田松原)

東日本大震災津波伝承館

住所岩手県陸前高田市気仙町土手影180 高田松原津波復興祈念公園内
電話0192-47-4455
営業時間9:00~17:00
定休⽇なし
webhttps://iwate-tsunami-memorial.jp/

道の駅高田松原には、陸前高田の名産品やお土産が豊富。沿岸部の海産物を使用した食材や、震災で唯一流されなかった奇跡の一本松の関連商品などをお土産として購入できます。

画像3: 高田松原津波復興祈念公園(東日本大震災津波伝承館・道の駅高田松原)

道の駅高田松原

住所岩手県陸前高田市気仙町土手影180 高田松原津波復興祈念公園内
電話0192-22-8411
営業時間9:00~18:00
定休⽇なし
webhttps://takata-matsubara.com/

発酵をテーマにした複合施設「陸前高田発酵パークCAMOCY(カモシー)」・陸前高田マイクロブルワリー

画像1: 発酵をテーマにした複合施設「陸前高田発酵パークCAMOCY(カモシー)」・陸前高田マイクロブルワリー

旅の最終目的は陸前高田にある、発酵をテーマとした複合施設「陸前高田発酵パークCAMOCY(カモシー)」です。味噌や醤油を醸造する陸前高田の醸造蔵・八木澤商店の定食屋「発酵食堂やぎさわ」やパン屋「MAaLo(マーロ)」など発酵に関わる食が楽しめるスポットです。

また、CAMOCY内には「陸前高田マイクロブルワリー」があります。陸前高田マイクロブルワリーは、生産者をはじめとする地域の人と結びつくことや、食品ロスを減らすことやサステナブルな事業展開を目指して、2020年に開業した新しいビール醸造所です。

画像2: 発酵をテーマにした複合施設「陸前高田発酵パークCAMOCY(カモシー)」・陸前高田マイクロブルワリー
画像3: 発酵をテーマにした複合施設「陸前高田発酵パークCAMOCY(カモシー)」・陸前高田マイクロブルワリー

地域の捨てられるはずだった摘果りんごや、廃棄米を使用して、それぞれの味わいを活かしたビールの醸造を行っています。

画像4: 発酵をテーマにした複合施設「陸前高田発酵パークCAMOCY(カモシー)」・陸前高田マイクロブルワリー

ドライバーではない方は、ぜひビールを頼んで、美味しい発酵食と一緒にペアリングを楽しんでください。ドライバーの方は瓶ビールをお土産に購入したり、ビール専用の携帯容器グラウラーにビールを詰めてもらって持ち帰ったりすることもできます。

陸前高田 発酵パーク CAMOCY

住所岩手県陸前高田市気仙町町308-5
電話0192-55-3261
営業時間11:00~19:00 ※陸前高田マイクロブルワリー営業時間
定休⽇火曜
webhttps://camocy.jp/

発酵をめぐって地域を知る

発酵とビールをテーマに岩手を横断した今回のルート。いつもとは違った視点で地域をめぐることで、新しい発見があります。食事やビールを味わうだけでなく、地域の農業や暮らし、震災復興など、この地域ならではの歴史や文化に触れられたのではないでしょうか。ぜひお気に入りの場所や、食事を見つけてください。

岩手を楽しむオンラインツアー実施中

「発酵」「アート」「ローカルグルメ」という3テーマを切り口に岩手県をめぐるモデルコース。その充実した旅程を見て、旅気分が高まったのではないでしょうか。

復興庁では今、岩手観光の支援事業を行っています。その一環として復興庁がおすすめする観光コースがオンラインで紹介されていますので、ぜひ参加してみてください。

岩手を楽しむオンラインツアー
次回は、2022年5月以降に開催予定。内容・日時が決まり次第復興庁webサイトなどで告知されます。

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