あの名物TV企画も旅から誕生。プロが集ったトークイベント開催
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各界のビジネスパーソンが語り合う

あの名物TV企画も旅から誕生。プロが集ったトークイベント開催

2017.10.05

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旅を愛し、旅から得るインスピレーションを仕事に活かしていく各界のプロフェッショナルが集い、経験を共有するトークイベント『THE ART OF TRAVEL〜旅が我らを進化させる〜』が2017年8月下旬に開催された。企画・モデレーターを務めたのは、株式会社HEART CATCHの代表としてベンチャー企業のサポートなどを行うかたわら、テクノロジー・エンターテイメントの最新情報を発信するメディア「SENSORS.jp」の編集長も務める実業家・西村真里子さん。
 
イベント開催のきっかけは、西村さんがOnTrip JALで先だって受けたインタビュー。記事公開をきっかけに、「私はこんな場所に行ったことがある」「ぼくはこんな経験をした」と、周囲の旅好きのビジネスパーソンたちのあいだで熱い議論が巻き起こったという。旅の経験や感動は、お互いに共有し合うことでさらなる気づきにつながるもの。それを提供する場として、今回のイベント開催に至った。
 
航空機の内装をイメージしたザ・ペニンシュラ東京、最上階の「ザ・セブンシーズ・パシフィック・アビエーションラウンジ」に集まった、生粋の旅好きたち。今回の記事は、彼らが数多くの旅から得てきたヒントについてシェアする場としたい。

 
第1回西村真里子インタビュー記事はこちら。

 
文:宮田文久 写真:西田香織

「日本の『重ね』文化の素晴らしさを、京都への旅行で発見した」(廣川)

トークセッションの第1部のタイトルは、「Brand Executives Travel Talk」。登壇したのは、日本発のブランドの魅力を世界中に発信するミッションを担う2人。果たして彼らは、旅からどんな気づきを得ているのか――。

廣川玉枝

マドンナやレディー・ガガの衣装にも採用され、世界的に注目を集めるファッションブランド「SOMARTA(ソマルタ)」の創立者・デザイナー。

河辺徹也

レクサスインターナショナルでプロジェクトマネージャーを務める。

会場となったザ・ペニンシュラ東京の「ザ・セブンシーズ・パシフィック・アビエーションラウンジ」には、航空機をモチーフにしたインテリアが随所に光る。奥に見えるのは実際の航空機のエンジン

会場となったザ・ペニンシュラ東京の「ザ・セブンシーズ・パシフィック・アビエーションラウンジ」には、航空機をモチーフにしたインテリアが随所に光る。奥に見えるのは実際の航空機のエンジン

 
廣川:2014年くらいに、日本の着物産業が縮小傾向にあるのを何とかできないか、と「KIMONO COUTURE」というプロジェクトを立ち上げたんです。そのヒントになったのが、京都への旅行でした。服飾学校の学生時代から、西洋服については学んできましたが、和装にはあまり親しんできませんでした。そんななかで京都に旅に出て、伝統的な染色工芸である友禅染の現場を見せてもらったんです。そこで、現代の「新しい着物」をつくるにはどうすればいいのか、インスピレーションを得ることができました。

ファッションブランド「SOMARTA(ソマルタ)」の廣川玉枝さん

ファッションブランド「SOMARTA(ソマルタ)」の廣川玉枝さん

 
西村:具体的にはどういう気づきがあったんでしょうか。

 
廣川:着物をめぐる伝統的なカルチャー、特に「重ね」についての発見がありました。着物は襦袢や襟、帯や帯締めなど、いくつものレイヤーに分かれていて、色も含めて細かいところで変化をつけられるようなつくりになっているんです。着物だけでなく、料理や建築に至るまで、そうした「重ね」が日本の伝統的な文化の随所に見られるということに気づいて、素晴らしいな、と感じました。これは旅に出なければ気づくことのできなかったことで、その発見がプロダクトにつながっていったんです。

「イタリアの100都市以上を訪ねてみて、日本の良さに気がついた」(河辺)

西村:河辺さんはイタリアでの滞在が長かったですが、そうしたヒントを掴んだ瞬間はありましたか。

イベントの企画者、株式会社HEART CATCH代表の西村真里子さん

イベントの企画者、株式会社HEART CATCH代表の西村真里子さん

 
河辺:はい、貴重な経験をしましたね。私は2003年から5年間、イタリアにいました。週末になると車でブラブラと、仕事も兼ねて各地の自動車ディーラーを訪ねて行っていたんです。100都市以上は回りましたね。

 
西村:100都市! それはすごいですね……!

 
河辺:そこで気づいたのは、自分が普段いる場所に大切なものがある、ということでした。恥ずかしながら、日本にいるときにはなかなか気づけなかった日本の良さに気づいたんです。

レクサスインターナショナルの河辺徹也さん

レクサスインターナショナルの河辺徹也さん

 
河辺:イタリアでは一生を終えるまで、生まれた場所から半径50キロ、100キロの外に出ない人も多いんです。パスポートを持っていない人も珍しくありません。たとえばローマのある家族でいうと、夏は海沿いのサマーハウスで暮らしながら、父親はそこから会社に通う。冬は小一時間のところにあるスキー場のウィンターハウスに移って、そこで過ごす。そうした近場の土地での生活のなかに、季節ごとの色合いがあるんですね。それぞれの季節に、独特の海の色や空の色、山の色があるんです。
 
そうしたイタリアの豊かさについて知るうちに、日本も同じだな、と思ったんです。日本にも、食、衣服、建築にいたるまで、長い時間をかけて育てられてきた豊かな文化がある。日本人はそれをもっと大切にするべきだし、日本の文化はそのままで十分世界に通用するものではないか、ということをイタリア各地への旅で考えさせられました。

「西洋でも東洋でもない場所で、なぜか懐かしさを感じる」(河辺)

オマーン、スルタンカブースグランドモスクの美しいモザイクの天井(©Richard Yoshida, Shutterstock.com)

オマーン、スルタンカブースグランドモスクの美しいモザイクの天井(©Richard Yoshida, Shutterstock.com)

 
廣川:昨年、外務省の「日本ブランド発信事業」というプロジェクトで中東に行くことがあったんです。そのときに目の当たりにしたモザイク模様の美しさも、デザインに大きな影響を与えましたね。
 
約2万人を収容できる、オマーンの「スルタンカブースグランドモスク」を見学させてもらったんですが、本当に壮大でした。イスラム教は偶像崇拝が禁止なので、内部はほとんど何もなくガランとしているんですが、内装に施されたモザイクのタイルが素晴らしかったんです。訴えかけてくるような、それでいて包まれているような、ものすごい迫力でした。旅で得たこうした新鮮なインスピレーションを、服のかたちに落とし込んでいくこともしばしばです。

廣川さんがモスクのモザイクタイルからインスピレーションを受けてデザインした作品

廣川さんがモスクのモザイクタイルからインスピレーションを受けてデザインした作品

 
河辺:私はトルコやロシアにも行ったことがあるのですが、そうした西洋でも東洋でもないハイブリッドな人や文化に触れていると、どこか懐かしさを感じることがあるんです。私たち日本人のなかに眠っている、何十代も前に大陸からやって来た祖先のDNAについて、考えてしまいますね。

 
廣川:世界の国々を回っていると、一見まったく異なる文化を持つように見える地域でも、共通点や似ているところが随所に見つかって、「世界はひとつなんだな」と感じますよね。一方で、たとえばインドとスリランカのように、近くて似ているけれど細かい違いがある国もあって。それが面白いな、と思います。

「旅の経験は、語り合うことで価値が増す」(西村)

 
西村:旅の経験というものは、自分で消化するだけでなく、こうやって語り合うことでさらに価値が増すように感じますね。河辺さんが青山につくられた、カフェ兼イベントスペース「INTERSECT BY LEXUS」にも通じる気がします。デザイン、アート、音楽、テクノロジーなど、ジャンルの垣根を超えた才能と才能の「出会いの場所」としてつくられたものですよね。

 
河辺:新しい物事を生み出すためには、自分の経験以外について知見を深める場が必要だと感じているんです。何かに気づいて、そこから未来に向かって発信していく場所ですね。

 
廣川:私も、自分が感じたことは何かしらのかたちでシェアしたいという強い思いがあります。服を通じて分かち合うこともありますし、こうやってお互いが感動した旅の話をし合うことも、すごく楽しいし、心を豊かにしてくれますね。

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