1度の旅を何倍にも楽しむ。旅日記歴23年のプロのつくり方指南
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誰でも簡単に始められるコツ

1度の旅を何倍にも楽しむ。旅日記歴23年のプロのつくり方指南

2017.10.02

昔の旅行の写真を見返していると、すっかり忘れていたような思い出が蘇ってきて驚くことはありませんか? 美しい、楽しい思い出も、記録をしておかなければ、時間が経つにつれて徐々にあせていってしまうもの。今回は、そんな旅の思い出を鮮やかに残しながら、準備や旅行中の楽しさまで倍増させてくれる「旅日記」のつくり方についてご紹介します。
 
コツを教えてくれるのは、スペイン生まれでインド在住のフォトグラファー、イチャソ・ズニガさん。幼い頃から旅が大好きでしたが、16歳で一人旅をしたときから、旅日記をつくり始めたそうです。
 
旅先では、記録よりも旅そのものを楽しむことを大切にし、家に帰ってから旅日記を仕上げるというイチャソさん。ノートをつくっている時間は旅先の記憶が蘇り、もう一度旅をしているような気分を味わうことができるといいます。これまで20年以上をかけて、20冊以上の旅日記をつくってきたイチャソさんに、コツをお聞きしました。

日記をつくりながら旅を追体験。開くたびに、何度でも思い出が蘇る

16歳でイギリスに一人旅をしたときから、私は旅日記をつけ始めました。それは旅先で出会った人や風景の記憶、感動や興奮を、いつまでも残しておくためです。旅先では観光もしますが、やはり私はその土地の文化や地元の人々と触れ合うのが醍醐味だと思っています。

イチャソ・ズニカさん。フランスはプロヴァンス地方のラベンダー畑にて

イチャソ・ズニカさん。フランスはプロヴァンス地方のラベンダー畑にて

旅日記を始めてからすでに20年以上が経ち、20冊以上の旅日記をつくってきましたが、いまだにその素晴らしさに魅せられています。つくっている最中に旅を追体験できることに加え、時間が経ってからも、眺めるたびに何度も旅の気分を思い返すことができるんです。また、親しい人に旅先の素晴らしさや感動を共有するのにも、大いに役立ちます。

旅行中は素材を集めながら、現地での時間を楽しむ。本格的なノート作成は帰ってから

いつも、本格的な旅日記の制作は家に戻ってきてから行います。でも、どんなページをつくろうかと、旅の途中にもダイアリーのことをいろいろ考えています。感じたことや体験したこと、ページの構成のアイデアなど、旅をしながらノートに記録しておくんです。
 
旅行中は、電車やバスの切符、レシート、映画や劇場のチケット、飲み物などのラベル、小石や貝殻、草花、砂、土産もの、出会った人にもらったものなど、あとでページをつくるのに役立ちそうなものを集めておきます。トラベラーズカンパニーから発売されている旅好きのためのノート「トラベラーズノート」は、集めたさまざまなものをしまっておくのにとても便利です。いろいろなノートリフィルやパーツを革カバーにセットしてカスタマイズできるので、私はジッパーつきのポケットをつけて、ダイアリーの材料を保管しています。

イチャソさんの旅日記の1ページ。ポラロイドカメラの写真を写り込ませることで、個性的な写真に仕上がっている

イチャソさんの旅日記の1ページ。ポラロイドカメラの写真を写り込ませることで、個性的な写真に仕上がっている

また、私は旅行中にポラロイドカメラを活用しています。通常のカメラと違い、1枚しか同じものをプリントできないというところにロマンを感じます。また、ポラロイドカメラで撮影した写真は、時間が経つにつれて色が変化していきます。だからダイアリーに貼りつけると、ページの印象も徐々に変わっていく。普通のデジタルカメラやフィルムカメラで撮った写真と併用すると、ページにバリエーションがつけられますよ。

草花や小石など、印象的な景色の一部を貼りつけて。「3次元」を表現したノートに

旅から戻ってきたら、いよいよ旅日記の制作。私の場合、日付順ではなく印象深い場面ごとにページをまとめます。1つの見開きに対して1つのテーマを設定してつくっていくと、上手くいきます。
 
おすすめは、現地で拾った小石や貝殻、草花、砂などを、拾った場所で撮影した写真と一緒に貼りつけること。こうすることで、ノートは2次元から3次元に進化し、その場所にいたときに感じた空気感や、匂いまで思い出せるような気がします。

水に浮かんだ花びらの写真と、それを押し花にしたもので構成した見開き

水に浮かんだ花びらの写真と、それを押し花にしたもので構成した見開き

これは、インド南部の都市・コーチのホテルで撮影した写真。ホテルのなかにあった池なのですが、水の色がとても綺麗で、水面には私の大好きなプルメリアの花が浮かんでいました。押し花にすると鮮やかなピンク色は消えてしまうのですが、それでも思い出をとっておくのには十分です。

砂漠の写真と、持ち帰った砂で構成した見開き

砂漠の写真と、持ち帰った砂で構成した見開き

こちらはゴビ砂漠で撮影した写真です。砂漠から持ち帰った砂を一緒に貼りつけました。砂を貼るときのコツは、2度塗りすることです。ノート一面に液体糊を塗ってから砂をまんべんなく、たっぷりふりかけ、乾かしたあと、その上からさらにもう一度液体糊を塗り、砂を振りかけるんです。こうすれば、しっかりと貼りつけられます。
 
 

※公共の場所で自然物を採取する際には、マナーにご配慮いただくほか、場所によっては禁止されている場合もありますので、事前の確認をお願いいたします。また、個人所有の場所の場合は、許可を得てくださいますようお願いいたします。

旅行中に集めた写真やものを組み合わせ、ページをつくっていく

ほかにも、いくつか、みなさんに活用していただけそうな小技をご紹介しましょう。

こちらのページの例では、同じ場所で何度もシャッターをきり、いちばん良い写真を選んで1ページに大きく貼りつけています。ほかのショットも小さく一緒に載せることで、1枚だけよりも、そのときの光景をまるでショートフィルムのように鮮やかに思い出すことができますよ。

これはモンゴルに行ったときの旅日記の表紙です。ページを一部、四角く切り取って、窓のように見せました。モンゴルの空と、そこに浮かぶ真っ白な雲が印象的だったので、それが映えるような見せ方に。

こちらのページでは、スーパーにお買い物にいったときの思い出をまとめました。持って行った買い物リストとレシート、スーパーのなかの様子や、買ったものの写真を貼りつけました。

こちらも、モンゴルの旅日記より。旅で辿ったルートを地図に落とし込み、さまざまな町で撮った写真を1ページにまとめています。このページを開くと、3週間のモンゴルの旅路が蘇ります。

イラストや文章、数字でもOK。自分なりの楽しみ方を見つけてほしい

私はフォトグラファーなので、写真を主役にした旅日記をつくっています。でも、写真が苦手な人は、他のやり方でダイアリーを楽しんでほしいと思います。もちろん、イラストを描いたり、文字の日記や、物語や詩を書いたりするのでもオーケー。数字や計算が得意な人は、旅の出納帳をつけたり、旅に関わる数字——日付や時間、駅のプラットフォームや電車の番号、ホテルの客室番号など——をメモしたりするだけでも良いのです。

イチャソさんが旅の途中で撮影した写真。インド北部のヒンドゥー教の聖地、イラーハーバードにて

イチャソさんが旅の途中で撮影した写真。インド北部のヒンドゥー教の聖地、イラーハーバードにて

また、私は旅日記を「完成させない」ということも一つのコンセプトとしています。もし、あとになってからどこかにテキストを書き足したり、写真を変えたりしたいと思ったら、いつでも自由に変えていいと思っているんです。いつまでに完成させなければいけない、とか、完璧なものをつくらなければいけない、と思う必要はありません。その方が自由だし、楽しいですよ。
 
思い出の残し方は人それぞれ。自分自身が楽しめることをテーマにして、ぜひ、自分なりの旅日記をつくってみてほしいです。

 
 
私は旅行に出発する前から、ノートを使います。いつか行きたい場所のリストをつくったり、旅先で訪れたい場所や食べたいもの、天気予報をメモしたり。すると自然に、旅への気持ちも高まりますよ。旅行好きの方はぜひ、次の旅から始めてみてはいかがでしょうか。

イチャソ・ズニガ(Itxaso Zuñiga Ruiz)

1978年、スペイン生まれ。EFFC School of Photographyを卒業後、ロンドンのウェストミンスター大学にて写真を専攻。NGOに参加後、旅行雑誌などのフリーカメラマンとして活動しながら、バルセロナ大学の写真ラボで講師を務めた。2005年から2009年まで、東京に在住。現在はインドのデリーで暮らしながら、フリーランスとして活動している。
www.phototravelling.com

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