近年、健康への意識が高まるとともに、発酵食品に注目が集まっています。同時に、日本各地の気候や風土に根付いたご当地発酵食品に触れる旅「発酵ツーリズム」を楽しむ人々の姿も。その土地の風土を感じられる、先人たちの知恵が詰まった各地の発酵食品を堪能することで、より旅先を知ることができるのです。

発酵食品といえば、腸内環境を整え、免疫力の向上や美肌効果が期待できるほか、代謝の働きを良くして体を温めるとも言われており、メリットが盛りだくさん。そのため、寒冷地には発酵食品を使ったさまざまなご当地発酵鍋が存在します。そこで本記事では、あえて冬に寒い土地へ足を運びご当地発酵鍋を堪能して温まる、冬の発酵ツーリズムをご提案します。

【北海道】石狩鍋発祥の店「金大亭」で明治から愛される味に舌鼓

発酵食品でまず思い浮かべるものといえば味噌。とりわけ北海道には、味噌ラーメンやちゃんちゃん焼きなど、味噌を使ったさまざまなご当地料理があります。鮭や野菜を使った味噌仕立ての「石狩鍋」もそのひとつ。

画像1: 【北海道】石狩鍋発祥の店「金大亭」で明治から愛される味に舌鼓

新千歳空港から車で約1時間10分、北海道・石狩市に位置する明治13年創業「金大亭」は、石狩鍋発祥の店といわれています。明治時代に、石狩の漁師たちがたくさん獲れた鮭を味噌汁に入れて食べていたまかない飯を、お客さんにも提供できるかたちに仕上げたのが、石狩鍋のはじまりだとか。

画像2: 【北海道】石狩鍋発祥の店「金大亭」で明治から愛される味に舌鼓

風情ある木造の店舗は、驚くことに創業当時の建物のまま。冬には平均気温が氷点下となり積雪が続く中でも、修繕を重ね、明治から変わらずこの場所でずっと石狩鍋を提供し続けています。客席は全6室の個室のみなので、ゆったりと鮭づくしのコース料理をいただくことができます。

画像3: 【北海道】石狩鍋発祥の店「金大亭」で明治から愛される味に舌鼓

金大亭の石狩鍋は、白味噌と昆布だしを合わせたつゆに、鮭の身とアラ(頭・骨)、玉ねぎ、キャベツ、長ネギ、春菊、豆腐、いくらが具材として入っており、仕上げの山椒が味を引き締めてくれています。脂ののった鮭をはじめ、野菜も石狩市で収穫した地産地消のお鍋です。

画像4: 【北海道】石狩鍋発祥の店「金大亭」で明治から愛される味に舌鼓

石狩鍋の味を大きく左右する味噌は、初代女将が「石狩鍋に合うように」と考えて配合した、特製の自家製味噌を使用。北海道産の大豆から作られる白味噌は、味噌特有の角のある辛さや塩気を感じさせない、まろやかな甘みが特徴です。マイルドな味噌や山椒が鮭の臭みを抑え、具材の旨みがぎゅっと詰まったお鍋に。

初代女将から現在の4代目女将まで、味噌の製法から味付け、石狩鍋に入れる具材にいたるまで全て受け継がれています。今なお創業当時と変わらない、明治時代から愛され続けている石狩鍋は、冬の北海道でぜひとも味わってほしい逸品です。

金大亭

住所北海道石狩市新町1番地
電話0133-62-3011
営業時間11:00~19:00
定休日不定休
*要予約(2人前から)

【秋田】しょっつる鍋とともに、秋田の発酵食品をまるごといただく

秋田の伝統的な発酵食品、「しょっつる」。しょっつるとは、秋田の近海で獲れる県魚“ハタハタ”を樽で塩漬けにしてじっくり1年以上かけて熟成し作られる魚醤のこと。深みのある濃厚な旨みが特徴で、タイのナンプラー、ベトナムのヌクマムと並ぶ「世界三大魚醤」と呼ばれています。

秋田県では江戸時代初期、大量にハタハタが獲れていたことから、漁師の家では必ずと言っていいほど自家製のしょっつるがあり、当時高級品だった醤油代わりに使っていたのだとか。しょっつるを使った料理では、しょっつるとハタハタを入れた「しょっつる鍋」が最もポピュラーです。

画像1: 【秋田】しょっつる鍋とともに、秋田の発酵食品をまるごといただく

秋田一の繁華街、川反の一角で秋田の郷土料理を振る舞っている居酒屋「いろり家」でも、しょっつる鍋は人気メニュー。

画像2: 【秋田】しょっつる鍋とともに、秋田の発酵食品をまるごといただく

主な具材は、卵がたっぷり詰まった大ぶりのハタハタをまるごと数匹、白菜、ネギ、豆腐、きのこなど。味付けは水としょっつるのみとシンプルながら、しょっつる自体に、うま味成分のグルタミン酸が豊富に含まれているため、驚くほどコク深いお鍋に仕上がります。しょっつる特有の、少しクセのある風味も病みつきに。

さらに、隠し味としてしょっつるを加えたトマトベースの「しょっつるピザ」も人気。もうひとつの秋田を代表する発酵食品でもある「いぶりがっこ」が具材としてのっていて、秋田を代表する2つの発酵食品を一度に楽しむことができるメニューです。

画像3: 【秋田】しょっつる鍋とともに、秋田の発酵食品をまるごといただく

お店の中に入ると、囲炉裏を取り囲むように大きなコの字型のカウンターがあり、囲炉裏では、串焼きや炭火焼きなど、秋田の郷土料理が続々と調理されていきます。秋田の地酒も注文すれば、秋田の発酵食品を心ゆくまで満喫できます。

いろり家

住所秋田県秋田市大町4-2-26
電話018-864-3999
営業時間17:00~24:00
定休日なし
webhttps://marutomisuisan.jpn.com/irori/

【石川】能登半島で愛される、イカの旨みたっぷりのいしる鍋

石川県の能登地方では、古くから“いしる(いしり)”という魚醤が親しまれています。いしるは主にイカの内臓やイワシ、サバなどを原料としており、秋田のしょっつる同様、塩漬けにしてじっくり1年以上発酵させて作られます。特に、能登半島の小木港は全国有数のイカの水揚げ量を誇り、古くから大量に獲れたイカをいしるにしていたそう。

画像1: 【石川】能登半島で愛される、イカの旨みたっぷりのいしる鍋

能登のシンボルとも言える見附島から車で約5分、能登牛のステーキなど、能登の食材を使った料理を多く提供している「レストラン浜中」の看板メニューが、いしる鍋です。

画像2: 【石川】能登半島で愛される、イカの旨みたっぷりのいしる鍋

能登地方では、いしる鍋を提供する際、鍋の代わりに大きなホタテ貝の殻を使うことが多く、「いしるの貝焼き」とも呼ばれているそうです。レストラン浜中でも、上の画像のようにホタテ貝の殻を使って提供されます。ちなみに、鍋の具材としてホタテ貝が使用されているわけではないのがまたユニークです。

いしるを加えた出汁に、獲れたてのイカを船の上で急速冷凍した小木港の特産品、“船凍イカ”の輪切りをはじめ、白菜やネギなど旬の野菜が入っています。ひと口食べると、イカの旨みと風味がしっかりと感じられる、滋味深い味わいが堪能できます。イカが原料のいしるは、想像よりもクセがなくおいしいと評判です。

画像3: 【石川】能登半島で愛される、イカの旨みたっぷりのいしる鍋

いしる鍋定食では、地元で獲れた新鮮な魚のお刺身もついてくるので、能登の魚介を楽しむならこちらもおすすめです。

また、能登地方の家庭では、醤油の代わりにいしるを使うことが多いそうで、野菜の煮浸しや炒飯など、さまざまな料理の味付けに活用されているのだとか。能登のスーパーでは簡単にいしるが手に入るので、お土産として買って帰るのもおすすめです。

レストラン浜中

住所石川県珠洲市上戸町南方イ-21
電話0768-82-2595
営業時間11:00~20:30
定休日月曜、不定期
webhttps://www.hama-naka.com/

冬にあえて寒いエリアを旅し、その土地で愛され続ける発酵鍋を食べれば、体も心も一層温まるはず。食を目当てにした旅からさらに一歩踏み込み、発酵食品にスポットをあてた発酵ツーリズムを楽しんでみてはいかがでしょう。

現在、国際線・国内線の各運航にあたっては新型コロナウイルス肺炎の影響で一部運休・減便・時間変更を行っております。最新の情報は以下をご確認ください。
https://www.jal.co.jp/jp/ja/info/2020/other/200228/

掲載の内容は記事公開時点のもので、変更される場合があります。

Recommend

This article is a sponsored article by
''.