南ラグーンのロックアイランド群
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南ラグーンのロックアイランド群

2017.03.16

2012年に世界遺産(複合遺産)に登録に登録された、パラオ共和国の「南ラグーンのロックアイランド群」。約445の島々とラグーンが描き出す美しい自然と、そこに育まれた多様な生態系、そして人類の歴史を物語る遺跡の存在でも注目される複合遺産の魅力をご紹介します。

南ラグーンのロックアイランド群(パラオ共和国)
登録年:2012年
世界遺産の種類:複合遺産
登録基準:
●現存する、あるいはすでに消滅した文化的伝統や文明に関する独特な、あるいは稀な証拠を示していること。
●ある文化(または複数の文化)を特徴づけるような人類の伝統的集落や土地・海洋利用、あるいは人類と環境の相互作用を示す優れた例であること。特に抗しきれない歴史の流れによってその存続が危うくなっている場合。
●類例を見ない自然美および美的要素をもつ優れた自然現象、あるいは地域を含むこと。
●陸上、淡水域、沿岸および海洋の生態系、動植物群集の進化や発展において、進行しつつある重要な生態学的・生物学的過程を代表する顕著な例であること。
●学術上、あるいは保全上の観点から見て、顕著で普遍的な価値をもつ、絶滅のおそれがある種を含む、生物の多様性の野生状態における保全にとって、もっとも重要な自然の生育地を含むこと。

アクセス/パラオ国際空港からロックアイランドへの拠点となるコロール島まで約11㎞、車で約19分

パラオ共和国唯一の世界遺産 南ラグーンのロックアイランド群

パラオ共和国唯一の世界遺産 南ラグーンのロックアイランド群

日本から直行便でおよそ4時間50分、太平洋に浮かぶパラオ共和国は、無数の島々からなる海洋国家。パラオ最大の島バベルダオブ島やコロール島を中心におよそ2万1,000人の人々が暮らすこの国は、澄んだ海とラグーンが織りなす美しい風景に包まれる場所として知られています。そんなパラオで2012年に同国初の世界遺産として認定されたのが「南ラグーンのロックアイランド群」。ペルーの「マチュ・ピチュの歴史保護区」やオーストラリアの「ウルル-カタ・ジュタ国立公園」などと同様に、世界でも数少ない“複合遺産”として登録されるこの世界遺産には、数々の見どころが凝縮されています。

世界遺産に登録されているエリアは、コロール州に点在する約445もの島々からなるロックアイランド群と、その周辺に広がるサンゴ礁。ロックアイランドとは、太古のサンゴ礁が隆起してできた島々のことで、マッシュルームのような形が特徴。大小のロックアイランドに囲まれたエリアには52もの海洋湖が点在し、数多くの固有種や新種の動物が発見される生物多様性の宝庫としても知られています。また、これらの島々は紀元前3100年から2500年間にわたって人が住んでいた痕跡が残されており、その歴史的価値が複合遺産登録の決め手となっています。

セブンティ・アイランドや ミルキーウェイなど 多彩な絶景が待つ世界遺産へ

セブンティ・アイランドや ミルキーウェイなど 多彩な絶景が待つ世界遺産へ

「南ラグーンのロックアイランド群」の大きな魅力となっているのが、緑に包まれた大小の島々と真っ青な海が織りなす美しいパノラマ。この世界遺産を旅すれば、きっと次々に現れる見どころに驚くことでしょう。

たとえば、無数のロックアイランドのなかでもパラオを象徴する風景として知られるのが「セブンティ・アイランド」。希少な野生生物の保護区となっているためこのエリアに船で入ることはできませんが、ヘリコプターなどを使って空中から眺めることが可能。島々と海が描き出す鮮やかなグラデーションは、ため息が出るほどの美しさです。さらにロックアイランド周辺には、海底に沈殿した白い石灰質の泥の影響で、入浴剤を入れたような乳白色の海が広がる「ミルキーウェイ」や、透明度の高い海に純白の砂州が広がる「ロングビーチ」などの見どころも点在しています。

これらの見どころへは、コロールなどを起点にしたツアーでアクセスするのが一般的。「ミルキーウェイ」でシュノーケリングを楽しんだり、ロックアイランドの合間をカヤックで進んだり……。世界遺産を舞台にしたマリンアクティビティも豊富に揃っています。

固有の生態系と 人類の足跡を示す遺跡

固有の生態系と 人類の足跡を示す遺跡

「南ラグーンのロックアイランド群」の魅力は、美しい風景だけではありません。たとえば「ブルーコーナー」や「ブルーホール」など、世界屈指のダイビングスポットが点在するこの世界遺産では、マンタやジュゴン、ハンマーヘッドシャーク、ウミガメなど、数々の海洋生物との出合いも楽しめます。独自の自然環境から、多くの固有種や新種が生息する「南ラグーンのロックアイランド群」周辺の海域は、多種多様な魚類やサンゴ、サメやマンタが生息する野生生物の楽園。多様性に富んだ生物との出合いも、「南ラグーンのロックアイランド群」が誇る魅力のひとつといえるでしょう。

また、ロックアイランドに点在する洞窟には、かつて人々がこの場所に住んだことを物語る壁画「ロックペインティング」や「ストーンマネー(石の貨幣)」が採掘された痕跡なども残されています。紀元前から、永きにわたって人が住んでいたとされるロックアイランドには、人類の足跡を物語る場所が点在。悠久の昔から紡がれてきた、人類の歴史に思いを馳せることができるのです。

サンゴの海とロックアイランドが描き出す美しい風景、そこに生息する多様な野生生物、そして連綿と受け継がれてきた人類の記憶……。幾重にも折り重なる多彩な魅力こそが、複合遺産「南ラグーンのロックアイランド群」を旅する醍醐味なのです。

ひとことコメント

年間を通じて温暖な気候を楽しめるパラオですが、旅のベストシーズンとなるのが、乾季を迎える11月~5月ごろの時期です。「南ラグーンのロックアイランド群」への拠点となるコロール周辺には、設備の整ったリゾートホテルも点在。南国特有のゆるやかな時間の流れとともに、世界遺産観光を楽しめます!
旅ライター/吉原徹

掲載の内容は記事公開時点のもので、変更される場合があります。

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