「田舎暮らし」を旅のなかで体験できるのが、古民家ホテルの魅力です。自然あふれるロケーションで、古き良き営みのあたたかさが伝わる古民家に泊まれば、日々のしがらみから飛び出し、たっぷりと羽をのばせることでしょう。貸し切りでいっそうの解放感を味わうのも憧れます。そんなステイが叶う、各地の古民家ホテルをピックアップしてご紹介します。

【北海道】開拓民の手仕事と石狩山村の原風景に触れる「Solii」

新千歳空港から北へ車で約1時間あまり。札幌中心部の近代的な街並みや住宅街を抜け、広大な平野を望む丘陵を越えると、谷間の静かな農村にたどり着きます。そこは石狩市内で最初に水稲栽培に成功した、高岡五ノ沢地区。この地に1910(明治43)年に建てられ、開拓の歴史を見守り続けた古民家が2019年にバケーションハウス「Solii(ソリィ)」へと生まれ変わりました。

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建物の特徴は、馬小屋を兼ねていた大きな納屋が母屋へと続いていること。この設えは、現地の伝統的な農家建築の特徴です。母屋は縁側から四季の借景を楽しめる「yama」、納屋は高さ約6メートルの吹き抜けで開放感あふれる「tani」へとリノベーション。各棟を貸切で予約し、里山にあふれる自然を五感で満喫できるのが魅力です。

母屋を改装した「yama」縁側から四季の借景を楽しめる。

画像: 納屋を改装した「tani」は開放感ある吹き抜けが魅力

納屋を改装した「tani」は開放感ある吹き抜けが魅力

部屋にはキッチンや浴室などが貸別荘のように設えられていて、食事は自炊で味わうか、近隣の飲食店に行ったりケータリングをオーダーしたりするスタイル。郷土料理百選にも選ばれた石狩鍋や鮭のチャンチャン焼きをはじめ、地元の恵みを使った料理はここだけのおいしさです。

農村体験のプログラムが、季節に応じて豊富に用意されているのも「Solii」ならでは。そば打ち、星空観察、着物の着付けやレンタル、野菜の収穫、サイクリング、そりを使った雪遊び、いももち作り、スノーシューツアー、スノーモービル試乗、スノーキャンドル作りなど、冬は雪国ならではのアクティビティも。

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「Solii」の由来は、「Scene of living in ishikari」の頭文字を1文字ずつ取ったもの。その意味は日本語で「石狩の暮らしの風景」。石狩の住人になった気分で、くつろぎながら過ごしてほしいという思いが込められています。釿(ちょうな)で削った梁(はり)、差し鴨居(かもい)、竿縁(さおぶち)天井など、110年前の開拓民が残した生活の知恵と手仕事に触れながら楽しむ古民家体験。北海道の開拓農家の原風景とともに、日常からのエスケープを。

画像3: 【北海道】開拓民の手仕事と石狩山村の原風景に触れる「Solii」

Solii

住所北海道石狩市八幡町高岡103-3
電話080-3234-1387
webhttps://solii.jp/

【大分】名峰のふもとで美肌の湯と京和食を愛でる「湯布院ほてい屋」

“豊後富士”と呼ばれる名峰・由布岳のふもとにたたずむ、まるでひとつの村のような宿泊施設が「湯布院ほてい屋」。昔懐かしい茅葺き(かやぶき)屋根の家屋や移築した古民家などが配され、それぞれが独立した客室となっています。

画像1: 【大分】名峰のふもとで美肌の湯と京和食を愛でる「湯布院ほてい屋」

数ある離れのなかで、ひときわ洗練された意匠になっているのが新築の「風の稲(かぜのとう)」。ほかにも、純和風とモダンが調和した「本館」、天高く映える茅葺き屋根が目印の「ほていの間」など、さまざまな空間が点在しています。

湯布院といえば、“美肌の湯”で知られる温泉も欠かせません。施設内には大自然に囲まれた趣ある岩造りの男性風呂「大黒の湯」と、なめらかな天草砥石を敷き詰めた女性風呂「弁天の湯」を用意。それぞれの露天風呂からは由布岳を望め、大自然との一体感を満喫できます。

画像: 大黒の湯

大黒の湯

画像: 弁天の湯

弁天の湯

また、貸切で利用できる内風呂「ほていの湯」、新設の家族露天風呂、露天風呂付きの客室もあり、プライベートな温浴を楽しめるのも魅力。さらに庭を眺めながらくつろげる湯上がり処「六角堂」もあり、心からリラックスすることができるでしょう。

画像2: 【大分】名峰のふもとで美肌の湯と京和食を愛でる「湯布院ほてい屋」

食事は地産地消をテーマに、京都で30年以上修業を重ねた和食の匠が調理。朝夕ともに、新築の開放的な食事処「木綿茶寮(ゆふさりょう)」でいただけます。夕食で味わえるのは、採れたての山海の幸をふんだんに使った京風会席。肉のメインは大分が誇る銘柄牛を使った「豊後牛朴葉焼(ぶんごぎゅうほうばやき)」。魚のメインは豊後水道直送の鮮魚の造りなど、活きのよさが自慢です。また、野菜の一部は自家栽培で、四季の恵みが献立の随所に。そして朝食も地のものが満載の、プレートに盛り付けた和定食が提供されます。

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「湯布院ほてい屋」のコンセプトは“おかえりなさい”。たとえ実際の故郷ではなくとも、訪れれば心を開放し、ふるさとへ帰ったような気持ちになれる。そんな、どこか懐かしくて温かい、情感豊かな光景がここにあります。

湯布院ほてい屋

住所大分県由布市湯布院町川上1414
電話0977-84-2900
webhttps://www.hoteiya-yado.jp/

【熊本】五右衛門風呂や美食を満喫できる「阿蘇乃やまぼうし」

熊本屈指の名湯地・内牧温泉の北東方にあるビュースポット、阿蘇大観峰。このふもとに、古民家造りの田舎宿「阿蘇乃やまぼうし」があります。約6000坪の広々とした敷地のなかに、客室は全室離れで2棟4室のみで、プライベート感は抜群。すぐそばを流れる紅地川(こうちがわ)のせせらぎに耳を傾けながら、ゆっくりと過ごせます。時期には敷地内をホタルが飛び交い、新緑や紅葉、雪積もりなど四季折々の色を魅せます。

画像1: 【熊本】五右衛門風呂や美食を満喫できる「阿蘇乃やまぼうし」

同施設は、もともと食事処として営業をはじめました。つまり、料理のおいしさは折り紙付き。和やかなロケーションのなかで、数々の美食を味わえるのです。食事は、開放感あふれる母屋の囲炉裏を使った炭火焼の郷土料理。夕食のメインで味わえる地元阿蘇産のあか牛は濃いうまみと脂の甘みが絶品で、肉厚ながらとろけるやわらかさ。ほかにも田楽や地元名産の天草大王地鶏の炭焼き、釜炊きご飯、だんご汁など、自家製と地産地消にこだわったご馳走を堪能できます。

朝も囲炉裏の食卓で。献立は女将さんの手作りで、日替わりで10種ほど。季節の野菜や山菜をふんだんに使用した彩り豊かな品々は、自家製米を炊き上げたほかほかのご飯と相性抜群です。また、客室内にはコーヒー豆と手挽きのミルが完備。食後には香り高い一杯でリラックスしましょう。

画像2: 【熊本】五右衛門風呂や美食を満喫できる「阿蘇乃やまぼうし」

すべての客室に古典的な露天の五右衛門風呂と、趣向をこらした内湯の切石風呂が付いていて、どちらもミネラル豊富な天然地下水を使用。五右衛門風呂は1年程度乾燥させた薪を使い、チェックインに合わせて女将さんやスタッフが約1時間かけて沸かしています。

画像3: 【熊本】五右衛門風呂や美食を満喫できる「阿蘇乃やまぼうし」
画像4: 【熊本】五右衛門風呂や美食を満喫できる「阿蘇乃やまぼうし」

家族やグループに人気なのは、最大8名まで宿泊できる2階建ての離れ「蔵~りんどう~」。120年以上昔の蔵を移築した空間で、開放感あふれる吹き抜けをはじめ、2階のテラスや隠れ部屋など、遊び心も満載です。

画像5: 【熊本】五右衛門風呂や美食を満喫できる「阿蘇乃やまぼうし」

春は新緑の香りと新芽の息吹、夏は青空に響く野鳥のさえずり、秋は紅葉と雲海の絶景、そして冬は真っ白な雪を見ながら温浴を堪能。どの季節に訪れても、豊かな自然の恵みを五感で楽しめるのが「阿蘇乃やまぼうし」なのです。

阿蘇乃やまぼうし

住所熊本県阿蘇市湯浦718-1
電話0967-24-6707
webhttps://asonoyamaboushi.jp/

田舎にはゆったりとした時の流れや日本の原風景があり、古民家宿には心落ち着くあたたかい空間があります。それは、現代的な暮らしのなかでは気付けない貴重な体験。コロナ禍の状況が落ち着いたら旅を通じて、どこか懐かしくてほっとする、“まだ見ぬふるさと”を訪れてみませんか。

画像5: 「田舎暮らし」と「旅」がとけあう古民家ステイの魅力

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どこか懐かしい雰囲気が魅力の宿泊できる古民家で
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※2023年11月30日に一部内容を更新いたしました。

掲載の内容は記事公開時点のもので、変更される場合があります。

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