四季折々の豊かな自然やグルメが訪れる人を魅了して止まない北海道。しかし、本州などとは異なる気候に、いざ旅行に行くとなると何を着よう…と迷うかもしれません。この記事では、日本気象協会の気象予報士監修のもと、北海道の年間の天気・気温や目安を参考に、時期によって最適な服装を解説。さらに、北海道支店のJALスタッフによる服装のアドバイスを交えながらご紹介します。北海道旅行の参考にしてみてください!
画像: 【気象予報士が監修】北海道旅行に最適な服装は?平均気温を参考に解説

この記事の監修

北原宏之さん

一般財団法人 日本気象協会の気象予報士。海洋分野で流氷の研究をしたあと、札幌にて16年間テレビ番組の気象予報士として出演。現在は、天気予報専門メディア「tenki.jp」の部門長。若い頃には飛行機操縦の訓練を行い、ソロフライト(単独飛行)まで達成するほどの飛行機好き。 北海道のイチオシは、知床のウトロから見る、夕日に染まるオホーツクの流氷原。

北海道の年間の気温一覧

本州などと比べると、年間を通じて気温が低い北海道。代表地点として、札幌市の月ごとの平均最高・最低気温を一覧で見てみましょう。

〈表〉札幌市の年間平均気温

最高気温最低気温
1月1.1℃-4.9℃
2月1.5℃-5.1℃
3月4.2℃-2.7℃
4月15.7℃6.5℃
5月19.1℃9.8℃
6月23.9℃15.1℃
7月28.0℃20.1℃
8月28.4℃21.7℃
9月24.5℃15.7℃
10月18.3℃9.0℃
11月9.6℃2.0℃
12月0.7℃-4.6℃
参考:気象庁「札幌(石狩地方) 日最高・最低気温の月平均値(℃)/2024年」

12月~2月の間は、1カ月の平均最高気温が1℃程度、平均最低気温は氷点下5℃くらいで寒い時期が長く続きます。また、7、8月の平均最高気温は30℃には届かず、夏場も過ごしやすい気温であることが見て取れます。また、6、9月の最低気温は15℃台で、1日の気温差が10℃近くあり、寒暖差が大きい地域であることも特徴。本州の季節感で北海道を訪れると、「半袖1枚では寒かった…」といった困りごとも。旅前に気温をチェックして、その時期に適した服装を選ぶことが重要です。

エリアによって気温がそれぞれ異なる

一言に北海道といえど、広大な土地のため、エリアによって気候や温度はさまざま。下記は、空港のあるエリアの年間平均気温をまとめたものです。気温だけを見ても、エリアごとにかなり差があることがわかります。

〈表〉北海道の地点ごとの月別平均気温

地点1月2月3月4月5月6月7月8月9月10月11月12月
札幌-1.8℃-1.9℃0.8℃10.4℃14.2℃19.0℃23.3℃24.6℃19.9℃13.8℃6.0℃1.9℃
旭川-5.8℃-5.5℃1.9℃8.8℃13.2℃18.3℃22.9℃23.8℃17.4℃11.0℃3.2℃-5.5℃
函館-0.2℃-0.4℃1.8℃10.4℃14.0℃18.4℃22.8℃24.7℃20.5℃14.5℃6.4℃-1.3℃
帯広-5.5℃-4.8℃-0.9℃9.7℃13.2℃17.3℃22.9℃22.7℃18.7℃12.2℃4.2℃-3.3℃
網走-4.3℃-5.4℃-1.6℃7.8℃10.3℃15.4℃20.4℃21.5℃17.8℃12.4℃4.5℃-3.3℃
釧路-3.6℃-3.9℃-0.6℃7.2℃9.9℃14.3℃19.9℃21.2℃17.7℃13.4℃5.6℃-2.9℃
稚内-3.5℃-4.0℃-0.2℃7.2℃9.3℃14.1℃19.3℃19.6℃18.4℃13.2℃4.7℃-3.2℃
参考:気象庁「日平均気温の月平均値(℃)/2024年」

夏も冬も北海道内では比較的暖かい札幌に対し、北部北中に位置する旭川は冬の積雪が多く、1月には平均気温が-5.8℃となり、特に朝晩は強く冷え込みます。一方、避暑地として人気の釧路は、8月でも21.2℃とひときわ涼しいのが特徴です。

それらのポイントも踏まえて、ここからは時期ごとの服装のポイントを解説します。

イラストで解説!時期に合わせた北海道旅行におすすめの服装

季節
4~5月
6~8月
9~10月
11~3月

気象予報士の北原さんによると、北海道の四季を分けるとすれば、上記の表のようになると話します。冬の時期が長く、春や秋が短いのが特徴です。

ここからは、春夏秋冬のおすすめの服装をイラストでご紹介。さらに、JALの北海道各地のスタッフからの服装や観光スポットのアドバイスもお伝えします。

春:4~5月の服装

画像: 春:4~5月の服装

4月

本州では4月といったら「春爛漫」。桜の時期が到来し、すっかり暖かくなってきますが、北海道内の最高気温は、4月上旬でも10℃以下のことも少なくありません。そのため、春らしい薄手のコートではなく、厚手のコートの方が安心です。また、4月は雪解けの時期。あちこちに氷水の水たまりができているので、撥水性の高い靴も必須です。

JALスタッフからのコメント

・函館は他の地域より温暖なため、昨今は桜の開花が4月中旬ごろに早まっています。五稜郭タワーから見下ろす五稜郭公園の桜は見事!(函館支店)

5月

5月に入ると春の陽気も増えてきますが、ライラック(リラ)の花が咲く5月下旬になると急に冷え込む「リラ冷え」という気候の変化が起こります。上着は薄手のコートやジャケットでもいいのですが、温度調整できるカーディガンやパーカーなどを持っておく方が安心です。

JALスタッフからのコメント

・GWの北海道はまだ寒いです。本州に住む方にとっては体感として3月ごろのまだ寒さが残る花冷えのイメージです。(北海道支社)
・旭川では残雪が解けきるのは5月。4月、5月は春が来たといった感じはまだしません。肌寒いのでウインドブレイカーが便利です。(旭川支店)
・薄手のショールなどの巻物は調節がしやすく、外せないアイテムです。(帯広支店)

夏:6~8月の服装

画像: 夏:6~8月の服装

6月

天気のいい日の日中は半袖でも過ごせますが、朝晩は15℃前後と、1日の気温差が大きくなる時期。羽織りもので調節するのが安心です。

JALスタッフからのコメント

・6月は紫外線が1年で最も強いといわれる時期なので、日焼け対策も忘れずに! 肌を覆ったり肌寒い時に首元に巻いたりする用のスカーフやストールがあると便利です。(北海道支社)

7月

日中は半袖で過ごせますが、夜は20℃を下回る日も。6月に続き、カーディガンや薄手のトレーナーがあるといいでしょう。

JALスタッフからのコメント

・北海道は梅雨がないといわれますが、雨の降る日もあります。この時期におすすめなスポットが函館山。多くの観光客はロープウェイを利用しますが、夏の昼間には軽いハイキングで頂上まで歩いて登ることも可能です。動きやすい服装とスニーカーで、人と違ったアプローチの仕方を楽しんでみてはいかがでしょうか。(函館支店)

8月

北海道旅行の醍醐味である、自然を楽しむにも絶好の季節です。日差しが強くなるので、帽子やサングラス、日焼け止めなど、紫外線対策もお忘れなく。

JALスタッフからのコメント

・旭川、富良野は地形的に京都や甲府のような盆地のため、北海道とはいえ日中の最高気温が35℃を超えてくることがあります。水分補給をこまめに摂る必要があるので、ペットボトルを持ち歩けるサイズのバッグが便利です。(旭川支店)
・十勝地方は35℃を超えることも少なくないほど暑くなります。日差しも強いのでサングラスや日よけになる帽子があると安心です。日が暮れるとスッと気温が落ち着きます。(帯広支店)

秋:9~10月の服装

画像: 秋:9~10月の服装

9月

本州ではまだまだ真夏日が続きますが、北海道は9月になるとグッと気温が下がります。特に山や湖などに出かける場合は、羽織りものに加え、長袖Tシャツを持っておくと安心です。

JALスタッフからのコメント

・9月は秋です。半袖Tシャツだけだと肌寒いので羽織るものが必要です。(北海道支社)

10月

短い北海道の秋。秋といっても、10月の札幌の平均気温は13.8℃と冬の入り口のような寒さなので、しっかりと防寒できる服装を選ぶようにしましょう。日中は暖かくても、朝晩は冷えるので、重ね着できる服装が基本です。アウターは暖かいウールのものを用意しましょう。

JALスタッフからのコメント

・10月になると短い秋の訪れが感じられますが、まだ自転車で走れます。レンタルサイクルで十勝のサイクルルート「トカプチ400」を回りながら、途中の温泉やサウナなどを楽しむのもおすすめです。軽く羽織れるジャンパーなどの上着があると便利です。(帯広支店)

・10月には札幌近辺のスキー場が紅葉します!ゴンドラで紅葉を高いところから見渡せるので、おすすめです。(北海道支社)

冬:11~3月の服装

画像: 冬:11~3月の服装

11月

一気に気温が下がる11月。11月上旬には初雪が観測され、現地ではストーブの出番です。帽子やマフラー、手袋など、小物をプラスして防寒対策をするとともに、雪に備えて滑りにくい靴があると安心です。アウターは厚手のコートか、ダウンがおすすめ。

JALスタッフからのコメント

・札幌でも11月中旬から雪が降り始めるので、真冬並みのコートが必要。(北海道支社)

12月

雪の日が続き、氷点下が当たり前になる12月。いつ雪が降ってもいいように、フード付きの防寒素材のアウターはマスト。もちろんインナーもしっかり防寒できるものを選びましょう。

JALスタッフからのコメント

・函館は道内の他の地域と比べると気温が高く雪も少なめですが、それでも冷え込むため道路はアイスバーンになることがあります。防寒対策として、スノーブーツやフード付きのダウンコート、手袋が必須。帽子やフードで頭を守ると、寒さが少し和らぎます。(函館支店)

・道北は北海道の中でも特に寒さが厳しく降雪量も多いエリア。フードの付いたダウンがあると頭も雪から守れ、耳もガードできます。グローブ、スノーブーツはマストです。(旭川支店)

1月

本州に比べると10℃以上平均気温が低い北海道の1月。長ズボンの下に、防寒レギンスをしのばせ、さらに丈の長い厚手の靴下を履いておくと、風を通さず寒さをしのげます。常に雪が積もっているので、雪道仕様の靴もお忘れなく。

JALスタッフからのコメント

・道路が凍結しているので冬靴が必要。滑り止めが付いている普通の靴もありますが、雪に靴がハマることもあるので、普通の靴では濡れてしまうと思います。地元の人で普通の靴を履いている人は全くといっていいほど見かけません。
また、横断歩道の上(白線)は滑るので注意してください。ツルツルな路面は、内股気味に歩く方が滑りにくいです。(北海道支社)

2月

厳しい寒さの冬の北海道ですが、室内に入ると暖房が効いていてぽっかぽか。屋内と屋外でかなり温度差があるので、脱ぎ着できる服装を選ぶようにしましょう。

JALスタッフからのコメント

・札幌は地下歩道が充実しており、室内は暖かいです。雪が降っても傘を差さないことが多いので、外を歩く際にはフード付きのアウターを着ておくといいと思います!(北海道支社)

3月

少し気温は上がるものの、3月もまだまだ寒さが続きます。12~2月と同様、しっかり防寒対策をして出かけるようにしましょう。

JALスタッフからのコメント

・釧路では1月~3月上旬ごろまでは給餌場にタンチョウが集まってきます。この時期も防寒用の衣類に加え、カイロがあると便利です。(釧路支店)

時期に合った服装で快適な北海道旅を楽しもう

人気観光地の北海道を十分に楽しむためには、しっかりとした備えが必要です。年間の天気や気温を理解した上で、その時期に合った服装選びをするようにしましょう。

日本気象協会が運用する天気予報専門メディア「tenki.jp」では、各地の天気予報を2週間先まで確認することができます。各地の観光スポットや服装指数などもご紹介していて、旅行前や旅行中に活用できます。「tenki.jp」で天気予報を確認しながら快適な旅をお楽しみください。

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