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「泣ぐ子はいねがぁ、わりぃ子はいねがぁ」
大みそかの夜、秋田県男鹿半島にはこんな声がこだまします。なまはげが家々を回り、無病息災や豊作、豊漁を祈るのです。2018年にはユネスコの無形文化遺産にも登録され、今や世界的にも有名な伝統行事となりました。その勇壮ぶりを目の当たりにできるのが、毎年2月の第2金・土・日の3日間開催される「なまはげ柴灯(せど)まつり」です。

みちのく五大雪まつりのひとつに数えられるこのまつりは、秋田県男鹿市北浦の真山(しんざん)神社で行われます。900年以上前から毎年1月3日に真山神社で行われている神事「柴灯祭(さいとうさい)」と、民俗行事「なまはげ」を組み合わせた冬の観光行事で、1964年(昭和39年)から毎年開催されています。2019年は3日間で7600人を集めた男鹿の冬を代表する冬まつり。その見どころと魅力をご紹介しましょう。

画像: 年に一度の一大雪まつりを間近で。男鹿半島「なまはげ柴灯まつり」の楽しみ方

舞に踊りに民俗行事。なまはげのすべてが詰まったまつり

まつりはすっかり日が落ちた夕方6時から始まります。男鹿地方独特の祓い神楽(はらいかぐら)「湯の舞(ゆのまい)」の奉舞と、海を静めるために神官がわらぼうきで大釜の湯をかき回す「鎮釜祭(ちんかまさい)」が披露されます。

画像1: 舞に踊りに民俗行事。なまはげのすべてが詰まったまつり

ほどなく、「なまはげ入魂」が行われます。なまはげに扮する若者たちが、参道入り口の石段で神(しん)の入った面を授かり、身につけます。この儀式で若者達はなまはげと化し山へ入っていくのです。

画像2: 舞に踊りに民俗行事。なまはげのすべてが詰まったまつり

なまはげは、大みそかに市内各地の家々を回り、子供や家族に訓示を残していきます。その民俗行事の様子が再現されます。さらに迫力満点の「なまはげ踊り」「なまはげ太鼓」も披露。厳かな雰囲気の中、荒ぶるなまはげを間近に見ることができるので、初めて目の当たりにした人は驚くことでしょう。

画像3: 舞に踊りに民俗行事。なまはげのすべてが詰まったまつり

「なまはげ下山」では、たいまつをかざしたなまはげが闇の中から現れ、雪山から降りてくるその勇壮かつ幻想的な姿は見る人を魅了します。そしてなまはげが観客のもとに降り立って境内を練り歩けば、いよいよ祭りのクライマックスです。会場中央にある「柴灯火(せどび)」と呼ばれるで焼いた護摩餅を神官から捧げられ、なまはげは神のもとへと帰っていきます。その後、午後8時から「里のなまはげ乱入」が始まり、市内各地の特色あるなまはげを見ることができます。

秋田県各地の日本酒も振る舞われます

画像1: 秋田県各地の日本酒も振る舞われます

祭りを囲むブースも充実しています。まつりの限定グッズ「なまはげ手袋(1,500円・税込)」販売ブースのほか、男鹿名物のしょっつる焼きそば販売など、毎年多くの来場者にご好評いただいています。なかには秋田県内の酒蔵が協賛するお神酒を振る舞うテントもあります。これは1,000円(税込)で飲み放題。日本酒好きならぜひお試しください。酒どころとして名高い秋田県内の多くの酒蔵のお酒が楽しめます。

画像2: 秋田県各地の日本酒も振る舞われます

なまはげにグルメに、五感で楽しめるまつりは夜遅くまで続きます。厳冬期の夜間行事なので、寒さ対策は万全にしましょう。また会場内中央には大きなたいまつがあり、火の粉が舞うため、安全も考慮した動きやすい服装を心がけたいところです。そして交通手段についても、臨時無料駐車場はあるものの台数に限りがあります。公共交通機関のご利用がおすすめです。男鹿駅および男鹿温泉郷から会場まで臨時有料バス(お一人様1,000円で当日限り全線何度でも乗車可能)を運行しています。

グルメに温泉、冬の男鹿は観光も魅力

さて、せっかく男鹿半島を訪れたなら、観光も楽しんでみませんか。なまはげの歴史や文化について深く学べる「なまはげ館」や大みそかのなまはげ行事を体感することができる「男鹿真山伝承館」など、なまはげに関連するスポットは半島内に数多くあります。

画像: 男鹿真山伝承館

男鹿真山伝承館

また「石焼料理」は冬場にぜひ味わってみたいグルメです。男鹿の漁師たちが発案した磯料理で、秋田杉で作った桶に男鹿近海で獲れた魚介類を入れ、800~1000℃に熱した真っ赤な石をほうり込む豪快な逸品。湯気をあげて瞬時にスープが沸き上がる調理方法で魚介の身はギュッと引き締まり、魚本来の味と風味を損なうことなく煮上がります。まさに目で、耳で、舌で楽しむ男鹿の名物料理です。

画像: 写真提供:男鹿なび

写真提供:男鹿なび

そして温泉も男鹿半島を語るうえで欠かせません。日本海を間近に望む男鹿温泉郷は、1000年の歴史を持つという温泉街に7軒の宿が軒を連ね、宿の半数以上が自家源泉を持つ豊富な湯量を誇ります。ナトリウムを含んだ泉質は身体の保温効果が高まるため「熱の湯」と呼ばれます。寒い冬の男鹿旅行を楽しむのにうってつけだと思いませんか。

地元に愛されるなまはげ文化にぜひ触れてみてください

「男鹿の人々にとってなまはげは、怠け心を戒め、無病息災・田畑の実り・山の幸・海の幸をもたらす、年の節目にやってくる来訪神です。2018年、「男鹿のナマハゲ」がユネスコ無形文化遺産に登録されたのを受け、なまはげを復活させた地域もあります。地元の人がそれだけ大事にしている一大行事で、多くの人にこのおまつりを見てもらいたいと考えています」

画像: 地元に愛されるなまはげ文化にぜひ触れてみてください

こう教えてくれたのは、男鹿市観光課の仲村瑛里さん。男鹿半島の冬は、伝統文化と観光が交わる絶好の季節です。温泉やグルメを楽しみながら、勇壮ななまはげをご覧ください。きっと、忘れられない冬の思い出になることでしょう。

なまはげ柴灯(せど)まつり
会場住所「真山神社」秋田県男鹿市北浦真山水喰沢97
開催日程毎年2月の第2金・土・日(2020年は2月7~9日)
開催時間18:00~20:30
協賛金1000円(高校生以下無料)

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