リモートワークの導入や副業の容認など、都市部の企業を中心に“働き方改革”がますます進んでいます。働き方の自由度が増すことで注目されているのが「2地域居住」。都市に住む人が地方にも住居を構えて、2つの地域で生活するそのスタイルは、都会だけでなく自然溢れる環境での暮らしも手に入れたいと考える層から支持を得ています。

とはいえ、生活を大きく変える決断には不安がつきもの。まずは気軽に現地を訪れたり、経験者の話を聞いたりして、イメージを具体化するのが一番です。今、自治体では2地域居住体験ツアーを運営し、地域の魅力や暮らしのリアリティを感じることができる機会を提供しています。

OnTrip JALでは、そんな各地の「2地域居住」の魅力を、体験ツアーを通じて紹介。さまざまなエリアの情報を、連載記事で紹介しています。

2地域居住についてもっと知りたい方は、こちらの記事もあわせてご覧ください。
https://ontrip.jal.co.jp/_tags/2地域居住

画像1: 旅が暮らしに変わる。注目の「2地域居住」体験ツアー 青森・三沢市編

今回ご紹介するエリアは、青森県・三沢市。三沢市は、青森県の南東部に位置する人口約3万8,000人の町です。市民が親しみを込めて「ベース」と呼ぶ米空軍基地があることから、街に英語標識やアメリカンバーのある風景が馴染み、国際色の強い文化・風土を形成してきました。

また、三沢市には青森県南部エリアの空の玄関口「三沢空港」があり、羽田、伊丹、札幌(丘珠)を結ぶ定期就航便があります。空港から三沢市中心街まではなんと車で5分。フライトまでの待ち時間にすぐ近くの温泉に入れるという知られざる一面もあります。さらに、2020年には青い森鉄道「三沢駅」がリニューアル。アクセス面はますます良好になりました。

そんな三沢市での暮らしはどんなものなのでしょう。この地で生活する2組のご夫妻に、三沢市の魅力や暮らしについて伺いました。三沢市で注目したいスポットやアクティビティ情報と併せてご紹介します。

三沢市の国際的で自由な風土は、移住者も馴染みやすい

長田勇介さん・麻美さんご夫妻インタビュー

画像1: 長田勇介さん・麻美さんご夫妻インタビュー

「日本人に対して英語を通訳する」勇介さんと、「外国人に対して日本語を教える」麻美さんご夫妻。おふたりが出会うきっかけになったのは三沢の町でした。

勇介さん「当時、黒石市(青森県)に暮らしていた妻とは三沢のアメリカンデーというお祭りの日に出会いました。アメリカ人の友人を通して知り合ったことや、街中がアメリカンな雰囲気に包まれるイベントだったこともあり、国際的な印象の強い出会いでしたね(笑)」

2020年の9月から通訳・翻訳業をメインに個人事業主としての活動をスタートさせた勇介さん。起業する前は、航空自衛隊の下士官として21年勤務していました。

幼少期をシンガポールで過ごしたことで身に付いた語学力とコミュニケーション力を活かし、在職中は物品輸出入の調整や、会議での通訳業務などに携わってきました。そんな自衛隊時代、最初の配属先が三沢市だったそうです。

画像2: 長田勇介さん・麻美さんご夫妻インタビュー

勇介さん「私にとっての三沢の魅力は、アメリカ人がたくさんいるところです。若い頃は、外国人同士の会話を日本人の友人に通訳するまねごとをしていたんですが、いま考えるといいトレーニングになっていたなと思います。自分の英語力をさらにブラッシュアップできる環境でした」

一方、麻美さんも2021年8月から本格的に日本語教師としての仕事をスタート。ボランティアでの日本語教育と日本語学校勤務の経験を活かし、現在は三沢市周辺の外国人へ日本語のプライベートレッスンをしています。

画像3: 長田勇介さん・麻美さんご夫妻インタビュー

麻美さん「一人ひとり、目標や学びたいことも違うので、それに合わせて丁寧に準備するようにしています。あとは、生活の中で必要な日本語を知りたい方が多いので、『使える日本語』を教えることを意識しています」

移住者が多い町だから、移住者に優しい

三沢基地勤務を終え、米軍横田基地へ配属になった勇介さん。そこで9年を過ごしてから再び三沢基地へ配属されることに。

麻美さん「東京から三沢に引っ越すことになったとき、子どもが転校したくないと落ち込んでいたので心配していましたが、転校初日に『友達ができたよ!』と満面の笑みで報告してきて。そのまま友達と公園へ駆け出していきました。でもこれが三沢ならではだと思うんです。転出入が多いので、地域の子どもたちも転校生に対してすごいウエルカムなんですよね」

画像: 移住者が多い町だから、移住者に優しい

勇介さん「車のナンバーを見ても全国多種多様だし、子どもたちも溶け込むのが早いし、なんか私のシンガポール時代と重なるんですよね。自由な風土というか、さよならするときでも『いつかまた会えるよね』ってポジティブに送り出してくれる感じが海外と似ていると思いました」

三沢市の国際的で自由な風土の中、仕事も子育ても新たなスタートを切った長田ご夫妻。将来的にはお互いの仕事でいい化学反応を起こし、国際交流を活性化させたいとのこと。一方でプライベートでは釣りが大好きという勇介さん。お休みの日は海も湖もある三沢で、お子さんと釣りを満喫しているとうれしそうに語ってくれました。

チャリオットグローバルオフィス

Nihongo Ao

多様性を受け入れる三沢市で、新たなことに挑戦したい

工藤広太さん・あゆみさんご夫妻インタビュー

画像1: 工藤広太さん・あゆみさんご夫妻インタビュー

広太さん「母がコーヒー好きで、コーヒーが当たり前にある家で育ちました。高校時代は友人の中でひとりだけコーヒーを飲むような人間でした。少し背伸びはしていたかもしれませんが(笑)」

そんなコーヒー好きの広太さん、趣味が高じて自分でコーヒーを販売しだしたのは2年前。「津軽焦豆(つがるこげまめ)」の名称でオリジナルブレンドの販売をWebのみで行っていました。SNSや口コミでじわじわとファンを獲得していく中、「自分の店を構えたい」という夢を持つように。「ふたりで店を持つ」と決意を紙に書いて壁に貼った誕生日から11年後、2020年7月に「自家焙煎珈琲cogemame」を三沢市にオープンしました。

画像2: 工藤広太さん・あゆみさんご夫妻インタビュー

広太さん「金属フィルターを使っているので凝縮されたコーヒーの味わいをダイレクトに感じられると思います。手回しで直接火を当てるという焙煎方法や、焙煎前後に風味に悪影響を与える欠点豆を一粒ずつはじく作業も、時間と手間を惜しまず繰り返し行っています」

画像3: 工藤広太さん・あゆみさんご夫妻インタビュー

店内にはカウンター5席とボックス2席、そして乳幼児のいるファミリーにうれしい小上がり席があるのが特徴。人気のオリジナルブレンドは、香り高く、酸味や苦味の角のないバランスの取れた味わいです。

妻のあゆみさんは、もともと美容業界で働いていましたが、結婚、出産を機に専業主婦に。いまはcogemameの接客&フード担当として子育てと並行して奮闘しています。

画像4: 工藤広太さん・あゆみさんご夫妻インタビュー

あゆみさん「最初に主人からカフェをやりたいと聞いたときは、『あ、老後にやりたいんだな』くらいにしか思っていませんでした(笑)。でもその情熱に押されて私も一念発起して、オープンにいたるまでの間はストイックに家計を支えてきました」

三沢はいい意味で、青森っぽくない町

あゆみさんは三沢市出身ではあるものの、実際に三沢で暮らしていたのは高校時代の3年間だけだったそう。一方の広太さんは青森市出身、一家は青森市に住んでいました。そこから三沢市に移住して1年半、新たな気持ちで暮らしはじめて感じたことはあるのでしょうか。

画像1: 三沢はいい意味で、青森っぽくない町

広太さん「三沢の子どもたちが訛っていないことに衝撃を覚えました(笑)。上の娘は青森市で何年か過ごしてきたので津軽訛りでしたが、三沢に来てからきれいに抜けたんです。土地柄、県外の人が多いからだと思うのですが、最近は私も娘に倣って意識して標準語を話しています(笑)」

画像2: 三沢はいい意味で、青森っぽくない町

あゆみさん「私が三沢に住んでいた当時は高校と家の往復だったので、いまはすごく新鮮な気持ちで過ごしています。特に感じるのは、人のあたたかさです。私たちは日ごろから接客をしていますが、あるお客さまが主人の誕生日に、手作りの革製品をプレゼントしてくれて、とても感動したのを覚えています」

広太さん「三沢はいい意味で、青森っぽくない町。県外の友人は『青森はリンゴ』という先入観を持った人が多いのですが、実際に三沢に来るとリンゴの木があまりなくて驚かれることもあります(笑)。それから何といっても国際性豊かという面です。郷土や人種の垣根を超えて、色々な価値観を共有できるところが魅力ですね」

ふたりの考える「cogemame」のビジョン、それは「コーヒー屋っぽくならない」こと。「今後は動画や配信など新しいことにチャレンジして、多くの方に見たことのない景色を見せられたらいいなと思っています」と広太さん。多様性を受け入れる文化が根付くこの地は、その挑戦にふさわしい舞台なのでしょう。三沢に新しいコーヒーカルチャーが生まれる日が楽しみです。

自家焙煎珈琲cogemame(こげまめ)

住所青森県三沢市春日台1-119-7
電話080-1820-1645
webhttps://www.instagram.com/cogemamecoffee/

2組のご夫婦ともに、三沢市の国際的で自由な風土や住む人のあたたかさが魅力だと語りました。それを聞いて、移住に対する心のハードルが下がった方も多いのではないでしょうか。

ここからは、三沢市での生活をより具体的にイメージできるような、おすすめのスポットやアクティビティを紹介します。子育てサポート施設や近場にあると嬉しい温泉浴場など、暮らしに近い情報も含めてピックアップしました。

移住したら楽しみたい、三沢市のおすすめスポット

三沢のソウルフードの代表格・バラ焼きを堪能「赤のれん」

画像1: 三沢のソウルフードの代表格・バラ焼きを堪能「赤のれん」

B級グルメとして一躍有名になった「バラ焼き」。その元祖といわれるお店が「赤のれん」です。特製の甘辛いタレで味付けされた玉ねぎと牛肉を鉄板の上で一気に焼くボリュームたっぷりの「バラ焼き定食」(900円)をぜひ堪能してください。

画像2: 三沢のソウルフードの代表格・バラ焼きを堪能「赤のれん」

ジュージューと熱せられた赤身の肉は美味しそうな茶色に変わり、真っ白な玉ねぎはあめ色に。香ばしいにおいがしてきたら食べごろの合図です。アツアツのところを鉄板からつまみ、ごはんの上でワンバウンドさせて、口の中へと誘導すると至福の時間が。

赤のれん

住所青森県三沢市中央町2丁目1-23
電話0176-53-3333

三沢屈指のアクティビティ&アウトドアスポット「小川原湖」

画像1: 三沢屈指のアクティビティ&アウトドアスポット「小川原湖」

小川原湖(おがわらこ)は遠浅で波も穏やかなので、さまざまなアクティビティが楽しめます。人気のカヤック体験は年齢を問わず、だれでも楽しめるアクティビティです。小川原湖畔キャンプ場ではBBQを楽しんだり、コテージを利用して宿泊したり、家族や友人と自然に囲まれた時間をおもいっきり楽しめるスポットです。

画像2: 三沢屈指のアクティビティ&アウトドアスポット「小川原湖」

1月から2月にかけて、小川原湖は岸から100~200mの水面が厚い氷に覆われます。その氷の上を楽しむ氷上ウォーク、極寒カヤック体験があり、冬場のアクティビティが充実しているのも三沢ならでは。ドライスーツを着用しての体験ですので、寒さも気になりません。

小川原湖

住所青森県三沢市大字三沢字淋代平
電話0176-59-2311(小川原湖観光センター「レークピア」)

馬との歴史が深い三沢市に生まれたスポット「三沢ホースパーク」

画像1: 馬との歴史が深い三沢市に生まれたスポット「三沢ホースパーク」

農耕馬として、軍馬として、古くから我々の営みの傍らには、馬の存在がありました。ところがここ数十年の間に馬と人との関わりは激変。かつて馬産地として栄えた三沢市周辺でも、いまは数頭を残すのみとなっています。三沢ホースパークは、地域に失われた馬文化を復活させることを目的に2016年に開業し、馬と触れ合える場として2017年に本格オープンしました。

画像2: 馬との歴史が深い三沢市に生まれたスポット「三沢ホースパーク」

施設内での乗馬体験だけでなく、林道や小川原湖周辺でのトレイル(馬に乗って林道などを歩くこと)も可能。大人の趣味として、お子さんの習い事として注目を集めています(レッスンや体験は事前予約が必要です)。

三沢ホースパーク

住所青森県三沢市谷地頭4丁目298-652 道の駅みさわ内北側広場
電話070-2013-7409
webhttps://misawa-horse-park.com/

八甲田へ沈む黄金色の夕日を湯船から眺めて「三沢市民の森温泉浴場」

画像: 八甲田へ沈む黄金色の夕日を湯船から眺めて「三沢市民の森温泉浴場」

小川原の湖畔にある「三沢市民の森」は、公園や老人福祉センター、レストハウス、宿泊施設などを完備した複合施設です。こちらの温泉浴場は三沢市民であれば大人160円、子ども80円、市外の方でも大人220円、子ども110円というリーズナブルな入浴料が魅力です。

温泉は源泉かけ流しのアルカリ性単純温泉。ツルツルとした浴感のお湯で、お肌がスベスベになると女性客にも好評だそうです。おすすめの時間帯は日が沈む少し前、八甲田の山並みに沈む夕日を眺めながらの入浴は格別です。

三沢市民の森温泉浴場

住所青森県三沢市淋代平116-2945
電話0176-59-3388
webhttps://misawashi-jichikousya.net/onsen_yokujou

子育て支援に関する機能が集約された「三沢キッズセンターそらいえ」

画像1: 子育て支援に関する機能が集約された「三沢キッズセンターそらいえ」

「三沢キッズセンターそらいえ」は子育てに関わる複合施設です。天候や季節にも影響されない「遊戯室」をはじめ、「子育て支援センター」や「一時預かり施設」、「ファミリーサポートセンター」など、子育て世代にとって必要な機能がすべて集約された場所になっています。

画像2: 子育て支援に関する機能が集約された「三沢キッズセンターそらいえ」

カラフルな遊戯室の中には大型のコンビネーション遊具を設置。いくつものすべり台や仕掛けがある、就学前児童が楽しめるスペースとなっています。また、人気のサイバーホイール(子どもが中に入って楽しむエアバルーンタイプの運動遊具)や、小さなお子さん向けのおもちゃやエリアもあり、安全にも配慮された空間になっています。

三沢キッズセンターそらいえ

住所青森県三沢市幸町1-7-7
電話0176-51-4431

アメリカンバーで気軽に海外トリップ体験「2style」

画像1: アメリカンバーで気軽に海外トリップ体験「2style」

米軍基地がある三沢では「アメリカンバー」が軒を連ね、異国情緒を楽しむことができます。その体験はさながらパスポートのいらない海外旅行。英語が話せなくても、ひとりでも大丈夫です。「2style」は日本人オーナーが経営しているので、初心者にもおすすめ。

画像2: アメリカンバーで気軽に海外トリップ体験「2style」

オーナー工藤さん「外国の方に対して日本酒のカクテルを、日本の方には洋酒をというように、日本とアメリカの融合をコンセプトにしています。注文の方法など分からないことがあれば、私やスタッフがエスコートしますのでお気軽にいらしてください。一緒に盛り上がりましょう!」

画像3: アメリカンバーで気軽に海外トリップ体験「2style」

2style(ツースタイル)

住所青森県三沢市幸町1-7-6
電話0176-57-4811
webhttps://misawa-2style.jimdofree.com/

青森県・三沢市の2地域居住ツアー モデルコース

三沢市では、2地域居住を検討している方向けにジャルパックの体験ツアーを開催しています。2地域居住担当者が「住んでこそわかる三沢市の魅力」をお伝えします。この地での暮らしを具体的にイメージできる機会を、ぜひ活用してください。

日程内容
1日目三沢空港→スカイプラザ三沢
※期間中 移住担当者訪問(ご希望に応じて移住担当者が三沢市ならではのおすすめスポットをご案内)
2日目観光体験プラン
小川原湖でレイクレジャー(カヤック、SUP等)もしくは斗南藩記念観光村周辺でアクティビティ(ゴーカート、パターゴルフ、乗馬等)→小川原湖畔でBBQ→市民の森温泉浴場→アメリカンバー
暮らしを知るプラン
三沢キッズセンターそらいえ→三沢駅前交流プラザみーくる→三沢市国際交流教育センター(スポーツセンター)→市民の森温泉浴場→アメリカンバー
3日目三沢航空科学館→寺山修司記念館→三沢空港
※上記はモデルコースです。ツアー行程は自由に組むことができます。

三沢市の2地域居住体験ツアー
http://www.jal.co.jp/domtour/jaldp/new_journey/2chiiki/misawa/

今回ご紹介した三沢市は、「移住者に優しい」街。2地域居住を検討する際に、地元の方との人間関係に不安を抱く方が多いかもしれませんが、そんな方にこそおすすめしたい場所です。他者を受け入れ、さまざまな価値観を認める。三沢市の魅力は長く滞在してこそ感じることができるのでしょう。

ジャルパックのお申し込みはこちら

画像2: 旅が暮らしに変わる。注目の「2地域居住」体験ツアー 青森・三沢市編

2つの街で暮らす新しい生活スタイル「2地域居住」をはじめる旅

2つの拠点をもつ新しいライフスタイル、2地域居住。地域担当者との橋渡しや下見ツアーのモデルコースをご紹介!

青森県三沢市
https://www.city.misawa.lg.jp/

他のエリアの情報はこちら

画像3: 旅が暮らしに変わる。注目の「2地域居住」体験ツアー 青森・三沢市編

旅が暮らしに変わる -2地域居住の魅力-

平日は都市部で仕事をし、週末は地方で豊かな自然に触れながら静かに暮らす。そんな魅力あふれる2地域居住を通じて、地域の魅力をお伝えします。

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