イタリア半島の西南に位置する地中海最大の島、シチリア。海と山と乾いた大地が織りなす美しい自然に囲まれたこの島の存在を「ゴッドファーザー」や「グラン・ブルー」などの名画を通じて知った方も多いのではないでしょうか? 今回は、“名画の舞台”をテーマにシチリア島をめぐる旅の魅力をご紹介します!

シチリア島にゆかりのある名画の数々

画像: シチリア島にゆかりのある名画の数々

古くから交通の要衝として繁栄し、古代ギリシャやローマ帝国、イスラム、ノルマン人など時代ごとにさまざまな文化が花開いてきたシチリア島は、ときに“文明の十字路”とも称される場所。イタリアのなかでもひときわ強い個性を持つこの地域は、実に多くの名作映画の舞台となってきたことでも知られています。たとえば、1963年に公開されたルキノ・ヴィスコンティ監督の「山猫」は、島を舞台に繰り広げられるイタリア貴族の華やかな暮らしとその没落を描いた傑作。また、1972年に公開された「ゴッドファーザー」と後に続くシリーズも、シチリア島の存在を世界に知らしめた映画のひとつ。さらに、1988年に公開された「ニュー・シネマ・パラダイス」や「グラン・ブルー」、2000年の「マレーナ」など、いずれも映画史にその名を刻む名作ばかりです。というわけで今回の特集では、シチリアにゆかりのある数々の名作の中から「ゴッドファーザー」、「ニュー・シネマ・パラダイス」、「グラン・ブルー」の3作品に焦点をあて、シチリアの美しい風景をめぐる旅の魅力をご紹介します。

州都パレルモから小さな村まで。「ゴッドファーザー」ゆかりの地が点在

画像: 州都パレルモから小さな村まで。「ゴッドファーザー」ゆかりの地が点在

シチリアを舞台にした映画を語る上で、やっぱりハズせないのが全3作からなる「ゴッドファーザー」シリーズです。フランシス・フォード・コッポラ監督の代表作となる同作は、シチリアから米国に移民したマフィア一族「コルレオーネ家」の盛衰を描いた大ヒット作品ですが、作中にはシチリアの美しい風景が何度も登場しています。たとえば、シチリアの州都パレルモにある「マッシモ劇場」も、そのひとつ。「マッシモ劇場」は、イタリアを代表する美しい劇場のひとつですが、ここでは1990年に公開された「ゴッドファーザー PARTⅢ」の終盤に訪れるある衝撃的なシーンが撮影されています。もちろん豪華絢爛な内部や重厚な建築の佇まいは、今も健在なので同作のファンならぜひ訪れておきたいスポットです。このほかパレルモには、「ゴッドファーザー」の世界を感じさせるような重厚でクラシックな建物が数多く残されています。ぜひ、その雰囲気を楽しんでください。

「ゴッドファーザー」の撮影は、大都市パレルモだけでなく郊外の小さな村々でも行われています。たとえば、シチリア島東部のリゾート地「タオルミナ」の近くにある「サヴォカ村」は、「ゴッドファーザー」のヒロインのひとり、アポロニアの故郷として登場する小さな村。作中に登場する「バール・ヴィッテリ」や「サン・ニコロ教会」などを見学することができます。また、「タオルミナ・ジャルディーニ駅」やタオルミナ近郊の「フォルツァ・ダグロ村」なども「ゴッドファーザー」ゆかりの地として有名なので、ぜひ足を伸ばしてみてください。

「ニュー・シネマ・パラダイス」の世界に出合える「パラッツォ・アドリアーノ」へ

画像: 「ニュー・シネマ・パラダイス」の世界に出合える「パラッツォ・アドリアーノ」へ

1988年に公開され、日本でも数多くのファンを生んだイタリア映画の傑作「ニュー・シネマ・パラダイス」。ジョゼッペ・トルナトーレ監督が手がけた同作は、小さな村の映画館で映写技師として働くアルフレードと映画好きの少年トトの交流を通じて、シチリアの人々の暮らしや時代の移り変わり、世代を超えた友情などを描いた作品です。

そんな「ニュー・シネマ・パラダイス」の主な舞台となったのが、パレルモから車で2時間ほどの場所に位置する「パラッツォ・アドリアーノ」。周囲を荒涼とした大地に囲まれ小さな村に足を踏み入れると、そこには今もなお「ニュー・シネマ・パラダイス」で描かれていた風景がそのままに残されています。石造りの建物に囲まれた美しい広場や噴水、石畳の小路、素朴な村の人々……など、村の風景を眺めていると、今にもアルフレードとトトが目の前に居るような錯覚を覚えるほど。「パラッツォ・アドリアーノ」には、同作をテーマにしたミュージアムもあり、詳細なロケ地なども教えてもらえるので、まずはミュージアムに立ち寄ってみるのがおすすめです!

「グラン・ブルー」の美しい海を眺めながら

画像1: 「グラン・ブルー」の美しい海を眺めながら
画像2: 「グラン・ブルー」の美しい海を眺めながら

シチリア島の東部に位置し、イオニア海に面した美しいリゾート地として知られる「タオルミナ」。世界中から多くの旅人が訪れるこの街は、1988年に公開された仏伊合作映画「グラン・ブルー」の舞台としても有名です。リュック・ベッソン監督が手がけた同作は、フリーダイビングの世界記録をかけて切磋琢磨する2人のダイバー(フランス人のジャック・マイヨールとイタリア人のエンゾ・モリナーリ)の生き様や友情を描いた作品。作中でフリーダイビングの世界選手権が開催される街として描かれる「タオルミナ」には、現在も同作の印象的なシーンの舞台となった場所が点在しています。

「ゴッドファーザー」にも登場する「タオルミナ・ジャルディーニ駅」や「タオルミナの旧市街」をはじめ、エンゾとジャック、ヒロインのジョアンナが出会う「リストランテ・ラ・スコリエーラ」など、同作のファンなら感涙モノの風景が次々と! タウロ山の斜面に張り付くように広がるタオルミナの街からは、イオニア海の深い青を一望することもできるので、ぜひ時間をかけてゆっくりと「グラン・ブルー」の世界を楽しんでください。

ひとことコメント

名作映画の舞台を訪ねるシチリアの旅を、より深く楽しむなら現地発着のロケ地巡りツアーなどを利用するのもおすすめ! 日本人を対象にしたガイドツアーなどもあるので、事前にチェックしてみてください!

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