テレワークや在宅勤務を導入する企業が増える中で、旅先で仕事をする新たな働き方「ワーケーション」が注目を浴びています。
JALでは、ワーケーションについての理解を深め今後の商品展開に生かすべく、旅コミュニティ「trico」のユーザーの皆さんとの座談会を3回にわたって開催しました。参加してくださったのは、実際にワーケーションをしたことがある方や、してみたいと考えている方。参加者の皆さんと一緒に、ワーケーションに期待することや課題、そこから見えてきた理想の形を考えました。

今注目を集める「ワーケーション」と「ブリージャー」

画像: iStock/imacoconut

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「ワーケーション」とは、「ワーク」と「バケーション」を組み合わせた造語で、旅行先や帰省先などでテレワークをするという新しい働き方・休み方のこと。一方、「ビジネス」と「レジャー」を合わせた「ブリージャー」という造語もあり、こちらは一般的に、出張の前後に出張先への滞在を延長して観光を楽しむことを指します。働き方改革やコロナ禍を通してテレワークの導入が進む中、オフィスに出社しなくても仕事ができる環境が整い、これらの働き方を認める企業も増えています。

JALも働き方改革の一環として、2017年からワーケーション制度を導入しています。
ワーケーションの利用者は年々徐々に増えており、2018年度は約170名、2019年度には約250名の社員がワーケーションを活用しました。実際に活用した社員からは、これまでより長い休暇を取得できたといった声や、その土地でしかできない経験を通して自己成長できたといった声が上がっており、新たな働き方・休み方を自分自身の活力に繋げているケースが多く見られます。

画像: JAL・人財戦略部でワーケーションを推進する東原も座談会に参加しました。東原自身も何度もワーケーションを経験しています。

JAL・人財戦略部でワーケーションを推進する東原も座談会に参加しました。東原自身も何度もワーケーションを経験しています。

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今回の座談会では、ブリージャーも含めて「ワーケーション」として、以下のテーマで参加者の方からご意見を伺いました。

座談会のテーマ

  • ワーケーションで行きたい場所
  • どんなときにワーケーションをしたいか
  • ワーケーションを有意義なものにするためのアイデア
  • 誰とワーケーションに行きたいか
画像: 座談会参加者の皆さん

座談会参加者の皆さん

人気を集めたのは沖縄、北海道。しかし課題も……

ワーケーションを行うとなると、やはり一番気になるのは行き先でしょう。行きたい場所をお聞きしたところ、休暇を満喫できる定番リゾート地、沖縄と北海道が支持を集めました。特に沖縄は、美しいビーチ、豊かな自然、冬でも温暖な気候が人気なようです。

「年間何回も沖縄に行っています。貸し別荘や空き家の古民家に1週間くらい、暮らすように滞在しながら仕事ができたら楽しいと思います」(40代男性)
「ダイビングが好きなので沖縄。以前から出張のときは週末をからめて仕事のあとに趣味を楽しんでいました」(30代男性)

画像: iStock/7maru

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参加者の中には何度も沖縄を訪れているという方も多く、それだけに現地の様子に詳しいことから懸念点も挙げられました。仕事環境は、ワーケーションには重要な要素です。休暇を充実させる場所であることだけでなく、仕事に最適な環境があることが求められるようです。

沖縄の次に人気だったのは、北海道。やはり、仕事の合間にリフレッシュするためには、自然との距離の近さを重視する人が多いようです。

「夏は沖縄の離島。冬はスキーが趣味なので長野か北海道のゲレンデの近くに行きたい。仕事が終わったあとに遊びに行けるのがいいですね」(20代女性)
「北海道。仕事の合間に自然が感じられるところで気分転換したいので、札幌市内ではなく緑が多いところに行きたいです」(30代男性)

画像: iStock/CHUNYIP WONG

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また、行き先について「移動時間や距離」を重視する方も。現在、さまざまな企業でテレワーク、リモートワークの導入が進められていますが、完全に出社せずに仕事が進められる企業は少数派です。「何かあったときの出社」は多くの方が想定されているようで、回答を聞いた他の参加者の多くの方が頷いていらっしゃいました。

「万が一会社でトラブルが発生したときに、3時間以内で出社できる場所がいいですね。東京からだと沖縄はギリギリ、札幌は新千歳空港まで遠い。そう考えると理想的なのは福岡です。飛行機の便数も多いし、新幹線を使っても移動できます。福岡を拠点に週末は1泊で由布院に行くなど、九州旅行が楽しめる点もいいですね」(50代男性)
「コロナ禍でテレワークになったものの、ワーケーションの理解を社内で得るのは難しいと思います。トラブルがあったときに出勤できるよう、2〜3時間以内で移動できる場所が望ましいと思います」(20代女性)
「電車やバスを乗り継いでいくよりも、飛行機で直行できるところのほうがストレスがないと思います」(40代男性)

ワーケーションするならオフシーズンをねらう

画像: iStock/GCShutter

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行き先はリゾート地が人気を集めましたが、それを実行するのはどんな時期が良いのでしょうか。一般的な旅行なら、他の人と休暇の予定を合わせて連休などに予定を立てることが多くなりますが、休暇ではなく「ワーケーション」だからこそ、オフシーズンに行きたいと考える方が多いようです。

「ハイシーズンの沖縄本島は人が多すぎます。GW明けや夏休み明け、あるいは冬の静かな時期がいいですね」(30代男性)
「仕事をしながらその土地で暮らす疑似体験としてワーケーションをとらえているので、観光客がいない時期をねらって土地本来の姿が見たい」(20代女性)

また「定期的にワーケーションしたい」という声も。

「1~2カ月に1回、旅をメインにして2泊3日程度。定期的に行きたいですね」(40代女性)
「会社員の場合、定期的に行ったほうが逆に都合がいいと思います。たとえば、『この社員は偶数月の上旬はワーケーション』と決まっていれば、理解が得られやすく浸透しやすい。会議などの予定も立てやすい。みんながコンスタントに2カ月に1度、10日間くらい会社に来なくてもよくなるんじゃないでしょうか」(50代男性)

定期的に会社を離れるのは一見ハードルが高いイメージですが、逆にそのほうが浸透しやすい、予定が立てやすいという回答に、参加者の皆さんも「なるほど」という表情。ワーケーションが仕事と休暇の両立である以上、企業側の理解も重要であることを考えさせられます。

滞在期間は短期派? 1カ月以上の長期派?

ワーケーションは遊びと仕事のメリハリをいかにつけるかがポイント。滞在期間も重要です。短期のワーケーションは週末などに合わせることで実現しやすそうですが、休暇と仕事の区別をつけるのはなかなか大変でしょう。長期のワーケーションは実施のハードルが高い一方で、休暇と仕事をしっかりと分けて「現地で暮らす」感覚で仕事に取り組めそうです。参加者の方にお聞きしたところ、長期でのワーケーションを想定されている方が多いようです。

画像: iStock/DaniloAndjus

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「1~2週間程度だと遊びたいという思いが強く、仕事と両立させるにはストレスがかかりそう。3カ月くらい行ったほうが、旅先でも日常と同じようなリズムで仕事ができるのではないかと思います。最低でも1カ月はほしいですね」(50代男性)
「やはり1~2週間では旅行感覚です。最低1カ月は滞在しないと、住んで仕事をするという感覚になりません」(30代男性)

もちろん、「3泊か4泊でもいい」という短期派もいます。短いとせっかくの旅の時間を仕事に使うのがもったいない気もしますが「その場に行くことに価値があるので、ワークとバケーションの比率はそんなに気にしていません」(40代男性)とのことでした。

Wi-Fi完備は当たり前、プラスアルファで仕事しやすい環境を

画像: iStock/ymgerman

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バケーションと違って、ワーケーションではやはり仕事環境が充実していることが重要です。満場一致で必須の条件として挙げられたのは、「高速Wi-Fi完備」という実用的なもの。そこに何をプラスするかがポイントです。「ホテル内での仕事環境を整えてほしい」派は……。

「電源がベッドサイドにしかないホテルがあるので、デスク回りにも複数個備えてほしい。また、椅子の高さや、意外と見落とされてしまう照明の明るさも気になるところ。ビデオ通話などで会議を行う場合は、ホテルの外の道路や海の音が聞こえると落ち着きません。外部の音をきちんと遮断できる環境がいいですね」(40代女性)
「モニタが大きい環境で仕事がしたいので、モニタを貸し出すサービスがあると嬉しいです」(30代男性)
「参考図書、資料などかさばるものを職場や自宅からホテルに届けてくれる宅配サービスや、文房具、特にハサミなど飛行機に持ち込めないものの貸し出しサービスがあると便利だと思います」(30代男性)

画像: iStock/xijian

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ホテルはくつろぎの場として利用したいという理由から、「ホテルの部屋とは別に仕事ができる場所がほしい」派も。

「オンとオフは切り替えたいのと、家族が同行している場合があるので、基本的に部屋では仕事をしません。ロビーやクラブラウンジ、カフェの一角を仕事用に使えるようなパッケージがあるといいですね」(50代男性)
「ホテルの近くにコワーキングスペースがあると嬉しい」(30代女性)

さらに、生活や趣味など休暇の部分を充実させることで仕事がはかどる派も。

「キッチンが付いたコンドミニアムタイプだと、長期滞在で外食に飽きたときに便利なのではないでしょうか。また、ホテルだとクリーニング代が高いので、気軽に利用できるランドリーサービスなど、長期滞在型ワーケーションに特化したサービスやプランがあるといいですね」(50代男性)
「オールインクルーシブでアクティビティがあると嬉しい。たとえば朝はビーチでヨガクラス、午前中は仕事をして、午後からダイビングのクラス。そういうものがあると仕事のやる気が出ます」(30代女性)
「おいしいご当地グルメがあるほうが、仕事がはかどります」(40代女性)
「基本的にホテルの中で巣ごもりしたいので、ホテルのファシリティを重視します。レンタカーを借りるのも面倒なので、空港からの送迎でホテルへ直行できるなど、交通手段を考えなくても良いワンストップのプランがほしい」(40代男性)

皆さんそれぞれ違った方向性ではありますが、ホテルの中で受けられるサービスを重視されていました。

子連れにもやさしいワーケーションプランがほしい

最後に、誰と行きたいかもポイントです。一般的な旅であれば友人や家族と、あるいは一人旅ということになりますが、ワーケーションの場合はどうでしょうか。

画像: iStock/Hakase_

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「一人ですね。一人で動くことに慣れているので。それに、沖縄に友人がいるから一人で行っても寂しくありません」(30代男性)
「ワーケーション企画はお一人様旅行に特化してもいいのかもしれない、と思います」(40代男性)
「一人、もしくは家族とスケジュールが合ったら一緒に行って楽しみたい。子どもと一緒の場合はキッズエリアや託児所があるプランだといいんじゃないかと思います」(30代女性)

「一人で行く」という意見が多数派だった一方で、「家族と一緒に行く」と答えた方も。普段なら休みを合わせにくい相手とも、ワーケーションなら仕事を休まず一緒に旅を楽しむことができるというのは、大きな魅力になりそうです。

画像: iStock/Suwaree Tangbovornpichet

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今回の座談会では旅好きの方が集まったということもあり、ワーケーションに対して実に多様なご意見を聞くことができました。座談会に参加したジャルパックWeb販売部マーケティンググループの永井は、全体を通してこう語ります。

「今回、座談会に参加させていただいたことで、今後の商品企画において大変参考になる貴重なご意見を聞くことができました。また、私自身、参加前は「旅の合間に仕事をするなんてもったいない」という気持ちがあったのですが、「旅先にいることが価値である」という参加者のコメントに目を開かれました。コロナ禍におけるワーケーションが、働く日本人のゆとりある新しい生活スタイルにつながっていく可能性を感じています。

今回いただいたご意見を参考にしながら、社内においてもワーケーションに関するお客様の多様なニーズについて意見交換や検討をしています。「ひとり旅」や「ファミリー」を中心とした分かりやすいモデルプラン、快適性を追求したきめ細やかな宿泊施設やサービスをご紹介することによりお客様に選ばれるワーケーション商品の造成・販売を行って参ります」

ジャルパックでは、今回いただいたご意見をもとに魅力あるワーケーション商品を企画し、新しい時代の「旅」と「働き方」をサポートしていきます。

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