夏休みシーズンが終わりを迎える中、日本屈指の観光地である札幌は「いつもと違う」夏休みとなってしまいました。それでも徹底した感染対策で、来訪してくれたお客さまを迎え入れたい。定番観光地や人気スポットでは、そうした切なる思いで安心・安全な環境作りに奮闘しています。

実際のところ、街の様子はどうなっているのでしょう? これから旅行を検討される方にとってもリアルな情報が欲しいところ。
そこで、全国の観光地を応援する取り組みをしている情報誌「Harumari TOKYO( https://harumari.tokyo/ )」の協力の下、人気観光地・札幌の「今」をお伝えします。

1.地元や近隣のお客さんが戻ってきた札幌駅前通

札幌駅の西コンコースから南口へ出ると、すすきの方面にまっすぐに伸びる「札幌駅前通」が見えてきます。この通りは「赤れんがテラス」「大通BISSE(ビッセ)」など多くの商業施設があり、札幌のトレンドが集まる市街地のメインストリートです。

緊急事態宣言下では、ほとんど人がいない状態が続きましたが、現在は働く人や買い物客が多く行き交い、観光客もちらほらと戻り始めました。ただ、この日は、最高気温34℃と札幌市ではこの時点で今年一番の暑さ。通りの真下には地下道「札幌駅前通地下歩行空間 チ・カ・ホ」があり、多くの人が涼しい地下道を選んでいたようで地上では人影もまばらでした。

2.札幌の街を一望できる「さっぽろテレビ塔」

駅前通を南下すると、札幌市中心部の東西に広がる大通公園に着きます。その1丁目にあるのが、「さっぽろテレビ塔」。地上90.38mの展望台があり、1957年の開業以来、道内外問わず多くの観光客が訪れる札幌観光の定番スポットです。

画像: 2.札幌の街を一望できる「さっぽろテレビ塔」

札幌市では8月の間「さぁ!まわろうSAPPORO~見どころ施設無料化月間~」を実施。テレビ塔も展望台の入場料が無料になるキャンペーンを行っていました(8月31日で終了)。取材した日も、開場前から多くの来場者で賑わい30~60分待ちの入場列ができるほど。

もちろん行列の感染予防対策も万全です。列の足元には前後の間隔をあけるように立ち位置の目印が貼られ、入場時にはマスク着用が徹底されていたため、安心して並ぶことができました。また、手指消毒用アルコール液も設置され、感染対策についての案内も丁寧に行われている印象でした。

現在は展望台へのエレベーターも搭乗人数が制限されており、混雑時は待ち時間が発生します。このため、「密」を感じずに展望台まで登る手段として、いつもは年2回しか開放されない外階段が開放されていました。階段ではマスクの着脱は自由で、心地よい風を感じながら上り下りできます。しかし、段数はなんと352段。展望台までは約10~15分を要するので、もしも上る機会があれば、体力と相談してチャレンジしましょう。

画像: 開放中の外階段

開放中の外階段

展望台からは札幌市が東西南北に一望でき、札幌ドームや大倉山ジャンプ競技場など有名なスポットを見つけてはしゃぐ人や、写真を撮って楽しむ人の姿が多く見られました。

さっぽろテレビ塔
住所札幌市中央区大通西1丁目
電話011-241-1131
営業時間10:00~20:00 ※時間短縮営業中
展望台入場料大人(高校生以上)/800円 ※団体600円、小学生・中学生/400円 ※団体300円
webhttp://www.tv-tower.co.jp/

3.変わらず鐘の音が響く「札幌市時計台」

さっぽろテレビ塔と合わせて、札幌観光の定番といえば「札幌市時計台」です。この2つのスポットは、徒歩5分ほどの距離で目と鼻の先。ビジネス街のビル群に囲まれて、緑の中に趣ある白い壁が見えてきます。

画像1: 3.変わらず鐘の音が響く「札幌市時計台」

こちらもさっぽろテレビ塔と同じく市のキャンペーンで館内を無料開放中(8月31日で終了)で、多くの方が見学していました。入り口には手指消毒用アルコール液が設置され、感染対策について注意喚起の掲示もされていました。

画像2: 3.変わらず鐘の音が響く「札幌市時計台」

時計台は正式には「旧札幌農学校演武場」といい、北海道大学の前身学校の一部「演武場」として建設されました。館内の1階では、その歴史に関する資料や全景模型などが展示されています。2階は札幌農学校の卒業式の様子を再現したフロア。夜間は「時計台ホール」として音楽会や講演会などにも利用されています。

時計台に時計塔が付設され、アメリカ・ハワード社の“時打重錘振子式四面時計”が設置されたのは1881年のこと。歴史のある塔時計は、創建から140年以上経った現在も札幌の標準時刻として毎正時に鐘の音を響かせています。この日も、鐘の音はこれまでと変わらず、周囲に時刻を知らせていました。

ホールは窓が開放され風通しがよく、ベンチには間隔をあけて着席を促す注意書きも設置されていたため、密を感じることもなくゆったりと過ごすことができました。「札幌に何十年と住んでいるけど、無料と聞いて初めて来たんだ」と笑顔で話す地元の方にも出会いました。

札幌市時計台
住所札幌市中央区北1条西2丁目
電話011-231-0838
開館時間8:45~17:10(入館は17:00まで)
観覧料大人/200円(高校生以下無料)、大人団体(20名以上の場合)/180円
休館日1/1~1/3
webhttp://sapporoshi-tokeidai.jp/

4.ランチで人気のサラダバーでも感染予防対策。「Farm to Table TERRA」

駅前通の最南端にあるのが、緑豊かな中島公園です。地下鉄中島公園駅1番出口から徒歩2分ほど東へ向かうと、市街地ながら木々に囲まれたお店が現れます。ホテルマイステイズプレミア札幌パークの1階にある「Farm to Table TERRA(ファームトゥテーブルテラ)」です。

画像1: 4.ランチで人気のサラダバーでも感染予防対策。「Farm to Table TERRA」

店内は、大きな窓から木漏れ日が差し込み、吹き抜けになっていてとても開放的です。アウトドアブランド「スノーピーク」が空間監修をしており、室内にいながら、野外でグランピングをしているような感覚に。朝食からランチ、カフェ、ディナーまで幅広いシーンで利用できます。

画像2: 4.ランチで人気のサラダバーでも感染予防対策。「Farm to Table TERRA」

メニューもキャンプ料理をイメージしており、野菜は契約農家直送のオーガニック野菜を中心に使用。ランチタイムには、生産者の顔が見える安心安全の野菜が用意されているサラダバーがあるのも魅力です。現在、サラダバーには手袋を用意。トングの消毒・交換など感染予防対策もしっかりとされていました。

画像3: 4.ランチで人気のサラダバーでも感染予防対策。「Farm to Table TERRA」

スタッフの方に話を聞くと、「北海道や札幌市による観光産業支援キャンペーンもあり、ソーシャルディスタンスを取り入れた店内は満席になる日もありますので、ご利用の際は事前の予約をおすすめします」とのこと。

「4月からはテイクアウトメニューに、お店で人気のガレット、ピラフなど4種類を追加し、メニューをより充実させました」

テイクアウトメニューは密を避けたいお客さんにも好評だそうです。さらに、新しい商品の販売も開始しています。

「8月からは、外でも食事が楽しくできますように「TERRAピクニックセット」(数量限定)の販売がスタートしております。お店のオリジナルのトートバック、大判のランチョンマット、スタッフが実際に歩いて発見した情報が詰め込まれた“中島公園散策MAP”にビールやソフトドリンクから選べる1ドリンク付き(1,250円・税込)のセットです」

また、感染予防対策にも力を入れているといいます。

「店内では皆さまにできるだけ安心してご利用いただけるよう、感染予防対策をとっております。満席の場合もございますので、予防対策の1つとして事前の席予約をおすすめいたしております。また、夏から秋にかけての札幌は、大変過ごしやすい天候が続きます。お店のすぐ近くにある中島公園で、TERRAのテイクアウトメニューを持ってピクニックもおすすめです」(担当スタッフ)

Farm to Table TERRA Presented by snow peak URBAN OUTDOOR(ファームトゥテーブルテラ プレゼンテッドバイ スノーピーク アーバンアウトドア)
住所北海道札幌市中央区南9条西2丁目2-10 ホテルマイステイズプレミア札幌パーク1F
電話011-512-3547
営業時間朝食7:00~10:00、ランチ11:30~14:00、カフェ 14:00~18:00、
ディナー17:00~23:30(L.O.フード22:30、ドリンク23:00)
※社会情勢、感染予防対策の取り組みとして営業時間を変更しております。ご利用ご予約の際は店舗へご確認ください。
定休日無休
webhttps://sapporo-terra.com/

5.マスクケースなど、こまやかな気配りが光る「札幌グランドホテル」

ホテルの開業ラッシュ中の札幌市中心部で、変わらぬ存在感を放つのが老舗ホテル「札幌グランドホテル」です。札幌駅と地下鉄大通駅どちらからもアクセスが良く、徒歩5分圏内には札幌市時計台や北海道庁本庁舎(赤れんが庁舎)、大通公園があり、観光利用、ビジネス利用のどちらの場合にもおすすめのホテルです。

画像1: 5.マスクケースなど、こまやかな気配りが光る「札幌グランドホテル」

1934年に北海道初の本格的洋式ホテルとして開業した札幌グランドホテルは、本館、東館、別館の3棟があり、客室は全494室あります。2020年4月には「プレミアキングダブルルーム」が登場。インテリアに天然無垢材を使用するなど、“北海道の自然と寛ぎ”をテーマとしたお部屋です。

現在、お客さまには入館時の手指消毒、マスク着用、非接触型の体温計での検温をお願いしています。ロビーには列の間隔をあけるように足元に目印が貼られ、フロントにはパネルが設置されており、対策がしっかりとされていました。客室までの移動時にも、各所に手指消毒用アルコール液の設置やエレベーターの搭乗人数制限がされ、安心して移動できるようになっていました。

「自粛明けには、ビジネス利用のゲストが一時的に増えました。現在は北海道や札幌市のキャンペーンによって、地元の方々が増えています。Go Toトラベルキャンペーンについては、これからご宿泊プランの販売を開始予定という状況です。社会の状況や行政の動きを注意深く見ながら、お客さまに安心して滞在いただけるよう、状況に応じた工夫をしていきたいと考えています」(担当スタッフ)

ホテル内には、地産地消の食材が楽しめる和洋中のレストラン、バー、ベーカリーなどがあります。洋食レストラン「NORTHERN TERRACE DINER(ノーザンテラスダイナー)」では、この夏からディナータイム限定で、テラス席で楽しめるワンコインメニューを提供しており、心地よい空間でビールやおつまみを気軽に楽しむことができます。食事中に外したマスクが収納できるマスクケースがもらえるなど、うれしい配慮もありました。

画像2: 5.マスクケースなど、こまやかな気配りが光る「札幌グランドホテル」

感染予防のために外食を控える方も増えているとスタッフの方も感じているそうで、「ホテル内でも、北海道の旬の食を楽しんでいただけるよう、テイクアウトやルームサービスにも力を入れております」とのこと。ホテル内の施設を存分に利用するという方法でも、特別なステイを十分に楽しめそうです。

また、オンラインショップでの商品販売にも力を入れています。人気商品は、開業当時からレシピが受け継がれる伝統のアップルパイ。りんごをふんだんに使用したアップルパイは「札幌グランドホテルといえばこれ」といわれるほどファンの多い一品です。なかなか旅に出られない期間は、お取り寄せで昔から変わらぬ味わいを堪能してみてはいかがでしょうか。

画像: 「アップルパイ・ベイクドチーズケーキ詰合せ」※北海道外への発送は5,994円・税込、北海道内の発送は5,440円・税込

「アップルパイ・ベイクドチーズケーキ詰合せ」※北海道外への発送は5,994円・税込、北海道内の発送は5,440円・税込

札幌グランドホテル
住所札幌市中央区北1条西4丁目
電話011-261-3311
チェックイン15:00
チェックアウト11:00
webhttps://grand1934.com/

6.絶品肉料理から“シメかき氷”まで味わう「Tall Sun Dining」

すすきの交差点から札幌駅方面に歩き、1つ目の角を右に曲がった場所にある克美ビル5階に、地産地消の料理で地元客の人気を集める「Tall Sun Dining(トールサンダイニング)」があります。地下鉄すすきの駅1番出口から徒歩1分で到着です。

画像1: 6.絶品肉料理から“シメかき氷”まで味わう「Tall Sun Dining」

メニューの中心は肉料理。店主の生山亨さんが、焼肉店で働いていた経験を生かし、質の高い肉をかたまりで仕入れて自ら捌くことで、おいしい肉料理をリーズナブルに提供することができるそうです。道産牛を使用した肉寿司や、さまざまなお肉が食べ比べできる盛り合わせで楽しめます。

店内は座席を7割程度に間引きし、ほかのグループとは距離をとって食事が可能。メニューや備品のこまめな消毒など感染対策をしっかり実施しています。すすきのには多い、窓のないビル内のお店ですが、元々この場所には焼肉店が入っていたため、各テーブルに吸排気機能が備わっており換気も万全です。

画像: 天井部分に吸排気口がある

天井部分に吸排気口がある

以前は夜の部のみの営業でしたが、この夏から昼の時間帯にかき氷の販売を開始。旬のフルーツや和洋のスイーツから作るオリジナルソースと合わせたかき氷は、地元客はもちろん、観光客にも人気に。コロナ対策としてテイクアウトでの販売も始め、こちらも好評を得ているそうです。

画像2: 6.絶品肉料理から“シメかき氷”まで味わう「Tall Sun Dining」

おすすめのフレーバーは「とうもろこし」。札幌市の隣の江別市・アンビシャスファームから直接仕入れたとうもろこしを使用したソースと、ミルクや生クリームをブレンドした自家製ソースが層になっており、中にはホワイトチョコレートのムースが隠れています。とうもろこしの優しい甘さが感じられる一品です。

画像: とうもろこし(1,000円・税込)※9月下旬頃までの季節限定商品

とうもろこし(1,000円・税込)※9月下旬頃までの季節限定商品

「かき氷は昼の営業で完売してしまうこともありますが、基本的には夜の営業でも提供しています。お越しの際はシメパフェならぬ“シメかき氷”を楽しんでください」と生山さん。秋以降も続々新メニューの展開が控えているそうで、楽しみが広がります。

「浮き沈みがあって今後どうなるんだろうという不安もありましたが、最近はそれでもやっていかなきゃいけないなと。休業はしないで、お客様に喜んでもらえる環境を作っていこうと強く思っています」(生山さん)

Tall Sun Dining
住所札幌市中央区南3条西3 克美ビル 5F
電話011-205-0608
営業時間金、土、祝前日/17:00~25:00、月~木、日、祝日/17:00~24:00
【かき氷の営業】1部 11:00~(L.O. 15:30)、2部 17:00~(L.O. 21:30)
定休日無休

まだ以前のような賑わいは戻ってきていない札幌の街ですが、それぞれの施設は工夫を凝らし、今の状況でできることを始めています。コロナ禍において、変わっていく旅のスタイル。いろいろな選択肢があることを読者のみなさんに知ってほしいという想いで、現地のレポートをお届けしました。この記事で紹介した各施設の感染対策や思いが、今後の旅の参考になることを願っています。

※2020年9月1日に一部内容を更新いたしました。

掲載の内容は記事公開時点のもので、変更される場合があります。

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