岡山県北部、山間に広がる盆地に位置する津山市。江戸時代から津山城の城下町として栄え、その風情ある町並みは、今でも各所に残されています。近年では、全国的にも注目を集める「津山ホルモンうどん」や市民に親しまれている「干し肉」など、独自の牛肉文化が息づくエリアです。そんな津山の魅力を、津山城を中心に城西地区・城東地区に分けて紹介していきます。

今回の津山の旅のテーマは「元気をくれる旅」。リフレッシュとパワーチャージの両方で心と身体が満たされ、はりきって新たな季節を迎えられるような、1泊2日のモデルコースを用意しました。きっと、自粛明けにぴったりの旅になるでしょう。

※新型コロナウイルスの感染状況によっては、各施設とも掲載内容(通常営業)と異なる場合があります。最新情報は直接各施設にお問い合わせください。

桜の名所、「津山城」から城西の町めぐりをスタート

津山市のシンボル・津山城は、岡山空港から車で約1時間の場所に位置します。高さ50mの鶴山(かくざん)に築かれた梯郭式平山城(ていかくしきひらやまじろ)で、日本三大平山城のひとつです。本能寺の変で討死した森蘭丸の弟、森忠政が築城。明治の廃城令によって建造物はすべて取り壊されましたが、2005年に築城400周年を記念して備中櫓(びっちゅうやぐら)が復元されました。

画像1: 提供:津山市観光協会

提供:津山市観光協会

一帯は鶴山公園として整備されており、「日本100名城」「日本さくら名所100選」に選定されています。春には約1,000本の桜が雲海のように咲き誇る、絶景スポット。ライトアップされた夜桜も幻想的なことでしょう。

画像2: 提供:津山市観光協会

提供:津山市観光協会

津山城の特徴は、どっしりとした石垣。長方体の石の長辺と短辺を交互に合わせることで強度と美しさを保っています。

紅葉の見ごろは11月中旬~下旬。もみじまつりには夜間のライトアップやイベントで盛り上がります。

画像: 桜の名所、「津山城」から城西の町めぐりをスタート

天守台にある城壁のハート形の岩は“触ると恋が成就する”といわれる恋愛スポットです。お見逃しなく。

津山城(鶴山公園)

住所岡山県津山市山下135
電話0868-22-3310(津山市観光協会)
開園時間4~9月は8:40~19:00(さくらまつり期間中は7:30~22:00)、10~3月は8:40~17:00
定休日12月29~31日
webhttp://www.tsuyamakan.jp/tour/detail/?pk=58

津山城のお膝元、「津山観光センター」でおみやげ選び

画像1: 津山城のお膝元、「津山観光センター」でおみやげ選び

鶴山公園の入り口に建つ津山観光センターには、津山をはじめ近隣エリアの特産品や果物、地元野菜、加工品が一堂に並びます。白桃や桜、抹茶などのジェラートも人気です。町並み散策のためのマップや観光パンフレットも入手できるので、じっくり町歩きを楽しみたい方は、まず初めに立ち寄るのがおすすめです。

画像2: 津山城のお膝元、「津山観光センター」でおみやげ選び
画像3: 津山城のお膝元、「津山観光センター」でおみやげ選び

津山ホルモンうどんや焼き肉のタレ、銘菓、工芸品などの定番商品から、特産のつやま生姜や県産のゆず、黒豆を使ったシロップの「おしろっぷ」「きびだんごドロップ」など新感覚のおみやげも豊富です。

画像: 岡山名産の清水白桃やピオーネの味がひきたつ多胡本家酒造場の各種リキュールと、難波酒造の純米酒

岡山名産の清水白桃やピオーネの味がひきたつ多胡本家酒造場の各種リキュールと、難波酒造の純米酒

画像: 栄養価の高いビール酵母入りの「作州津山ビール」

栄養価の高いビール酵母入りの「作州津山ビール」

画像4: 津山城のお膝元、「津山観光センター」でおみやげ選び

電動アシスト自転車もあるので、レンタルして町をめぐるのもおすすめです。

津山観光センター

住所岡山県津山市山下97-1
電話0868-22-3310(津山市観光協会)
営業時間4~9月は9:00~18:00、10~3月は9:00~17:00
定休日12月29日~1月1日
webhttp://www.tsuyamakan.jp/kankocenter/

「ひつじの学校」で、地元食材を使った体にやさしいランチ

画像1: 「ひつじの学校」で、地元食材を使った体にやさしいランチ
画像2: 「ひつじの学校」で、地元食材を使った体にやさしいランチ

ランチに訪れたのは商店街の空きスペースをリノベーションした「ひつじの学校」。無垢材のテーブルとイスを配したシンプルな造りで、民芸品が並べられた壁面や、荷物を入れるリンゴの木箱など、オーナーの加藤喜江さんのセンスが感じられます。週替わりのランチは、津山産の食材が盛り込まれた優しい味が評判です。

画像3: 「ひつじの学校」で、地元食材を使った体にやさしいランチ

「豆鉢とおにぎりのランチ」のメインはせいろで温めた炊き込みご飯と、紫黒米のご飯に香りのよい海苔を巻いたおにぎり。ほのかな竹の香りに食欲がそそられます。地元・おかもと農園の卵を使ったオムレツや、石原とうふ店のおからを使った卯の花などが民芸の器に盛られています。

画像4: 「ひつじの学校」で、地元食材を使った体にやさしいランチ

ストロベリーのクレープは国産小麦、よつ葉バター、おかもと農園の卵、石原とうふ店の豆乳などを使った、しっとりモチモチの生地が特徴です。純生クリームにストロベリーソースとオリジナルメイプルグラノーラをトッピング。ひつじのクッキーが可愛らしく添えられた、写真に残さずにはいられない一品です。

ひつじの学校

住所岡山県津山市京町44-5
電話0868-67-5150
営業時間11:30~16:00(L.O.15:00、土・日曜、祝日は~15:30)
定休日月・金曜、第2・4日曜
webhttp://www.1bangai.com/tempo/food/hituji/tempo-hituji.html

大正・昭和の建物が連なるレトロな「城西の町並み」を散策

画像: 提供:津山市 西今町

提供:津山市 
西今町

画像: 大正・昭和の建物が連なるレトロな「城西の町並み」を散策

ランチの後は、のんびりと町歩きを。江戸時代から城下町として栄えた城西(じょうさい)地区には、津山藩主・森家の菩提寺である本源寺をはじめ、津山城下町最大の寺町と近代の繁栄を物語る商家の町並みが残ります。

画像: 提供:津山市 作州民芸館

提供:津山市 
作州民芸館

大正・昭和時代の建造物が数多く残る西今町の通りには、作州民芸館(旧土居銀行)や、作州絣(さくしゅうがすり)工芸館などが当時の姿で残り、2020年に重要伝統的建造物群保存地区に選定されました。

画像: 提供:津山市 西寺町

提供:津山市 
西寺町

城西の町並み

住所岡山県津山市西寺町、西今町
電話0868-22-3310(津山市観光協会)

「作州絣工芸館」で、気軽な伝統工芸体験を

画像1: 「作州絣工芸館」で、気軽な伝統工芸体験を

城西の古い町並みに溶け込むように建つ、作州絣工芸館。静かな館内にスートントントンと機織りの音がここちよく響きます。この地方に伝わる伝統工芸品・作州絣(さくしゅうがすり)は太めの木綿糸を使い、織り上げられる素朴な織物。藍と白のシンプルな模様で、懐かしいぬくもりを感じる手触り。ここでは機織りの実演見学や糸紡ぎ、くるみボタン作り体験などができます。

画像2: 「作州絣工芸館」で、気軽な伝統工芸体験を

糸車を回して糸紡ぎ体験。管に巻き取られた糸は持ち帰ることもできます。

旅の思い出に、作州絣の布を使ったくるみボタン作りを。お気に入りの生地を選んだら、専用の型に布と綿をセットしてボタンを作ります。ボタン飾りのヘアゴムに仕上げたら、おみやげにもぴったり。10分ほどで仕上がる、手軽な体験メニューです。

画像: 作州絣の作務衣に身を包んだ作州絣保存会会長の日名川茂美さん(中央)とスタッフのみなさん

作州絣の作務衣に身を包んだ作州絣保存会会長の日名川茂美さん(中央)とスタッフのみなさん

作州絣工芸館

住所岡山県津山市西今町77
電話0868-23-0811
開館時間10:00~16:00
定休日月曜(祝日の場合は翌日休)
webhttp://plus.harenet.ne.jp/~kasuri/index.html

「城西浪漫館」喫茶室でコーヒーを飲み、津山ゆかりの先人に思いを馳せる

画像1: 「城西浪漫館」喫茶室でコーヒーを飲み、津山ゆかりの先人に思いを馳せる
画像2: 「城西浪漫館」喫茶室でコーヒーを飲み、津山ゆかりの先人に思いを馳せる

城西の町並み散策のあとは、大正ロマン漂う、城西浪漫館へ。1917(大正6)年建築の中島病院旧本館で、登録有形文化財に指定されている建物です。

画像3: 「城西浪漫館」喫茶室でコーヒーを飲み、津山ゆかりの先人に思いを馳せる

1階の喫茶室は当時のままの漆喰壁に高い天井、大理石の暖炉を設けた素敵な空間。「珈琲」の漢字を考案した津山藩ゆかりの蘭学者・宇田川榕菴(うだがわようあん)にちなんだ榕菴珈琲が楽しめます。

画像4: 「城西浪漫館」喫茶室でコーヒーを飲み、津山ゆかりの先人に思いを馳せる

江戸時代末期に飲まれていたコーヒーを文献から割り出し、珈琲罐(コーヒーカン)を使うことにより当時の淹れ方を再現。内部の熱で10分かけて、本来のコーヒー豆のうまみを抽出します。文献通りのまろやかな味で、香り高くすっきりした飲み口。榕菴珈琲豆はおみやげにも最適です。

城西浪漫館

住所岡山県津山市田町122
電話0868-22-8688
営業時間10:00~16:00
定休日月曜(祝日の場合は翌日休)

肉の都・津山だからこそ味わえる厳選和牛を鉄板焼きで。「Steak&Wine Bocci」

津山は江戸時代から牛の流通拠点でもありました。その名残なのか、現在でもブランド和牛「つやま和牛」をはじめとする良質の肉が充実しています。

画像1: 肉の都・津山だからこそ味わえる厳選和牛を鉄板焼きで。「Steak&Wine Bocci」

Steak&Wine BocciではA4、A5ランクの牛肉を鉄板焼きコースで味わうことができます。岡山ならではの味を追求し、契約農家から仕入れる野菜をはじめ、塩やわさびにいたるまで、津山を中心にほぼ県内産食材を使用。岡山を感じる料理の数々が、備前焼の器を美しく彩ります。

画像2: 肉の都・津山だからこそ味わえる厳選和牛を鉄板焼きで。「Steak&Wine Bocci」
画像3: 肉の都・津山だからこそ味わえる厳選和牛を鉄板焼きで。「Steak&Wine Bocci」

鉄板を使ったオープンキッチンで炎に包まれたステーキを焼き上げるのは、シェフの坪井伸輔さん。大阪の有名ホテルなどでの15年余りの経験と実績で培った技で、和牛を最高の状態に調理してくれます。

画像4: 肉の都・津山だからこそ味わえる厳選和牛を鉄板焼きで。「Steak&Wine Bocci」
画像5: 肉の都・津山だからこそ味わえる厳選和牛を鉄板焼きで。「Steak&Wine Bocci」

口に入れると溶けるようにやわらかいステーキは、ソムリエが選ぶワインとともに。

画像: 鶴山公園西側に位置するステーキ店

鶴山公園西側に位置するステーキ店

Steak&Wine Bocci

住所岡山県津山市山下49
電話0868-32-1129
営業時間17:30~23:00(L.O.22:30)、予約制
定休日不定休
webhttps://bocci-tsuyama.net/

歴史ある造り酒屋に隣接した町家を一棟まるごと貸切ステイ「城下小宿 糀や」

画像: 歴史ある造り酒屋に隣接した町家を一棟まるごと貸切ステイ「城下小宿 糀や」

今宵の宿は、江戸時代創業の旧苅田酒造に隣接した町家を改装し、2020年にオープンした、城下小宿 糀(こうじ)や。グループホテルのザ・シロヤマテラス津山別邸でチェックインしたあとは、誰にも接することなくおこもりステイが楽しめます。

1階に和室リビングやダイニングキッチン、寝室、浴室、2階に和室や寝室、屋外に庭とテラスを備える開放的な空間で、旅の疲れも癒やされます。

画像: A棟1階和室リビング

A棟1階和室リビング

画像: 提供:城下小宿 糀や 障子越しにやわらかい光が差し込む1階のツインルーム

提供:城下小宿 糀や  
障子越しにやわらかい光が差し込む1階のツインルーム

画像1: 提供:城下小宿 糀や

提供:城下小宿 糀や

日本酒を湯船に注ぐ酒風呂は、隣接する元造り酒屋にちなんだもの。ザ・シロヤマテラス津山別邸の露天風呂付き温泉大浴場も無料で利用できます。

画像2: 提供:城下小宿 糀や

提供:城下小宿 糀や

やわらかな明かりが灯る城東の町並みを散策するのもおすすめです。

城下小宿 糀や

住所岡山県津山市林田町68
電話0868-24-2111(ザ・シロヤマテラス津山別邸)
webhttps://www.tsuyama-kojiya.com

1日動き回って疲れた体をゆっくり休めて、旅は2日目「城東編」に続きます。

※2021年4月26日に一部内容を更新しました

掲載の内容は記事公開時点のもので、変更される場合があります。

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