永平寺で心を落ち着けた後は精力的に街歩き。飛行機までの時間を目いっぱい使って福井県のいくつかの街を巡ります。ひとつは福井市内。越前徳川家の別荘である「養浩館」や酒どころ福井の日本酒飲み比べなど。メガネの街「鯖江」や歴史ある街並みが残る「武生(越前市)」もレポートします。
この3つのエリアを午後だけでまわるのは大変なので、自由にアレンジしてみてください。(全部まわりたい方は2泊3日がオススメです!)

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画像: 小松空港から行く1泊2日 石川・福井の旅(後編)

西村 愛

2004年からスタートしたブログ「じぶん日記」管理者。47都道府県を踏破し、地域の文化や歴史が大好きなライター。
島根「地理・地名・地図」の謎 (実業之日本社)、わたしのまちが「日本一」事典 (PHP研究所)、ねこねこ日本史でわかる都道府県(実業之日本社)を執筆。 サントリーグルメガイド公式ブロガー、Retty公式トップユーザー、エキサイト公式プラチナブロガー。

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何時間でもいられるほどの居心地の良さ「養浩館庭園」

十数年ぶりの福井訪問で、もう一度必ず行ってみたいと思っていたのが養浩館。越前松平家の別邸で、市内にある静かな庭園です。地域の人には「御泉水(おせんすい)」として親しまれてきました。
庭の中には水が引き込まれ、その池に沿って庭園と別荘が建てられています。目の前には静かな水面に映る景色と緑、そして開け放された障子窓からは涼しい風が吹き込んできて、穏やかでのんびりとした時間を過ごすことが出来ますよ。

自然と一体になる感覚を感じながら、庭石、石塔、小さな東屋「清廉」を眺めます。座敷には湯殿があり、お殿様の蒸し風呂が置かれています。現代風で言えばテラス付のスパですね!お殿様もお風呂上りにこの庭を観ながらゆっくり涼まれたのでしょうか。世が世なら、下々の者であった私などが絶対に踏み入れられないお殿様のお宅。螺鈿や組子など、匠の技がちりばめられた優美な別邸で、しばしお殿様気分を味わうのも楽しいものです。

歴史ある酒店「浜町安文酒店」で福井の日本酒テイスティング

ついついのんびりとしすぎてしまった養浩館から駅の方へとぶらり散策しつつ、浜町へと向かいます。浜町は料亭街であり、また桜の名所100選にも選ばれている足羽川の桜並木が目と鼻の先という、風情のある街並みを今に残している場所です。

ここでは日本酒の試飲をさせてくれるという「浜町安文酒店」に立ち寄りました。福井は言わずと知れた米どころ。あのコシヒカリが生まれた県でもありますし、名酒ぞろいの街なのです。浜町安文酒店はルーツを「安田村の文左衛門」に持ち、屋号「安文」を受け継いで長くこの地で酒店を営んでいるお店。車社会であるから故、ただでさえあまり昼間から飲むという感覚がないという福井。しかも、どちらかと言うと地元密着の営業を行っている酒店が、観光客向けの試飲サービスをしてくれるというのは珍しいことだと思います。

こちらの4代目、末定伸(のぼる)さんは、より多くの人に福井のお酒を知ってもらおうと忙しい仕事の合間をぬって、お店を開放してこの試みを行っているのだとか。飲むだけではなく数種類を比べられることがとても楽しいですし、何よりもそれぞれの酒蔵のこだわりをきちんと伝えてくれる店主のお話を聞きながらというのは、新たな自分の好みの発見にもつながりますね!福井の日本酒は私にとってはかなり相性が良く、すっかり飲み過ぎてしまいました。

浜町は新旧が入り混じるおしゃれな街でした。酔い覚ましに街の風景を撮影しながらふらっと歩くのにちょうど良い静かな街でした。

ご当地グルメ「ソースカツ丼」に舌鼓、駅前ぶらり街歩き

福井市には福鉄という愛称で市民に親しまれる市電「福武線」が走っています。なんとなく旅情を感じさせる市電を横目に、駅前街歩きです。

福井市にもレンタサイクルがありますが今回は全て徒歩。駅から県庁を中心にぐるりと歩くくらいの距離なら徒歩でも平気な距離でした。

飲食店が並ぶエリア、順化ではヨーロッパ軒の「ソースカツ丼」を食べました。福井市のご当地グルメソースカツ丼は、細かいパン粉を付けて揚げた薄いカツを、特製ソースにくぐらせてごはんに乗せた丼です。スパイシーで甘さと酸味のバランスがいいソースがおいしい!880円とお手頃で、おなかも満たされます。

さて歴史好きの方にはぜひとも見ていただきたいのが「柴田神社」。北の庄城天守閣跡に建てられた神社で、柴田勝家公とその妻であるお市の方などが祀られています。そのことから、夫婦・家族の絆などにご利益があるとされています。
神社の周囲はファッションや商店街など繁華街にあたるエリアで、駅からも近いです。

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