「酒蔵ツーリズム」という旅のスタイルが人気を集め、いま巷では覚えておくべき教養のひとつという位置づけにもなりつつある「日本酒」。その裏には、全国の酒蔵で活躍する若手たちの努力と挑戦があります。個性豊かな日本各地の酒造から、注目の4酒造の「次世代」の皆さんにお話を聞きました。酒造りに込められたこだわりや地域の魅力を知れば、いっそうおいしく日本酒を楽しめるはずです。

地元を想い、自然と風土に蔵の未来を託す|藤井酒造【広島県竹原市】

かつて製塩業で発展した風光明媚な町、広島県竹原市に藤井酒造はあります。広島空港から車で30分程度で到着する竹原市には、昔ながらの神社仏閣や、かつて栄華を極めた塩旦那たちの邸宅や庄屋がそのまま残されており、「安芸の小京都」とも呼ばれています。

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1863年(文久3年)に創業した藤井酒造は、「龍勢」「夜の帝王」「宝寿」を醸す小さな酒蔵です。
六代目で専務執行役員の藤井義大さんに、酒蔵や竹原への想いを聞きました。

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アメリカの大学を卒業し、都内の広告代理店に就職した後、2013年に家業である藤井酒造に入社した藤井さん。新たな時代に合わせ、リブランディングをおこなってきたといいます。

「消費者の方にわかりやすいよう日本酒を再定義。ラベルデザインも手にとってもらいやすいようスタイリッシュに一新しました。“日本の酒”であることがひと目でわかるよう、和のテイストを大切にしています」(藤井さん)

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さらに製造面でも大きな決断をしました。

「最新機器を使って理想の酒を造っても、資金力の大きな蔵が現れればすぐ同等の物が造れてしまう。そこで長年続けてきた無添加で昔ながらの、生酛(きもと)造りに注目しました。この地域の風土で育つ微生物だけを活かした酒造りをすれば、環境が変化しても、それが竹原の味。揺るぎないものとなるのです」

100年先の未来を見据えた転換について意気込みを力強く語ってくれました。

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「僕は竹原や日本が大好きです。地元企業だけで地域を守っていくことができないか。地域活性化に貢献できるような会社を作っていきたいです」

原料となる酒米作りに活路を見出し、無農薬自然栽培にもチャレンジ。いつか農業法人を設立して、竹原の雇用促進と自然環境を守ることを目標にしているといいます。

瀬戸内に抱かれたのんびりとした雰囲気の中で、ゆっくり日本酒を嗜む

画像: 酒蔵交流館。かつて酒造りに使われていた築250年の木造蔵は、竹原市の文化財に指定されている

酒蔵交流館。かつて酒造りに使われていた築250年の木造蔵は、竹原市の文化財に指定されている

藤井酒造の日本酒を楽しむために訪れたいのが、江戸時代末期に建てられた酒蔵の一角を活用した「酒蔵交流館」。築250年の木造蔵は、竹原市の文化財にも指定されています。常時3~4種類の日本酒を無料でテイスティングでき、年に数回発売される「酒蔵交流館限定酒」は普段市場に出ないここだけの特別な商品。タイミングが合った方はラッキーです。

また、酒蔵交流館内にある手打ちそばの店「酒蔵そば処 たにざき」では、蕎麦前をつまみに、藤井酒造のお酒を楽しむことができます。

画像: 酒蔵交流館内にある手打ちそばの店、「酒蔵そば処 たにざき」

酒蔵交流館内にある手打ちそばの店、「酒蔵そば処 たにざき」

竹原の魅力や楽しみ方について、藤井さんにお話をうかがいました。

画像: 一帯が町並み保存地区として貴重な文化遺産になっている

一帯が町並み保存地区として貴重な文化遺産になっている

「贅を尽くした塩問屋さんの建物や、江戸時代の儒学者である頼 山陽の父・頼 春水の生家など、これほど古民家が昔のままの状態で残る所は全国的にあまりない。昔ながらの雰囲気を肌で感じてもらえたら」

画像: 瀬戸内に抱かれたのんびりとした雰囲気の中で、ゆっくり日本酒を嗜む

「竹原は今も地下水を水道水として使用しているほど、清らかな水に恵まれた土地。瀬戸内に面した温暖な気候で、海もあり山もある。田舎ののんびりとした雰囲気の中で、ゆっくり日本酒を嗜んでほしい。広島空港からもアクセスしやすいですよ」と語る藤井さんから、地元への大きな愛を感じました。

藤井酒造/酒蔵交流館

代表銘柄「龍勢」「夜の帝王」「宝寿」
住所広島県竹原市本町3-4-14
営業時間10:00~17:00
定休日毎週月曜(祝日の場合は翌日)
webhttp://www.fujiishuzou.com/
Instagramhttps://www.instagram.com/ryusei_sake/

※※営業時間の変更や、無料テイスティングが中止となる可能性がございます。ご確認のうえご利用ください。

十四代目が紡ぐ、神様に恥じない「清く正しい酒づくり」|今西酒造【奈良県桜井市】

画像1: 十四代目が紡ぐ、神様に恥じない「清く正しい酒づくり」|今西酒造【奈良県桜井市】

酒の神が鎮まる地、奈良県桜井市の三輪で360余年醸す今西酒造。日本最古の神社・大神神社があり、日本書紀の記載から、日本酒発祥の地といわれています。他にも相撲や日本芸能などの発祥地とされ、現代に続くさまざまな物事の“はじまりの町”と呼ばれる歴史ある場所です。

「みむろ杉」「三諸杉」を醸す今西酒造は、創業した1660年(万治3年)から変わらず大神神社の麓にあります。神社の御神体である三輪山の伏流水を用いて酒造りをする唯一の酒蔵です。

お話を聞いたのは、代表取締役の今西将之さんです。

画像2: 十四代目が紡ぐ、神様に恥じない「清く正しい酒づくり」|今西酒造【奈良県桜井市】

今西さんは大学卒業後、都内大手企業で働いていたところ、父である先代社長の余命がわずかとわかり、急きょ地元に戻ることになりました。そして2011年10月に今西酒造に入社した1週間後、父が他界。波乱の幕開けを迎えます。

「28歳のとき、突然社長に就任することに。そこで経営状況を確認すると、火の車状態。必死に在庫整理をして、事業計画を練り、なんとか持ち堪えました。2年目に『5年後、奈良県を代表するような、皆様に愛される酒蔵になる!』と打ち立て、嘲笑されても目標を信じてまい進してきました」と、今西さんは冷静に頷きました。

今や「みむろ杉」は、全国的な人気銘柄。目標達成といって良いでしょう。今西さんが苦労してでも守りたかったのは、日本酒の原点である「三輪の酒蔵」という文化とプライドでした。

画像3: 十四代目が紡ぐ、神様に恥じない「清く正しい酒づくり」|今西酒造【奈良県桜井市】

今西さんはまっすぐと前を向き、「おいしいかを決めるのはお客様。今西酒造では、徹底的に清く正しい酒造りをするという信念ですべてを判断しています」といいます。

効率よりもすべての工程において最も正しい選択をする、という信念。選択の軸が確かなものとなりブレもなく、結果的に安定したおいしさも付いてきます。

三輪にある「活日神社」にまつわる神話が、日本書紀に残されています。疫病流行で国が混乱を極めている中、崇神天皇は夢で神様から「私の子孫を祭主にし、酒を奉納しなさい」とお告げを受けました。そこで高橋活日命(たかはしいくひのみこと)を呼び、一夜で造りあげた神酒を奉納したところ、なんと疫病は去り、国が富みはじめたのです。酒造りで国を救った高橋活日命は杜氏の神様として、大神神社の摂社「活日神社」にまつられています。

画像: 日本最古の神社といわれる「大神神社」

日本最古の神社といわれる「大神神社」

今西さんはこの時、高橋活日命が詠んだ歌を、たびたび口にします。

「此の神酒は 我が神酒ならず 倭なす 大物主の 醸みし神酒 幾久幾久」

訳すと「この神酒は私が醸したものではなく、大和の国をおつくりになった大物主神が醸された神酒です。幾世までも久しく栄えませ」という意味。

かつて酒造りが神事の一部だったことを思い出させるような今西酒造は、今も本当に神様に見守られているのかもしれません。

画像: 限定流通商品「みむろ杉」

限定流通商品「みむろ杉」

三輪を深く知り、三輪をもっと楽しめる「酒の聖地巡盃ツアー」

年間500万人の観光客が訪れる三輪。もともとボランティアによる観光ガイドが実施されていましたが、あるとき、今西さんは主婦の方から「三輪に嫁いでこの土地の素晴しさを感じている。私も観光客の方にその魅力を伝えたいけれど、子どもも小さく入用でボランティア参加は難しい」と相談を受けました。「ガイドで給料がもらえるようになれば子育てとも両立でき、訪れる人のためにもなるのでは」と考えた今西さんは、自身で一から「酒の聖地巡盃ツアー」を企画し、ツアーガイドの育成を始めました。

画像: 冬の三輪

冬の三輪

「酒の聖地巡盃ツアー」では、今西酒造によって育成されたガイドが丁寧に三輪を案内してくれます。コース中には「大神神社」「狭井神社」「活日神社」の参拝と、今西酒造本店での利き酒体験が必ず実施されますが、それ以外はガイド各自の工夫を凝らしたおもてなしに任せているそう。それぞれの個性が光るツアーは、何度参加しても楽しめることでしょう。

今西さんが「酒を売るより、三輪の地を知って楽しんでもらいたい」というように、どんなツアーよりも深く三輪を知ることができます。たとえお酒が飲めない人でも、三輪を訪れる際は「酒の聖地巡盃ツアー」に申し込むのが吉です。

今西酒造 本店

代表銘柄「みむろ杉」「三諸杉」
住所奈良県桜井市大字三輪510番地
営業時間10:00~17:00
定休⽇日曜日(12月を除く)
利き酒体験500円(税込)
webhttps://imanishisyuzou.com/
Instagramhttps://instagram.com/mimurosugi_official

今西酒造 参道店

住所奈良県桜井市大字三輪1224番地
営業時間10:00~17:00
定休⽇不定休

駅前店 Cafe 三輪座

住所奈良県桜井市大字三輪354番地
営業時間10:00~17:00
定休⽇不定休

酒の聖地巡盃ツアー

開催期間2~10月
開催日月~金曜日(祝日、夏季休業中、GW除く)
開催時間10:00~16:00
所要時間2時間程度
催行人数2~20人
料金ひとり3,000円(税込)
特典お供え用の酒と卵、ウォークマップ、お猪口

※1週間前までに要予約

※各店舗の営業時間が変更となる可能性がございます。ご確認の上ご利用ください。

お土産にも最適。小樽でしか買えない酒「宝川」|田中酒造【北海道小樽市】

かつて「北の商都」として栄えた北海道小樽市。ガラス細工や小樽運河、100年以上前に建てられた歴史的建造物も数多く残り、ノスタルジックな街並みが多くの人を魅了します。

画像1: お土産にも最適。小樽でしか買えない酒「宝川」|田中酒造【北海道小樽市】

1899年(明治32年)創業の田中酒造は、日本酒「宝川」をはじめ、甘酒、焼酎、リキュール、本みりんなどを製造しています。自由に蔵を見学できる「亀甲蔵」の目の前は海。亀甲蔵から本店までは歩いて30分ですが、天気の良い日は、本店まで海岸沿いを散歩したくなる絶景です。

田中酒造の営業部主任・小野春菜さんに蔵についてうかがいました。

画像2: お土産にも最適。小樽でしか買えない酒「宝川」|田中酒造【北海道小樽市】

小樽生まれ小樽育ちの小野さんは、高校卒業後に田中酒造に入社。製造、販売、企画と数々の部署を経験して現職へ。

「田中酒造の酒は小樽以外では売っていません。札幌にも空港にもない、ここでしか買えない正真正銘『小樽の地酒』です。小樽に来たらうちのお酒を絶対に買って帰ってください!」と、元気よく教えてくれました。

画像: 酒造りの様子(米を蒸す工程)

酒造りの様子(米を蒸す工程)

「宝川」は2000年(平成12年)から北海道産米を100%使用。北海道の酒米「彗星」の使用がほとんどで、その多くがニセコ町の契約農家のものです。田植えから稲刈りまで、従業員みんなで駆けつけるのだといいます。

「せっかく北海道に来たなら、北海道産の原料100%の方が皆さん嬉しいですよね。日本酒だけでなく、リキュールに使う果実も余市町や仁木町のものです」と、小野さん。

画像3: お土産にも最適。小樽でしか買えない酒「宝川」|田中酒造【北海道小樽市】

従業員の平均年齢は20代。ほぼ毎年、地元の高校を卒業した若者が入社してくるためだそう。杜氏の高野篤生さんを筆頭にベテランの技術と、若いフレッシュな力を合わせて運営しています。

一年中いつ訪れても、酒造りを見学できる

年間500石(一升瓶約5万本)を一年かけて製造しています。一年中いつ訪れても、酒造りの様子を見学することができます。

亀甲蔵・本店ともに常時10種類前後の無料試飲を楽しむことができます。お酒が苦手な方には、甘酒と黒豆茶が用意されています。また、店舗ごとに限定酒が1種類ずつ用意されているので、ぜひ2店舗とも足を運んでみてください。

画像: 本店店舗。本店では、3月は麹まつり、4月に梅酒まつり……など毎月イベントを開催。市内菓子店と共同で開発した限定スイーツを販売することも。地元の人も楽しみにしているそう

本店店舗。本店では、3月は麹まつり、4月に梅酒まつり……など毎月イベントを開催。市内菓子店と共同で開発した限定スイーツを販売することも。地元の人も楽しみにしているそう

画像: 酒づくりに使用する仕込水の源・天狗山からの風景

酒づくりに使用する仕込水の源・天狗山からの風景

小野さんに小樽市の魅力をうかがいました。

「住みやすく、心あたたかい街。定番の小樽運河は、季節によって違う表情を楽しめます。運河公園の桜、夏の運河の澄んだ空気、秋は紅葉。冬は雪景色の中のライトアップが美しいです。一年中いつ来ても楽しいですよ」

美しい小樽の町でしか購入できない「宝川」。人気スポットが密集する堺町通りから少し足を延ばして、ぜひ訪れてみてください。

田中酒造 本店

代表銘柄「宝川」
住所北海道小樽市色内3丁目2番5号
営業時間9:05~17:55
定休⽇なし(年中無休)
webhttps://tanakashuzo.com/
Instagramhttps://instagram.com/tanakashuzo_official

田中酒造 亀甲蔵

住所北海道小樽市信香町2番2号
営業時間9:05~17:55
定休⽇なし(年中無休)

※営業時間が変更となる可能性がございます。ご確認の上ご利用ください。

日本最古の酒米・雄町を守り抜く岡山の酒蔵というプライド|辻本店【岡山県真庭市】

岡山県北部の真庭市・勝山は、かつて美作勝山藩の城下町として繁栄した地です。歴史情緒溢れる古い町並みが今でも残り、1985年に岡山県で初めて「町並み保存地区」に指定されました。

画像1: 日本最古の酒米・雄町を守り抜く岡山の酒蔵というプライド|辻本店【岡山県真庭市】

1804年(文化元年)創業の辻本店は、かつて藩主に献上する日本酒を造っており「御膳酒」という名を授かりました。やがて「御前酒」と改め、現在に至ります。

代表取締役社長の辻総一郎さんにお話を聞きました。

画像2: 日本最古の酒米・雄町を守り抜く岡山の酒蔵というプライド|辻本店【岡山県真庭市】

2002年に辻本店入社。2012年には、33歳という若さで代表取締役に就任。現在姉の麻衣子さんが、製造責任者である杜氏として活躍されています。

「46年間御前酒を支えてくださった名杜氏の原田巧氏に代わり、姉が杜氏に就任した2007年が転機でした。その頃ちょうど蔵人も世代交代し、私と姉を含め9人の若手がいました。当時は焼酎ブーム真っただ中。現状を打開するため、どうせなら同世代に届く商品を、と2008年『GOZENSHU9(ナイン)』を立ち上げました」と、語る辻さん。

画像: GOZENSHU9(ナイン)(全5種類)。飲みきり500mlのサイズ感や斬新なデザインで、リリース当時話題を呼んだ

GOZENSHU9(ナイン)(全5種類)。飲みきり500mlのサイズ感や斬新なデザインで、リリース当時話題を呼んだ

辻さんは、「『9』をリリースしてから10年以上が経過。ひとつの役割を終え、リニューアルを検討しています」といい、現在取り組んでいる大きなプロジェクトについて教えてくれました。

画像3: 日本最古の酒米・雄町を守り抜く岡山の酒蔵というプライド|辻本店【岡山県真庭市】

「『雄町の未来は御前酒が醸す』と掲げ、全量雄町米使用を目指しています。雄町は岡山県の酒米であり、現存する日本最古の酒米。一度は途絶えましたが、1980年代後半に(同県)利守酒造の四代目が雄町米を復活させ、当蔵をはじめ県内の酒蔵でも雄町を使用しはじめました。当初から先代である父も雄町米を大切にしてきたので、思い入れもひとしおです。雄町米が発見された年を冠する『1859』という銘柄を2020年、フラッグシップとして立ち上げました。

雄町を使うのは、岡山の酒蔵というプライドです。身の回りの環境から入手できるもので酒造りするのがこれからの酒蔵の在り方。近年、酒米農家さんも若返りを果たしているので、我々が購入し酒を造ることで、岡山の農作物を守りたい」

画像: 姉の麻衣子さん。麹の生育状態を確認している

姉の麻衣子さん。麹の生育状態を確認している

「時を経て立場も変わり、次世代を育成するポジションになりました。女性である姉が製造のトップなので、米の運搬など重労働は機械に任せるなど工夫を凝らしています。若手の女性蔵人も活躍中ということもあってか、今期は申し出をいただき大学生インターンシップで女性を受け入れました。有難いことです」

情緒溢れる宿場町で、勝山のお殿様も楽しんだ日本酒を堪能

酒蔵内の見学はできませんが、明治中期に建てられたかつての酒の貯蔵庫を改装した「NISHIKURA」で当時の空気を感じることができます。1階には直売所とカフェ、2階にはレストランがあります。

辻さんに真庭市の魅力や楽しみ方をうかがいました。

画像: 辻本店の「角樽」が描かれた暖簾。勝山では「暖簾のかかる町並みプロジェクト」で100を超える家々に業種を表すデザインの暖簾がかかっており、町歩きする私たちの目を楽しませてくれる

辻本店の「角樽」が描かれた暖簾。勝山では「暖簾のかかる町並みプロジェクト」で100を超える家々に業種を表すデザインの暖簾がかかっており、町歩きする私たちの目を楽しませてくれる

「岡山県で最も広大な真庭市。南部の勝山エリアには、私たち酒蔵やみそ、しょうゆ蔵、ビール醸造所があり、北部の蒜山高原エリアには移住者がチーズ工房やワイナリーを立ち上げています。和洋の発酵文化両方を味わってほしいです」

2012年に、両エリアの発酵に携わる7社を中心に「まにわ発酵’s」を立ち上げて活動しているのだそう。

画像: 情緒溢れる宿場町で、勝山のお殿様も楽しんだ日本酒を堪能

「勝山の魅力は、なんといっても住む人の良さ。小学生や幼児たちは観光客でも誰にでも挨拶をする習慣が。人と物が行き交う宿場町として発展したから、多様な文化を受け入れる土壌があります」と、辻さん。

和やかな人たちのいる町で、勝山のお殿様も食事と一緒に楽しんだ「御前酒」を心ゆくまで堪能したいものです。

辻本店

代表銘柄「御前酒」「GOZENSHU9(ナイン)」「炭屋彌兵衛」
住所岡山県真庭市勝山116
webhttps://www.gozenshu.co.jp/
Instagramhttps://instagram.com/gozenshu

NISHIKURA

営業時間カフェ・直売所10:00~17:00、レストラン11:00~14:30(L.O.14:00)
定休日レストランのみ木曜

※営業時間が変更となる可能性がございます。ご確認のうえご利用ください。

酒蔵それぞれの想いを通して、今まで見えなかったその地の深い歴史や風土を知ることができました。日本酒に興味がわいた方は、ぜひ各地の酒蔵を訪れてみてください。地元の空気ごと楽しむお酒のおいしさは、いっそう身に染みわたることでしょう。

文・関 友美

※この記事は2021年4月19日に一部内容を更新しました

掲載の内容は記事公開時点のもので、変更される場合があります。

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