見たいのは「非日常」。片桐はいりが語る、気ままな旅スタイル

INTERVIEW

片桐 はいり

Hairi Katagiri

  • 国内

9

古い映画館を求めて津々浦々

見たいのは「非日常」。片桐はいりが語る、気ままな旅スタイル

2018.07.09

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テレビドラマや映画、舞台、CMなど幅広く活躍する俳優、片桐はいりさん。彼女は大の「旅好き」として知られ、グアテマラに住む実弟を訪ねたときのことを綴った旅エッセイ『グアテマラの弟』や、映画『かもめ食堂』の撮影で滞在したフィンランドの思い出を綴った『わたしのマトカ』など、旅に関する書籍も多数出版している。さまざまな国を訪れてきた片桐さんの旅スタイルとは、果たしてどんなものなのだろう。そして、旅がもたらすものとは? 最近も北欧に行ってきたばかりだという片桐さんに話を聞いた。

取材・文:麦倉正樹 撮影:森山将人(ミリ)

行く先々で変わる調味料の味。その驚きが、旅好きにしてくれた

 
 
On Trip JAL編集部(以下、JAL):「旅好き」と知られる片桐さんですが、子どものころから旅がお好きだったのですか?

片桐はいり(以下、片桐):いや、子どものころは、そんなに好きじゃなかったですね。旅行の前の日に「行きたくない!」とか言って、親を困らせるタイプの子どもでした(笑)。

片桐はいりさん

片桐はいりさん

JAL:では、何がきっかけで旅好きに?
片桐:私は東京生まれの東京育ちで、いわゆる田舎という環境に対して漠然とした苦手意識があったんです。20代のころにお芝居の仕事で2か月間、四国を巡業することになったんですが、最初にその話を聞いたときは、「そんなに東京離れるの無理」って、もう半泣き! でも、実際行ってみたら、ものすごく楽しくなってしまったんですよね(笑)。

JAL:何が楽しかったのでしょう?

片桐:その公演は、四国各地の小さい町を転々としながらお芝居してまわるみたいな感じだったんですけど、行く先々で料理に使われている素材や味噌の味がちょっとずつ変わるのが、すごく面白かったんです。そのころはまだ、麦味噌なんて東京で買えなかったし、「何だこの甘い味噌は!」って。それがきっかけで、四国巡業がとても楽しくなってしまったんですよね。

あと、ちょうど高知特産品の果実、文旦の季節で、向こうでは巨大な袋に山ほど入って売っていて。それを買って、「おいしい、おいしい」って言いながら、毎日食べていたような気がします(笑)。結局、その四国公演のあとは、地方公演とか旅公演のお仕事を積極的にやるようになって。一人芝居、その他で47都道府県行ってないところはないですね。


JAL:旅が楽しいと思うようになったきっかけは、旅先の食事だったのですね。

片桐:最初はそうですね。というか若い時代は、旅に限らず、もう圧倒的に食べ物に関する興味で動いていたところがあったので(笑)。私の父は、当時営業マンとして47都道府県をまわっていて、その都度お土産としてその土地独特の食べ物を家族に買ってきていました。珍しいものを私たちに食べさせるのが趣味みたいな人だったんです。だから、私も自然と食べ物に興味を持つようになったんだと思います。

JAL:海外には、いつごろから行くようになったのですか?

片桐:それも同じ20代でしたね。バイト仲間と行った香港が最初の海外旅行でした。18歳のころから映画館でもぎり(映画館などの入り口や受付で入場券の半券をもぎ取ること)のアルバイトをずっとやっていたんですけど、その仕事仲間たちと一緒に行くことになって。

私は団体行動が苦手なタチですが、その旅行は基本的に自由行動で、晩御飯だけ一緒に食べようとか、何時にここで再集合とか、わりとユルい感じですごく楽しかった。そのときは、屋台を含めて、中華料理ばっかり食べていました。友だちは、「もう中華はいいよ」とか言って、最後のほうはホテルのレストランで食べたりしていたのに、私だけずっと中華を食べ続けて(笑)。

JAL:せっかく本場の中華が味わえるチャンスですもんね(笑)。

片桐:テレビCMやドラマなどのお仕事をするようになってからは、仕事で海外に行くことが多くなって。昔は景気がよかったので、撮影でサイパンやグアム、タイとか、いろいろな国に行くことができましたね。あとは、『かもめ食堂』という映画のお仕事で、約1か月半フィンランドに滞在したり。ただ、ひとりで海外に行ったのは、グアテマラが初めてでした。

JAL:じつの弟さんが、グアテマラに住んでいるとか。

片桐:はい。弟は、大学生くらいからバックパッカーとして世界中を旅行してまわるような人で、グアテマラでいまの奥さんと出会って、そこに住みついちゃったんです。当時、私たちはホント、口をきかない姉弟だったんですよね。だから、20代のころは、弟がどこの国に行ってたとか、そういうのも全然知りませんでした。弟も、私が何をやっているかなんて全然興味がなかったみたいだし。

でも、グアテマラで暮らすようになったと弟から突然聞かされたときは、さすがに少し心配になって。家族を代表して、ちょっと確かめてこいみたいな感じで、私が一人で訪ねることになったんです。旅を楽しむというよりは、使命感に駆られてですね。いま考えると、まったく知らない国によくぞ一人で行ったなって思いますけど(笑)。ただ、その経験をしたから、それ以降は、あまり観光客が行かないような国でも、平気でひとりで行けるようになりました。

観光名所じゃなくていい。その土地にいる人の話から、ストーリーを想像する

 
 
JAL:旅先では、主にどんなことをして過ごしていますか?

片桐:私はあまり観光名所には興味がないので、とりあえず、行く先々で映画館を探します。自分が映画館で働いていたこともあり、馴染みがあるというか、やっぱり気になるんですよね。どこの町を歩いていても、「映画館どこにあるんだろう?」と、つい気にしてしまいます。JALの機内誌の企画で、海外に連れて行っていただけたことも大きかったですね。おかげでいろんな国の映画館を見てきました。

JAL:特に思い出に残っている映画館はありますか?

片桐:ハワイ島に、私の名前と同じ「ハイリ・ストリート」という通りがあって、そこを海岸に向かって歩いて行くと、「パレス・シアター」という大きな映画館あるんです。見学させてもらいつつ、映画館のスタッフにいろいろ話を聞いたところ、ハワイ島の古くからある映画館の多くは、日系移民の方がつくったという話を聞いて。こんなに明るい陽ざしのなかで働きながら、休日には映画館の暗闇で故国の映画を観る。そのことに激しく心を揺さぶられました、いま想っても涙出てくるくらい(笑)。

JAL:いろいろな人間ドラマが隠されていそうですね。

片桐:そう。インドのデリーに行ったときも、ガイドみたいなおじさんに、「とにかく映画館に行きたい!」ってお願いしたら、自分が若いころに通っていた映画館に連れて行ってくれて、そこにまつわる自分のエピソードを聞かせてくれたり。そういう話を聞くのが好きなんですよね(笑)。

それに、映画館がある場所は繁華街であることが多いので、訪れた土地でまず映画館を探して、実際に行ってみれば、そこにいる人から、いろんな情報をもらうことができるんです。そうすると、知らない街でも安心して、結構歩けるような気がするんですよ。

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