南半球を代表するオーストラリアの「大都会」シドニー。その中心地はビジネス街ですが、街のすぐ周囲には豊かな大自然が広がっています。そんな恵まれた環境で過ごすローカルたちは、一年中サーフィンができる美しい海でマリンスポーツを楽しんだり、絶景のウォーキングコースを歩いたりと、健康的なライフスタイルを謳歌しているそうです。今回はそんなシドニーっ子たちが通う、ローカルなスポットを現地ライターがご案内します。
文:平野美紀

伝説が残るブルーマウンテンズで、現代アボリジニの芸術に触れる

Waradah Aboriginal Centre(ワラダ アボリジナル センター)

画像: Waradah Aboriginal Centre(ワラダ アボリジナル センター)

Waradah Aboriginal Centre(ワラダ アボリジナル センター)

シドニーに訪れたらまず足を延ばしたいのが、世界遺産に指定されている国立公園「ブルーマウンテンズ」。都市部からの日帰り観光地として旅行客に人気の場所ですが、地元の人たちにとっても、週末の気軽なピクニック先のひとつです。

ブルーマウンテンズの最大の見どころは、大自然のなかに佇む3つの巨大な岩「スリーシスターズ」。この地に暮らす先住民・アボリジニの美しい3姉妹が、遠い昔に魔術によって姿を変えられたものという言い伝えがある岩です。

そんな伝説がいまもなお息づくスリーシスターズのそばで、アボリジニ文化を体験できるのが「ワラダアボリジナルセンター」。現代のアボリジナルアーティストが描いた作品を展示したギャラリーのほか、伝統的なダンスのパフォーマンスを見学することができます。ギャラリーでお気に入りの作品を探したり、併設されたショップでアボリジナルアートをモチーフにしたお土産探しもオススメです。

画像: アボリジナルダンサー

アボリジナルダンサー

また、シドニー中心部からブルーマウンテンズに向かう道中には「Featherdale Wildlife Park(フェザーデールワイルドライフパーク)」という自然動物園があり、コアラやカンガルー、ワラビーなどの動物の姿を見ることができます。お時間のある方はこちらも立ち寄ってみてはいかがでしょうか?

画像: Featherdale Wildlife Park(フェザーデールワイルドライフパーク)はシドニー市内で野生のコアラを見ることができる唯一の場所

Featherdale Wildlife Park(フェザーデールワイルドライフパーク)はシドニー市内で野生のコアラを見ることができる唯一の場所

Waradah Aboriginal Centre(ワラダ アボリジナル センター)
定休日なし
営業時間9:00〜17:00
公式HPhttp://waradahaboriginalcentre.com.au/
住所World Heritage Plaza, 33-37 Echo Point Rd, Katoomba NSW 2780
Featherdale Wildlife Park(フェザーデールワイルドライフパーク)
定休日なし
営業時間9:00〜17:00
公式HPhttps://www.featherdale.com.au/
住所217 Kildare Rd, Doonside NSW 2767

シドニーの街並みを海から眺め、隠れ家ビーチで贅沢な時間を過ごす

Sydney Harbour Kayaks(シドニー ハーバー カヤックス)

画像: Sydney Harbour Kayaks(シドニー ハーバー カヤックス)

Sydney Harbour Kayaks(シドニー ハーバー カヤックス)

世界三大美港にも数えられるハーバーシティであり、サーフ&ビーチカルチャーの聖地としても知られるシドニー。マリンスポーツがライフスタイルの一部というローカルのような過ごし方を体験するなら、オススメなのがシーカヤックです。美しい景色が楽しめるうえにエクササイズにもなるカヤックは、地元の家族連れから人気のアクティビティーです。

都会の喧騒を離れ、波が少ない入り江の浅瀬からカヤックを漕ぎ出せば、そこはもう別世界。誰もいない小さなビーチでのんびりしたり、海の上を漂いながら高層ビルが立ち並ぶ街を眺めたりするひとときは、なんとも贅沢な時間。海上からみるシドニーの姿は、街を歩いて回るのとはまた違った魅力があり、きっと記憶に残るはず。

カヤックは時間単位でレンタルすることも可能ですが、初めての人でも安心して参加できるガイドつきツアーがおすすめです。

Sydney Harbour Kayaks(シドニー ハーバー カヤックス)
定休日なし
営業時間9:00〜17:00(月~金)、7:30〜17:00(土、日)
Webhttps://www.sydneyharbourkayaks.com.au/
住所81 Parriwi Road, Smith's Boat Shed / Spit Bridge, Mosman NSW 2088

潮風感じるテラス席で一杯。お酒も料理も絶品のローカルなパブ

The Tilbury Hotel(ザ ティルバリー ホテル)

画像: The Tilbury Hotel(ザ ティルバリー ホテル)

The Tilbury Hotel(ザ ティルバリー ホテル)

シドニー中心部の東側、ウールムールー地区の住宅街には「ザ ティルバリー ホテル」という名のパブがひっそりと建っています。ガーデンアイランドと呼ばれる港のすぐ近くにあり、コートヤード(中庭)やデッキには心地いい潮風が流れ込むこともあって大人気なこのお店。気さくなシドニーっ子に混じってローカル気分で過ごせる、とっておきの場所のひとつです。

画像: フードメニューが充実しているのも魅力のひとつ

フードメニューが充実しているのも魅力のひとつ

朝から晩まで営業しているので、木漏れ日の下でのランチはもちろん、夕暮れを楽しみながらのディナーにもおすすめ。お店の前のテラス席でちょっと一杯ひっかけるも良し、食べごたえのあるお料理をしっかり食べるも良しと、使い勝手のいいお店です。王立植物園から歩ける距離にありますので、サマータイムの季節はそぞろ歩きしながら、ふらっと足を運んでみてはいかがでしょうか?

The Tilbury Hotel(ザ ティルバリー ホテル)
定休日なし
営業時間9:00〜24:00(月~金)、10:00〜24:00(土)、10:00〜22:00(日)
Webhttp://tilburyhotel.com.au/
住所12-18 Nicholson St, Woolloomooloo NSW 2011

シドニー屈指の絶景スポット。展望台から望む南太平洋とビル群のコントラスト

North Head Lookout(ノースヘッド ルックアウト)

画像: フェアファックス ルックアウトからの眺め。奥にはシドニーのビル群が広がる

フェアファックス ルックアウトからの眺め。奥にはシドニーのビル群が広がる

「ノースヘッド」は南太平洋の大海原に切り立った断崖絶壁と、シドニーのビル群を一望できる屈指の絶景スポット。この一帯は、シドニー湾国立公園の一部として指定されているため豊かな自然が残っています。

ノースヘッドにはシドニーの街が良く見える「フェアファックス ルックアウト」と、オーストラリア大陸東端の断崖絶壁が見える「アーティラリー ルックアウト」という2つの展望台があります。おすすめは両方をつなぐ周遊コースを歩いて回ること。春から夏にかけてはさまざまな種のワイルドフラワー(オーストラリア固有の野花)が咲き誇り、シドニーの自然を身近に感じられます。

画像: アーティラリー ルックアウトからの眺め。オーストラリア大陸東端の迫力ある断崖絶壁が広がる

アーティラリー ルックアウトからの眺め。オーストラリア大陸東端の迫力ある断崖絶壁が広がる

展望台へのアクセスはバスが便利です。フェアファックス ルックアウトは「旧検疫所(Quarantine)」で下車し、ウォーキングコースを20分ほど歩いたところにあるので、ピクニックやトレッキングの準備をしてお出かけを。

North Head Lookout(ノース ヘッド ルックアウト)
定休日なし
営業時間6:00~20:00 ※ゲートがあり、時間外は閉鎖されます。
Webhttps://www.nationalparks.nsw.gov.au/things-to-do/lookouts/north-head
住所North Head, Sydney Harbour National Park

美しい海とアボリジニの遺構。ローカルに人気のハイキングコースを歩く

Sydney Harbour Coastal Walk - Manly to Spit Bridge Walk(シドニー ハーバー コースタル ウォークマンリー~スピット橋ウォーク)

画像: シドニー ハーバー コースタル ウォーク マンリー~スピット橋ウォーク

シドニー ハーバー コースタル ウォーク マンリー~スピット橋ウォーク

シドニー ハーバー コースタル ウォーク マンリー~スピット橋ウォーク

シドニー湾に沿ったエリアは「シドニー湾国立公園」に指定されるほど豊かな生態系が残されています。その自然を手軽に楽しむことができる遊歩道が「シドニー ハーバー コースタル ウォーク」。日常の散歩やエクササイズの場として、地元の人たちから親しまれています。

また、そのなかでもっとも変化に富んでいるのがマンリーとスピット橋を結ぶウォーキングコースです。気持ちのいい湾沿いを歩く遊歩道は、全長約20km。美しい自然はもちろん、かつてこの地に暮らしていたアボリジニの遺構を間近に見ることができるので、観光目的で訪れるにもオススメのスポット。

画像: ところどころで現れる絶景も見逃せない

ところどころで現れる絶景も見逃せない

コース上には、アボリジニたちが岩に刻んだロックアートをはじめ、彼らが風雨避けや寝床として利用した洞穴、罠を仕掛けて魚を採った入り江などが次々と現れます。また、珍しいワイルドフラワーのほか、恐竜のような風貌の大トカゲの姿が見られることも! 都会のすぐ近くに残されているアボリジニの遺構と豊かな自然に、きっと驚くはずです。

画像: その昔、アボリジニたちが使っていた岩の洞穴

その昔、アボリジニたちが使っていた岩の洞穴

※このコースは12kmほどの距離を大人が約5時間で歩けるように整備されています。子どもは大丈夫ですが、昇り降りが多く、階段や狭い箇所などもあるため、車椅子での周遊は難しいです。

Sydney Harbour Coastal Walk - Manly to Spit Bridge Walk(シドニー ハーバー コースタル ウォークマンリー~スピット橋ウォーク)
Webhttps://www.sydney.com/things-to-do/nature-and-parks/walks/manly-to-spit-bridge-walk
住所Sydney Harbour National Park

平野美紀

環境トラベルジャーナリスト / ライター。1998年よりシドニー在住。環境、自然、エコを考える旅をテーマに活動を行なっている

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