五感で味わう海外スポーツ観戦旅行。楽しむためのポイントとは?

INTERVIEW

秋山 英宏

Hidehiro Akiyama

  • 国内

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スポーツライター秋山英宏が語る

五感で味わう海外スポーツ観戦旅行。楽しむためのポイントとは?

2018.05.01

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物書きとしての気持ちを高める旅の必需品

JAL:海外取材の必需品についてお聞きしたいのですが、必ず持っていくものはありますか?
 

秋山:やはりいつも持ち歩いている一番書きやすいノートとペンです。ここ4、5年はモレスキン社のA5サイズのノートと、三菱鉛筆の「ジェットストリーム」というボールペンの0.7mmタイプを使っています。
 

愛用するモレスキンのノート

愛用するモレスキンのノート

JAL:イタリアのモレスキンのノートに対して、ペンはシンプルな日本製なんですね。
 

秋山:あくまでも実用本位で、紙の質やインクの乗りを大事にしているんです。テニスの大きな大会の取材では、ペンを1本は絶対消費するので、3、4本は持っていかないとダメですね。試合後に選手へのインタビューがあるのですが、ICレコーダーで録音するものの、日本人選手の会見であれば、できるだけ一字一句を漏らさずにノートに書き留めておきたいんです。試合以外にも、当日の天候や自然環境のことなど、ノートにペンを走らせるようにしています。四大大会の取材に関していえば、プレスに渡されるIDパスはその大会の思い出の品として大切に持ち帰るし、オフィシャルグッズを買ってコレクションすることも楽しみのひとつですね。
 

秋山さんの取材旅行の必携アイテム。左からICレコーダー、プレス用のIDパス、モレスキンのノート、三菱鉛筆のボールペン

秋山さんの取材旅行の必携アイテム。左からICレコーダー、プレス用のIDパス、モレスキンのノート、三菱鉛筆のボールペン

スポーツ観戦の楽しみは試合だけじゃない。施設を五感で楽しむ

JAL:秋山さんはJALパックで四大大会の観戦ツアーを監修していますが、海外でスポーツ観戦をする際、参加者に必ず伝えていることはありますか?
 

秋山:あまり頑張って試合だけを観続けないということですね。テニスの試合って午前中から日付が変わる深夜まで続くこともありますし、炎天下もあれば急に寒くなることもあるので、すごく体力を消耗するんです。会場のなかはレストランが充実しているので、少し休憩をとって、そこでしか味わえない飲食を体験していただければと。観戦しつつ、施設や環境、雰囲気も楽しむということはスポーツ文化のひとつでもあると思います。大会自体を楽しむつもりで、五感を使ってスポーツ観戦を味わっていただきたいですね。
 
ロンドンで行われる『ウィンブルドン選手権』では、試合そっちのけで名物のストロベリー&クリームを食べたり、シャンパンを飲んでいる観客をよく見かけますが、それぐらいの姿勢がちょうど良いんだと思います。『全米オープン』ではカジュアルにアメリカのファーストフードを楽しみながら過ごしていただくなど、その場所らしい食を一緒に体感すればきっと記憶に残るはずですよ。

 

2018年『ウィンブルドン選手権』の見どころは若手の躍進、錦織圭選手の復帰

JAL:2018年7月に『ウィンブルドン選手権』が開催されますが、その見どころを教えてください。
 

秋山:男子はロジャー・フェデラー、ラファエル・ナダル、女子はセリーナビーナスのウィリアムズ姉妹を筆頭に実力者たちがいます。長年のトップランカーに対して若手選手がどんな試合をするのかが楽しみですね。

男子の若手でいえばドイツのアレクサンダー・ズベレフ選手や韓国のチョン・ヒョン選手、女子でいえば『BNPパリバ・オープン』でツアー初優勝を果たし大きな注目を浴びている20歳の大坂なおみ選手。上位選手の実力が落ちて、若手に追い越されるのではなく、お互いのコンディションが良好な状態で、若手選手の躍進により世代交代が起きるかもしれません。それが今年のウィンブルドンの見どころだと思います。

 

JAL:秋山さんは錦織圭選手を長年取材し続けていますが、2017年の怪我から復帰する彼の活躍は期待できるでしょうか?
 

秋山:錦織選手の取材はライフワークですね。ほかにも見たい選手はもちろんいますが、彼は何十年に1人の逸材ですし、人間的にも魅力があるので、引退するまで追い続けます。錦織選手の試合をはじめて観た『ジュニアデビスカップ』の取材は、はじめての『ウィンブルドン』取材に並んで印象深いですね。当時14歳の彼が5年後、10年後にどうなるんだろうと期待せずにはいられませんでした。
 

JAL:ほかの選手と比較して、どういった点で注目をされたのでしょうか。
 

秋山:テクニックが卓越していただけでなく、メンタリティーもプロと変わらないものを発揮していると感じました。彼のハートは14歳にして超一流の域に達していたんです。

スペインの強豪と対戦した試合でしたが、ゲーム間のブレークに錦織選手がベンチに戻ると、監督を完全に無視して、タオルを被って一人の世界に入り込んでいたんです。後日、監督に聞いたところ、あの瞬間は何も声をかけることができなかったと。どうしたら勝てるかをシミュレーションしている14歳の集中力に圧倒されたというんです。

 

JAL:すごいですね。
 

秋山:2017年の夏から怪我によって半年間の休養を強いられたというのは大きなハンデになっていますが、うまくいけば2018年夏の芝コートシーズン、遅くても8月の北米シーズンにはトップコンディションに戻っていくでしょうね。つまり、7月の『ウィンブルドン選手権』には試合勘が戻り100%に近いパフォーマンスを見せてくれるんじゃないかと期待しています。
 

JAL:観戦だけでなく観光も楽しむという意味で、ウィンブルドン周辺に秋山さんが足を運ぶスポットはありますか?
 

秋山:ロンドンってものすごく大きな公園が点在しているんですよね。ウィンブルドン・コモンという公園は日本とはまったく規模感がなり、公園にゴルフ場やラグビー場があるかと思えば、突然墓地が現れるんですよ。とにかく広くて、現地の人がどのように暮らし、ここで過ごしているのか参考になります。私自身は旅先でランニングシューズを持参してよくジョギングをするのですが、知らない場所をちょっと迷ったりしながら(笑)、走るのは楽しいですよ。市街地にもハイドパークなど広い公園があるので、ぜひ足を運んでいただきたいです。その土地に入り込んで、その瞬間に感じたことや目の前に広がる光景のディテールを旅の思い出に持ち帰っていただければと思います。
 

秋山英宏

1961年生まれ。大学卒業後、フリーランスライターとしてスポーツ分野を中心に雑誌、新聞で執筆活動を行なう。1987年よりテニスの取材を開始し、グランドスラムをはじめ、国内外の主要トーナメントを取材。『スポーツ・グラフィック・ナンバー』はじめ、テニス専門誌やWOWOWが運営するウェブメディアなどに多くの観戦レポート、インタビュー記事などを執筆している。日本テニス協会広報委員会副委員長を務め、同協会の出版物やメールマガジンなどにも寄稿している。『頂点への道』(文藝春秋)は錦織圭との共著。

掲載の内容は記事公開時点のもので、変更される場合があります。

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